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論文

Reduced-shifted conjugate-gradient method for a Green's function; Efficient numerical approach in a nano-structured superconductor

永井 佑紀; 篠原 康*; 二村 保徳*; 櫻井 鉄也*

Journal of the Physical Society of Japan, 86(1), p.014708_1 - 014708_9, 2017/01

 被引用回数:8 パーセンタイル:53.85(Physics, Multidisciplinary)

銅酸化物高温超伝導体や鉄系高温超伝導体に代表される非従来型超伝導体は、様々な産業への応用が期待され世界中で盛んに研究されている。これらの非従来型超伝導体などをデバイスとして応用するためには、第一原理計算などを駆使した物質の特徴を捉えたシミュレーション手法の開発が急務である。本稿では、上記課題に対し、ナノサイズの超伝導体のシミュレーション手法の開発に成功したことを報告する。なお、上記課題の解決にあたり、Reducedシフト共役勾配法(RSCG)法という大規模並列計算が可能な手法を超伝導シミュレーションに応用し、実際に機構の所有するスーパーコンピューターSGI ICE X上で大規模並列計算を行い、そのパフォーマンスを調べた。そして、従来の手法と比べて非常に高速で応用範囲が広いことを報告した。これらの結果は、超伝導体の基礎物性を明らかにする手法であるのみならず、第一原理計算と組み合わせることで物質の特徴を取り入れることができるため様々な異なる物質のナノ超伝導デバイスに適用可能であり、広く原子力分野の材料開発のためのシミュレーション基盤開発にも資する成果である。

論文

Stochastic estimation of nuclear level density in the nuclear shell model; An Application to parity-dependent level density in $$^{58}$$Ni

清水 則孝*; 宇都野 穣; 二村 保徳*; 櫻井 鉄也*; 水崎 高浩*; 大塚 孝治*

Physics Letters B, 753, p.13 - 17, 2016/02

AA2015-0661.pdf:0.39MB

 被引用回数:23 パーセンタイル:81.2(Astronomy & Astrophysics)

原子核の準位密度は中性子捕獲反応断面積を支配し、そのため原子力や天体核物理への応用に重要な役割を担っている。この論文では、準位密度を殻模型を用いて現実的かつ精度よく計算する新しい手法を提唱し、その有用性を示した。この手法は、準位密度を複素平面の周回積分に置き換え、その各積分点で現れるオペレータのトレースを確率的に効率良く求めるという発想に基づいている。厳密に固有値分布が得られる系でこの手法の有用性を確かめた後、従来直接的には計算不可能だった$$^{58}$$Niのパリティ依存準位密度を計算した。その結果、$$^{58}$$Niの$$2^+$$$$2^-$$状態の準位密度が低い励起エネルギーでほぼ等しくなるという、これまでの手法では再現できなかった性質を微視的に得ることに初めて成功した。

論文

Observation of a $$p$$-wave one-neutron halo configuration on $$^{37}$$Mg

小林 信之*; 中村 隆司*; 近藤 洋介*; Tostevin, J. A.*; 宇都野 穣; 青井 考*; 馬場 秀忠*; Barthelemy, R.*; Famiano, M. A.*; 福田 直樹*; et al.

Physical Review Letters, 112(24), p.242501_1 - 242501_5, 2014/06

 被引用回数:89 パーセンタイル:94.33(Physics, Multidisciplinary)

軽い中性子過剰核では束縛線限界近くにハローと呼ばれる1あるいは2中性子が空間的に非常に広がった構造を持つことが知られているが、重くなってくると一般に軌道角運動量が大きくなり、変形も発達するためハローが存在するかどうかは不明だった。本論文では、非常に中性子過剰なマグネシウム同位体$$^{37}$$Mgの核力およびクーロン分解反応実験を理化学研究所RIBFにて行い、マグネシウム同位体でも$$p$$波と考えられるハローを持つことを初めて明らかにした。本実験では、炭素標的と鉛標的の断面積の差から、ハロー構造に敏感なクーロン力による分解反応の断面積を引き出すとともに、脱励起$$gamma$$線の測定によって、$$^{36}$$Mgの基底状態へ遷移する断面積も引き出した。実験値を大規模殻模型計算の結果と比較したところ、$$^{37}$$Mgの基底状態は$$^{36}$$Mgの基底状態に$$p$$波中性子が付いた波動関数が40%程度占め、その$$p$$波成分がハロー構造を生み出していることがわかった。

論文

Deformation-driven $$p$$-wave halos at the drip-line; $$^{31}$$Ne

中村 隆司*; 小林 信之*; 近藤 洋介*; 佐藤 義輝*; Tostevin, J. A.*; 宇都野 穣; 青井 考*; 馬場 秀忠*; 福田 直樹*; Gibelin, J.*; et al.

Physical Review Letters, 112(14), p.142501_1 - 142501_5, 2014/04

 被引用回数:62 パーセンタイル:91.13(Physics, Multidisciplinary)

理化学研究所RIBFを用いて中性子過剰核$$^{31}$$Neの1中性子分離反応実験を行い、理論計算との比較から、$$^{31}$$Neが$$p$$波ハロー(一部の中性子が核内に局在せず、空間的に極めて広がっていること)を持つことを明らかにした。この実験では、ターゲットとしてクーロン分離反応が優位な鉛と核力分離反応が優位な炭素の両方を用いるとともに、脱励起$$gamma$$線も測定することによって、包括的な断面積のみならず、$$^{30}$$Neの基底状態への直接遷移のクーロン分解断面積を決めることに成功した。その実験結果を殻模型計算と比較した結果、$$^{31}$$Neの基底状態は、$$^{30}$$Neの基底状態に$$p$$波の中性子が付加されている確率が大きく、その中性子はハローになるという特異な構造を持つことがわかった。それは、変形による$$p$$波と$$f$$波の配位混合と、$$^{31}$$Neが極めて弱く束縛されていることの両面によるものであると考えられる。

論文

Numerical construction of a low-energy effective Hamiltonian in a self-consistent Bogoliubov-de Gennes approach of superconductivity

永井 佑紀; 篠原 康*; 二村 保徳*; 太田 幸宏*; 櫻井 鉄也*

Journal of the Physical Society of Japan, 82(9), p.094701_1 - 094701_10, 2013/09

 被引用回数:17 パーセンタイル:68.31(Physics, Multidisciplinary)

銅酸化物高温超伝導体に代表される非従来型超伝導体は、原子力分野をはじめとして、さまざまな産業への応用も期待され世界中で盛んに研究されているが、これらの超伝導体を利用したマイクロデバイスを設計するためには量子力学的挙動も含めて正確に取り扱うことが必要である。本研究では、上記課題に対し、スペクトル直交多項式展開と杉浦櫻井法を併用した並列性の極めて高い数値計算手法を開発したことを報告する。なお、上記課題の解決にあたっては、その並列計算性能を示すために、スーパーコンピュータBX900に最適化した超大規模並列計算コードを開発することに成功した。これらの結果は、超伝導体のシミュレーションのみならず、実空間第一原理計算等の巨大な系を扱える手法の一つとしても有用であり、さまざまな系に適用可能であり、広く原子力分野の材料開発のためのシミュレーション基盤開発にも資する成果である。

論文

Feasible evaluation of neutron capture therapy for hepatocellular carcinoma using selective enhancement of boron accumulation in tumour with intra-arterial administration of boron-entrapped water-in-oil-in-water emulsion

柳衛 宏宣*; 熊田 博明*; 中村 剛実; 東 秀史*; 生嶋 一朗*; 森下 保幸*; 篠原 厚子*; 藤原 光輝*; 鈴木 実*; 櫻井 良憲*; et al.

Proceedings of 14th International Congress on Neutron Capture Therapy (ICNCT-14) (CD-ROM), p.157 - 160, 2010/10

In the treatment of hepatocellular carcinoma (HCC), only 30 % patients can be operated due to complication of liver cirrhosis or multiple intrahepatic tumours. Tumour cell destruction in BNCT is necessary to accumulate a sufficient quantity of $$^{10}$$B atoms in tumour cells. In this study, we prepared BSH entrapped WOW emulsion by double emulsifying technique using iodized poppy-seed oil (IPSO), BSH and surfactant, for selective intra-arterial infusion to HCC, and performed the neutron dosimetry using CT scan imaging of HCC patient. The $$^{10}$$B concentrations in VX-2 tumour obtained by delivery with WOW emulsion was superior to those by conventional IPSO mix emulsion. In case of HCC, we performed the feasibility estimation of 3D construction of tumor according to the CT imaging of a patient with epithermal neutron mode at JRR-4. Normal liver biologically weighted dose is restricted to 4.9 Gy-Eq; the max., min. and mean tumour weighted dose are 43.1, 7.3, and 21.8 Gy-Eq, respectively, in 40 minutes irradiation. In this study, we show that $$^{10}$$B entrapped WOW emulsion could be applied to novel intra-arterial boron delivery carrier for BNCT.

論文

Halo structure of the island of inversion nucleus $$^{31}$$Ne

中村 隆司*; 小林 信之*; 近藤 洋介*; 佐藤 義輝*; 青井 考*; 馬場 秀忠*; 出口 茂樹*; 福田 直樹*; Gibelin, J.*; 稲辺 尚人*; et al.

Physical Review Letters, 103(26), p.262501_1 - 262501_4, 2009/12

 被引用回数:198 パーセンタイル:97.53(Physics, Multidisciplinary)

理化学研究所のRIBFにて中性子過剰核$$^{31}$$Neの1中性子分離反応の断面積を測定した。鉛ターゲットと炭素ターゲットの断面積を比較することにより、$$^{31}$$Neのクーロン分解反応断面積が540(70)mbと導出された。その断面積は通常の原子核の断面積と比べ非常に大きく、中性子が非常に弱く束縛されているハロー構造を示唆している。この原子核のクーロン分解断面積を直接ブレークアップ模型と殻模型で求めた波動関数の重なり(分光学的因子)を組合せることにより定量的に計算した結果、$$^{31}$$Ne核の最後の1個の中性子は、普通の軌道の順序である$$f_{7/2}$$ではなく$$p_{3/2}$$軌道を主に占め、$$p$$軌道の小さな軌道角運動量により一粒子ハローを形成していることが明らかとなった。

論文

ヒト肺癌由来細胞株における重粒子線誘発バイスタンダー効果による細胞死

原田 耕作*; 野中 哲生*; 浜田 信行*; 舟山 知夫; 桜井 英幸*; 坂下 哲哉; 和田 成一*; 河村 英将*; 長谷川 正俊*; 小林 泰彦; et al.

JAEA-Review 2006-042, JAEA Takasaki Annual Report 2005, P. 102, 2007/02

We have here examined clonogenic survival of confluent human lung cancer A549 cells exposed to X-rays or 220 MeV 12C$$^{5+}$$ charged particles. Targeted exposure of 0.001-0.005 % of cells within the confluent population were resulted in 8-15 % reduction of surviving fraction, suggesting that the induced bystander responses are involved in mechanism of cell death by heavy particles.

論文

Development of a real-time thermal neutron monitor and its clinical application

石川 正純*; 小野 公二*; 松村 明*; 山本 哲哉*; 平塚 純一*; 宮武 伸一*; 加藤 逸郎*; 櫻井 良憲*; 古林 徹*; 熊田 博明; et al.

Proceedings of 12th International Congress on Neutron Capture Therapy (ICNCT-12), p.397 - 400, 2006/10

BNCTの臨床応用可能なSOF(Scintillator with Optical Fiber detector)と呼ばれる超小型熱中性子モニターを開発した。このSOFモニターを15例の実際のBNCTに適用し、BNCTへの適用性等の検証を行った。この検証結果から、従来型の2本の光ファイバを並べたプローブでは柔軟性が乏しく、実際の患者に適用するためにはフレキシビリティのあるプローブが必要であることがわかった。そこで2本の光ファイバを切り離して、検出器部分を対向状態で接続し、ループ状のプローブを開発した。これにより柔軟性が向上し、患者の任意の部位に的確かつ簡便に固定できるようになった。

論文

Combination of boron and gadolinium compounds for neutron capture therapy; An $$in Vitro$$ study

松村 明*; Zhang, T.*; 中井 啓*; 遠藤 聖*; 熊田 博明; 山本 哲哉*; 吉田 文代*; 櫻井 良憲*; 山本 和喜; 能勢 忠男*

Journal of Experimental and Clinical Cancer Research, 24(1), p.93 - 98, 2005/03

中性子捕捉療法においては、ホウ素化合物による治療効果はアルファ粒子によるものであるのに対し、ガドリニウム化合物はGd(n,$$gamma$$)反応による$$gamma$$線量の効果である。また、これらの化合物は腫瘍内への取り込み特性も異なっている。2つの化合物を混合したときの効果を調べるため、チャイニーズ・ハムスターのV79細胞を用いて、10B(BSH)を0, 5, 10, 15ppmと、ガドリニウム(Gd-BOPTA)を800, 1600, 2400, 3200, 4800ppmの組合せで取り込ませ、熱中性子ビームによる照射を行い細胞生存率を評価した。その結果、ホウ素化合物とガドリニウム化合物を最適な濃度割合で混合することによって治療効果を増強することができることが明らかとなった。ガドリニウム濃度が高すぎる場合、Gdの断面積が大きいために、ホウ素の中性子捕獲効果を減衰させてしまうと考えられる。

論文

Current clinical results of the Tsukuba BNCT trial

山本 哲也*; 松村 明*; 中井 啓*; 柴田 靖*; 遠藤 聖*; 桜井 文雄; 岸 敏明; 熊田 博明; 山本 和喜; 鳥居 義也

Applied Radiation and Isotopes, 61(5), p.1089 - 1093, 2004/11

 被引用回数:54 パーセンタイル:94.65(Chemistry, Inorganic & Nuclear)

高位のグリオーマの患者9症例に対して、原研JRR-4を使って混合熱-熱外中性子ビームを用いた術中ホウ素中性子捕捉療法(IOBNCT)を実施した。最大熱中性子束は、1.99$$sim$$2.77e+9(n/cm$$^{2}$$/s)であった。この研究における暫定的なサバイバルデータでは、生存期間の中央値は、悪性神経膠腫に対しては23.2か月、悪性星状細胞腫に対しては25.9か月という結果であり、これは他の放射線治療(追加の放射線治療を施す場合/施さない場合のそれぞれ)の結果と一致している。この結果をもとに熱外中性子ビームによるBSHを用いたIOBNCTの新たなプロトコールを計画することが可能となった。

論文

A Combination use of boron and gadolinium compounds in ${it In vitro}$ NCT trial

Zhang, T.*; 松村 明*; 山本 哲哉*; 吉田 文代*; 桜井 良憲*; 熊田 博明; 山本 和喜; 能勢 忠男*

Research and Development in Neutron Capture Therapy, p.819 - 824, 2002/09

本研究はホウ素とガドリニウムを組み合わせた中性子捕捉療法を前提に${it In vitro}$照射実験を行い、ガドリニウム濃度に依存して、ホウ素の照射効果がさまざま変化することを見いだした。この相乗効果の特徴は、ガドリニウムが低濃度の場合、ホウ素の殺細胞効果とガドリニウムの殺細胞効果とに相乗的な効果が現れ、ガドリニウムの濃度を高めていくとホウ素濃度に対する相乗効果が弱くなり、最終的にホウ素濃度に依存しないようになる。臨床照射に置き換えると、腫瘍中内のガドリニウムとボロンの適した濃度比が治療効果を高め、過剰なガドリニウム濃度は負の治療的効果を引き起こす可能性がある。

論文

Clinical review of boron neutron capture therapy and a proposed strategy using epithermal neutron beams in Japan

中川 義信*; Pooh, K. H.*; 影治 照喜*; 宇山 慎一*; 古林 徹*; 桜井 良憲*; 松村 明*; 山本 哲哉*; 熊田 博明

Research and Development in Neutron Capture Therapy, p.1113 - 1116, 2002/09

高グレードのグリオーマ患者に対して熱外中性子ビームを用いた中性子捕捉療法を実行するための新しいプロトコルを作成するため、これまで実施されたBNCTの照射線量,組織学的腫瘍度数及び臨床結果の相関について解明した。1968から183例の脳腫瘍患者に対して実施されたBNCTのうち、1978年から1997年の間に実施した脳腫瘍患者105例の患者に対して回顧的な研究を行った。放射線的影響については、1977年から2001までに実施された159例全員に対して解析を行った。グリオブラストーマの10例の患者に対しては、熱外中性子ビームを使った新しいプロトコルに基づいて治療が行われた。

論文

Radiobiogical characterization of epithermal and mixed thermal-epithermal beams at JRR-4

山本 哲哉*; 松村 明*; 柴田 靖*; 能勢 忠男*; 山本 和喜; 熊田 博明; 堀 直彦; 鳥居 義也; 小野 公二*; 古林 徹*; et al.

Proceedings of 9th International Symposium on Neutron Capture Therapy for Cancer, p.205 - 206, 2000/10

JRR-4熱外中性子モード(ENB)及び熱中性子モード(TNB-I)に対するビーム特性は円筒水ファントム中の放射化検出器及びinvitro培養細胞を用いて評価された。細胞に$$^{10}$$B(5$$mu$$g/ml medium)を含む場合または含まない場合で照射された時、ENBに対する深さ細胞生存率曲線はUシェイプを見せた。10mm深さまたはそれ以降の深さでは、$$^{10}$$B添加細胞においてENBがTBN-Iより効果的であることがわかった。$$^{10}$$Bを添加または無添加で細胞照射が実施された時、ファントム表面でTNB-IはENBより効果的であった。ENBはTNB-Iと比較してより深い領域で熱中性子分布及び殺細胞効果が改善されることがわかった。今後、2次元及び3次元線量分布は評価されるべきである。

口頭

ヒト肺癌細胞株における高LET重イオンマイクロビームによるバイスタンダー効果の検討

原田 耕作*; 野中 哲生*; 桜井 英幸*; 河村 英将*; 長谷川 正俊*; 中野 隆史*; 浜田 信行*; 和田 成一*; 小林 泰彦; 舟山 知夫; et al.

no journal, , 

ヒト肺癌由来の細胞株を用いて重イオンビーム照射後のバイスタンダー効果の誘導について検討した。ブロードビームを用いた実験で220MeV$$^{12}$$Cの細胞生存曲線は直線的であったが、X線及び220MeV$$^{12}$$CのD$$_{0}$$(37%生存線量)D$$_{10}$$(10%生存線量)はそれぞれ1.59Gy/4.00Gy, 1.23Gy/2.39Gyであった。マイクロビームを用いた実験では、選択的に1つの細胞にのみイオンを照射した際の細胞生存率は非照射細胞とほぼ同様であった。照射細胞数をディッシュ内の5-25個、また各細胞への照射イオン数を5-10個とすると、照射していない細胞の生存率と比較して統計学的に有意に低下した。本実験ではディッシュ全体の細胞のうち0.001-0.005%という極少数の細胞を重イオンビームで照射した時、ディッシュ全体の細胞生存率が有意に低下する結果が得られた。このことは重イオン照射による細胞死のメカニズムにバイスタンダー効果が深く関与していることを示唆している。

口頭

Analysis of bystander effect using high-LET heavy-ion microbeam

原田 耕作*; 野中 哲生*; 浜田 信行*; 舟山 知夫; 桜井 英幸*; 和田 成一*; 坂下 哲哉; 長谷川 正俊*; 小林 泰彦; 中野 隆史*

no journal, , 

重イオン放射線治療は、優れた線量分布と高い生物学的効果ゆえに、期待されている。しかし、ブロードビームによる細胞死メカニズムは、十分に解明されていない。本研究では、バイスタンダー効果に焦点を当て、p53ヒト肺癌細胞株A549を用い、重イオン照射による細胞死メカニズムを明らかにする。群馬大学のMBR-1505と、TIARA(JAEA)の$$^{12}$$C(220MeV)と$$^{20}$$Ne(260MeV)を用い、コンフルエントな細胞にX線を照射し、コロニー形成法で細胞生存率を調べた。X線(150kV), $$^{12}$$C, $$^{20}$$Neを照射した細胞のD$$_{0}$$/D$$_{10}$$は、それぞれ1.59Gy/4.00Gy, 1.23Gy/2.39Gy, 1.81Gy/4.55Gyだった。細胞50万個中わずか5$$sim$$25個の細胞に100個のイオンを照射することで、非照射対照群と比較して生存率が23$$sim$$48%減少した。バイスタンダー効果は、重イオン照射による細胞死メカニズムに重要な役割を果たしていることがわかった。さらに、DNA修復の細胞応答や重イオン照射によるアポトーシスの研究を進め、臨床分野での重イオン放射線治療法を確立する。

口頭

Growth cone collapse assay approach to examine sensitivity of cell neurons to carbon beams

Al-Jahdari, W. S.*; 鈴木 義行*; 吉田 由香里*; 浜田 信行*; 野田 真永*; 白井 克幸*; 舟山 知夫; 坂下 哲哉; 桜井 英幸*; 小林 泰彦; et al.

no journal, , 

The growth cone collapse (GCC) assay has been reported as a useful means of quantifying the effects of various factors on nervous tissue. Here, we used the GCC assay to determine the relative biological effectiveness (RBE) of carbon beams to X-rays on the cell neurons. Dorsal root ganglia (DRG) and sympathetic ganglion chains (SYMP) were isolated from day-16 and day-8 chick embryos and cultured for 20 h. Thereafter, neurons were exposed to graded doses of X-rays, or high-LET $$^{12}$$C ions. Morphological and apoptotic changes of the neurons were examined quantitatively by GCC and TUNEL assay, respectively. Carbon beams induced GCC and neurite destruction in a time and dose-dependent manner. At 12 h post-irradiation, 20 Gy of carbon beams and 30 Gy of X-rays induced about 65% and 25% apoptosis, respectively. RBE of carbon beams was ranged 3.3-4.6. Carbon beams were 3.3-4.6-fold more effective on neuron cells than X-rays. GCC assay could be beneficial in radiobiological investigations.

口頭

Microscopic magnetic hysteresis measurement of amorphous Tb-TM (TM=Fe and Co) thin films by magnetic Compton scattering

安居院 あかね; 海野 哲哉*; 松本 紗也加*; 鈴木 浩輔*; 櫻井 浩*

no journal, , 

本研究では、磁気コンプトン散乱実験によってTb$$_{43}$$Co$$_{57}$$合金膜、Tb$$_{32}$$Fe$$_{55}$$(O$$_{13}$$)合金膜のSSHMを測定し、スピン・軌道,元素別に磁化曲線を見積もることを試みた。試料は、Tb+Coチップをターゲットに用いて高周波スパッタ装置でAl基板上に作製した。この試料のマクロな磁化はSQUIDで測定した。磁気コンプトン散乱測定は、AR-NE1A及びSPring-8-BL08Wにて行った。解析の結果、スピンと軌道の磁化曲線は形状が異なることがわかった。

口頭

Sakurai-Sugiura法による実空間Bogoliubov-de Gennes方程式の高速数値解法

永井 佑紀; 篠原 康*; 二村 保徳*; 太田 幸宏; 櫻井 鉄也*

no journal, , 

銅酸化物高温超伝導体に代表される非従来型超伝導体は、原子力分野をはじめとして、さまざまな産業への応用も期待され世界中で盛んに研究されているが、これらの超伝導体を利用したマイクロデバイスを設計するためには量子力学的挙動も含めて正確に取り扱うことが必要である。本研究では、上記課題に対し、スペクトル直交多項式展開とSakurai-Sugiura法を併用した並列性の極めて高い数値計算手法を開発したことを報告する。なお、上記課題の解決にあたっては、その並列計算性能を示すために、スーパーコンピュータBX900に最適化した超大規模並列計算コードを開発することに成功した。これらの結果は、超伝導体のシミュレーションのみならず、実空間第一原理計算等の巨大な系を扱える手法の一つとしても有用であり、さまざまな系に適用可能であり、広く原子力分野の材料開発のためのシミュレーション基盤開発にも資する成果である。

口頭

Shifted CG法を用いた超伝導自己無撞着平均場計算の実空間高速解法

永井 佑紀; 篠原 康*; 二村 保徳*; 櫻井 鉄也*

no journal, , 

銅酸化物高温超伝導体や鉄系高温超伝導体に代表される非従来型超伝導体は、様々な産業への応用が期待され世界中で盛んに研究されている。超伝導体を機能デバイスとして応用するには、微小な超伝導体の挙動を正確にシミュレーションする技術開発が急務である。本発表では、上記課題に対し、共役勾配法をベースとした新しい数値解法(Reduced-Shifted-Conjugate-Gradient法(RSCG法))を開発したことを報告する。なお、上記課題の解決にあたり、スーパーコンピュータICE Xで超大規模並列計算が可能なようにRSCG法を実装し、ボゴリウボフドジャン方程式とギャップ方程式を自己無撞着に高精度に解くコードを開発した。本発表では、そのベンチマークの結果として、銅酸化物高温超伝導体のナノディスクの物性をシミュレーションした結果を報告する。これらの結果は、超伝導体の機能デバイスシミュレーション開発の成果であるのみならず、広く原子力分野での有効なデバイス開発に対して適用可能なシミュレーション基盤開発にも資する成果である。

口頭

動的平均場理論に対する、LOBPCG法とshifted COCG法を用いた厳密対角化ソルバー

永井 佑紀; 篠原 康*; 山田 進; 二村 保徳*; 今村 俊幸*; 櫻井 鉄也*

no journal, , 

銅酸化物高温超伝導体などの非従来型超伝導体は、原子力分野をはじめとして、さまざまな産業への応用も期待され世界中で盛んに研究されている。この超伝導体の超伝導発現機構を解明するためには、電子の強相関効果を正確に取り込んだシミュレーション手法の開発が重要である。本発表では、上記課題に対し、動的平均場理論による強相関電子の新しいシミュレーション手法を開発したことを報告する。なお、上記課題の解決にあたり、動的平均場理論の不純物ソルバーとして地球シミュレータ等のスーパーコンピュータで高効率を達成した厳密対角化ソルバ(LOBPCG法)を用い、さらに今回新しく開発したReduced-Shifted-Conjugate-Gradient(RSCG)法を組み合わせることで、ICE X上での高精度な数値シミュレーションが可能となった。本発表では、この手法の有用性と性能についてのベンチマーク結果を報告する。これらの結果は、固体物性で重要な役割を果たす電子相関を明らかにする手法の開発であるのみならず、様々な物質系にも適用可能であり、広く原子力分野の材料開発のためのシミュレーション基盤開発にも資する成果である。

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