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伊勢 英夫; 扇柳 仁; 中村 仁一; 笹島 栄夫; 高佐 明; 塙 悟史; 川口 佳彦; 知見 康弘; 西山 裕孝; 中村 武彦
FAPIG, (180), p.22 - 25, 2010/02
日本原子力研究開発機構では、軽水炉の開発や安全確保などに資するため、Japan Materials Testing Reactor (JMTR)を改修して2011年度に再稼働する計画を進めており、軽水炉燃料及び材料の照射にかかわる健全性を調べるための試験装置の整備を改修と並行して行っている。本稿では、この燃料及び材料照射試験計画の概要について述べる。
笹島 栄夫; 杉山 智之; 中頭 利則; 永瀬 文久; 中村 武彦; 更田 豊志
Journal of Nuclear Science and Technology, 47(2), p.202 - 210, 2010/02
被引用回数:5 パーセンタイル:34.97(Nuclear Science & Technology)高燃焼度燃料を対象として、反応度事故(RIA)模擬したパルス照射実験をNSRRにおいて実施した。パルス照射後のパンクチャー試験より、FPガス組成((Xe/Kr)比)を測定した。XeとKrの生成割合がペレット径方向位置に応じて異なることから主たるガス放出の位置を推定した。高燃焼度PWR燃料では、ペレット径方向の全領域からFPガス放出が生じていることを示した。一方、高燃焼度BWR燃料では、ペレット中心、又は、中間領域から放出されたことを示した。計算コードによるパルス照射時のペレット熱応力分布の解析結果も、測定結果を支持するものであった。これらよりRIA時のFPガス放出について、ペレット外周部に存在するリム部からの選択的な放出がなかったことを示した。
杉山 智之; 梅田 幹; 宇田川 豊; 笹島 栄夫; 鈴木 元衛; 更田 豊志
Proceedings of OECD/NEA Workshop on Nuclear Fuel Behaviour during Reactivity Initiated Accidents (CD-ROM), 12 Pages, 2009/09
Pulse irradiation tests of high burnup light water reactor fuels were performed at the Nuclear Safety Research Reactor (NSRR) in order to investigate transient fuel behavior and fuel failure limit under the reactivity-initiated accident (RIA) conditions. This paper presents new data from the NSRR high temperature tests at 250 to 290 C as well as data from the room temperature tests at around 20 C, and discusses the applicability of these data to the fuel safety evaluation under power reactor conditions.
更田 豊志; 杉山 智之; 梅田 幹; 笹島 栄夫; 永瀬 文久
Proceedings of Top Fuel 2009 (DVD-ROM), p.465 - 472, 2009/09
Behavior of LWR fuels during reactivity-initiated accident (RIA) is being studied with pulse-irradiation experiments in the Nuclear Safety Research Reactor (NSRR). The tests BZ-1 and BZ-2 were performed on PWR-MOX fuel rods irradiated in the Beznau NPP in Switzerland. The BZ-1 test fuel rod contained pellets produced with the Short Binderless Route (SBR) process. The local burnup was 48 GWd/t. On the other hand, the pellets of the BZ-2 test fuel rod were produced with the Micronized Master blend (MIMAS) process. The local burnup was 59 GWd/t. The two tests resulted in PCMI failure, a long axial clack was generated and fragmented pellets were found in the capsule water. Subsequently to the above-mentioned BZ-2 test, a sibling rod was subjected to the NSRR experiment at high temperature by using newly developed capsule. The result from this test BZ-3 is also described and discussed in the paper.
杉山 智之; 梅田 幹; 笹島 栄夫; 鈴木 元衛; 更田 豊志
Proceedings of Top Fuel 2009 (DVD-ROM), p.489 - 496, 2009/09
Pulse irradiation tests, simulating reactivity-initiated accidents (RIAs), were performed on high burnup fuels at high temperature (HT) in the Nuclear Safety Research Reactor (NSRR). The NSRR tests have provided data of fuel failure limit against the pellet-cladding mechanical interaction (PCMI) at RIAs, but the coolant temperature in the previous tests was limited to room temperature (RT) of around 20 C. Therefore, the obtained failure limits could be very conservative for RIAs at hot zero power or at operation. The possible effect of initial coolant temperature on the PCMI failure limit was investigated using a newly developed test capsule which can achieve 290 C. PWR and BWR fuel rods were tested both at RT and HT conditions. Comparison of the test results indicated that the increased cladding ductility at HT raised the failure limit. Hence, the PCMI failure criterion based on the NSRR RT data has more than adequate safety margin for RIAs at HT condition.
塙 悟史; 扇柳 仁; 稲葉 良知; 笹島 栄夫; 中村 仁一; 中村 武彦
Proceedings of Top Fuel 2009 (DVD-ROM), p.350 - 356, 2009/09
改良型軽水炉燃料の出力過渡時における挙動を評価するため、自然対流型と強制対流型の二種類の燃料異常過渡試験キャプセルの開発を進めている。自然対流型キャプセルは構造が比較的単純であり、試験燃料棒はその周りの冷却水の自然対流で冷却される。自然対流型キャプセルの基本的な技術は既に確立しており、改良型燃料の出力過渡試験は自然対流型キャプセルを用いて開始される予定である。強制対流型キャプセルは新しい概念のキャプセルであり、キャプセル内の小型ポンプにより燃料棒周りの冷却水を強制的に循環させることで、軽水炉の条件をより精度よく模擬できる。各種炉外試験を実施した結果、開発を進めるキャプセルでは改良型燃料を用いた試験でも目標とする線出力がDNBを起こすことなく達成できることが確認され、また強制対流型キャプセルに必要な技術要素について実現の見通しを得た。
杉山 智之; 梅田 幹; 更田 豊志; 笹島 栄夫; 宇田川 豊; 永瀬 文久
Annals of Nuclear Energy, 36(3), p.380 - 385, 2009/04
被引用回数:22 パーセンタイル:79.59(Nuclear Science & Technology)反応度事故(RIA)条件下における燃料破損限界を明らかにするため、高燃焼度燃料を対象としたパルス照射実験を実施した。燃焼度69GWd/tのBWRウラン燃料はペレット被覆管機械的相互作用(PCMI)により破損し、その際の燃料エンタルピは、より腐食の進んだ被覆管を有する燃焼度71から77GWd/tのPWRウラン燃料の場合に近かった。BWR及びPWR燃料の被覆管金相の比較から、被覆管の集合組織に依存して決まる水素化物の析出形態が破損限界に影響を与えることを明らかにした。一方、燃焼度48及び59GWd/tのPWR-MOX燃料を対象とした実験においてもPCMI破損が生じた。破損時エンタルピを被覆管酸化膜厚さに対してプロットしたところ、MOX燃料の破損限界はこれまでに実施したPWRウラン燃料実験の結果に一致した。よって、RIA条件下のPCMI破損限界は被覆管の腐食状態に依存しており、燃焼度59GWd/tまではウラン燃料とMOX燃料に同一の破損しきい値を適用することは妥当と言える。
中村 武彦; 西山 裕孝; 知見 康弘; 笹島 栄夫; 扇柳 仁; 中村 仁一; 鈴木 雅秀; 河村 弘
Proceedings of 16th Pacific Basin Nuclear Conference (PBNC-16) (CD-ROM), 6 Pages, 2008/10
軽水炉の長期利用や高度利用における安全性を維持向上するためには、燃料や材料の照射挙動を適切に把握することが非常に重要である。日本政府と日本原子力研究開発機構は、現行軽水炉の高経年化や高度利用並びに次世代軽水炉の開発における照射にかかわる課題の解決に貢献するため、材料試験炉(JMTR)を改修し新たな試験装置を整備することとした。この中で異常過渡時や高負荷運転時の燃料の健全性を調べる試験を計画している。2011年に終了するJMTRの改修後、まず新型燃料の出力急昇試験を行う計画である。JMTRの新たな燃料照射試験は、NSRRでの反応度事故模擬試験やホットラボを用いたLOCA試験と組合せることで、高燃焼度燃料の通常運転時から異常過渡,事故までを広くカバーする総合的な研究を成す。材料照射試験では、原子炉圧力容器鋼の破壊靭性試験,ステンレス鋼の応力腐食割れ試験,ハフニウムなど原子力材料の照射試験を計画している。これらの照射研究は現状の課題に応えるばかりでなく、顕在化してないトラブルにプロアクティブに対応するための課題の同定に貢献することが期待される。
杉山 智之; 梅田 幹; 更田 豊志; 笹島 栄夫; 宇田川 豊; 永瀬 文久
Proceedings of International Conference on the Physics of Reactors, Nuclear Power; A Sustainable Resource (PHYSOR 2008) (CD-ROM), 8 Pages, 2008/09
反応度事故(RIA)条件下における燃料破損限界を明らかにするため、高燃焼度燃料を対象としたパルス照射実験を実施した。燃焼度69GWd/tのBWRウラン燃料はペレット被覆管機械的相互作用(PCMI)により破損し、その際の燃料エンタルピは、より腐食の進んだ被覆管を有する燃焼度71から77GWd/tのPWRウラン燃料の場合に近かった。BWR及びPWR燃料の被覆管金相の比較から、被覆管の集合組織に依存して決まる水素化物の析出形態が破損限界に影響を与えることを明らかにした。一方、燃焼度48及び59GWd/tのPWR-MOX燃料を対象とした実験においてもPCMI破損が生じた。破損時エンタルピを被覆管酸化膜厚さに対してプロットしたところ、MOX燃料の破損限界はこれまでに実施したPWRウラン燃料実験の結果に一致した。よって、RIA条件下のPCMI破損限界は被覆管の腐食状態に依存しており、燃焼度59GWd/tまではウラン燃料とMOX燃料に同一の破損しきい値を適用することは妥当と言える。
更田 豊志; 杉山 智之; 梅田 幹; 富安 邦彦; 笹島 栄夫
Proceedings of 2006 International Meeting on LWR Fuel Performance (TopFuel 2006) (CD-ROM), p.273 - 277, 2006/10
NSRRにおけるパルス照射実験の成果をもとに、反応度事故(RIA)条件下における高燃焼度PWR燃料の挙動について論じる。欧州の動力炉で使用されたZIRLO, MDA, NDA, M5被覆管を備えた燃焼度6779MWd/kgUの高燃焼度PWR燃料を対象に実施した最新の実験の結果を示すとともに、燃料破損しきい値,被覆管の変形挙動,FPガス放出に対する燃焼の進行,被覆管の腐食,ペレット結晶粒径の影響などについて記す。燃料ペレット/被覆管機械的相互作用(PCMI)による燃料破損に至った実験の結果は、燃料破損しきい値(破損時燃料エンタルピ)が被覆管外周部の水素化物集積層の厚さと強い相関を持ち、結果として、被覆管外面酸化膜厚さと相関を持つことを示している。FPガス放出はピーク燃料エンタルピが高くなるほど増加するが、燃料ペレットの大粒径化がFPガス放出を抑制する効果を有することが示された。被覆管表面における沸騰遷移を生じたケースにおける被覆管の大きな変形は、燃料棒の内圧上昇と温度上昇による被覆管降伏応力の低下とが起因となるが、一方、被覆管の温度上昇がわずかなPCMIの段階では、燃料棒の変形は燃料ペレットの固体熱膨張のみに支配される。
更田 豊志; 中村 武彦; 永瀬 文久; 中村 仁一; 鈴木 元衛; 笹島 栄夫; 杉山 智之; 天谷 政樹; 工藤 保; 中頭 利則; et al.
JAEA-Review 2006-004, 226 Pages, 2006/03
3月2日(水)及び3日(木)の両日、東京の都市センターホテルにおいて「燃料安全研究国際会議2005(Fuel Safety Research Meeting 2005)」を開催した。本会議は、原子炉の安全性研究に関する最新の研究成果の発表と、専門家との情報交換及び討論を目的としている。本会議における技術的な話題は、燃料安全研究の現状,反応度事故時及び冷却材喪失事故時の燃料挙動,高燃焼度燃料のふるまい、及びシビアアクシデント時の放射性物質放出をカバーしている。本要約集は、本会議の発表において使用された要旨及びOHPをまとめたものである。
更田 豊志; 杉山 智之; 笹島 栄夫; 永瀬 文久
Proceedings of 2005 Water Reactor Fuel Performance Meeting (CD-ROM), p.633 - 645, 2005/10
NSRRでは軽水炉燃料の反応度事故(RIA)時挙動の研究を行っている。最近実施したOI-10及び-12実験では燃料破損には至らず、OI-11実験では破損時エンタルピが高いという結果を得た。これらの結果は、PWR運転中の耐食性が向上した新型被覆管の性能を反映しており、これらの被覆管を備えた燃料はジルカロイ4被覆燃料に比べてより大きな安全裕度を有すると言える。加えて、大粒径ペレットによる粒界ガス蓄積量の低減は、OI-10実験で観測されたように、RIA時のFPガス放出量を抑制し得る。VA-1実験は燃焼度78MWd/kgUのMDA被覆PWR燃料に対して実施した。高い燃焼度及び約81mという厚い酸化膜にもかかわらず、破損時エンタルピは燃焼度5060MWd/kgUで40m程度の酸化膜を持つ燃料に対する結果と同程度だった。この結果は、ペレットの固体熱膨張がPCMIの主要因であるため、ペレット周辺部の高燃焼度組織(リム組織)が破損時エンタルピの低下に及ぼす影響は小さいことを示唆している。
笹島 栄夫; 杉山 智之; 中村 武彦*; 更田 豊志
JAERI-Research 2004-022, 113 Pages, 2004/12
本報告書は、安全性試験研究炉(NSRR)において実施した反応度事故模擬実験、GK-1及びGK-2の結果についてまとめたものである。実験は、九州電力(株)玄海1号機で燃料燃焼度42.1MWd/kgUまで照射された1414型PWR燃料に対して行った。計装を施した試験燃料棒を二重カプセルに装荷し、NSRRにおいて0.1MPa, 293Kの静止水冷却条件下でパルス照射実験を実施した。GK-1実験の発熱量は505J/g、燃料エンタルピは389J/g、GK-2実験の発熱量は490J/g、燃料エンタルピは377J/gに達した。被覆管表面ではDNBが生じ、最高温度はGK-1で589K、GK-2で569Kに達した。パルス照射後の被覆管径方向最大残留歪みはGK-1で2.7%、GK-2で1.2%となったが、燃料棒破損には至らなかった。パルス照射中の燃料棒内自由空間への核分裂ガス放出率はGK-1で11.7%、GK-2で7.0%であった。
逆井 章; 石田 真一; 松川 誠; 秋野 昇; 安藤 俊就*; 新井 貴; 江里 幸一郎; 濱田 一弥; 市毛 尚志; 礒野 高明; et al.
Nuclear Fusion, 44(2), p.329 - 334, 2004/02
超伝導トカマク装置へのJT-60改修が計画されている。原型炉に繋がる先進的な核融合技術として、JT-60改修装置(JT-60SC)の設計のために超伝導マグネット技術やプラズマ対向機器を開発した。JT-60SCの超伝導トロイダル磁場コイル用として、高い臨界電流密度を可能とする、高い銅比4のニオブアルミ超伝導素線を新規に開発し、量産化に成功した。この素線と、突合せ溶接で作った全長30mの丸穴四角のステンレス製コンジットを用いて、実機サイズのケーブル・イン・コンジット導体を製作した。この導体を使用して、リアクト&ワインド法(熱処理後に巻線作業を行う製作方法)を実証するR&Dを進めている。ニオブアルミ導体の歪み劣化が小さいことを利用したこの製作方法は、将来の大型コイル製作の技術的な信頼性向上と低コストに繋がる先進的な超伝導技術として注目されている。JT-60SCのダイバータへの熱負荷10-15MW/mに耐える機器として、スクリュウ管を銅製ヒートシンクに設け、これと炭素繊維複合材,緩衝材を一体ロウ付けすることで、良好なプラズマ対向機器を開発した。電子ビーム照射試験により、この対向機器は従来のスワール管の場合と比較して約1.5倍の高い熱伝達率を達成することを明らかにした。
逆井 章; 石田 真一; 松川 誠; 秋野 昇; 安藤 俊就*; 新井 貴; 江里 幸一郎; 濱田 一弥; 市毛 尚志; 礒野 高明; et al.
Nuclear Fusion, 44(2), p.329 - 334, 2004/02
被引用回数:7 パーセンタイル:22.64(Physics, Fluids & Plasmas)超伝導トカマク装置へのJT-60改修が計画されている。原型炉に繋がる先進的な核融合技術として、JT-60改修装置(JT-60SC)の設計のために超伝導マグネット技術やプラズマ対向機器を開発した。JT-60SCの超伝導トロイダル磁場コイル用として、高い臨界電流密度を可能とする、高い銅比4のニオブアルミ超伝導素線を新規に開発し、量産化に成功した。この素線と、突合せ溶接で作った全長30 mの丸穴四角のステンレス製コンジットを用いて、実機サイズのケーブル・イン・コンジット導体を製作した。この導体を用いて、リアクト&ワインド法(熱処理後に巻線作業を行う製作方法)を実証するR&Dを進めた。ニオブアルミ導体の歪み劣化が小さいことを利用したこの製作方法は、将来の大型コイル製作の技術的な信頼性向上と低コストに繋がる先進的な超伝導技術として注目されている。JT-60SCのダイバータへの熱負荷10-15MW/mに耐える機器として、スクリュウ管を銅製ヒートシンクに設け、これと炭素繊維複合材、緩衝材を一体ロウ付けすることで、良好なプラズマ対向機器を開発した。電子ビーム照射試験により、この対向機器は従来のスワール管の場合と比較して約1.5倍の高い熱伝達率を達成することを明らかにした。
杉山 智之; 中村 武彦; 草ヶ谷 和幸*; 笹島 栄夫; 永瀬 文久; 更田 豊志
JAERI-Research 2003-033, 76 Pages, 2004/01
低温起動時の反応度事故(RIA)条件下における燃料挙動を明らかにするため、燃焼度4145GWd/tUの沸騰水型原子炉(BWR)燃料のパルス照射実験を原子炉安全性研究炉(NSRR)において実施した。試験燃料棒は福島第一原子力発電所三号機で用いられたBWR88BJ(STEP I)型セグメント燃料棒を短尺加工したもので、NSRRにおいて約20ms以内の短時間に293607J/g(70145cal/g)の熱量が与えられた。その際、燃料棒被覆管はペレット・被覆管機械的相互作用により高速に変形したが、被覆管の延性が十分高く破損には至らなかった。被覆管周方向の塑性歪は最大部で1.5%に達した。被覆管温度は局所的に最大約600Cに達しており、X線回折測定の結果はパルス照射時の温度上昇により被覆管照射欠陥が回復したことを示していた。パルス照射による核分裂生成ガスの放出割合は、ピーク燃料エンタルピ及び定常運転条件に依存して、3.1%8.2%の値であった。
中村 武彦*; 更田 豊志; 杉山 智之; 笹島 栄夫
Journal of Nuclear Science and Technology, 41(1), p.37 - 43, 2004/01
被引用回数:19 パーセンタイル:74.89(Nuclear Science & Technology)反応度事故を模擬した条件での高燃焼度BWR燃料の変形挙動を測定し、破損限界を検討した。NSRRで行った実験では、パルス照射のごく初期に0.4%程度の小さな周方向歪みが生じた時点で被覆管は脆性的に破損した。この変形の歪み速度は数10%/s程度であった。これらの結果をペレットの熱膨張の計算値と比較した結果、この被覆管変形はペレットの熱膨張によって生じており、ペレットに蓄積されたFPガスの影響は小さいことが示された。また、被覆管温度が破損しきい値に及ぼす影響を個別効果試験によって調べた。高燃焼度BWR燃料の破損しきい値に及ぼすパルス幅の影響について、歪み速度,変形の程度、及び被覆管温度の観点から議論した。
更田 豊志; 杉山 智之; 中村 武彦; 笹島 栄夫; 永瀬 文久
NUREG/CP-0185, p.161 - 172, 2004/00
軽水炉に対する安全基準のベースとなるデータを整備するため、原研のNSRRでは反応度事故など、異常過渡時や事故時の燃料挙動を調べる研究を進めており、パルス照射を利用して高燃焼度燃料に対する一連の実験を実施している。本論文では、ZIRLO及びMDA被覆管を備えた照射済PWR燃料を対象とした最近のNSRR実験の結果を示すとともに、燃料ペレット/被覆管機械的相互作用(PCMI)時のペレット膨張及び被覆管水素脆化の影響について論じる。さらに、ジルカロイ被覆管に対する機械特性試験についても紹介する。
加島 洋一; 滝 光成; 菊地 正光; 笹島 栄夫; 中村 武彦
JAERI-Tech 2003-088, 100 Pages, 2003/12
現在NSRRでは、発電炉で照射した燃料を、発電炉の温度及び圧力条件の下で、パルス照射実験を行うこと等を計画し、準備を進めている。本報告書は、準備の一環として実施した事故時の周辺公衆の線量評価(安全設計評価及び立地評価)へのICRP Publication 60を採り入れた評価結果について述べたものである。評価の結果、線量評価に関する安全性及び立地評価の適否を判断する基準を十分満足することを確認した。
中村 武彦; 笹島 栄夫; 山下 利之; 上塚 寛
Journal of Nuclear Materials, 319, p.95 - 101, 2003/06
被引用回数:2 パーセンタイル:18.70(Materials Science, Multidisciplinary)3種類の未照射の岩石(ROX)燃料の反応度事故(RIA)時挙動を調べるための試験を実施した。すなわちイットリア安定型ジルコニア(YSZ)単相型,YSZ/スピネル混合型及びスピネル中YSZ粒子分散型ROX燃料をNSRRでパルス照射し、RIA時の燃料破損モード,破損しきい値及びこの影響を調べた。燃料破損は、多量の燃料溶融を伴った破裂破損であった。破損モードの違いにもかかわらず、ROX燃料のしきい値は約10GJmとUO燃料と同程度であった。しかし、ROX燃料の場合溶融燃料の分散が低いエンタルピで発生するため、破損の影響はUO燃料と大きく異なるものであった。過渡加熱条件での燃料構造の変化と材料間の反応について、光学及び電子顕微鏡を用いた観察と分析を行った。