検索対象:     
報告書番号:
※ 半角英数字
 年 ~ 
 年
検索結果: 133 件中 1件目~20件目を表示

発表形式

Initialising ...

選択項目を絞り込む

掲載資料名

Initialising ...

発表会議名

Initialising ...

筆頭著者名

Initialising ...

キーワード

Initialising ...

発表言語

Initialising ...

発行年

Initialising ...

開催年

Initialising ...

選択した検索結果をダウンロード

論文

文化財研究を加速する即発$$gamma$$線分析法による非破壊元素分析

大澤 崇人

まてりあ, 64(3), p.153 - 156, 2025/03

試料中の元素組成の正確な情報を得るためには、適切な分析法を選択することはとても大切なことであり、それぞれの分析法の長所と短所を正しく理解している必要がある。本稿では読者がご存じであろう元素分析法とは違う、一風変わった手法として即発$$gamma$$線分析法を紹介し、よく知られている分析法と何が違うのかを解説する。また即発$$gamma$$線分析装置(PGA)で行われた文化財に関する研究と、今後の展開について解説する。

論文

Chemical characteristics of the Yamato-type (CY) carbonaceous chondrites

海老原 充*; 白井 直樹*; 大澤 崇人; 山口 亮*

Geochimica et Cosmochimica Acta, 389, p.200 - 210, 2025/01

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Geochemistry & Geophysics)

南極で採取された12個の炭素質コンドライトの主要元素を含む15元素を中性子誘起即発ガンマ線分析を用いて定量した。これらの試料のいくつかは、CIコンドライトやCMコンドライトと親和性を持つことが観測されたが、既知のCIコンドライトやCMコンドライトと同じ特徴は示さなかった。その結果、これらの隕石には「CY」という新しいグループが提案された。12個の隕石に共通するのは、揮発性元素であるHと塩素が枯渇していることで、非南極のCIレベルに比べて相関があり、枯渇している。この枯渇は、南極大陸に落下する前に母天体で熱変成を受けたことに起因すると考えられ、本研究で分析した12隕石は全て同じ化学グループCYに分類されることが示唆された。中程度の揮発性元素であるMnとSの存在量から、12個の隕石は非南極CIに近いレベルのグループと、CIとCMの中間のレベルのグループに分けられる。これらの結果は、CYコンドライトが異なる母天体(物質)に由来することを示唆しており、2つの異なる母天体(物質)を考慮する必要がある。CYコンドライトに関する議論を深めるために、CIとCMに近い組成を持つグループをそれぞれCYiとCYmと命名することを提案する。

論文

Evaluation of analytical uncertainty in quantitative determination of elements; The Case of boron

墨田 岳大*; 大澤 崇人; Chiu, I.-H.; 池田 篤史

Analytica Chimica Acta, 1329, p.343256_1 - 343256_10, 2024/11

 被引用回数:1 パーセンタイル:0.00(Chemistry, Analytical)

The uncertainty including accuracy and precision is the most vital factor that determines the overall quality of quantitative analysis. The objectives of this study are (1) to investigate the analytical uncertainty of a prompt gamma-ray analysis (PGA), a chemical interference-free method in principle, on the quantitative analysis of boron and (2) to evaluate the applicability of inductively coupled plasma optical emission spectrometry (ICP-OES), a common technique for quantitative elemental analysis including boron. PGA provided analytical quantity that is equivalent to the true quantity. The analytical uncertainty in both methods was adequately evaluated by comparing the results from PGA and ICP-OES for a series of boron-containing materials with different physical/chemical properties and the major sources of uncertainty in both methods are specified. The evaluation concept demonstrated in this study could be beneficial to a wide range of analytical chemistry.

論文

複雑な湿式化学操作を完全に自動化するための方法論

大澤 崇人

ぶんせき(インターネット), (11), p.428 - 434, 2024/11

複雑な湿式化学の操作を完全に自動化するための方法について、筆者が開発してきたラボラトリーオートメーションシステムを実例に解説する。

論文

中性子即発ガンマ線分析法とミュオン捕獲特性X線分析法の最前線

大澤 崇人

地球化学, 58(3), p.70 - 82, 2024/09

本稿では、量子ビームを用いた元素分析法として、中性子誘起即発ガンマ線分析法とミュオンX線分析法の最近の研究開発状況について述べる。中性子誘起即発$$gamma$$線分析法は中性子を用いた元素分析法であり、ホウ素や水素の非破壊定量分析法としてよく用いられている。JRR-3に設置されている即発ガンマ線分析装置(PGA)は、30年以上前に建設された古い装置だが、近年、多関節ロボットが設置され、高度な自動分析システムが稼働している。一方、ミュオンX線分析法は、酸素などの軽元素を非破壊で検出できる新しい分析法として注目されている。いずれの分析法も小惑星リュウグウの試料分析に用いられており、今後も分析法として大きく進化していくだろう。

論文

Quantification of bulk elemental composition for C-type asteroid Ryugu samples with nondestructive elemental analysis using muon beam

二宮 和彦*; 大澤 崇人; 寺田 健太郎*; 和田 大雅*; 長澤 俊作*; Chiu, I.-H.; 中村 智樹*; 他40名*

Meteoritics & Planetary Science, 59(8), p.2044 - 2057, 2024/08

 被引用回数:1 パーセンタイル:58.96(Geochemistry & Geophysics)

小惑星探査機「はやぶさ」2が持ち帰った小惑星リュウグウのサンプルは、太陽系の起源と進化を調べる上で重要である。ここでは、非破壊ミュオン元素分析法を用いて測定した123mgのリュウグウ試料の元素組成を報告する。3種類の炭素質コンドライトを用いたミュオンX線スペクトルから、元素組成とミュオンX線強度の関係を各元素について求めた。検量線は直線性を示し、リュウグウの元素組成は定量的に決定された。リュウグウの元素組成は、サンプル数が多いため、小惑星リュウグウの平均的なバルク元素組成を反映している。リュウグウの元素組成はオルグイユ(CI1)と類似しており、CI1に分類されるべきである。しかし、リュウグウのO/Si比はオルグイユのO/Si比より25%低く、オルグイユが地球に落下した後、地球物質によって深刻に汚染された可能性を示している。これらの結果は、リュウグウ試料が太陽系の固体物質としてCIコンドライトよりも代表的であることを示している。

論文

Suppression of segmental chain dynamics on a particle's surface in well-dispersed polymer nanocomposites

Kim, J.*; Thompson, B. R.*; 富永 大輝*; 大澤 崇人; 江上 毅*; F$"o$rster, S.*; Ohl, M.*; Senses, E.*; Faraone, A.*; Wagner, N. J.*

ACS Macro Letters (Internet), 13(6), p.720 - 725, 2024/06

 被引用回数:1 パーセンタイル:47.49(Polymer Science)

準弾性中性子散乱(QENS)を用いて、モデルナノ複合材料であるポリエチレンオキシド(PEO)/シリカナノ粒子(NPs)中のポリマー鎖のラウスダイナミクスを調べた。ポリマー鎖の見かけのラウス速度は粒子負荷が増加するにつれて減少した。しかし、数十psの時間スケールでは、不動なセグメント集団の証拠はない。ダイナミクスの鈍化は、NP相間領域における鎖の修正ラウスモデルの観点から解釈される。こうして、バルクのような鎖集団とラウスモードの抑制を特徴とする鎖集団の2つが同定された。相間領域の空間的な広がりは、吸着層の厚さの約2倍、約2nmと見積もられた。これらの結果は、NPs表面における連鎖ダイナミクスの抑制を詳細に説明するものである。これらの結果は、表面効果と閉じ込めに関する関連した洞察であり、十分に分散したNPを有するポリマーナノコンポジット(PNC)のレオロジー特性を理解するための基礎を提供するものである。

論文

Development of non-destructive isotope measurement of the natural galena (PbS) using negative muon beams

寺田 健太郎*; 二宮 和彦*; 佐藤 朗*; 友野 大*; 川島 祥孝*; 稲垣 誠*; 南部 明弘*; 工藤 拓人*; 大澤 崇人; 久保 謙哉*

Journal of Analytical Science and Technology, 15, p.28_1 - 28_7, 2024/05

 被引用回数:1 パーセンタイル:52.96(Chemistry, Analytical)

地球惑星科学において、Pb同位体組成はUやThの放射性娘核種として固有の年代情報や地域情報を提供するため、物質の起源や進化を読み解く上で重要な役割を果たすことが知られている。このような同位体組成を決定するためには、スパッタリング、レーザーアブレーション、熱イオン化などの破壊的・消費的な処理が必要である。ここでは、ミュオン誘起特性X線のエネルギーシフトを利用した天然ガレナ(PbS)の非破壊Pb同位体組成測定を初めて報告する。観測された天然ガレナのPb同位体組成は、従来の質量分析で得られたものと良い一致を示した。このようなミュオンPb同位体分析法は、従来の質量分析法よりも非破壊分析が望まれる考古学的遺物(青銅製品など)の産地特定への応用が期待される。

論文

手間のかかる実験を自動化するシステムの構築方法

大澤 崇人

研究開発リーダー, 20(8), p.7 - 11, 2023/11

本解説では、手間のかかる実験、特に湿式分離の実験を自動化するための技術的方法論について概説する。

論文

Space weathering acts strongly on the uppermost surface of Ryugu

松岡 萌*; Kagawa, Eiichi*; 天野 香菜*; 中村 智樹*; 巽 瑛理*; 大澤 崇人; 他51名*

Communications Earth & Environment (Internet), 4, p.335_1 - 335_12, 2023/09

 被引用回数:11 パーセンタイル:88.30(Environmental Sciences)

Cb型小惑星(162173)リュウグウからのリターンサンプルの可視近赤外(Vis-NIR)スペクトルは、非常に低い反射率値と吸収を示し、はやぶさ2のONC-TとNIRS3による観測と概ね一致した。注目すべき違いは、実験室サンプルのスペクトルでは、2.72$$mu$$mの金属OH吸収がリュウグウ表面のものと比べて2倍以上深くなっていることである。物性値や宇宙風化作用によるスペクトル変化の範囲を調べた室内実験から、リターンサンプルと小惑星表面のスペクトルの違いは、(1)多孔性、(2)粒子径、(3)宇宙風化作用の度合いの組み合わせで最もよく説明できると結論づけた。これらの効果は、Cb型小惑星間のスペクトル変動を説明することができ、これらの小惑星は同じCIコンドライト物質で構成されているが、異なる物理的性質と風化の度合いからなることが示唆される。リュウグウ表面全体のVis-NIRスペクトルが極めて均一であることと、地球近傍のS型小惑星(25143)イトカワの不均一なスペクトルを比較すると、S型小惑星と比較してCb型小惑星の方が宇宙風化が急速に進行していることを示している。Cb型小惑星の主成分は、無水珪酸塩に比べて融点が低く、物質強度も低い多孔質の含水珪酸塩であるため、惑星間塵の衝突による表面変質を受けやすいと考えられる。

論文

Non-destructive elemental analysis of lunar meteorites using a negative muon beam

Chiu, I.-H.; 寺田 健太郎*; 大澤 崇人; Park, C.*; 竹下 聡史*; 三宅 康博*; 二宮 和彦*

Meteoritics & Planetary Science, 58(9), p.1333 - 1344, 2023/09

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Geochemistry & Geophysics)

We report the result of a non-destructive elemental analysis of lunar meteorites using a negative muon beam at J-PARC. An experimental system of six Ge semiconductor detectors and a newly designed He analysis chamber (to enable quantitative analysis of Al) was used to provide a high signal-to-noise ratio for the detection of major elements from lunar rocks (Mg, Si, Fe, O, Ca, and Al). We performed a Monte Carlo simulation to determine the chemical compositions at two sides and the center of a sample (at depths of 0.33 and 0.96 mm below the sample surface, respectively) of the lunar meteorite DEW 12007. These results indicate that the three interior regions of DEW 12007 are likely to be 55.8:44.2, 51.4:48.6, and 54.4:45.6 wt% mixtures of anorthositic and basaltic clasts, respectively. This study is the first quantitative analysis of a heterogeneous meteorite interior using a negative muon beam. As elemental analysis using a muon beam is non- destructive and highly sensitive to light elements, including C, N, and O, the protocols established in this study are applicable to initial characterization of returned samples from the South Pole of the Moon.

論文

負ミュオンを用いた小惑星リュウグウ試料の元素分析

大澤 崇人

四季, 59, p.4 - 7, 2023/06

小惑星探査機はやぶさ2が地球に持ち帰った小惑星リュウグウ試料の分析にミュオンを応用すべく進めた研究開発によって、負ミュオンを用いた元素分析法は著しい進展を遂げた。本稿ではJ-PARCにて行われたリュウグウ試料の分析に関して、装置開発から分析結果までを概説する。

論文

面倒な減圧濾過作業の自動化

大澤 崇人

計測技術, 51(6), p.21 - 26, 2023/05

減圧濾過は湿式分離で一般的に行われる操作であり、濾過鐘を用いる方法がよく用いられている。筆者は湿式分離操作の完全自動化システムを開発してきたが、その中でロボット専用の自動減圧濾過装置を開発した。さらにこの装置を人間が操作できるように仕様変更して製品化した。

論文

Development of nondestructive elemental analysis system for Hayabusa2 samples using muonic X-rays

大澤 崇人; 長澤 俊作*; 二宮 和彦*; 高橋 忠幸*; 中村 智樹*; 和田 大雅*; 谷口 秋洋*; 梅垣 いづみ*; 久保 謙哉*; 寺田 健太郎*; et al.

ACS Earth and Space Chemistry (Internet), 7(4), p.699 - 711, 2023/04

 被引用回数:6 パーセンタイル:76.87(Chemistry, Multidisciplinary)

小惑星試料中の炭素をはじめとする主要元素の濃度は、地球上の生命の誕生や太陽系の進化について非常に重要な情報を与えてくれる。ミュオンX線を用いた元素分析は、固体物質の元素組成を決定する最も優れた分析方法の一つであり、特にバルク試料中の軽元素濃度を非破壊で測定できる唯一の方法である。我々は、探査機「はやぶさ2」が小惑星リュウグウから回収した貴重な微小試料中の炭素などの主要元素の濃度を測定するために、ミュオンX線を用いた新しい分析システムを開発した。この分析システムは、ステンレス製の分析チャンバー、クリーンな環境で小惑星サンプルを操作するためのアクリル製のグローブボックス、分析チャンバーを囲むように配置されたGe半導体検出器から構成されている。測定に重要なバックグラウンドレベルを含め、分析装置の性能は初期から後期まで大幅に向上した。フィージビリティスタディの結果、最新型のミュオンX線分析装置は、「はやぶさ2」のサンプルモデル中の炭素濃度を6日間の測定で10%以下の不確かさで決定できることがわかった。

論文

中性子即発$$gamma$$線分析とはいかなる分析法なのか

大澤 崇人

放射化分析, (34), p.34 - 50, 2023/04

本稿では即発ガンマ線分析の名称問題、原理と長短、JRR-3に設置されたPGAの構成、PGAでどんな分析ができるのか、PGAの利用方法についてそれぞれ解説する。

論文

Non-destructive elemental analysis of lunar materials with negative muon beam at J-PARC

Chiu, I.-H.; 寺田 健太郎*; 大澤 崇人; Park, C.*; 竹下 聡史*; 三宅 康博*; 二宮 和彦*

Journal of Physics; Conference Series, 2462, p.012004_1 - 012004_6, 2023/03

 被引用回数:1 パーセンタイル:73.99(Physics, Applied)

今までの10年間で、負のミュオンビームを使用した非破壊元素分析が進歩しつつある。この方法では、サンプルに損傷を与えることなく、バルク材料の元素組成を決定するために使用できる。本研究では、ステンレス製の分析チャンバーに設置されたNWA482隕石の負ミュオン照射実験を行った。分析チャンバーにはヘリウムガスが充填され、空気散乱ミュオンによるバックグラウンド信号が抑制された。試料中のAl, Fe, Ca, Mg, Si, OからのミュオンX線は、分析チャンバーの周囲に配置された6つのゲルマニウム半導体検出器を使用して検出された。サンプルのX線自己吸収効果を補正するために、さらにGeant4ツールキットによるモンテカルロシミュレーションを使用した。シミュレーションからの補正を導入し、ミュオンX線測定の定量分析を行った。その結果、NWA482データに基づいて隕石中の各元素の分析感度を調べることに成功した。

論文

Formation and evolution of carbonaceous asteroid Ryugu; Direct evidence from returned samples

中村 智樹*; 大澤 崇人; 他219名*

Science, 379(6634), p.eabn8671_1 - eabn8671_14, 2023/02

 被引用回数:181 パーセンタイル:99.98(Multidisciplinary Sciences)

1から8mmのリュウグウ粒子16個の鉱物学的,岩石学的、および物理的特性は、それらがCIコンドライトに最も類似していることを示している。磁硫鉄鉱中のCO$$_{2}$$含有水の存在は、母天体が太陽系星雲のH$$_{2}$$OおよびCO$$_{2}$$のスノーラインを越えた領域で形成したことを示しており、ここでは、リュウグウの鉱物学に基づくと、小さなコンドリュールやCa, Alを含む非常に限られた量の高温物質がある。流体-岩石反応は、低温,高pH、および水/岩石の質量比が1未満の還元条件で発生し、リュウグウのサンプルで最も変化の少ない断片として残っているかんらん石-輝石に富む岩相を、リュウグウサンプルの主要な岩相であるフィロケイ酸塩-炭酸塩に富むものに変えた。リュウグウの母体の流体から磁鉄鉱が結晶化したとき、原始太陽系星雲はまだ存在していた可能性がある。

論文

In-operando lithium-ion transport tracking in an all-solid-state battery

小林 峰*; 大西 剛*; 大澤 崇人; Pratt, A.*; Tear, S.*; 霜田 進*; 馬場 秀忠*; Laitinen, M.*; Sajavaara, T.*

Small, 18(46), p.2204455_1 - 2204455_9, 2022/11

 被引用回数:10 パーセンタイル:69.94(Chemistry, Multidisciplinary)

全固体電池は、正極と負極の間でリチウムイオンを輸送することで充放電を行う二次電池である。エネルギー密度の向上、充電時間の短縮、安全性の向上など、この電池技術の大きなメリットを十分に発揮するためには、動作中に電池内でリチウムイオンがどのように輸送・分布しているかを理解することが不可欠となる。しかし、3番目に軽い元素であるリチウムは、全固体デバイスの動作中に定量的に分析する方法が限られており、リチウムの輸送をリアルタイムで追跡することはまだ実証されていない。ここでは、熱中性子誘起核反応を利用し、リチウム6をトレーサーとして、高強度熱中性子源を用いて、全固体半電池内のリチウムイオンの輸送をほぼリアルタイムで定量的に追跡することに成功したことを報告する。さらに、リチウムイオンの移動機構と移動領域についても言及した。リチウムイオンの輸送を追跡することで、使用した固体電解質中のリチウムイオンの移動領域を決定することができたと述べている。これらの結果から、全固体電池の開発は、電池内のリチウムイオンの輸送を把握しながら、さらなる進化を遂げることができる段階に入ったと言える。その結果、全固体電池の研究開発はさらに加速されることになるだろう。

論文

MIRS: an imaging spectrometer for the MMX mission

Barucci, M. A.*; Reess, J.-M.*; Bernardi, P.*; Doressoundiram, A.*; Fornasier, S.*; Le Du, M.*; 岩田 隆浩*; 中川 広務*; 中村 智樹*; Andr$'e$, Y.*; et al.

Earth, Planets and Space (Internet), 73(1), p.211_1 - 211_28, 2021/12

 被引用回数:21 パーセンタイル:81.33(Geosciences, Multidisciplinary)

MMX赤外線分光計(MIRS)は、宇宙航空研究開発機構(JAXA)のMMXミッションに搭載されているイメージング分光計である。MIRSは他の4つのフランス研究所との協力、フランス国立宇宙研究センター(CNES)の協力と財政支援、およびJAXAと三菱電機(MELCO)との緊密な協力によりパリ天文台で開発されている。この装置はMMXの科学的目的を完全に達成するべく設計されている。MIRSはフォボスとダイモスの表面組成の分析およびサンプリングサイトの選択時に使用される組成診断スペクトル機能を含む近赤外線スペクトルマップ機能をリモートで提供する。MIRSはまた、火星の大気、特に雲,塵,水蒸気などの空間的時間的変化についても観測を行う予定である。

論文

小惑星リュウグウ試料の分析に向けたミュオンX線分析の基礎研究

大澤 崇人

波紋, 31(3), p.117 - 120, 2021/08

ミュオンX線分析は、ミュオン原子から放出される特性X線を検出する元素分析法であり、炭素などの軽元素を非破壊的に検出できるなど、さまざまなメリットがある。私たちの研究グループは、この新しい分析手法を小惑星探検家「はやぶさ2」が持ち帰った小惑星リュウグウのサンプルに適用するための研究を続けてきた。本稿では、これまでにJ-PARCミュオン施設で実施された研究と、2021年6月から7月に実施予定のリュウグウサンプルの実験準備状況について概説する。新たに開発したグローブボックス付きチェンバーではヘリウム雰囲気で微量サンプルを分析可能で、非常に低いバックグラウンドレベルを達成することに成功した。

133 件中 1件目~20件目を表示