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眞田 幸尚; 時吉 正憲*; 西山 恭平*; 佐藤 里奈; 吉村 和也; 舟木 泰智; 阿部 智久; 石田 睦司*; 長峰 春夫*; 藤坂 基幸*
日本原子力学会和文論文誌(インターネット), 22(2), p.87 - 96, 2023/04
福島第一原子力発電所の事故以来、多くの除染作業が行われたが、作業員の被ばくに関するデータは必ずしも詳細に分析されているとは言い難い。本論文では、作業員が個人線量計とともに携行したGPS位置情報をもとに、作業区域の空間線量率や作業種別ごとの特徴を分析した。その結果、実測線量の50%以上が、空間線量率と実働時間から計算される計画線量の中央値の2倍以上であることがわかった。さらに、作業種別に分析した結果、解体作業者の被ばく線量が高い傾向にあり、これは、作業現場での線量を低減するために、作業前にほとんどの作業を実施していることが原因であることがわかった。また、空間線量から実効線量への換算を考慮すると、計画値が実測値より低くなる過小評価の事例が多く、適切な作業係数を設定することが管理上重要であると考えられる。
森口 祐一*; 佐藤 陽祐*; 森野 悠*; 五藤 大輔*; 関山 剛*; 寺田 宏明; 滝川 雅之*; 鶴田 治雄*; 山澤 弘実*
KEK Proceedings 2021-2, p.21 - 27, 2021/12
福島第一原子力発電所事故時の呼吸由来の内部被ばく線量評価において、I-131等の短寿命核種は重要であるが、被ばく線量や大気中濃度の実測値が少ない。そのため、他の核種の環境中濃度の実測値、大気移流拡散沈着モデル(ATDM)による推計値、空間線量率の測定値等に基づく総合解析が必要である。本研究では、Cs-137を対象として、これまでに構築してきた大気中濃度と地表沈着量に基づく空間線量率推計手法をATDM相互比較に供された国内外の多数のモデルに適用し、これまで検証が困難であった福島県内外の地域を中心に選定した計64地点を対象にATDMの再現性の検証を行った。その結果、初期被ばくの評価上特に重要な3月12日の原発から北方向へ輸送されたプルームについて、これまで対象としていた原発から25km地点より近傍の約10km地点における線量率のピーク値やそのタイミングを比較的良好に再現するATDMが複数存在することが分かった。また、実測値がなくこれまで検証が困難であった北関東地域でのプルームの輸送状況の再現性の検証に見通しが得られた。
中西 利典*; 奥野 充*; 山崎 圭二*; Hong, W.*; 藤田 奈津子; 中村 俊夫*; 堀川 義之*; 佐藤 鋭一*; 木村 治夫*; 堤 浩之*
名古屋大学年代測定研究,5, p.38 - 43, 2021/03
雲仙火山の約13km西方にある唐比低地には泥炭層や泥層からなる湿地堆積物が厚く分布しており、それらの堆積物には千々石断層や雲仙火山の活動履歴が記録されていることが期待される。それらの履歴を精度よく検知するために、複数本のボーリングコアを掘削して放射性炭素年代値を測定した。それらの結果を地中レーダ探査断面と対比して湿地堆積物の形成過程を検討した。その結果得られたすべてのC年代値は層序関係と矛盾がなく、堆積曲線は若干のずれが認められるが概ね一致する結果となった。本研究の年代測定の一部はペレトロン年代測定装置による施設供用利用で行われたものである。
佐藤 陽祐*; 滝川 雅之*; 関山 剛*; 梶野 瑞王*; 寺田 宏明; 永井 晴康; 近藤 裕昭*; 打田 純也*; 五藤 大輔*; Qulo, D.*; et al.
Journal of Geophysical Research; Atmospheres, 123(20), p.11748 - 11765, 2018/10
被引用回数:39 パーセンタイル:86.63(Meteorology & Atmospheric Sciences)福島第一原子力発電所事故により放出されたCsの大気中の挙動を理解するため、大気拡散モデル相互比較が実施され、12モデルが参加した。モデルで考慮される過程に起因するモデル間の差異に焦点を当てた解析を行うため、全モデルで同じ気象場、水平分解能、及び放出源情報が使用された。モデルアンサンブルによる観測された大気中
Cs濃度上昇イベントの捕捉率は40%であり、FMSは80を超えた。解析の結果、大気中
Cs濃度上昇イベントの再現には気象場が最も重要な要素であり、気象場の再現性が高い場合のモデル間の差異は、沈着及び拡散過程に起因していることが分かった。また、沈着フラックスが小さいモデル及び拡散が強いモデルは高い性能を示したが、拡散が強いモデルは大気中
Cs濃度を過大評価する傾向を示した。
瀬野 康弘*; 野口 聡*; 中山 雅; 杉田 裕; 須藤 俊吉; 棚井 憲治; 藤田 朝雄; 佐藤 治夫*
JAEA-Technology 2016-011, 20 Pages, 2016/07
放射性廃棄物の地層処分では、地下施設の建設にセメント系材料の使用が想定されている。一般に、土木・建築分野で使用されている普通ポルトランドセメント(以下、OPC)を用いた場合、セメント起源の高アルカリ性間隙水(pH=12.5以上)が浸出し、周辺の緩衝材や岩盤の性能を低下させる可能性がある。そこで、セメント系材料に起因する浸出水のpHを低下させることを目的として、低アルカリ性セメントが開発されている。日本原子力研究開発機構では、低アルカリ性セメントの候補として、フライアッシュ高含有シリカフュームセメント(High-volume Fly ash Silica fume Cement、以下、HFSC)を開発した。これまでに幌延深地層研究センター地下研究施設の坑道で、HFSCを用いた吹付けコンクリートの原位置施工試験を通じ、吹付けコンクリートとしての施工性を確認してきた。本報告は、実際の地下施設の施工において適用可能と考えられる配合で作製されたHFSCセメントペースト硬化体について、その長期的なpH挙動を把握することを主な目的として実施している浸漬試験について、これまでに得られた結果をまとめたものである。
北村 哲浩; 操上 広志; 山口 正秋; 小田 好博; 齋藤 龍郎; 加藤 智子; 新里 忠史; 飯島 和毅; 佐藤 治夫; 油井 三和; et al.
Nuclear Science and Engineering, 179(1), p.104 - 118, 2015/01
被引用回数:8 パーセンタイル:57.37(Nuclear Science & Technology)福島第一原子力発電所事故に伴い環境に放出されその後地表に降下した放射性物質の分布を予測することは重要で、速やかに進めて行く必要がある。このような予測を行うために、放射性物質として特に放射性セシウムに着目し、現在複数の数理モデルを開発している。具体的には、土壌の表層流出に伴う放射性セシウムの移行については土壌流亡予測式を用いた流出解析、河川における核種移行については河川解析コードTODAM・iRICを用いた移行解析、河口域における土砂堆積については3次元解析コードROMS等を応用した堆積解析を行っている。また、セシウムと土壌の吸着メカニズムについては分子原子レベルの分子挙動計算法を用いた解析を開始しており、最終目標として吸着係数等の把握を目指している。
中司 昇; 佐藤 治夫; 棚井 憲治; 中山 雅; 澤田 純之*; 朝野 英一*; 斉藤 雅彦*; 吉野 修*; 塚原 成樹*; 菱岡 宗介*; et al.
JAEA-Research 2013-034, 70 Pages, 2014/01
原子力機構と原環センターは、原子力環境整備促進・資金管理センターが受注した「地層処分実規模設備整備事業」の工学技術に関する研究を共同で実施するため、「地層処分実規模設備整備事業における工学技術に関する研究」について共同研究契約を締結した。本共同研究は深地層研究所(仮称)計画に含まれる地層処分研究開発のうち、処分システムの設計・施工技術の開発や安全評価手法の信頼性確認のための研究開発の一環として実施されている。本報告は、上記の共同研究契約に関わる平成24年度の成果についてまとめたものである。具体的成果としては、平成20年度に策定した全体計画に基づき、緩衝材定置試験設備や、実物大の緩衝材及びオーバーパック(模擬)の展示を継続するとともに、ブロック式緩衝材定置試験設備の自動運転用ソフトウェアを製作した。また、緩衝材の浸潤試験を継続した。
北村 哲浩; 町田 昌彦; 飯島 和毅; 佐藤 治夫
原子力バックエンド研究(CD-ROM), 20(2), p.87 - 91, 2013/12
福島第一原子力発電所事故に伴う放射性物質のうち特に放射性セシウムの長期的な分布を予測し、被ばく評価、汚染対策を講じることを目的として、福島の環境動態を将来的に予測するシステムを開発している。ここではその現状と解析評価の状況を報告する。具体的には、土壌の表層流出に伴う放射性セシウムの移行については、土壌流亡予測式を用いた流出解析、河川における核種移行については河川解析コードTODAM, iRICを用いた移行解析、河口域における土砂堆積については3次元解析コードROMS等を応用した堆積解析を行っている。また、計算方法の並列化も進めており、それらの概要を述べる。セシウムと土壌の吸着メカニズムについては分子原子レベルの分子挙動計算法を用いた解析を開始しており、その解析状況についても報告する。
中司 昇; 佐藤 治夫; 棚井 憲治; 杉田 裕; 中山 雅; 澤田 純之*; 新沼 寛明*; 朝野 英一*; 斉藤 雅彦*; 吉野 修*; et al.
JAEA-Research 2013-027, 34 Pages, 2013/11
原子力機構と原子力環境整備促進・資金管理センターは、原子力環境整備促進・資金管理センターが受注した「地層処分実規模設備整備事業」の工学技術に関する研究を共同で実施するため、「地層処分実規模設備整備事業における工学技術に関する研究」について共同研究契約を締結した。本共同研究は深地層研究所(仮称)計画に含まれる地層処分研究開発のうち、処分システムの設計・施工技術の開発や安全評価手法の信頼性確認のための研究開発の一環として実施されている。本報告は、上記の共同研究契約にかかわる平成23年度の成果についてまとめたものである。具体的成果としては、平成20年度に策定した全体計画に基づき、ブロック式緩衝材定置試験設備の一部を製作した。また、製作済みの緩衝材定置試験設備や実物大の緩衝材ブロック等の公開を継続するとともに、緩衝材可視化試験を実施した。
中司 昇; 畑中 耕一郎; 佐藤 治夫; 杉田 裕; 中山 雅; 朝野 英一*; 斉藤 雅彦*; 須山 泰宏*; 林 秀郎*; 本田 ゆう子*; et al.
JAEA-Research 2013-026, 57 Pages, 2013/11
原子力機構と原子力環境整備促進・資金管理センターは、原子力環境整備促進・資金管理センターが受注した「地層処分実規模設備整備事業」の工学技術に関する研究を共同で実施するため、「地層処分実規模設備整備事業における工学技術に関する研究」について共同研究契約を締結した。本共同研究は深地層研究所(仮称)計画に含まれる地層処分研究開発のうち、処分システムの設計・施工技術の開発や安全評価手法の信頼性確認のための研究開発の一環として実施されている。本報告は、上記の共同研究契約にかかわる平成22年度の成果についてまとめたものである。具体的成果としては、平成20年度に策定した全体計画に基づき、ブロック式緩衝材定置試験設備の一部を製作した。また、試験及び展示を行うための設備建屋にて、製作済みの緩衝材定置試験設備や実物大の緩衝材ブロック等の公開を継続するとともに、緩衝材可視化試験を実施した。
北村 哲浩; 町田 昌彦; 佐藤 治夫; 中山 真一; 油井 三和
Transactions of the American Nuclear Society, 109(1), p.156 - 157, 2013/11
福島環境動態調査研究Grの解析班では、福島第一原子力発電所事故に伴う放射性物質の長期的な分布を予測し、被ばく評価、汚染対策を講じることを目的として、各種解析を進めている。土壌の表層流出に伴う核種移行については、土壌流失予測式USLEを用いた流出解析、河川・河口域における核種移行については河川解析コードTODAM, iRIC, ROMS, SWANを応用した分布解析を行っている。また、計算方法の並列化を含むこれらの各モデルの開発も進めており、それらの概要を述べる。セシウムと土壌の吸着メカニズムについては分子原子レベルの分子挙動計算法を用いた解析を開始しており、その解析結果についても報告する。
佐藤 治夫; 新里 忠史; 天野 健治; 田中 真悟; 青木 和弘
Materials Research Society Symposium Proceedings, Vol.1518, p.277 - 282, 2013/10
平成23年3月11日に発生した東北太平洋沖地震によって東京電力福島第一原子力発電所の事故が発生した。4月初旬までにCsで1.2-1.5
10
Bq、I-131で1.5-1.6
10
Bq放出されたと推定されており、それらは福島県を中心に土壌表面や森林などに沈着した。本調査は文部科学省が進める放射線量率や放射性物質によって汚染された土壌の分布マップを作成するための調査の1つとして実施したもので、事故から3か月後の深度方向の分布状況についてジオスライサー調査を実施した。調査は、二本松,川俣町,浪江町の11地点で行った。
Cs,
Cs,
Te,
Agが検出され、
Csと
Csはすべての調査地点で、
Teと
Agは空間線量率が高いエリアで検出された。地表面土壌については多くの地点で沈着量の99%以上は表層10cm以内に存在した。一方、元農地と推定される土壌は地表面土壌よりも深い位置まで検出される傾向であるものの、沈着量の99%以上は表層14cm以内であった。表層付近の濃度分布から求めた見掛けの拡散係数D
は、すべての核種について元農地と推定される土壌(D
=0.1-1.5
10
m
/s)の方が地表面土壌(D
=0.65-4.4
10
m
/s)よりも大きく、多くの拡散係数はD
=10
(m
/s)付近であった。バッチ法によりCsとIに対する分配係数Kdも取得しており、K
とD
との関係を総合すると、濃度分布の形成は雨が降った際の移流による分散の効果が支配的であったと考えられる。
佐藤 治夫
環境管理, 49(9), p.15 - 25, 2013/09
2011年3月に発生した東北地方太平洋沖地震により福島第一原子力発電所の事故が発生し、大量の放射性物質が原子炉外へ放出され、福島県を中心に森林や住宅地などを広範囲に汚染した。事故から2年以上が経過し、半減期が約8日と短いヨウ素131が消滅した今、放射性セシウム(放射性Cs)が線量率を支配している。2012年1月、除染に関わる法律(放射性物質汚染特別措置法)が施行され、住民帰還に向けた除染活動が本格化する一方、全面積の7割を占める森林内部は現状では除染の見込みがないため、汚染状況の高い河川やダム・溜池と同様に、放射性Csの供給源となり、汚染が下流域へ徐々に移動する可能性がある。住民帰還の判断や帰還後の地域産業の再生等、将来を考える上で放射性Csの移動・再分布に伴う被ばく線量の変化や森林等からの再汚染の評価は不可欠である。そこで、原子力機構は2012年11月以来、福島の環境中における放射性Csの移動に伴う再分布と被ばく線量の長期的な評価に関わるプロジェクト「福島長期環境動態研究(F-TRACE)プロジェクト」を実施している。本報ではF-TRACEプロジェクトの概要と進捗状況について報告する。
人見 尚*; 入矢 桂史郎*; 中山 雅; 佐藤 治夫
Proceedings of 3rd International Conference on Sustainable Construction Materials & Technologies (SCMT-3) (Internet), p.e0179_1 - e0179_9, 2013/08
日本における高レベル放射性廃棄物処分場では、構造材料にコンクリートの使用を検討している。処分場では止水材にベントナイトを用いるため、カルシウム溶出量の低い低アルカリ性セメントが適すると考えられている。本研究では、低アルカリ性セメントにHFSC(Highly Fly-ash containing Silica-fume Cement)を用い、1cmに加工したHFSCの試験体を用いて北海道幌延地域の地下水に対する浸漬試験を行った。2年11か月のまでの試験の結果、以下に示す溶出特性を得た。浸漬水のpHは、開始時のHFSCの8.9程度、普通ポルトランドセメント(OPC)の11.5程度から、緩やかな減少傾向を見せ、試験期間終了時ではHFSCで7.9程度、OPCで8.5程度まで減少した。HFSC及びOPCとも水結合材比にかかわらず同様にこの傾向を示した。浸漬試験体(以下、試験体)を採取し、FE-SEMを用いた試料表面観察を行い、HFSCのすべてのW/Bの試料の水接面に近い深さ1mm周辺の領域において、変質を示す結果を得た。OPCでは、ほぼすべての観察像で組織の変化とともに、空隙部分の面積の増大が見られた。試験体の断面について、EPMAによる元素分布を求めた結果、HFSC及びOPCのいずれの試料においても水接面からのCa溶脱が認められた。いずれのW/BにおいてもHFSCの溶脱範囲はOPCの1/2以下と考えられ、OPCと比較すると高い溶脱抵抗性を持つことがわかった。
宮内 英明; 吉富 寛; 佐藤 義高; 高橋 史明; 橘 晴夫; 小林 育夫*; 鈴木 朗史*
日本放射線安全管理学会誌, 12(1), p.41 - 45, 2013/07
原子力科学研究所では、原子炉の使用済燃料を取り扱うような施設での除染作業等において、手の末端部の被ばく評価が重要となる。これまで、手の末端部の被ばく評価は、TLDを用いたリングバッジで線量を測定し実施してきた。今回われわれは、市販の小型光刺激ルミネセンス線量計の特性と形状に着目し、それをリングバッジに応用した(OSL型リングバッジ)。本リングバッジは、基準照射及びモンテカルロシミュレーション計算による特性検証結果が良好であり、線と
(X)線を精度良く分離し線量を評価できる。本投稿において、OSL型リングバッジの概要及び線量評価手法を紹介する。
中山 雅; 澤田 純之; 佐藤 治夫; 杉田 裕
JAEA-Research 2012-023, 65 Pages, 2012/08
高レベル放射性廃棄物の処分施設は、地下300m以深に建設されることから、坑道の空洞安定性確保や周辺岩盤のゆるみ領域の抑制、掘削に伴う湧水量の抑制のため、セメント系材料を用いた吹付けやグラウトが必要となる。従来の地下構造物に一般的によく用いられるセメント系材料として、普通ポルトランドセメント(以下、OPC)がある。このセメントはセメント硬化体の細孔溶液中に含まれるアルカリ成分により、pHが1213程度の高アルカリ性を呈する。地層処分施設においては、上記の高アルカリ成分が地下水に溶出した場合、緩衝材を構成するベントナイトや周辺の岩盤を変質させ、人工バリア及び天然バリアとしての性能に影響を与えることが懸念されている。このような影響を低減するために、幌延深地層研究計画においては、低アルカリ性セメント(以下、HFSC)を開発し、化学的特性,機械的特性,施工性,鉄筋の耐腐食性などについて検討を実施してきた。HFSCはポゾラン反応により、浸出液のpHの低減を指向しており、OPCにポゾラン材料であるシリカフューム及びフライアッシュを混合したセメント系材料である。これまで、幌延の地下施設の140m調査坑道において、吹付け施工試験を実施し、施工性を確認した。本報告においては、250m調査坑道において実施した同様の施工試験について報告する。その結果、HFSCは良好な施工性を示し、地下坑道への適用性が確認された。
佐藤 治夫; 杉田 裕; 中山 雅
Proceedings of 19th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-19) (CD-ROM), 10 Pages, 2011/10
幌延深地層研究計画は、オフサイトの地下研究施設として、堆積岩(泥岩)と塩水系地下水を対象とし、2001年から北海道北部の幌延町で実施している。全体で20年程度の計画であり、3段階(地表、坑道掘削時及び坑道における調査研究段階)に分けて進めている。第1段階は2005年度に終了し、2005年11月から第2段階を開始した。地下施設は、換気立坑と2本のアクセス立坑(東及び西)のほか、複数の水平坑道(深度140m, 250m, 350m, 500m)から構成される。2010年度の前半までに、換気と東立坑を深度250mまで掘削し、深度140mの水平坑道が完成した。また、深度250mの水平坑道が換気と東立坑間で貫通した。地下施設周辺の地層は、おもに声問層(上層)と稚内層(下層)で構成される。これまでに、深度140mの水平坑道では、地質環境や工学技術に関する原位置試験やモニタリング、例えば、掘削影響(EDZ/EdZ)に関する測定(弾性波トモグラフィーなど),孔間水理試験,地圧測定,低アルカリ性コンクリートの吹付け施工試験などを実施した。現在、地下水化学のモニタリング,EDZ/EdZに関する測定,水-岩石-微生物系での酸化還元能に関する原位置試験などを実施している。第2段階と並行して、2010年度の後半からは第3段階を開始した。第3段階の研究では、さまざまな原位置試験を計画している。本論文では、原位置試験の現状と得られた成果に加えて、第3段階での計画について述べる。
岩月 輝希; 佐藤 治夫; 野原 壯; 棚井 憲治; 杉田 裕; 天野 健治; 藪内 聡; 大山 卓也; 天野 由記; 横田 秀晴; et al.
JAEA-Research 2011-009, 73 Pages, 2011/06
本計画書は、第2期中期計画期間(平成22年度平成26年度)において、幌延深地層研究センターの地下研究施設を利用して行う調査研究開発の計画を整理したものである。当該期間においては、民間活力により深度350mまでの地下施設の整備,維持管理及び研究支援に関する業務のほかさまざまな受託事業,共同研究が行われる予定であり、第2段階(坑道掘削[地下施設建設]時の調査研究段階)に加えて、第3段階(地下施設での調査研究段階)の調査研究開発が開始される。これらの調査研究開発を通して、地質環境調査技術や深地層における工学的技術,処分技術,安全評価手法を向上させるとともに、その成果を広く社会に公開することで、地層処分にかかわる諸技術の実現性を示し、信頼感を醸成していく。
宮内 英明; 吉富 寛; 佐藤 義高; 橘 晴夫; 高橋 史明
JAEA-Technology 2010-050, 17 Pages, 2011/03
原子力規制関係法令では、外部被ばくによる線量が最大となるおそれのある部位が体幹部以外の部位である場合には、当該部位について測定することが定められており、原子力科学研究所においては熱ルミネセンス線量計を用いたリングバッジにより測定してきた。今回われわれは、小型の光刺激ルミネセンス線量計(OSL線量計)を用いた新たなリングバッジを開発し、照射試験及びモンテカルロシミュレーション計算によりその特性を検証し線量評価手法を確立した。
中司 昇; 畑中 耕一郎; 佐藤 治夫; 杉田 裕; 中山 雅; 宮原 重憲; 朝野 英一*; 斉藤 雅彦*; 須山 泰宏*; 林 秀郎*; et al.
JAEA-Research 2010-060, 50 Pages, 2011/02
原子力機構と原子力環境整備促進・資金管理センターは、原子力環境整備促進・資金管理センターが受注した「地層処分実規模設備整備事業」の工学技術に関する研究を共同で実施するため、「地層処分実規模設備整備事業における工学技術に関する研究」について共同研究契約を締結した。本共同研究は深地層研究所(仮称)計画に含まれる地層処分研究開発のうち、処分システムの設計・施工技術の開発や安全評価手法の信頼性確認のための研究開発の一環として実施されている。本報告は、上記の共同研究契約にかかわる平成21年度の成果についてまとめたものである。平成21年度は、平成20年度に策定した全体計画に基づき、ブロック式緩衝材定置試験設備の一部及び人工バリア可視化試験装置を製作した。また、幌延深地層研究センターのPR施設(ゆめ地創館)の隣接地において、試験及び展示を行うための設備建屋を建設し、仮設建屋に展示していた実物大の緩衝材ブロック及びオーバーパックを移設した。