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廣内 淳; Charnock, T.*
JAEA-Research 2023-013, 57 Pages, 2023/12
近年、ICRPは環境線源からの外部被ばくに対する線量換算係数をICRP Publ.144として発表した。European Model for Inhabited Areas(ERMIN)は、ICRP Publ.144の「地面上および地面内の平面状線源」の状況に非常に近い「オープンエリア」環境を含む、いくつかの理想的な居住環境下の線量換算係数を整備している。この研究では、ガンマ線による外部被ばくにおける線量換算係数、空気カーマから実効線量への換算係数、ベータ線による線量換算係数について、ERMINでの値とICRP Publ.144での値とを比較し、最新知見に基づいてERMINの幾つかの改良点を示した。まずICRP Publ.144に基づいて新しい「オープンエリア」環境を作成した。新しい線量換算係数を作成し、以前は深さに依存していないものから、土壌の深さを考慮した9つの係数に変更した。ERMINでは制動放射線が考慮されていなく、Cs-137、Pr-143、Pr-144、Ru-106、Sr-89、Sr-90、Y-90、Y-91の線量換算係数がERMINとICRP Publ.144で大きく異なっていた。ICRP Publ.144に基づく補正係数を用いて、制動放射線を考慮した線量換算係数を作成した。
廣内 淳; Charnock, T.*
JAEA-Research 2023-009, 47 Pages, 2023/10
放射線緊急事態の復旧段階における意思決定では、様々な選択肢の復旧戦略を実行する人々の予測線量、コスト、労力、廃棄物の量、廃棄物の放射能濃度を提供することが重要である。European Model for Inhabited Areas(ERMIN)は、これらの情報を提供することができる。米国環境保護庁が開発したWaste Estimation Support Tool(WEST)は、放射線事故とその後の除染作業によって発生する廃棄物の潜在的な量と放射能濃度を推定することに焦点を当てたものである。本研究では、ERMINとWESTの廃棄物計算手法を比較し、ERMINツールのさらなる開発に役立てることを目的とした。ERMINとWESTの比較から、ERMINの改善点として、1)壁や天井の除染オプションを評価できるように内装をよりよく表現すること、2)廃棄物のエンドポイントを液体と固体に細分化すること、3)コンクリートの表面に対する高圧洗浄や消火を追加すること、4)異なる建物環境に対してさまざまな建ぺい率を追加することが提案された。
廣内 淳; Charnock, T.*
Proceedings of 14th International Conference on Radiation Shielding and 21st Topical Meeting of the Radiation Protection and Shielding Division (ICRS-14/RPSD 2022) (Internet), p.195 - 198, 2022/09
ERMIN (European Model for Inhabited Areas)は、欧州の二つの原子力事故意思決定支援システムにモジュールを提供しており、放射性核種に汚染された居住地域の人々の線量を計算するコードである。ERMINはEMRAS IIプログラムによって他のモデルと比較検証されている。ERMINの入力パラメータは、主にチェルノブイリ事故後に取得されたパラメータが基となっている。しかし、これらのパラメータは国や地域によって異なる可能性がある。ERMINを他の地域に適用した場合の計算線量の不確実性やばらつきを理解するためには、各パラメータが線量にどの程度影響するかを調べることが重要である。そこで、本研究では福島原子力発電所事故後に測定されたパラメータに関する文献を調査し、日本でのパラメータとERMINで使用されているパラメータを比較した。さらにそれらのパラメータ値および不確かさを用いて線量を計算し、線量の違いおよび各パラメータの線量への寄与を調査した。その結果、特に保持力と土壌浸透に関するパラメータ,空気交換率,室内での沈着率が線量評価に大きな影響を与えることを示した。
Adare, A.*; Afanasiev, S.*; Aidala, C.*; Ajitanand, N. N.*; Akiba, Y.*; Al-Bataineh, H.*; Alexander, J.*; Aoki, K.*; Aphecetche, L.*; Armendariz, R.*; et al.
Physical Review D, 84(1), p.012006_1 - 012006_18, 2011/07
被引用回数:29 パーセンタイル:72.31(Astronomy & Astrophysics)重心エネルギー200GeVでの縦偏極陽子陽子衝突からのジェット生成のイベント構造と二重非対称()について報告する。光子と荷電粒子がPHENIX実験で測定され、イベント構造がPHYTIAイベント生成コードの結果と比較された。再構成されたジェットの生成率は2次までの摂動QCDの計算で十分再現される。測定されたは、一番低い横運動量で-0.00140.0037、一番高い横運動量で-0.01810.0282であった。このの結果を幾つかのの分布を仮定した理論予想と比較する。
Adare, A.*; Afanasiev, S.*; Aidala, C.*; Ajitanand, N. N.*; 秋葉 康之*; Al-Bataineh, H.*; Alexander, J.*; 青木 和也*; Aphecetche, L.*; Armendariz, R.*; et al.
Physical Review C, 83(6), p.064903_1 - 064903_29, 2011/06
被引用回数:184 パーセンタイル:99.44(Physics, Nuclear)200GeVと62.4GeVでの陽子陽子の中心衝突からのの横運動量分布及び収量をRHICのPHENIX実験によって測定した。それぞれエネルギーでの逆スロープパラメーター、平均横運動量及び単位rapidityあたりの収量を求め、異なるエネルギーでの他の測定結果と比較する。またやスケーリングのようなスケーリングについて示して陽子陽子衝突における粒子生成メカニズムについて議論する。さらに測定したスペクトルを二次の摂動QCDの計算と比較する。
Adare, A.*; Afanasiev, S.*; Aidala, C.*; Ajitanand, N. N.*; Akiba, Y.*; Al-Bataineh, H.*; Alexander, J.*; Aoki, K.*; Aphecetche, L.*; Armendariz, R.*; et al.
Physical Review D, 83(5), p.052004_1 - 052004_26, 2011/03
被引用回数:175 パーセンタイル:98.48(Astronomy & Astrophysics)RHIC-PHENIX実験で重心エネルギー200GeVの陽子陽子衝突からの, , と中間子生成の微分断面積を測定した。これらハドロンの横運動量分布のスペクトルの形はたった二つのパラメーター、、のTsallis分布関数でよく記述できる。これらのパラメーターはそれぞれ高い横運動量と低い横運動量の領域のスペクトルを決めている。これらの分布をフィットして得られた積分された不変断面積はこれまで測定されたデータ及び統計モデルの予言と一致している。
辻 博史; 奥野 清*; Thome, R.*; Salpietro, E.*; Egorov, S. A.*; Martovetsky, N.*; Ricci, M.*; Zanino, R.*; Zahn, G.*; Martinez, A.*; et al.
Nuclear Fusion, 41(5), p.645 - 651, 2001/05
被引用回数:57 パーセンタイル:83.02(Physics, Fluids & Plasmas)ITERを構成する3群の超伝導コイルでは、中心ソレノイド・コイルが最も高い磁場13Tを0.4T/s以上の速度で急速励起するパルス動作が要求される点で、最も技術的難度の高いコイルである。そこで中心ソレノイド・コイル工学設計の妥当性を確認し、併せてコイルの製作技術を開発する目的で、中心ソレノイド・モデル・コイルの開発が進められてきた。約8年をかけて完成したモデル・コイルの実験がこの程、国際共同作業として原研で実施され、技術開発目標をすべて満足する実験成果と貴重な技術データが得られた。
大内 伸夫; 草野 譲一; 赤岡 伸雄*; 水本 元治; 井上 均*; 野口 修一*; 斎藤 健治*; 竹田 修*; 村井 隆*; 来島 裕子*; et al.
KEK Proceedings 99-25, p.33 - 37, 2000/02
原研と高エネルギー加速器研究機構(KEK)は、大強度陽子加速器により展開される基礎科学研究や原子力工学研究を行うための統合計画を進めている。その一環として原研では超伝導加速空胴の開発を進めている。平成10年度の成果として、(1)=0.886単セル空胴の性能測定、(2)=0.5、5セル空胴のプリチューニング、(3)高圧水洗浄装置の改造、(4)=0.886,5セル空胴の試作、(5)=0.805単セルスパッタ試作空胴の性能測定を行った。ここでは、これらの空胴開発の現状について報告する。
濱田 一弥; 加藤 崇; 河野 勝己; 本田 忠明*; 種田 雅信*; 関口 修一*; 今橋 浩一*; 大都 起一*; 田尻 二三男*; 大内 猛*; et al.
低温工学, 33(7), p.467 - 472, 1998/00
SEMSモデル・コイルは、強制冷凍型導体を使用した4層ダブルパンケーキのコイルで、全質量は4.5トンである。ITER CSモデルコイル用に開発された冷凍機を用いて、コイルに過大な熱歪みを加えぬよう感度制御しながら初期冷凍を行い、目標である10日以内に初期冷凍を終了した。熱負荷を測定したところ、7.5Wであり、設計値と比較して同程度であった。
杉山 康治; 冨田 芳明; 池添 博; 山内 良麿; 井出野 一実; 濱田 真悟; 泥谷 雅之*; 杉光 強*; 迎 隆*; 中本 孝太郎*; et al.
Physical Review C, 49(6), p.3305 - 3308, 1994/06
被引用回数:3 パーセンタイル:18.28(Physics, Nuclear)原子核の高励起状態にエキゾチックなクラスター構造が現れる。この構造のスピンを決定することは、構造の研究を進める上で不可欠である。我々は線反跳法により、C+O非弾性散乱で励起されたC(2)の磁気量子状態の分布を求めた。各磁気量子状態への角度分布からクラスター構造のスピンを決める新しい方法を見つけた。
小野 通隆*; 向 博志*; 嶋田 守*; 和智 良裕*; 藤岡 勉*; 礒野 高明; 奥野 清; 高橋 良和; 杉本 誠; 樋上 久彰*; et al.
Cryogenics, 33(6), p.586 - 591, 1993/00
被引用回数:5 パーセンタイル:35.93(Thermodynamics)核融合炉用大型高性能超電導コイルの高電流密度化を目指し、原研と東芝は共同研究にてDPC-TJコイルを開発した。本論文はDPC-TJコイルの通電実験結果について述べる。DPC-TJコイルは、常電導転移を起こすことなく定格の24kA-40A/mmの大電流・高平均電流密度状態を達成した。この間、コイルの不安定性を示す電圧スパイクの発生やAE信号の発生が非常に少なく、大変に安定したコイルであることが示された。さらに、高温励磁試験や、人為的常電導転移限界性能試験などを通し、大型強制冷凍コイルの設計に必要とされる多くの知見を得た。
山内 良麿; 杉本 昌義; 古田 悠; 水本 元治; 百武 幹雄*; T.Methasiri*
Nuclear Data for Science and Technology, p.287 - 289, 1988/00
10MeV以上のエネルギー領域での軽い核の中性子と散乱の反応メカニズムを調べるために、入射中性子エネルギー13MeVにおけるBおよびSiからの弾性、非弾性散乱断面積を測定した。タンデム加速器からのパルス化重陽子ビームによる、H(d、n)He反応を中性子源として使用した。
山内 勘; 桑島 幸雄; 滑川 卓志; 乾 俊彦; 近藤 優; 谷 安保; 薄井 啓二; 長井 修一朗
PNC TN9410 85-138, 109 Pages, 1985/03
高速実験炉「常陽」MK-I炉心燃料PPJX13は、「常陽」50MW出力上昇試験より75MW第6サイクルまで炉心中心(000)で照射された後、昭和57年5月28日に炉外へ取出された。集合体の平均燃焼度は、約40,000MWD/MTMである。集合体内より5本の燃料ピンを選択し照射後試験を実施して燃料の照射挙動を把握し高速炉燃料の健全性及び燃料の設計の妥当性を確認した。照射後試験は、金相試験(燃料組織観察、被覆管組織観察)、被覆管硬さ測定、被覆管密度測定及び燃焼率測定を実施した。測定の結果は、次の通りである。(1)燃料組織では、約250mの中心空孔及び柱状晶領域が観察されその外側にはガスバブル領域、高密度化領域が形成されている。(2)燃料―被覆管ギャップ巾は、照射前の200mに対し20m89mであり、20mで一定となる傾向が認められた。燃料―被覆管化学的相互作用(FCCI)が認められ最大で約13mであった。(3)被覆管組織は、照射温度の高い側(ピン上部)で粒界及び双晶領域へ炭化物析出が多く認められた。被覆管硬さは、照射温度の低い側(ピン下部)で最も大きい値を示している。(4)被覆管密度変化は、S材・K材には認められないがR材に最大1.10%の密度変イヒが認められ被覆管スエリングが観察された。(5)燃焼率は、集合体内中心位置ピンの軸方向燃料部中心位置で、5.22atom%でありまた、ピンの軸方向燃焼率分布は実測値と計算値が一致している。
片野 誠*; 市村 真*; 山口 裕資*; 茂木 ゆき美*; 室 大志*; 大内 敏昭*; 大石 洵也*; 佐藤 翔一*; 石川 正男; 森山 伸一; et al.
no journal, ,
非等方な速度分布を持つプラズマ中では、自発的に波動が励起され、その非等方性を緩和しようとする。プラズマ中心部で発生した核融合反応生成イオンが大きなバナナ軌道を描き周辺部に到達したとき、周辺部プラズマの分布関数の裾野に正の勾配を持つ集団を形成する(Bump on tail分布)。本研究ではJT-60Uにおいて、ICRF領域の自発励起波動であるICE(Ion Cyclotron Emission)の実験結果と、局所近似の熱いプラズマ分散式を解くことによる波動励起を評価し、ICE励起機構に関して議論を行う。
廣内 淳; 鯨岡 郁雄; 高原 省五; 高田 モモ*; 甲斐 倫明*; Schneider, T.*; Lecomte, J.-F.*
no journal, ,
算出されたリスクに基づく放射線防護基準の根拠を検討する際には、統計的なベンチマークデータが必要である。これまでは、英国王立協会のリスク評価研究がベンチマーク統計として用いられてきた。本研究では、ベースラインとなるがんの罹患率と死亡率に着目し、放射線に関連するがんリスクと比較する。ここでは、各国のがん罹患率と死亡率のデータを用いて計算した生涯死亡リスクと罹患リスク、障害調整生存年(DALYs)を発表する。結果の一つとして、各指標は国間によって異なり、生涯死亡リスクは0.120.30、生涯罹患リスクは0.220.54、DALYsは0.0100.044yの値を取り、放射線に関連するがんリスクと比較する際に有用なデータを提供した。
廣内 淳; 鯨岡 郁雄; 高原 省五; 高田 モモ*; 甲斐 倫明*; Schneider, T.*; Lecomte, J.-F.*
no journal, ,
ICRPでは、放射線被ばくによる健康への有害な影響を定量化するために"デトリメント"という概念を利用している。デトリメントは、致死的ながんの致死割合、非致死的ながんに罹患していることによるQOLの低下、害が発生した場合の余命損失が考慮されている。デトリメントは、放射線被ばくの分野でのみ使用されている指標であり、化学分野や環境分野などで使用されている他のリスクと比較することはできない。そこで本研究では、他の分野でも利用されているリスク指標DALY(病的状態や障害、早死により失われた年数を表す)に着目し、放射線被ばく時のDALYを37か国で求めた。DALYは被ばくで生じたがんによる死亡で短くなった損失余命と、がんの症状の重さと罹患から死亡までの長さに応じて失われた健康年数の和で求めた。ここで被ばく条件は、被ばく時年齢1865歳(職業被ばく想定)、被ばく線量20mSv/y(生涯約1Sv相当)とした。その結果、DALYは0.0030.007y/人となり、諸外国の死亡率の上位である虚血性心疾患と脳卒中(0.010.1y/人程度)よりも低い値であった。