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緒方 裕大*; 井口 裕介*; 徳田 誠*; Januszko, K.*; Khandaker, J. I.*; 小野 正雄; 真下 茂*
Journal of Applied Physics, 117(12), p.125902_1 - 125902_6, 2015/03
被引用回数:9 パーセンタイル:37.65(Physics, Applied)To investigate diffusion phenomenon at the interface between Cu and brass under a strong gravitational field generated by ultracentrifuge apparatus, we performed gravity experiments on samples prepared by electroplating with interfaces normal and parallel to the direction of gravity. For the parallel-mode sample, for which sedimentation cannot occur thorough the interface, the concentration change was significant within the lower gravity region; many pores were observed in this region. Many vacancies arising from crystal strain due to the strong gravitational field moved into the lower gravity region, and enhanced the atoms mobilities. For the two normal-mode samples, which have interface normal to the direction of gravity, the composition gradient of the brass-on- Cu sample was steeper than that for Cu-on-brass. This showed that the atoms of denser Cu diffuse in the direction of gravity, whereas Zn atoms diffuse in the opposite direction by sedimentation. The interdiffusion coefficients became higher in the Cu-on-brass sample, and became lower in the brass-on-Cu sample. This rise may be related to the behavior of the vacancies.
大河内 拓雄*; 利光 孝文*; 山上 浩志; 藤森 伸一; 保井 晃; 竹田 幸治; 岡根 哲夫; 斎藤 祐児; 藤森 淳; 宮内 裕一朗*; et al.
Journal of the Physical Society of Japan, 78(8), p.084802_1 - 084802_6, 2009/08
被引用回数:10 パーセンタイル:54.41(Physics, Multidisciplinary)結晶構造に空間反転対称性を持たない超伝導体CeIrSiに対してCe 34共鳴角度分解光電子分光を行い、4バンド構造とフェルミ面を得た。その結果、Ce 4状態はフェルミ準位近傍に位置することがわかり、フェルミ準位を横切る伝導バンドが共鳴増大を示した。さらに、CeIrSiのバンド分散とフェルミ面は、4電子を持たない参照物質LaIrSiのそれとは異なり、その違いは局所密度近似(LDA)による電子状態計算によりよく説明できることを見いだした。これらの結果は、CeIrSiの4電子は伝導電子とよく混成し、遍歴的な電子状態を形成していることを示唆している。
摂待 力生*; 河井 友也*; 宮内 裕一朗*; 奥田 悠介*; 大貫 惇睦; 竹内 徹也*; 立岩 尚之; 松田 達磨; 芳賀 芳範; 播磨 尚朝*
固体物理, 43(8), p.459 - 474, 2008/08
CeIrSiは反強磁性体であるが圧力を加えるとネール温度が減少し、やがて超伝導が発現する。この物質は結晶構造に反転中心を持たないため、通常とは異なる対称性の超伝導状態が実現している可能性がある。特に、量子臨界点付近で上部臨界磁場が異常に増大するなどの特徴が観測された。
立岩 尚之; 芳賀 芳範; 松田 達磨; 池田 修悟; 山本 悦嗣; 奥田 悠介*; 宮内 裕一郎*; 摂待 力生*; 大貫 惇睦
Journal of Physics; Conference Series, 121(5), p.052001_1 - 052001_5, 2008/07
被引用回数:2 パーセンタイル:60.72(Physics, Multidisciplinary)結晶構造に反転対称性のないCeIrSiの高圧研究を行った。一つの試料を用いて電気抵抗率と交流比熱の両方を測定した。反強磁性臨界圧力は=2.25GPaと決定された。臨界圧力近傍で反強磁性転移と超伝導転移に対応する比熱異常が観測された。両秩序状態の共存について議論する。超伝導は3.5GPaまでの高圧領域まで存在する。超伝導転移温度はGPaの圧力領域で最大値1.6Kを示す。2.58GPaでは大きな比熱異常が超伝導転移温度で観測された。比熱異常の大きさは5.7である。この値はこれまで報告された超伝導物質の中でも最大値であり、強結合超伝導が実現していることを示唆する。
立岩 尚之; 芳賀 芳範; 池田 修悟; 松田 達磨; 山本 悦嗣; 奥田 悠介*; 宮内 裕一朗*; 摂待 力生*; 大貫 惇睦*
Physica B; Condensed Matter, 403(5-9), p.1156 - 1158, 2008/04
被引用回数:1 パーセンタイル:6.27(Physics, Condensed Matter)結晶構造に反転対称性のないCeIrSiの電気抵抗と比熱を測定し圧力誘起超伝導の研究を行った。2.58GPaでは超伝導転移温度T=1.6Kにおいて電気抵抗のゼロ抵抗が観測され、超伝導転移に伴う巨大な比熱異常が観測された。比熱の飛びは=5.7である。この値はこれまで報告された超伝導物質の中で最大の値であり、強結合超伝導状態が成立していることを示唆する。また、2.58GPaにおける電子比熱係数は、10020mJ/Kmol程度と見積もられた。この値は常圧におけるそれに近い値である。
本多 史憲; 目時 直人; 松田 達磨; 芳賀 芳範; Thamizhavel, A.*; 奥田 悠介*; 摂待 力生*; 大貫 惇睦
Journal of Alloys and Compounds, 451(1-2), p.504 - 506, 2008/02
被引用回数:6 パーセンタイル:39.40(Chemistry, Physical)T=5.0KとT=4.2Kの2つの磁気転移を示す反強磁性体CeNiGeの基底状態における磁気構造を中性子散乱実験によって明らかにした。2.8Kにおいて磁気反射の探索を行ったところ、伝播ベクトル=[0 1 0]で表される磁気Bragg反射を確認した。得られた相対強度はCeモーメントが面内に存在し、軸から20度程度傾いた反強磁性構造で説明されることがわかった。またこれまで、この物質ではT以下で一つの磁気構造を示すと考えられていたが、この磁気構造は温度を上げると4.2Kで一次転移的に消失することを突き止めた。
立岩 尚之; 芳賀 芳範; 松田 達磨; 池田 修悟; 山本 悦嗣; 奥田 悠介*; 宮内 裕一郎*; 摂待 力生*; 大貫 惇睦
Journal of the Physical Society of Japan, 76(8), p.083706_1 - 083706_4, 2007/08
被引用回数:52 パーセンタイル:99.65(Physics, Multidisciplinary)結晶構造に反転対称性のないCeIrSiの高圧研究を行った。電気抵抗測定と比熱測定を同一試料で行った。反強磁性状態の臨界圧力は2.25GPaと決定された。超伝導状態は3.5GPaまで存在し、2.52.7GPa近辺で超伝導転移温度は最大値=1.6Kを示す。2.58GPaでは超伝導転移温度で転移に伴う巨大な比熱異常が観測された。比熱の飛びの大きさは5.7である。この値は過去報告された超伝導物質の中でも最大値を示し、強結合超伝導状態が実現していることが示唆される。
奥田 悠介*; 宮内 裕一朗*; 伊田 勇輝*; 武田 勇司*; 戸野広 智絵*; 大槌 泰弘*; 山田 勉*; Nguyen, D.; 松田 達磨; 芳賀 芳範; et al.
Journal of the Physical Society of Japan, 76(4), p.044708_1 - 044708_11, 2007/04
被引用回数:87 パーセンタイル:91.70(Physics, Multidisciplinary)反転中心を持たない超伝導体CeIrSi及びLaIrSiの単結晶育成に成功し、磁性,超伝導及びFermi面を明らかにした。LaIrSiのフェルミ面は、反転中心がないことを反映し、スピン軌道相互作用による分裂が明確に観測される。一方圧力により、反強磁性体CeIrSiは超伝導体へと変化する。そこでの上部臨界磁場は異方的である。これは、反転中心がない場合の理論的予測と一致する。
Nguyen, D.; 芳賀 芳範; 松田 達磨; 山田 勉*; Thamizhavel, A.*; 奥田 悠介*; 竹内 徹也*; 杉山 清寛*; 萩原 政幸*; 金道 浩一*; et al.
Journal of the Physical Society of Japan, 76(2), p.024702_1 - 024702_6, 2007/02
被引用回数:5 パーセンタイル:37.21(Physics, Multidisciplinary)斜方晶CePdSiの単結晶育成に成功し、その構造を決定したほか電気抵抗,比熱,磁化測定を行った。7.2Kにおいて反強磁性秩序を確認し、比較的大きな電子比熱係数77mJ/KmolCeを有することを明らかにした。磁化容易軸は001方向で、=1.3/Ceの飽和磁化を持つ。これらの磁性は結晶場モデルによってよく理解でき、励起状態は87Kと504Kにあると見積もられた。
河井 友也*; 奥田 悠介*; 宍戸 寛明*; Thamizhavel, A.*; 松田 達磨; 芳賀 芳範; 中島 美帆*; 竹内 徹也*; 辺土 正人*; 上床 美也*; et al.
Journal of the Physical Society of Japan, 76(1), p.014710_1 - 014710_6, 2007/01
被引用回数:22 パーセンタイル:70.91(Physics, Multidisciplinary)反転中心を持たない化合物CePtSiの単結晶育成に成功した。二つの反強磁性転移を4.8及び2.4Kにおいて見いだした。秩序モーメントはCeあたり1.15であり、[100]方向を容易軸方向とする。同じ構造で圧力超伝導を示すCeIrSiと比較すると、磁気異方性は似ているが、CePtSiはより強い磁性を示す。
Thamizhavel, A.*; 宍戸 寛明*; 奥田 悠介*; 播磨 尚朝*; 松田 達磨; 芳賀 芳範; 摂待 力生*; 大貫 惇睦
Journal of the Physical Society of Japan, 75(4), p.044711_1 - 044711_7, 2006/06
被引用回数:27 パーセンタイル:75.10(Physics, Multidisciplinary)空間反転対称性を持たない反強磁性物質CeCoGeと参照物質であるLaCoGeのドハース・ファンアルフェン効果測定実験を行った。両物質において非常に似たフェルミ面の極値断面積を観測した。LaCoGeで観測されたドハース・ファンアルフェン効果測定から得られるブランチは、エネルギーバンド計算によって、よく理解される。それらには3つのタイプの補償されたフェルミ面が存在する。それぞれについて2つの酷似したフェルミ面から成り、空間反転対称性の破れた構造によって理解される。CeCoGeで観測されるメインのブランチのサイクロトロン有効質量は、10と比較的大きな値を持つことがわかった。
Thamizhavel, A.*; 杉谷 一朗*; 大開 美子*; 中島 美帆*; 奥田 悠介*; 松田 達磨; 芳賀 芳範; 竹内 徹也*; 杉山 清寛*; 摂待 力生*; et al.
Physica B; Condensed Matter, 378-380, p.841 - 842, 2006/05
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Physics, Condensed Matter)斜方晶CeNiGe単結晶育成をフラックス法により成功した。電気抵抗率,磁化率,比熱により、CeNiGe異方的な磁性を調べ、2つの相転移点があることを明らかにした。さらに、電気抵抗率及び帯磁率は強い異方性を示すことがわかった。電子比熱係数は、90mJ/Kmolであることを明らかにした。
杉谷 一朗*; 奥田 悠介*; 宍戸 寛明*; 山田 勉*; Thamizhavel, A.*; 山本 悦嗣; 松田 達磨; 芳賀 芳範; 竹内 徹也*; 摂待 力生*; et al.
Journal of the Physical Society of Japan, 75(4), p.043703_1 - 043703_4, 2006/04
被引用回数:338 パーセンタイル:98.82(Physics, Multidisciplinary)CeIrSiは、空間反転対称性を持たない反強磁性体である。この物質の圧力誘起超伝導状態を発見したので報告する。圧力によって、常圧での反強磁性転移温度5Kは、単調に減少していき、約2.5GPaにおいて消失する。超伝導状態は、1.8GPa3.5GPaの広い範囲で観測され、転移温度と上部臨界磁場も比較的高い1.6Kと11.1Tである。このことは重い電子超伝導状態を示唆している。
立岩 尚之; 芳賀 芳範; 松田 達磨; 池田 修悟; 山本 悦嗣; 奥田 悠介*; 宮内 裕一郎*; 摂待 力生*; 大貫 惇睦
no journal, ,
反転対称性のない圧力誘起超伝導物質CeIrSiについて高圧研究を行った。反強磁性状態の臨界圧力は=2.25GPaと決定された。反強磁性と超伝導状態の共存問題について議論を行う。超伝導状態はおよそ3.5GPaまで存在し、超伝導転移温度はGPaを1.6Kの最大値を示す。2.58GPaでは、超伝導転移に伴う大きな比熱異常が観測された。比熱の飛びは5.7であり、既存の超伝導物質の中で最大値を示す。CeIrSiでは強結合超伝導が実現していることが示唆される。
立岩 尚之; 芳賀 芳範; 松田 達磨; 池田 修悟; 宮内 裕一朗*; 奥田 悠介*; 摂待 力生*; 大貫 惇睦
no journal, ,
最近、結晶構造に反転対称性のない超伝導物質が多くの興味を集めている。理論的に混合パリティ型のクーパー対が形成されていると予測されており、現在多くの研究が活発に行われている。CeIrSiは立方晶BaNiSn型結晶構造を形成し反転対称性がない化合物である。この物質は常圧で=5.0Kの反強磁性物質であるが、2GPa以上で超伝導が出現する。本研究では、CeIrSiの高圧下比熱・電気抵抗測定を行った。特にゼロ抵抗でみた"超伝導相"とバルクの超伝導相の関係を、電気抵抗・比熱の同時測定から調べた。
佐藤 薫; 高橋 史明; 古場 裕介*; 小野 孝二*; 吉武 貴康*; 長谷川 隆幸*; 勝沼 泰*; 笠原 哲治*; 奥田 保男*; 仲田 佳広*; et al.
no journal, ,
国内での医療機関におけるCT診断による患者の被ばく線量計算での適用を目的として、原子力機構が放射線医学総合研究所(現:量子科学技術研究開発機構)等との共同研究の下で開発したシステムWAZA-ARIv2が2015年1月以降、量子科学技術研究開発機構の公開サーバーで運用されている。WAZA-ARIv2では、成人については平均的体格に加えて、胸囲, 腹囲, 臀囲の平均値に対して-2, +2, +5の変動を持たせた3つの体格の被ばく線量計算が可能である。一方、同じ成人でも身長は分布を持つため、発表者が開発した体格変形ファントムのボクセルサイズを高さ方向については-1613%、水平方向については-105%増減させることで、身長を150, 160, 170, 180, 190cmにBMIを18, 22, 28, 37に調整し、CT診断に伴う臓器線量を解析した。その結果、肺及び唾液腺の線量は身長の増加に伴って減少した。また、BMIの増加に伴う肺線量の減少率は、唾液腺線量の減少率よりも大きかった。以上の結果は、唾液腺が位置する頭部の皮下軟組織厚は、肺が位置する胸部よりも薄く、CT装置からの放出X線に対する遮蔽効果が小さいことが原因である。
佐藤 薫; 高橋 史明; 古場 裕介*; 小野 孝二*; 吉武 貴康*; 長谷川 隆幸*; 勝沼 泰*; 笠原 哲治*; 奥田 保男*; 仲田 佳広*; et al.
no journal, ,
国内でのCT診断による患者被ばく線量の計算を目的として、原子力機構が放射線医学総合研究所(量子科学技術研究開発機構: QST)等との共同研究の下で開発したwebシステムWAZA-ARIv2がQSTの公開サーバーで運用されている。WAZA-ARIv2では、日本人平均身長を有するBMIが18, 22, 28, 37相当の成人男女ファントムの臓器線量データに基づいた評価が可能である。今回、我々は、任意体格の成人患者の線量計算に対してもWAZA-ARIv2を適用できるように機能を拡張するため、開発した体格変形ファントムのボクセルの高さ及び水平方向の長さを調整することで、成人日本人の約99%が含まれる体格範囲(男性: 153-187cm及び41-89kg、女性: 140-170cm及び33-73kg)を模擬し、この範囲の体格変化が臓器線量に及ぼす影響を解析した。その結果、全身撮影条件で男性の肺線量は、身長の変動に関係なく4%以内となる一方、体重が40kgから90kgに増加した場合の減少率は36-47%であった。同様の傾向は甲状腺でもあり、体重変化に伴う皮下軟組織厚の変化が線量に対して大きな影響因子になることがわかった。
利光 孝文; 大河内 拓雄; 保井 晃; 小林 正起*; 竹田 幸治; 岡根 哲夫; 斎藤 祐児; 藤森 淳; 山上 浩志; 宮内 裕一朗*; et al.
no journal, ,
CeIrSiは電気抵抗測定,磁化測定,dHvA効果測定実験が行われており、空間反転対称性のない物質で、高圧下超伝導状態が確認されている物質である。SPring-8 BL23SU軟X線ビームラインにおいて、同じ結晶構造を持つ物質CeIrSi, LaIrSiの単結晶の角度分解光電子分光を測定し、CeIrSiとLaIrSiを比べてどのような変化が見られるのかを調べた。この変化はCe 4電子が引き起こすものであると考えることができる。測定温度は20K,入射光エネルギーh=745eV(CeIrSi), h=742eV(LaIrSi)を用いて、ほぼ同じ面に対して角度分解光電子分光測定を行い、バンド分散及びフェルミ面マッピングを得た。図1には、LaIrSi, CeIrSiのバンド分散図を示した。点付近,Z点付近のフェルミ準位近傍ではバンド形状に大きな差異が見られ、2eV以下ではそのままのバンド形状でLaIrSiよりもCeIrSiの方が全体的に数100meVほど下がった形状になっている。フェルミ準位付近のバンド形状の差異はフェルミ面にも現れており、また、バンド計算での結果もこの実験の傾向とよい一致を示している。講演ではLaIrSi, CeIrSiのそれぞれのバンド分散図,フェルミ面マッピング、そして各々のバンド計算との比較も同時に議論する。
大河内 拓雄; 保井 晃; 竹田 幸治; 岡根 哲夫; 斎藤 祐児; 藤森 淳*; 山上 浩志; 宮内 裕一朗*; 奥田 悠介*; 摂待 力生*; et al.
no journal, ,
結晶構造に反転対称性を持たない超伝導体として知られているCeIrSiについて、軟X線角度分解光電子分光を用いて、常磁性・正常状態におけるバルク4電子状態を調べた。34共鳴角度分解光電子分光及び、4を持たないLaIrSiの角度分解光電子分光スペクトルとの比較より、フェルミ準位を横切る伝導バンドに4状態がよく混成していることを示唆する結果が得られた。
本多 史憲; 目時 直人; 松田 達磨; 芳賀 芳範; Tamizhavel, A.*; 奥田 悠介*; 摂待 力生*; 大貫 惇睦
no journal, ,
斜方晶CeNiGeはT=4.9Kの反強磁性体であり、T*=4.3Kで一次相転移を示すことが比熱や帯磁率の測定から知られている。この物質は圧力下で磁性が次第に消失し、Tがゼロとなるいわゆる量子臨界点近傍で超伝導を示すことが知られている。われわれはこの物質の常圧下における磁気構造を調べるため中性子回折実験を行った。2.8Kにおいて磁気反射の探索を行ったところ、伝播ベクトルq=(0 1 0)で表される磁気Bragg反射を確認した。得られた相対強度はほぼa軸に向いたCeのモーメントがb軸方向に反強磁性的に配列した構造で説明されることがわかった。またこれまではこの物質はT以下で一つの磁気構造を示すと考えられていたが、この磁気構造は温度を上げるとT*で一次転移的に消失することを明らかにした。