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佐久間 康太; 阿部 大智*; 岡田 翔太; 菅谷 敏克; 仲田 久和; 坂井 章浩
JAEA-Technology 2022-013, 200 Pages, 2022/08
我々は、研究施設等廃棄物の埋設処分に向けて、トレンチ処分及びピット処分の区分や重要核種を選定する際の参考値とするために、廃棄物に含まれる可能性のある放射性核種について、トレンチ処分及びピット処分における基準線量相当濃度の試算を行っている。前報である「研究施設等廃棄物の浅地中処分のための基準線量相当濃度の検討(その1)」では、原子力安全委員会がトレンチ処分及びピット処分の濃度上限値を算出した手法を基に、廃棄物埋設施設の立地環境を幅広く想定して中深度処分の被ばく経路等を対象に基準線量相当濃度の試算を行った。本報告書は、ピット処分の廃棄物埋設施設からの浸出水量の感度解析評価の結果を用いるとともに、埋設地の条件を幅広く想定した新たな評価経路及び被ばく形態を取り入れて、ピット処分の基準線量相当濃度の試算を行い、前報との比較を行ったものである。なお、本報告書で試算した基準線量相当濃度の結果は、立地場所が決定していない段階でのピット処分の区分や重要核種を選定する際の参考値として用いることを考えているため、今後、立地場所の決定後に立地条件を踏まえて線量評価を行う必要がある。
小川 理那; 阿部 大智*; 菅谷 敏克; 佐久間 康太; 齋藤 龍郎; 坂井 章浩
JAEA-Technology 2022-008, 46 Pages, 2022/05
日本原子力研究開発機構では放射能濃度の低いウラン廃棄物の処分方法として、トレンチ処分を検討している。ウランは人の健康の保護に関連する物質であることから、我が国ではウランに関する濃度基準が定められており、その値は0.002mg/Lとされている。浅地中処分では、降雨による浸透水及び地下水により放射性廃棄物中に含まれている放射性核種が生活圏へ移行するシナリオを想定するため、安全評価として、線量評価のみではなく、環境中の濃度に関する評価も必要である。そこで、本報告では、埋設事業センターが実施した概念設計の施設条件においてウラン廃棄物を埋設した条件を設定し、帯水層中のウラン濃度が我が国で定められているウランの基準値を満足することが可能かを検討した。また、今後実施する基本設計に向けて、様々な環境条件におけるパラメータスタディを実施し、施設の設計において考慮すべき事項、条件及び課題についての検討も行った。ウラン濃度は、低レベル放射性廃棄物処分の線量評価コード「GSA-GCL2」を用いて、帯水層中へ移行するウラン量を解析し、施設から1m地点における帯水層中の濃度を求めた。検討の結果、条件設定によって、帯水層中のウラン濃度が大きく変化する結果が得られたが、地下水の流向に対する埋設施設の形状及び配置、廃棄体層の分配係数及び遮水工の設計を適切に組み合わせた設計を行うことで、帯水層中のウラン濃度を環境基準以下とすることが可能であると考えられる。
Basar, K.*; Xianglian*; Siagian, S.*; 大原 宏太*; 佐久間 隆*; 高橋 東之*; 阿部 修実*; 井川 直樹; 石井 慶信*
Indonesian Journal of Physics, 20(1), p.9 - 11, 2009/01
ナノサイズLiMnOの作製にLiOHとMnOの固相反応法によって成功した。本合成ナノ試料における、中性子散乱法によるScherrer法から評価した平均結晶子径や伝導度測定によって決定した活性化エネルギーはアニール温度の上昇によって増加することなどを明らかにした。
Xianglian*; Basar, K.*; 本多 宏之*; Siagian, S.*; 大原 宏太*; 佐久間 隆*; 高橋 東之*; 井川 直樹; 石井 慶信*
Solid State Ionics, 179(21-26), p.776 - 779, 2008/09
被引用回数:3 パーセンタイル:17.18(Chemistry, Physical)PbFのX線及び中性子散漫散乱を15K及び294Kにて測定した。散漫散乱の振動的なプロファイルは原子の熱振動による相関効果などによって説明できる。この散漫散乱の振動的なプロファイルに対する遠距離のPb-Pb原子間熱振動相関作用の寄与について初めて確認した。
Xianglian*; Basar, K.*; Sainer, S.*; 大原 宏太*; 佐久間 隆*; 高橋 東之*; 井川 直樹; 石井 慶信
no journal, ,
室温で斜方構造を持つ超イオン電導体-PbFのX線及び中性子回折実験を行い、散漫散乱の振動的な部分に最も関与している原子の相関効果を検討した。散漫散乱強度の理論式に4.3Aまでの原子間相関効果を取り入れて解析した結果、温度294K及び15Kにおける散漫強度散乱強度差において生じる振動的な形状は、X線回折の場合はおもにPb-Pb原子間の熱相関効果によって決まり、中性子回折の場合はPb-FとPb-Pb原子間の熱振動による相関効果で決まることがわかった。
Basar, K.*; Xianglian*; Sainer, S.*; 小原 航太*; 佐久間 隆*; 高橋 東之*; 阿部 修実*; 井川 直樹; 石井 慶信*
no journal, ,
リチウム系酸化物は次世代の充電型リチウムイオン電池として期待されている。LiMnOは安価で安定性に優れるために、これら次世代電池の正極材料としての研究が進んでいる。本研究では、LiMnO粉末をLiOHとMnOの固相反応によって合成した。得られた試料の結晶子径を粉末中性子回折法とScherra式によって解析し、また、その電気伝導度をDC法によって測定した。発表では、LiMnO試料の結晶子径と電気伝導度の相関関係及びその合成時のアニール温度効果について考察する。
佐久間 一幸; 吉村 和也; 中西 貴宏; 舟木 泰智; 鶴田 忠彦; 越智 康太郎; 林 誠二*; 辻 英樹*; 尾崎 宏和*
no journal, ,
森林流域から河川を通じて流出する溶存態Csの起源の一つとして、リター分解に伴うCsのリターからの溶出が考えられている。本研究では直接的にリター分解が溶存態Csの発生源として寄与していることを示すために、植物などが微生物による分解を経て形成されるフミン質(腐植物質)に着目し、フミン質と溶存態Cs濃度の関係を評価した。浪江町と南相馬市に位置する太田川上流の森林流域の10地点において、2017年4月から2019年8月まで(2019年4月以降は7地点)、河川水を月1程度の頻度で採水した。サンプルは実験室にて0.45mのメンブレンフィルターでろ過後、溶存態Cs濃度及びフミン質様蛍光強度を測定した。河川水中のフミン質様蛍光強度と流域沈着量で規格化した溶存態Cs濃度は正の相関(R=0.17, p0.001)を示し、森林流域から発生する溶存態Csは、リター分解に伴って溶出していることが示唆された。
佐久間 康太; 菅谷 敏克; 阿部 大智*; 坂井 章浩
no journal, ,
研究施設等廃棄物のピット処分に向けて、廃棄体の放射能濃度の受入基準を設定するため、廃棄体化処理前の廃棄物に含まれる可能性のある220核種について自然事象シナリオの基準線量相当濃度を試算した。