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小山 真一; 池内 宏知; 三次 岳志; 前田 宏治; 佐々木 新治; 大西 貴士; Tsai, T.-H.; 高野 公秀; 深谷 洋行; 中村 聡志; et al.
廃炉・汚染水・処理水対策事業事務局ホームページ(インターネット), 216 Pages, 2023/11
令和3年度及び4年度に原子力機構が補助事業者となって実施した令和3年度開始「廃炉・汚染水対策事業費補助金に係る補助事業(燃料デブリの性状把握のための分析・推定技術の開発(燃料デブリの分析精度向上、熱挙動の推定及び簡易分析のための技術開発))」の成果概要を最終報告として取りまとめた。本報告資料は、廃炉・汚染水・処理水対策事業事務局ウェブサイトにて公開される。
大西 貴士; 関岡 健*; 須藤 光雄*; 田中 康介; 小山 真一; 稲葉 優介*; 高橋 秀治*; 針貝 美樹*; 竹下 健二*
Energy Procedia, 131, p.151 - 156, 2017/12
被引用回数:12 パーセンタイル:98.79(Energy & Fuels)再処理におけるガラス固化プロセスの安定運転のために、白金族元素(Ru, Rh, Pd)およびMoを除去し、安定保管または利用するための分離プロセスの研究開発を実施している。白金族元素とMoを一括回収するための無機吸着剤(フェロシアン化物)が開発されている。本研究では、照射済燃料溶解液を用いた吸着試験を行い、Ru, Rh, Pd, MoおよびAmの吸着特性を評価した。その結果、Ru, Rh, Pd, Moはいずれも吸着が認めら、フェロシアン化物が照射済燃料溶解液中においても一定の吸着性能を示すことがわかった。一方、Amは吸着されないことが確認された。Amが吸着しないことにより、白金族元素とMoの相互分離プロセスにAmが混入せず、アルファ核種を含有する二次廃棄物を大量に発生しないことが確認された。
Autsavapromporn, N.*; Plante, I.*; Liu, C.*; 小西 輝昭*; 宇佐美 徳子*; 舟山 知夫; Azzam, E.*; 村上 健*; 鈴木 雅雄*
International Journal of Radiation Biology, 91(1), p.62 - 70, 2015/01
被引用回数:31 パーセンタイル:92.67(Biology)放射線がん治療の実施にあたり、放射線誘発バイスタンダー効果が治療域周辺の正常細胞に健康影響リスクを及ぼすかどうかは重要な問題である。そこで、本研究では、バイスタンダー効果が誘導された細胞の子孫細胞における有害影響の伝播に、照射した放射線の線質と、ギャップジャンクションを介した細胞間情報伝達機構が果たす役割について解析を行った。実験では、コンフルエントに培養したヒト正常線維芽細胞試料に対し、LETの異なるマイクロビームで、その全体の0.0360.4%の細胞のみに照射を行い、バイスタンダー効果を誘導した。この細胞を照射後20世代にわたって培養し回収した後に、微小核形成、遺伝子への変異誘発、及びタンパク質酸化を指標に解析を行った。その結果、バイスタンダー細胞の子孫細胞における有害影響の伝播は、照射した放射線のLETによって違いがあることが明らかになった。
中村 隆司*; 小林 信之*; 近藤 洋介*; 佐藤 義輝*; Tostevin, J. A.*; 宇都野 穣; 青井 考*; 馬場 秀忠*; 福田 直樹*; Gibelin, J.*; et al.
Physical Review Letters, 112(14), p.142501_1 - 142501_5, 2014/04
被引用回数:69 パーセンタイル:91.52(Physics, Multidisciplinary)理化学研究所RIBFを用いて中性子過剰核Neの1中性子分離反応実験を行い、理論計算との比較から、Neが波ハロー(一部の中性子が核内に局在せず、空間的に極めて広がっていること)を持つことを明らかにした。この実験では、ターゲットとしてクーロン分離反応が優位な鉛と核力分離反応が優位な炭素の両方を用いるとともに、脱励起線も測定することによって、包括的な断面積のみならず、Neの基底状態への直接遷移のクーロン分解断面積を決めることに成功した。その実験結果を殻模型計算と比較した結果、Neの基底状態は、Neの基底状態に波の中性子が付加されている確率が大きく、その中性子はハローになるという特異な構造を持つことがわかった。それは、変形による波と波の配位混合と、Neが極めて弱く束縛されていることの両面によるものであると考えられる。
高崎 浩司; 安宗 貴志; 大西 貴士; 中村 圭佑; 石見 明洋; 伊藤 主税; 逢坂 正彦; 大野 雅史*; 畠山 修一*; 高橋 浩之*; et al.
JAEA-Research 2013-043, 33 Pages, 2014/01
福島第一原子力発電所の事故において、炉内燃料は部分的又は全体的に溶融していると見られており、燃料集合体を1単位とする通常の計量管理手法の適用は困難と考えられている。このため、廃炉措置において炉内燃料の取出から貯蔵を行うまでの透明性を確保し、かつ合理的に計量管理を実施できる手法を構築する必要がある。本研究開発では、計量管理のための燃料定量の技術の1つとして、従来のゲルマニウム半導体検出器に比べ優れたエネルギー分解能を有する超伝導転移端(TES)マイクロカロリーメーターを適用した燃料デブリ中の核燃料物質及び核分裂生成等の分析手法の適用を検討する。高分解能分析での特性を活用し、燃料デブリ中の核燃料物質及び核分裂生成物のスペクトルに係る詳細な情報が期待できる。本報告書では、TES検出器の原理、日本原子力研究開発機構での測定試験の状況、シミュレーション計算コードEGS5による実験データの解析及び燃料デブリの収納キャニスタの高分解能測定のシミュレーション計算について報告する。
田中 伊知朗*; 日下 勝弘*; 細谷 孝明*; 新村 信雄*; 大原 高志*; 栗原 和男; 山田 太郎*; 大西 裕季*; 友寄 克亮*; 横山 武司*
Acta Crystallographica Section D, 66(11), p.1194 - 1197, 2010/11
被引用回数:50 パーセンタイル:94.52(Biochemical Research Methods)次世代中性子線源であるJ-PARCに建設された茨城県生命物質構造解析装置(iBIX)は、2008年12月から運転を開始した。有機化合物結晶を用いた予備的な測定及び構造解析の結果、iBIXはJ-PARCの最終出力の1/8にあたる120kWでも十分な測定効率を発揮しており、タンパク質結晶の構造解析にも十分対応できることが明らかとなった。
中村 隆司*; 小林 信之*; 近藤 洋介*; 佐藤 義輝*; 青井 考*; 馬場 秀忠*; 出口 茂樹*; 福田 直樹*; Gibelin, J.*; 稲辺 尚人*; et al.
Physical Review Letters, 103(26), p.262501_1 - 262501_4, 2009/12
被引用回数:206 パーセンタイル:97.52(Physics, Multidisciplinary)理化学研究所のRIBFにて中性子過剰核Neの1中性子分離反応の断面積を測定した。鉛ターゲットと炭素ターゲットの断面積を比較することにより、Neのクーロン分解反応断面積が540(70)mbと導出された。その断面積は通常の原子核の断面積と比べ非常に大きく、中性子が非常に弱く束縛されているハロー構造を示唆している。この原子核のクーロン分解断面積を直接ブレークアップ模型と殻模型で求めた波動関数の重なり(分光学的因子)を組合せることにより定量的に計算した結果、Ne核の最後の1個の中性子は、普通の軌道の順序であるではなく軌道を主に占め、軌道の小さな軌道角運動量により一粒子ハローを形成していることが明らかとなった。
松田 武*; 納多 勝*; 入矢 桂史郎*; 小西 一寛*; 中山 雅; 小林 保之
JAEA-Research 2007-089, 139 Pages, 2008/05
幌延深地層研究センターでは、地下施設の一部において低アルカリ性セメント(HFSC)を用いたコンクリートの施工性確認試験(原位置試験)の実施を計画している。それまでにHFSCが実工事で施工可能な性能を持つことを確認しておく必要がある。本年度は、幌延地下施設内での原位置試験計画を検討するとともにHFSCコンクリート材料のpH低下挙動の把握を実施した。また、HFSCを用いた原位置試験計画では、HFSC424N(普通ポルトランドセメント:シリカフューム:フライアッシュ=4:2:4)を吹付けコンクリートとして使用することを前提とした原位置試験計画を検討した。実施場所は地下施設の140m坑道、試験期間は10年程度を目安とし、普通コンクリート支保工との比較が可能な計画とした。また、現地で調達する材料を使用した場合もその強度を満足できることを確認するため、平成17年度に選定した配合に基づき、現地調達の細骨材・粗骨材を使用して強度試験などを実施した。HFSCコンクリート材料のpH低下挙動の把握に関しては、長期間の密封浸漬試験の供試体について、浸漬液のpH測定及び成分分析並びに固相の成分分析を行った。
小林 保之; 山田 勉; 中山 雅; 松井 裕哉; 松田 武*; 小西 一寛*; 入矢 桂史郎*; 納多 勝*
JAEA-Review 2007-007, 42 Pages, 2007/03
高レベル放射性廃棄物の地層処分施設では、建設・操業中の安全性を確保するため、吹付けや覆工コンクリート等、さまざまなコンクリート材料が使用される。コンクリートは、骨材,セメント,混和材等から構成される複合材料であり、これに含まれるセメントの高アルカリ成分がバリアシステムの長期安定性へ影響を及ぼすことが懸念され、日本原子力研究開発機構(以下、原子力機構)では、HFSCと呼ばれる低アルカリ性セメントの研究開発を進めてきている。また、原子力機構では、北海道幌延町にて地下研究施設(Underground Research Laboratory、以下URL)を建設中である。本書は、地層処分施設の建設に用いられるセメント系材料の要求性能について整理するとともに既往の低アルカリ性セメントの研究開発についてのレビューを行いHFSCを用いた吹付けコンクリートのURLにおける原位置試験計画を示したものである。計画の立案に際しては、これまでHFSCを使用したコンクリートの施工実績がないことから、施工性能,力学的性能を十分確認したうえで実施工に適用する計画とした。また、実環境でのポゾラン反応の進行度,劣化外力への抵抗性等、耐久性能についても調査する計画とした。
平尾 敏雄; Laird, J. S.; 小野田 忍; 芝田 利彦*; 若狭 剛史; 山川 猛; 阿部 浩之; 高橋 芳浩*; 大西 一功*; 伊藤 久義
Proceedings of the 6th International Workshop on Radiation Effects on Semiconductor Devices for Space Application (RASEDA-6), p.105 - 109, 2004/10
SOI半導体素子のシングルイベント耐性を検証するため、SOIの代わりに構造の単純なMOSキャパシタを用い、シングルイベント過渡電流波形の測定を実施した。得られた過渡電流波形を積分して求めた収集電荷量とシュミレーションを用いて計算した収集電荷量の比較から、過渡電流が変位電流に起因することを突き止めた。
大平 茂; 林 巧; 中村 博文; 小林 和容; 田所 孝広*; 中村 秀樹*; 伊藤 剛士*; 山西 敏彦; 河村 繕範; 岩井 保則; et al.
Nuclear Fusion, 40(3Y), p.519 - 525, 2000/03
被引用回数:24 パーセンタイル:58.51(Physics, Fluids & Plasmas)ITER(国際熱核融合実験炉)の燃料サイクルにおけるトリチウムの安全取り扱い、制御をより良いものにするため「その場」での効率的なトリチウム計量技術が原研トリチウム工学研究室で開発された。レーザーラマン分光法を用いた燃料プロセスガスの遠隔・多点分析法が開発、試験され、120秒の測定時間に0.3kPaの検出限界で水素同位体を測定できることが実証された。25gのトリチウム貯蔵容量を持った「通気式」熱量ベッドが開発され、100gのトリチウム貯蔵容量を持ったベッドの設計においてもITERで要求される検出限界1%(1g)を満足することを実証した。これらの計量技術の開発はITER工学設計活動の下で行われ、それぞれITERの最終設計において取り入れられている。本論文においては、それぞれのシステムの概要及び実証試験の結果について述べた。
山西 敏彦; 河村 繕範; 岩井 保則; 有田 忠昭*; 丸山 智義*; 角田 俊也*; 小西 哲之; 榎枝 幹男; 大平 茂; 林 巧; et al.
Nuclear Fusion, 40(3Y), p.515 - 518, 2000/03
被引用回数:6 パーセンタイル:20.83(Physics, Fluids & Plasmas)原研トリチウムプロセス研究棟では、1987年より、10gレベルのトリチウムを用いて、核融合炉のトリチウム技術に関する研究開発を進めている。ITERトリチウムプラントは、燃料精製、同位体分離、水処理、空気中トリチウム除去系等からなるが、燃料精製について、パラジウム拡散器と電解反応器からなるシステムを考案・検討した。トリチウムプロセス研究棟において、核融合炉模擬燃料循環ループを構築し、この燃料精製システムの実証試験に、ITERの1/15規模の処理流量で成功した。また、同位体分離システム、ブランケットトリチウム回収システムについても研究開発を進めている。
高橋 芳浩*; 大西 一功*; 藤巻 武*; 吉川 正人
IEEE Transactions on Nuclear Science, 46(6), p.1578 - 1585, 1999/12
被引用回数:23 パーセンタイル:82.65(Engineering, Electrical & Electronic)金属/窒化膜/酸化膜/半導体(MNOS)構造が有する高い耐放射線性の原因を明らかにするため、照射前後での積層絶縁層中の捕獲電荷量分布を、絶縁層を斜めにエッチングする手法を用いて調べた。その結果、照射前では、窒化膜/酸化膜界面と酸化膜/Si基板界面に多量の電荷が分布していることがわかった。このMNOS構造に極性の異なる電圧を印加しながらCo線を照射した。正電圧を印加して照射した試料では、窒化膜/酸化膜界面に電子が蓄積されるが、負電圧を印加して照射した試料では、窒化膜/酸化膜界面に正孔が蓄積されることがわかった。一方、酸化膜/半導体界面の電荷量の変化はMOS構造の結果と一致した。これらのことから、MNOS構造とMOS構造の照射効果の相違は、おもに窒化物/酸化膜界面の電荷量とその極性によって説明できることがわかった。
大平 茂; 林 巧; 中村 博文; 小林 和容; 田所 孝広*; 中村 秀樹*; 伊藤 剛士*; 山西 敏彦; 河村 繕範; 岩井 保則; et al.
Fusion Energy 1998, 3, p.1069 - 1072, 1998/10
ITERの燃料サイクルにおけるトリチウムの安全取り扱い及び制御技術向上のためにより効率的なトリチウムの「その場」分析・計量技術を開発・実証する必要がある。このため原研トリチウムプロセス研究棟において同位体分離システム(ISS)やトリチウム貯蔵システム(TSS)におけるトリチウム分析・計量技術をITER工学設計活動の一環として実施した。光ファイバーを用いたレーザーラマン分光分析システムにより、4つの測定点での同時ガス分析が、リアルタイムにサンプルガスを取る必要もなく、しかも高精度に行えることを実証した。また、通気式熱量計量ベッドを開発し、ベッド内を流通するヘリウム流の出入口の温度差によりトリチウムをその場で精度良く計量可能であることを実証した。これらのシステムはITERの分析・計量システムあるいは貯蔵・計量システムとして、その設計に採用された。
吉川 正人; 大島 武; 伊藤 久義; 梨山 勇; 高橋 芳宏*; 大西 一功*; 奥村 元*; 吉田 貞史*
電子情報通信学会論文誌,C-II, 81(1), p.140 - 150, 1998/01
宇宙環境で使用される半導体素子には、高温での素子動作ばかりでなく強い耐放射線性が要求される。今回我々は、広いバンドギャップを持つ6H-SiCを用いて作製したMOS構造素子の線照射効果を調べた。また酸化膜中の電荷分布の照射による変化も併せて調べ、線照射効果のメカニズムを追求した。その結果、酸化膜中に存在する正及び負の電荷が、線照射により増大するが、その量は酸化膜を作製する6H-SiCの面方位に強く依存することが分かった。線照射した6H-SiC MOS構造のC-V特性の横方向シフトは、酸化膜中の正と負の電荷の発生量と発生位置に依存するため、Si MOS構造のような照射による一定の規則性は存在しないことがわかった。
吉川 正人; 大島 武; 伊藤 久義; 梨山 勇; 高橋 芳浩*; 大西 一功*; 奥村 元*; 吉田 貞史*
Electronics and Communication in Japan., Part2, 81(10), p.37 - 47, 1998/00
宇宙環境や原子炉近傍で使用される半導体素子には、高温雰囲気での安定な動作ばかりでなく、強い耐放射線性が要求される。今回SiC半導体材料の中でも最も一般的な6H-SiCを用いて半導体素子の基礎構造であるMOS構造を作製し、その電気特性の吸収線量依存性を調べるとともに、その吸収線量依存性のメカニズムを酸化膜中固定電荷の深さ方向分布を用いて追求した。その結果シリコン面上のMOS構造のC-V特性の線照射による変化は、Si MOS構造のそれと類似しているが、カーボン面上のその変化は、大きく異なることがわかった。酸化膜中固定電荷の深さ方向分布を用いてこの結果を調べたところ、C-V特性の横方向シフトが酸化膜中に存在する正及び負の電荷の量と位置の変化により生じていることが分かった。
吉川 正人; 斉藤 一成*; 大島 武; 伊藤 久義; 梨山 勇; 高橋 芳裕*; 大西 一功*; 奥村 元*; 吉田 貞史*
Mater. Sci. Forum, 264-268, p.1017 - 1020, 1998/00
+10V及び-10Vの電圧を印加しながら照射した傾斜酸化膜を用いて6H-SiC MOS構造を形成し、照射による酸化膜中の固定電荷の深さ方向分布の変化を調べた。未照射の酸化膜中には、SiO/6H-SiC界面に負の、その界面から40nm離れた所には正の固定電荷が存在することがわかっているが、+10Vの電圧を印加しながら照射すると、正の固定電荷は界面にしだいに近づき、界面の負の固定電荷と重なって電気的に中性になることがわかった。一方、-10Vの電圧を加えながら照射すると、界面の負の固定電荷は増加し、正電荷は消滅した。酸化膜中の固定電荷分布は照射中に印加される電圧の極性に大きく依存することがわかった。
高橋 芳浩*; 大西 一功*; 藤巻 武*; 吉川 正人
Proceedings of 3rd International Workshop on Radiation Effects on Semiconductor Devices for Space Application, p.10 - 15, 1998/00
線照射したMNOS構造の絶縁膜である窒化膜と酸化膜を斜めにエッチングする技術(傾斜エッチング)を用いて、これら絶縁膜中の固定電荷の深さ方向分布を調べたところ、窒化膜/酸化膜(N/O)界面及び、酸化膜/Si半導体(O/Si)界面におもに電荷が蓄積することがわかった。そこで、これら電荷の蓄積メカニズムについて、MNOS構造のC-V特性から得られるミッドギャップ電圧の照射による変化を用いて調べたところ、N/O界面には正及び負、O/Si界面には正電荷が蓄積すると仮定すると、MNOSの照射効果が十分説明できることがわかった。この蓄積モデルを用いたシミュレーション計算は、実際の実験結果とよく一致する。これらのことから、MNOS構造はSi MOS構造に比較して高い耐放射線性があり、耐放射線性素子を作製する上で重要な素子構造であると結論した。
斎藤 一成; 吉川 正人; 大島 武; 伊藤 久義; 梨山 勇; 高橋 芳浩*; 大西 一功*
JAERI-Conf 97-003, p.243 - 248, 1997/03
傾斜エッチング法を用いて、Co-線照射前後の6H-SiC MOS構造の酸化膜中の電荷分布評価を行った。その結果、照射前の酸化膜中には、6H-SiC/SiO界面付近には、負電荷が存在しており、界面から40nm離れたところには正電荷が存在していることがわかった。また負電荷の一部は、時定数の大きな界面準位が、固定電荷として振る舞っているためであることもわかった。Co-線照射すると、照射中に印加している電圧の極性によりVmgの変化は異なり、これは、印加電圧の極性によって6H-SiC/SiO界面付近に捕獲される電荷が異なるためであることがわかり、ゲートに+10Vの電圧を印加すると界面には正電荷の蓄積が起こり、-10Vの電圧を印加すると界面には負電荷が蓄積されることがわかった。傾斜エッチング法は6H-SiC MOS構造の酸化膜中電荷分布評価に有効であることが確認された。
吉川 正人; 斉藤 一成*; 大島 武; 伊藤 久義; 梨山 勇; 吉田 貞史*; 奥村 元*; 高橋 芳博*; 大西 一功*
Journal of Applied Physics, 80(1), p.282 - 287, 1996/07
被引用回数:22 パーセンタイル:70.50(Physics, Applied)希釈したフッ酸中でのエッチング時間を変えることにより、斜めにエッチングした酸化膜を、6H-SiC基板上に作製し、それを用いて6H-SiC MOS構造を形成した。酸化膜の関数として、ミッドギャップ条件に対応するゲート電圧の変化を調べるために、高周波C-V特性の測定を行った。その結果、負電荷が6H-SiC/SiO界面近傍に蓄積し、正電荷が界面から40nmの領域に発生することがわかった。6H-SiCのカーボン面及びシリコン面上の固定電荷の深さ方向分布を調べたが、特別な違いは認められなかった。これらトラップ電荷の原因が、酸化膜中のカーボン関連の化合物の存在と合せて議論された。