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Walter, H.*; Colonna, M.*; Cozma, D.*; Danielewicz, P.*; Ko, C. M.*; Kumar, R.*; 小野 章*; Tsang, M. Y. B*; Xu, J.*; Zhang, Y.-X.*; et al.
Progress in Particle and Nuclear Physics, 125, p.103962_1 - 103962_90, 2022/07
被引用回数:32 パーセンタイル:96.94(Physics, Nuclear)原子核-原子核衝突や原子核の状態方程式の研究において、反応計算モデルは重要なツールとなり、世界中で開発が進んでいる。本論文は、原子力機構のJQMD-2.0を含め、現在開発中の複数のコード開発者の協力により、これらコードを同じ条件で比較することで共通点や差異を明らかにしたプロジェクトTransport Model Evaluation Project (TMEP)を総括したものである。参加したコードはBoltzmann-Uehling-Uhlenbeck(BUU)法に基づく13のコードと、Quantum Molecular Dynamics (QMD)法に基づく12のコードであった。プロジェクトでは、Au原子核同士を衝突させてその終状態を観測する現実的な計算や、一辺が640nmの箱に核子を詰めて時間発展させる仮想的な計算を行った。その結果、BUU法コードとQMD法コードは計算原理が異なるため、計算の設定に関係なく系統的な差異が生じることが明らかになった。その一方で、同じ方法を採用するコード間の比較では、時間発展を細かく計算することでコード間の差は埋まっていき、一定の収束値を持つことが示された。この結果は今後開発される同分野のコードのベンチマークデータとして有用なものであるだけでなく、原子核基礎物理学の実験や理論研究の標準的な指針としても役に立つことが期待される。
高橋 英史*; 青野 快*; 南部 雄亮*; 鬼柳 亮嗣; 野本 拓也*; 坂野 昌人*; 石坂 香子*; 有田 亮太郎*; 石渡 晋太郎*
Physical Review B, 102(17), p.174425_1 - 174425_6, 2020/11
被引用回数:7 パーセンタイル:49.94(Materials Science, Multidisciplinary)六方晶層状構造を有する遍歴磁石EuCuSbの競合する磁気基底状態を、単結晶試料を用いた磁化、抵抗率および中性子回折によって測定した。EuCuSbは、バンド計算と角度分解光電子分光法によって3次元の半金属バンド構造を持つことがわかっており、常磁性状態でのほぼ等方性の金属伝導率と一致している。一方、反強磁性転移温度(=8.5K)以下では、特にc軸に沿った抵抗率が大幅な増加を示し、伝導電子に結合した異方的な磁気秩序の出現を示唆する。中性子回折実験の結果、各層内で強磁性的に秩序化するEuスピンが、以下ではc軸に沿ってコリニアに変調し、(6K)以下では、部分的にらせんスピン変調が出現することがわかった。異常な磁気抵抗の観測に基づき、中心対称構造を持つフラストレーションのあるHeisenberg-likeなスピン系に固有の基底状態の競合する性質について議論する。
三原 守弘; 平野 史生; 高山 裕介; 京川 裕之*; 大野 進太郎*
原子力バックエンド研究(CD-ROM), 24(1), p.15 - 25, 2017/06
TRU廃棄物地層処分施設の長期力学挙動を評価するための解析コードMACBECEを開発した。解析コードには、メント系材料のカルシウムの溶出やベントナイト系材料のカルシウム型化やスメクタイトの溶解などの化学的変遷に伴う力学特性変化および周辺岩盤との力学的な相互作用を考慮した。開発した解析コードを用いてクリープ変形が生じやすいと考えられる軟岩サイトを想定し、TRU廃棄物処分施設の建設段階から、処分施設閉鎖後10万年までの力学挙動解析を行った。緩衝材の力学挙動モデルとして、ECモデルを用いることで応力が降伏曲面の特異点付近に陥ることを解消でき、数値解析上、安定な解を得ることができた。さらに、周辺岩盤と処分施設の力学的相互作用を同時に解析することにより、周辺岩盤と処分施設の力学挙動を別々に解析した第2次TRUレポートの結果と比較して処分坑道の内径変位量が半分程度となることが示された。
緒方 一介*; 松本 琢磨*; 橋本 慎太郎; 蓑茂 工将*; 江上 智晃*; 井芹 康統*; 河野 通郎*; 千葉 敏; Bertulani, C. A.*; 清水 良文*; et al.
Journal of Physics; Conference Series, 312, p.082008_1 - 082008_10, 2011/09
被引用回数:1 パーセンタイル:47.67離散化連続チャンネル法によるブレークアップ反応理論の最近の成果についてのレビューを行う。取り扱うのはHe誘起の四体崩壊反応,クーロンブレークアップ反応の動的相対論効果,入射粒子ブレークアップ反応の微視的記述,三粒子入射反応及び包括的ブレークアップ反応に対する新たな取り扱いである。
三原 守弘; 佐藤 信之; 大野 進太郎*; 森川 誠司*
JAEA-Data/Code 2009-026, 114 Pages, 2010/03
TRU廃棄物の地層処分での安全評価を実施するため、処分施設建設時からの処分坑道の掘削にて生じる周辺岩盤の応力状態を解析し、処分施設操業,閉鎖後における処分施設及び周辺岩盤の一連の力学挙動を評価するための解析コードMACBECEを開発した。MACBECEはセメント系材料の力学挙動について非線形弾性モデルを、ベントナイト系材料には圧密変形及び粘性変形(二次圧密)などといった粘土の時間依存性挙動を考慮できる弾粘塑性構成式に緩衝材特有の膨潤特性を組み込んだ緩衝材の力学モデルを、周辺岩盤には大久保が提案する粘弾性モデルを組み込んでおり、これらのモデルを連成して解くことが可能である。さらに、セメント系材料やベントナイトの変質に伴う力学物性の経時変化も考慮することが可能な解析コードである。
河野 道郎*; 橋本 慎太郎
Progress of Theoretical Physics, 123(1), p.157 - 167, 2010/01
被引用回数:10 パーセンタイル:55.4(Physics, Multidisciplinary)SUのクォーク模型に基づくバリオン間相互作用によって-原子核間ポテンシャルは非常に弱くなることが示唆されており、この観点に立って(,)生成反応の包括スペクトルを今一度解析する。包括的スペクトルの評価は半古典歪曲波模型(SCDW)によって行う。SCDWで導入される近似の検証をグリーン関数法で用いられる強度関数との比較を通じて行い、定量的にその有効性を示す。現在数少ない生成閾値近傍の実験データを説明するのに、これまでは通常のWoods-Saxon型を仮定した-15MeV程度の引力が-原子核間ポテンシャルが必要であるとされてきたが、必ずしもそうではなく、むしろほとんどであるほうが望ましいことを示す。
橋本 慎太郎; 河野 道郎*; 緒方 一介*; 河合 光路*
Progress of Theoretical Physics, 119(6), p.1005 - 1027, 2008/06
被引用回数:7 パーセンタイル:46.93(Physics, Multidisciplinary)C反応の包括的運動量スペクトルを半古典歪曲波模型(SCDW)を用いて計算した。生成されるハイペロンが束縛状態に遷移する場合の断面積も計算し、スペクトルの閾値近傍でのふるまいがハイペロンの一体場ポテンシャルによってどう変化するのかを議論した。SCDWによる計算結果を過去に行われたグリーン関数法や核内カスケード模型による解析結果と比較し、それらの解析で導入された仮定の検証を行った。また、の一体場ポテンシャルの強さを-50, -20, +10MeVと変化させ、その計算結果を高エネルギー加速器機構(KEK)によって測定された実験データと比較した。SCDWの計算結果は、実験データのピーク構造を再現し、スペクトルもポテンシャルの強さに対して系統的に変化したが、今回の解析ではその強さに関する拘束条件を得ることはできなかった。
千葉 敏; 橋本 慎太郎; 河野 通郎*; 緒方 一介*; 河合 光路*
no journal, ,
原子核に中間子を入射させる, , などのストレンジネス交換反応は、ハイペロンの生成を伴う反応であるため、ハイペロンが原子核から受ける一体場ポテンシャルを調べる際の主要な情報源となっている。そして、この一体場ポテンシャルはハイペロン-核子間相互作用と密接に関連しているため、バリオン間の相互作用を議論するうえで重要な役割を果たす。われわれは、上記の包括的反応スペクトルに対し半古典歪曲波模型(SCDW)を適用することにより解析を行っている。本講演では、入射運動量1.65GeV/cにおける包括的C反応の解析結果を報告する。加えて、包括的反応過程に特有な多段階過程についてもSCDWを用いて評価し、その寄与がポテンシャルを決定する際に与える影響について議論を行う。
橋本 慎太郎; 河野 通郎*; 緒方 一介*; 河合 光路*
no journal, ,
原子核に中間子を入射させる, , などのストレンジネス交換反応は、ハイペロンの生成を伴う反応であるため、ハイペロンが原子核から受ける一体場ポテンシャルを調べる際の主要な情報源となっている。そして、この一体場ポテンシャルはハイペロン-核子間相互作用と密接に関連しているため、バリオン間の相互作用を議論するうえで重要な役割を果たす。われわれは、上記の包括的反応スペクトルに対し半古典歪曲波模型(SCDW)を適用することにより解析を行っている。最近はおもに、入射運動量1.65GeV/cにおける包括的反応の解析を行っており、本講演ではさまざまな標的核における反応の計算結果を報告する。そして、反応スペクトルの標的核依存性を示し、反応機構の詳細な議論を行う。
橋本 慎太郎; 河野 道郎*
no journal, ,
ハイペロンの生成を伴う反応は、現在J-PARCで計画されている重要課題のひとつである。の反応スペクトルの解析からと原子核の間のポテンシャルを決定することで、バリオン間相互作用におけるストレンジネス量子数のセクターの情報を得ることができる。われわれは、核子の包括的非弾性散乱を定量的に記述することに成功している半古典歪曲波模型(SCDW)を用いてハイペロン生成反応の解析を行ってきた。本発表では、クォーク模型に基いたポテンシャルを紹介し、これを用いた場合のスペクトルについての分析結果を報告する。
清水 浩之*; 平野 史生; 大野 進太郎*; 高瀬 博康*; 本田 明
no journal, ,
放射性廃棄物の地層処分においては、支保・構造躯体等にセメント系材料が考えられている。セメント系材料にひび割れが生じた場合、そこを流路として地下水が流れる可能性があることから、ひび割れによる変形挙動、及びその帰結として生じる透水特性の変化を評価することは処分施設の長期挙動評価を行う上で重要である。しかし、セメント系材料、特に鉄筋コンクリートは金属材料,セメント,骨材による複合材料であり、従来の連続体モデルによる手法では、その複雑なひび割れ発生、伸展挙動を個別に評価するのは困難である。本研究では、解析対象の粒子規模の微細構造を直接表現することができ、現実のひび割れの発生過程に忠実なモデル化が可能である粒状体個別要素法を用いて、鉄筋コンクリートを対象とした新たなモデルの構築を行った。その結果、新たにコンクリート-鉄筋共有粒子を導入したモデルを用いることによって、過去に行われた室内での鉄筋コンクリート供試体の一軸引張試験におけるひび割れ発生挙動を定性的に再現することができた。本研究の一部は、経済産業省の委託事業「セメント材料影響評価技術高度化開発」(平成24年度)の成果である。