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松宮 正彦*; 徳満 駿*; 三島 卓己*; 佐々木 祐二
ECS Advances (Internet), 3(4), p.043001_1 - 043001_8, 2024/12
白金族元素のひとつであるRhの分離と精製は、従来法では塩酸による溶解と沈殿生成を繰り返す必要があり、より効率的な精製法の確立が求められている。そこで、NTAアミドを用いた溶媒抽出法と電析を組み合わせた精製法について研究した。その結果、NTAアミドによる有機溶媒へのRhの抽出はイオン対抽出機構によるものであり、抽出されたR(III)は電極上での3電子還元によりRh金属として析出することを明らかにした。また、連続的な溶媒抽出と直接電析により、Rhを回収できることを確認した。
徳満 駿*; 三島 卓己*; 松宮 正彦*; 佐々木 祐二
Journal of Molecular Liquids, 414, Part A, p.126150_1 - 126150_8, 2024/11
希土類元素の電析による回収工程に用いる溶媒としてイオン液体が期待されている。リン酸系イオン液体は粘性が低く、高温で安定であるため、有望な溶媒である。イオン液体中の電析反応は金属イオンの溶存状態の影響を受けるが、回収工程で想定される高温条件での溶存状態と熱力学パラメータについては知見が不足している。そこで、本研究ではリン酸系イオン液体bis(trifluoromethyl sulfonyl)amide(TFSA)を用いて、ラマン分光により希土類元素(Pr, Nd, Tb, Dy)の溶存状態を調査し、温度依存性を取得することで熱力学パラメータを決定した。その結果、いずれの希土類元素もTFSAの5配位錯体を形成しやすく、錯体構造中ではTFSAはcis-異性体がより安定となることが分かった。加えて、密度汎関数法に基づく量子化学計算により錯体の結合エネルギー等を求め、実験により求めた熱力学的特性と矛盾しないことを確認した。
佐々木 祐二; 金子 政志; 松宮 正彦*
Chemistry Letters, 53(9), p.upae164_1 - upae164_4, 2024/09
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Chemistry, Multidisciplinary)これまで、カチオン性の抽出剤を使って、TcOなどのアニオン種となる金属イオンを対象にイオン対抽出による分離法を開発してきた。イオン対抽出法は超アクチノイド元素やNb, Taといった有用金属の抽出も期待できる。最近塩酸溶液中で塩化物が配位してアニオン種となる白金族元素にも応用可能であることを見出したため、この方法をさらに発展させて、硫酸やフッ化水素酸中でアニオン種として存在するZr, Hf, Nb, Taの抽出を検討した。その結果、本法によるこれら金属イオンの抽出は可能であることを明らかにし、分配比の抽出剤濃度や振とう時間依存性などの基礎情報を取得した。
佐々木 祐二; 金子 政志; 伴 康俊; 鈴木 英哉*
Journal of Nuclear Science and Technology, 61(7), p.883 - 893, 2024/07
被引用回数:2 パーセンタイル:57.39(Nuclear Science & Technology)アルキルジアミドアミン(ADAAM)を使ったAm/Cm相互分離を行った。ADAAMは硝酸-ドデカン系で非常に高いAm/Cm分離比5.9を示した。1.5M硝酸-0.2M ADAAM条件を用いる多段抽出で抽出後の有機相中にAm 96.5%、Cm 1.06%回収できることを確認した。Am/Cm相互分離後に発生した水相、有機相体積削減のための付加的な多段抽出を行い、Am, Cmを2, 3段の水相に濃縮できることを確認した。
小山 真一; 池内 宏知; 三次 岳志; 前田 宏治; 佐々木 新治; 大西 貴士; Tsai, T.-H.; 高野 公秀; 深谷 洋行; 中村 聡志; et al.
廃炉・汚染水・処理水対策事業事務局ホームページ(インターネット), 216 Pages, 2023/11
令和3年度及び4年度に原子力機構が補助事業者となって実施した令和3年度開始「廃炉・汚染水対策事業費補助金に係る補助事業(燃料デブリの性状把握のための分析・推定技術の開発(燃料デブリの分析精度向上、熱挙動の推定及び簡易分析のための技術開発))」の成果概要を最終報告として取りまとめた。本報告資料は、廃炉・汚染水・処理水対策事業事務局ウェブサイトにて公開される。
木下 了磨; 佐々木 祐二; 金子 政志; 松宮 正彦*; 新奥 孝太*; 城石 英伸*
Hydrometallurgy, 222, p.106159_1 - 106159_12, 2023/10
被引用回数:1 パーセンタイル:17.78(Metallurgy & Metallurgical Engineering)原子力機構が開発した金属イオンの抽出剤NTAアミド(C6)の適用性を、一般産業分野における利用も視野にいれて各種の金属について調べた。塩化物イオンと高い反応性を持つ20種の金属イオンの溶媒抽出を行い、抽出しやすさや反応性を確認した。これらの金属は塩酸溶液でアニオン種として溶存するが、NTAアミドは第3級アミンを持ち塩酸溶液でプロトネーションを起こしカチオン性となるため、イオン対抽出反応が起こる。金属イオンの分配比は硝酸系より塩酸系で高く、金属イオン:NTAアミドのモル比が1:1で有機相に抽出される。12族の3種の元素(Zn, Cd, Hg)を取り上げ、DFT計算でイオン対抽出のモデリングを行い、分配比を算出し、実測値と同じ傾向であることを確かめた。
佐々木 祐二; 金子 政志; 伴 康俊; 木下 了磨; 松宮 正彦*; 新奥 孝太*; 城石 英伸*
Analytical Sciences, 39(9), p.1575 - 1583, 2023/09
被引用回数:1 パーセンタイル:17.17(Chemistry, Analytical)NTAアミドと関連化合物によって塩酸溶液からRhの抽出を行った。我々はここでRh-塩化物アニオンとプロトネートしたNTAアミドによるイオン対抽出を利用した。本抽出系で最大16のRh分配比を得た。調製時のRh錯体の存在割合が異なると、水分子-塩素イオンの交換速度が遅いために、Rh分配比は変化しうる。Rh-Cl錯体のUVスペクトルで504nmの最大吸収波長を持つときに最も高い分配比を示した。DFT計算から、この時水相に存在するRh錯体をRhCl(H
O)
とRhCl
(H
O)
と推測した。NTAアミド濃度に対する抽出分配比の傾きの解析結果から、1:1反応で抽出されること、及び85mMのRhを有機相に抽出できることを確認した。
頓名 龍太郎*; 佐々木 隆之*; 児玉 雄二*; 小林 大志*; 秋山 大輔*; 桐島 陽*; 佐藤 修彰*; 熊谷 友多; 日下 良二; 渡邉 雅之
Nuclear Engineering and Technology, 55(4), p.1300 - 1309, 2023/04
被引用回数:4 パーセンタイル:82.11(Nuclear Science & Technology)UO・Zr・ステンレス鋼を出発物質として模擬デブリを合成し、形成された固相の分析と浸漬試験を行った。主要なU含有相は合成条件に依存し、不活性雰囲気下・1473KではUO
相が維持されていた。1873Kでは(U,Zr)O
固溶体相の形成が観測された。酸化性雰囲気では、1473Kの場合にはU
O
と(Fe,Cr)UO
相の混合物が得られ、1873Kでは(U,Zr)O
が形成された。浸漬試験により金属イオンの溶出挙動を調べるため、中性子照射により核分裂生成物を導入する、もしくは出発物質への添加によりその安定同位体を導入する処理を行った。試験の結果、Uの溶出挙動は、模擬デブリの性状や浸漬液の液性に依存することが確認された。CsやSr, Baは模擬デブリの固相組成に依存せず顕著な溶出を示した。一方で、多価イオンとなるEuとRuの溶出は抑制されることが観測され、模擬デブリ中でウラン相に固溶ないしは包含されたことによる影響が推察される。
佐々木 祐二; 中瀬 正彦*; 金子 政志; 小林 徹; 竹下 健二*; 松宮 正彦*
Analytical Sciences, 5 Pages, 2023/00
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Chemistry, Analytical)Ru抽出に関して、XANESスペクトルとDFT計算による理論的な検討を行った。各種鉱酸からMIDOA(メチルイミノジオクチルアセトアミド)によるRu分配比はHCl H
SO
HNO
HClO
の順になった。XANESスペクトルの結果から、HClから抽出したRuの原子価は低く、有機相中でアニオン性のRuの存在とこれによるイオン対抽出を示唆した。抽出剤相互のRu分配比の比較結果(NTAamide
MIDOA
IDOA)はDFT計算のHOMO, LUMO間のエネルギー差と一致した。これは抽出能力と反応熱量の間に重要な関連があることを示した。
Simonnet, M.; 佐々木 祐二; 矢板 毅
Solvent Extraction and Ion Exchange, 41(7), p.857 - 867, 2023/00
被引用回数:2 パーセンタイル:30.87(Chemistry, Multidisciplinary)The combination of two neutral CHON reagents, a lipophilic phenanthroline dicarboxamide and a hydrophilic diglycolamide resulted in a synergistic separation of adjacent light lanthanides in nitrate medium as they present reversed extraction trends. Separation factors higher than 7 were obtained for the pair Pr/Nd, which is one of the highest values reported in the literature.
深谷 裕司; 沖田 将一朗; 佐々木 孔英; 植田 祥平; 後藤 実; 大橋 弘史; Yan, X.
Nuclear Engineering and Design, 399, p.112033_1 - 112033_9, 2022/12
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Nuclear Science & Technology)高温ガス炉のTRISO燃料の核移動を解析し潜在的な支配的な影響を調査した。核移動は主要な燃料破損モードであり、高温工学試験研究炉HTTRでは燃料の寿命を決定するために支配的な要因である。しかし、本研究では、結果と信頼性が評価方法に依存することを示す。この研究で使用される評価方法は、被覆燃料粒子の実際の分布と、結果として生じる非均質な燃料温度計算を考慮している。結果として、最も保守的な評価と比較して、核移動速度が約10%低い評価が得られることが分かった。
大島 宏之; 森下 正樹*; 相澤 康介; 安藤 勝訓; 芦田 貴志; 近澤 佳隆; 堂田 哲広; 江沼 康弘; 江連 俊樹; 深野 義隆; et al.
Sodium-cooled Fast Reactors; JSME Series in Thermal and Nuclear Power Generation, Vol.3, 631 Pages, 2022/07
ナトリウム冷却高速炉(SFR: Sodium-cooled Fast Reactor)の歴史や、利点、課題を踏まえた安全性、設計、運用、メンテナンスなどについて解説する。AIを利用した設計手法など、SFRの実用化に向けた設計や研究開発についても述べる。
佐々木 祐二
分離技術, 52(2), p.103 - 107, 2022/03
高レベル廃液中に含まれるAn, FP元素の溶媒抽出法による相互分離を目指している。Cs, Srはクラウン化合物で、Pd, MoはMIDOA(メチルイミノジオキサオクタンジアミド)、An+Ln回収はDGA化合物で抽出する。その後、An/Ln相互分離はDTBA(ジエチレントリアミン3酢酸2アミド)で、Am/Cm分離はDOODAをマスキング剤として用いる。論文中では一連の技術を紹介し、関連する結果をまとめて報告した。
野水 大輝; 佐々木 祐二; 金子 政志; 松宮 正彦*; 勝田 正一*
Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 331(3), p.1483 - 1493, 2022/03
被引用回数:7 パーセンタイル:79.63(Chemistry, Analytical)水溶性のジグリコールアミド(DGA)とジオキサオクタンジアミド(DOODA)による希土類元素の逐次錯形成を溶媒抽出系で調べた。抽出剤であるTODGAとDOODA(C8)はLnパターン(Ln分配比と原子番号の関係)の逆相関を示し、その組み合わせは相互分離に有効である。水系でDOODAは2分子、DGAは3分子希土類に配位することが分かった。1010段の多段抽出を実施し、La, Pr, Ndは水相に、一方Sm-Dyは有機相に分離することができた。
佐々木 祐二; 金子 政志; 伴 康俊; 松宮 正彦*; 中瀬 正彦*; 竹下 健二*
Separation Science and Technology, 57(16), p.2543 - 2553, 2022/00
被引用回数:3 パーセンタイル:25.39(Chemistry, Multidisciplinary)TALSPEAK法を参考に、DGA抽出剤を用いてマスキング剤にDTPAとその類縁体であるDTBAを用いてLnとAnの相互分離を検討した。この系では、pH緩衝液に乳酸(LA)と、pH調整にエチレンジアミン(ED)を用いた。実験により、TODGA-DTPA-LA-NaOH, TODGA-DTPA-LA-ED, TODGA-DTBA-LAで同じ分配比や分離比を示した。多段抽出によるLn, Anの相互分離により、DGA-DTPA-LA-EDで水相へLnの平均回収率は3.73%でAmは98.1%、DGA-DTPA-LA-NaOH系で3.1(Ln) and 97.0(Am)%、DGA-DTBA-LA系で1.61(Ln) and 98.7(Am)%であった。
佐々木 祐二; 金子 政志; 松宮 正彦*; 中瀬 正彦*; 竹下 健二*
Solvent Extraction and Ion Exchange, 40(6), p.620 - 640, 2022/00
被引用回数:2 パーセンタイル:16.29(Chemistry, Multidisciplinary)イオン半径の酷似する3価Ln, An分離は今でも挑戦的な研究である。ここでは、TODGAとDTBA(ジエチレントリアミントリ酢酸ジアミド)を使っての相互分離を検討した。過去の結果から我々はより安定な分離条件設定と高い分離性能を得ることを目的とした。希硝酸、DTBA濃度とpH緩衝液の乳酸を使ってpH条件を安定化した。その結果、有機相には97.1% Ndと1.59% Amを、及び水相には98.4% Amと2.95%のNdを分離回収できることを確認した。
松谷 貴史; 佐々木 祐二; 勝田 正一*
Analytical Sciences, 37(11), p.1603 - 1609, 2021/11
被引用回数:7 パーセンタイル:42.26(Chemistry, Analytical)ジグリコールアミドを使った多段抽出法による希土類元素の化学的挙動を調査した。破過曲線の測定結果から、金属抽出限界は分配比と利用した金属濃度に依存することが分かった。15段の多段抽出を行い、抽出曲線,逆抽出曲線と分離曲線を得た。これらの結果から、ジグリコールアミドの一種である(TDDGA)を使って、99% Smを回収する条件で1%のみNd共存する条件を得て、相互分離できることを確認した。
金子 政志; 佐々木 祐二; 和田 恵梨子*; 中瀬 正彦*; 竹下 健二*
Chemistry Letters, 50(10), p.1765 - 1769, 2021/10
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Chemistry, Multidisciplinary)密度汎関数計算を用いて、マイナーアクチノイドとランタノイドの新規分離試薬の分子設計に向けて水溶液中におけるEu及びAm
錯体の安定度定数を予想した。実験値の安定度定数の対数と計算した錯生成エンタルピーは、一次の決定係数R
0.98で相関した。さらに、新規キレート配位子の安定度定数の予測を試み、ジエチレントリアミン五酢酸キレート配位子の誘導体が、酸性条件での使用やAm
分離性能の観点から有用であることが示唆された。
植田 祥平; 佐々木 孔英; 有田 裕二*
日本原子力学会誌ATOMO, 63(8), p.615 - 620, 2021/08
日本原子力学会誌の連載講座「多様な原子燃料の概念と基礎設計」の第5回として「高温ガス炉と溶融塩炉の燃料」の題目で解説を行う。高温ガス炉の燃料である被覆燃料粒子は、高温ガス炉の高温の熱供給や優れた固有の安全性を支える鍵となる技術の一つである。本稿では高温ガス炉燃料の設計,製造技術,照射性能,実用化並びに高度化開発について述べる。一方、溶融塩炉で用いる溶融塩燃料は燃料自体が液体という特殊なものである。安全性や事故時の環境への影響など優れた性能が期待されているが、まだまだ明らかにすべき課題も多い。その現状について概説する。
金子 政志; 佐々木 祐二; 松宮 正彦*; 中瀬 正彦*; 竹下 健二*
Journal of Nuclear Science and Technology, 58(5), p.515 - 526, 2021/05
被引用回数:3 パーセンタイル:29.11(Nuclear Science & Technology)マイナーアクチノイドの分離変換技術開発で重要であるAmとEu
の金属イオン選択性を理解することを目的として、密度汎関数計算をジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)及びそのビスアミド(DTPABA)キレート配位子との金属錯体の分子構造及び錯生成反応のモデル化に適用した。構造最適化計算により得られたDTPA及びDTPABAの錯体構造は、既に報告されている単結晶構造を再現した。錯生成反応におけるギブズエネルギー解析の結果、どちらのキレート配位子ともEu
イオンよりAm
イオンと安定な錯体を生成することが示され、実験結果のAm
/Eu
選択性と一致した。金属イオンと配位子との化学結合解析の結果、Am
の5f軌道とDTPA及びDTPABAの窒素ドナー原子との強い共有結合が、高いAm
選択性が発現した一因であることが示唆された。