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論文

超音波計測に基づく花崗岩中の表面波伝播特性に関する研究

木本 和志*; 岡野 蒼*; 斎藤 隆泰*; 佐藤 忠信*; 松井 裕哉

土木学会論文集,A2(応用力学)(インターネット), 76(2), p.I_97 - I_108, 2020/00

AA2020-0209.pdf:2.72MB

本研究は、ランダム不均質媒体における表面波の伝播挙動、超音波計測と波形解析によって調べたものである。超音波計測実験には、粗粒結晶質岩である花崗岩をランダム不均質媒体として用い、線集束型の圧電探触子で励起した表面波をレーザードップラー振動計で計測する。計測波形の解析は周波数領域で行い、フェルマーの原理に基づいて各波形観測点での到達時間を求める。この方法で得られた到達時間のアンサンブルから、到達時間が従う確率分布を伝播距離の関数として評価する。次に、確率分布の標準偏差を到達時間の不確実性(ゆらぎ)の指標として用い、伝播距離に応じたゆらぎの伝播挙動を調べる。以上の波形解析結果から、本研究に用いた花崗岩試料における到達時間のゆらぎは、概ね伝播距離の1/2乗と平均到達時間の積に比例することを明らかとする。このことは、ランダム不均質媒体における統計的波動伝播モデリングにおいて有用な知見となる。

口頭

超音波計測に基づく花崗岩中の表面波伝搬特性に関する研究

木本 和志*; 岡野 蒼*; 斎藤 隆泰*; 佐藤 忠信*; 松井 裕哉

no journal, , 

本研究では、花崗岩試料を用いた超音波計測を行い、実測データから波数ベクトルが従う確率分布を推定した。花崗岩は数mm$$sim$$数cm程度の結晶粒から成る多結晶質体で、超音波はき裂や粒界で散乱を起こす。ここでは、圧電超音波探触子で花崗岩試料に表面波を励起し、その伝播挙動をレーザー振動計で可視化するとともに、波動場の位相と波数の構造を調べた。その結果、媒体の不均質性により波面が屈曲すること、波数ベクトルの確率密度分布は周波数に依存することなどが明らかとなった。

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