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吉田 麻衣子; Kaye, S.*; Rice, J.*; Solomon, W.*; Tala, T.*; Bell, R. E.*; Burrell, K. H.*; Ferreira, J.*; 鎌田 裕; McDonald, D. C.*; et al.
Nuclear Fusion, 52(12), p.123005_1 - 123005_11, 2012/11
被引用回数:18 パーセンタイル:59.59(Physics, Fluids & Plasmas)プラズマ回転分布は、プラズマの安定性,閉じ込め改善,不純物輸送に重要な役割をしている。よって、運動量輸送係数の性質を理解することは、将来の装置におけるプラズマ回転やプラズマ性能を予測するうえで必須である。本研究では、さまざまな磁場配位を持つトカマク装置で取得した運動量輸送に関するデータベースを構築し、幅広いプラズマパラメータ領域における運動量輸送の特性を評価した。その結果、共通してどの装置でも運動量輸送係数が熱輸送係数と相関することと、運動量の対流速度と拡散係数が相関することが、プラズマ半径r/a=0.3-0.7の領域において観測されていることがわかった。また、運動量輸送係数と熱輸送係数の比の無次元量パラメータの関係について導き、輸送係数の比のスケーリングを初めて構築した。これらの結果は、将来の装置における運動量輸送係数の予測やモデリングの構築のために有効なデータである。
浦野 創; Saibene, G.*; 大山 直幸; Parail, V.*; de Vries, P.*; Sartori, R.*; 鎌田 裕; 神谷 健作; Loarte, A.*; Lnnroth, J.*; et al.
Nuclear Fusion, 51(11), p.113004_1 - 113004_10, 2011/11
被引用回数:10 パーセンタイル:40.14(Physics, Fluids & Plasmas)JET及びJT-60Uにおいてトロイダル磁場リップルのスキャン実験を実施し、トロイダル磁場リップルによる周辺ペデスタル構造への影響を評価した。トロイダル磁場リップルは赤道面外側のセパラトリクス上で定義した。JT-60Uではフェライト鋼導入によってトロイダル磁場リップルはからに低減し、一方JETではコイル電流の調整によってからまで変化させた。JT-60Uではフェライト鋼導入によってペデスタル圧力に大きな差異は見られなかった。同様にJETでもペデスタル部の密度・温度に差異が見られなかった。しかし両装置ともに周辺トロイダル回転速度はリップルの増大とともに逆方向にシフトした。JT-60UではELM周波数がリップルとともに増大したが、JETでは変化が観測されなかった。この装置間比較実験の結果から、以下のトロイダル磁場リップルは周辺ペデスタル構造に大きな影響を与えないことが示された。しかし、ITERのような低衝突周波数領域での影響については今後の課題である。
Schaffer, M. J.*; Snipes, J. A.*; Gohil, P.*; de Vries, P.*; Evans, T. E.*; Fenstermacher, M. E.*; Gao, X.*; Garofalo, A. M.*; Gates, D. A.*; Greenfield, C. M.*; et al.
Nuclear Fusion, 51(10), p.103028_1 - 103028_11, 2011/10
被引用回数:37 パーセンタイル:80.23(Physics, Fluids & Plasmas)ITERのテストブランケットモジュールが作ると思われる誤差磁場の影響を調べる実験をDIII-Dにおいて実施した。プラズマ回転とモードロッキング,閉じ込め,LH遷移,ELM安定化,ELMとHモードペデスタル特性,高エネルギー粒子損失等を調べた。実験では、ITERの1つの赤道面ポートを模擬する3つ組のコイルを1セット使用した。その結果、ITERのTBMが作る誤差磁場のためにITERの運転が妨げられるような結果は得られなかった。一番大きな変化はプラズマ回転を減速させるものであり、非共鳴ブレーキング効果によってプラズマ全体の回転が50%程度減少した。密度や閉じ込めへの影響は、回転の影響の1/3程度である。これらの影響は、プラズマ圧力の高いプラズマや回転の低いプラズマで顕著である。それ以外の影響は軽微であった。
Litaudon, X.*; 坂本 宜照; de Vries, P. C.*; Salmi, A.*; Tala, T.*; Angioni, C.*; Benkadda, S.*; Beurskens, M. N. A.*; Bourdelle, C.*; Brix, M.*; et al.
Nuclear Fusion, 51(7), p.073020_1 - 073020_13, 2011/07
被引用回数:9 パーセンタイル:37.08(Physics, Fluids & Plasmas)内部輸送障壁の発生機構や構造形成は、装置や運転シナリオによって多様性があることが知られている。その多様性を理解するために、装置サイズがほぼ同じのJT-60と英国のJET装置において、同様の運転シナリオで形成した内部輸送障壁の輸送特性の比較を行った。特に、両装置のプラズマ形状,規格化衝突周波数,規格化ラーモア半径等の無次元変数を揃えた場合に着目した。その結果、内部輸送障壁の形成機構については、共通の形成条件があるが、定常状態での密度分布に大きな差異があることが明らかになった。この差異は、中心付近の磁気シアの違いに起因していると考えられる。
de Vries, P. C.*; Salmi, A.*; Parail, V.*; Giroud, C.*; Andrew, Y.*; Biewer, T. M.*; Cromb, K.*; Jenkins, I.*; Johnson, T.*; Kiptily, V.*; et al.
Nuclear Fusion, 48(3), p.035007_1 - 035007_6, 2008/03
被引用回数:48 パーセンタイル:85.26(Physics, Fluids & Plasmas)JETにおいてトロイダル磁場リップルがトカマクプラズマの性能に与える影響を調べた結果、トロイダル磁場リップルがプラズマの回転に大きな影響を及ぼすことがわかった。回転速度を熱速度で規格化したマッハ数(M)は、トロイダル磁場リップル強度の関数として減少する。プラズマ中心部のMは、JETの通常の運転におけるリップル率0.08%におけるM=0.4-0.55に対し、0.5%ではM=0.25-0.40、1%ではM=0.1-0.3と減少する。プラズマ電流と同じ方向の中性粒子ビーム入射を用いる通常の実験では、プラズマ電流と同じ方向にプラズマが回転する。しかし、トロイダル磁場リップルが大きい場合(1%)、プラズマ中心部ではプラズマ電流と同じ方向に回転するものの、プラズマ周辺部ではプラズマ電流と逆方向に回転することがわかった。
大山 直幸; Saibene, G.*; 鎌田 裕; 神谷 健作; Loarte, A.*; Lnnroth, J.*; Parail, V.*; 坂本 宜照; Salmi, A.*; Sartori, R.*; et al.
Journal of Physics; Conference Series, 123, p.012015_1 - 012015_13, 2008/00
被引用回数:8 パーセンタイル:90.12(Physics, Fluids & Plasmas)JETとJT-60Uにおいてトロイダル磁場リップルと周辺トロイダル回転がHモード・ペデスタル性能やELM特性に与える影響を調べた。JT-60Uでは、フェライト鋼の設置により平均磁場リップルを約1.2%から約0.5%に低減することができた。一方、JETでは、コイル電流を変えることでリップル率を能動的に変化できる。どちらの装置も、リップル率を増やすとプラズマ電流方向(co方向)のトロイダル回転が減少する。しかし、同じリップル率0.5%で比較しても、JETの回転よりJT-60Uの回転は小さい。一連のパワースキャン,密度スキャンの結果、小さいリップル率か大きなco方向回転が高いペデスタル性能と閉じ込め性能には適していることがわかった。ELM特性に関しては、大きなco方向回転がELMによるエネルギー損失を増加させると考えられる。
Parail, V. V.*; Evans, T. E.*; Johnson, T.*; Lnnroth, J.*; 大山 直幸; Saibene, G.*; Sartori, R.*; Salmi, A.*; de Vries, P.*; Becoulet, M.*; et al.
Proceedings of 21st IAEA Fusion Energy Conference (FEC 2006) (CD-ROM), 8 Pages, 2007/03
現在のトカマクやITERでのELM低減化手法としてトロイダル磁場リップルの増大と外部より供給するセパラトリックス近傍への共鳴磁場摂動(RMP)が検討されている。これらの手法は、異なる物理に基づいて輸送を増加しているが、この増加した輸送がプラズマダイナミクスやELM低減化へ与える影響は補完的、もしくは似たものである。本論文では、リップルやRMPによりもたらされる輸送に関する物理プロセスの理論解析の結果とともに予測モデルについて報告する。現在のトカマク装置での実験結果との比較も行う。
浦野 創; Saibene, G.*; 大山 直幸; Parail, V.*; Vries, P,*; Sartori, R.*; 鎌田 裕; 神谷 健作; Loarte, A.*; Lnnroth, J.*; et al.
no journal, ,
JET及びJT-60Uにおいてトロイダル磁場リップルのスキャン実験を実施し、トロイダル磁場リップルによる周辺ペデスタル構造への影響を評価した。トロイダル磁場リップルは赤道面外側のセパラトリクス上で定義した。JT-60Uではフェライト鋼導入によってトロイダル磁場リップルは1%から0.6%に低減し、一方JETではコイル電流の調整によって0.1%から1%まで変化させた。JT-60Uではフェライト鋼導入によってペデスタル圧力に大きな差異は見られなかった。同様にJETでもペデスタル部の密度・温度に差異が見られなかった。しかし両装置ともに周辺トロイダル回転速度はリップルの増大とともに逆方向にシフトした。JT-60UではELM周波数がリップルとともに増大したが、JETでは変化が観測されなかった。この装置間比較実験の結果から、1%以下のトロイダル磁場リップルは周辺ペデスタル構造に大きな影響を与えないことが示された。しかし、ITERのような低衝突周波数領域での影響については今後の課題である。
Snipes, J. A.*; Schaffer, M. J.*; Gohil, P.*; de Vries, P.*; Fenstermacher, M. E.*; Evans, T. E.*; Gao, X. M.*; Garofalo, A.*; Gates, D. A.*; Greenfield, C. M.*; et al.
no journal, ,
磁性体で作られているITERのテストブランケットモジュール(TBM)が作る誤差磁場がプラズマ運転と性能へ与える影響を調べる実験をDIII-Dで実施した。ポロイダル磁場とトロイダル磁場を作る一組のコイルをプラズマ近傍の水平ポートに設置した。TBMコイルは、トロイダル磁場リップルとの総和で5.7%という局所磁場リップルを作り出すことが可能で、この値は1.3トンのITER用TBMが作る局所磁場リップルの4倍に相当する。実験では、トロイダル回転の減少はリップルに敏感であるが、閉じ込め性能への影響では、3%以上の局所磁場リップルで15-18%の減少、1.7%以下では影響はほとんど見られないことがわかった。
Saibene, G.*; McDonald, D. C.*; Beurskens, M.*; Salmi, A.*; Lonnroth, J. S.*; Parail, V.*; de Vries, P.*; Andrew, Y.*; Budny, R.*; Boboc, A.*; et al.
no journal, ,
本発表は0.08%から約1%までトロイダル磁場リップルの振幅を変化できるJETにおけるリップル実験の結果を報告するものである。リップルがペデスタルとコアプラズマに与える影響をq=33.6のELMy Hモードプラズマで測定した。Hモード特性の変化は明確であるが、閉じ込め性能が劣化する物理機構は明確でない。プラズマ密度の減少や閉じ込め性能劣化は0.5%程度のリップルで観測されるが、その閾値はプラズマパラメータで変化する。リップルはペデスタル圧力とELMにも影響を与える。また、プラズマ回転もリップルの影響を強く受ける。