Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
町田 晃彦*; 齋藤 寛之*; 杉本 秀彦*; 服部 高典; 佐野 亜沙美; 遠藤 成輝*; 片山 芳則*; 飯塚 理子*; 佐藤 豊人*; 松尾 元彰*; et al.
Nature Communications (Internet), 15, p.8861_1 - 8861_2, 2024/10
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Multidisciplinary Sciences)前回の論文(Nature Commun. 5, 5063 (2014))では、988Kと6.3GPaで収集した中性子粉末回折パターンのリートベルト精密化によって、fcc Fe金属格子に溶解したD原子のサイト占有率を調べた。fcc金属格子には、八面体サイトと四面体サイトの2つのD原子収容可能な格子間サイトがある。リートベルト精密化により、D原子は主に八面体サイトを0.532占有し、わずかに四面体サイトを0.056占有することがわかった。その後、Antonov (Phys. Rev. Mater. 2019))による密度汎関数理論(DFT)計算の結果、四面体サイトの占有エネルギーは八面体サイトの占有エネルギーよりも著しく高く、988Kの高温でも四面体サイトの占有は起こりにくいことがわかった。消衰補正は粉末回折パターンに適用されることはまれであり、前回の精密化には含まれていなかった。その結果、八面体の占有率は0.60に増加し、四面体の占有率はゼロに減少した。D原子の八面体サイトのみの占有は、以前の結果とは対照的ではあるが、DFT計算と一致している。
齋藤 寛之*; 町田 晃彦*; 服部 高典; 佐野 亜沙美; 舟越 賢一*; 佐藤 豊人*; 折茂 慎一*; 青木 勝敏*
Physica B; Condensed Matter, 587, p.412153_1 - 412153_6, 2020/06
被引用回数:5 パーセンタイル:26.04(Physics, Condensed Matter)重水素を含んだfcc Niを、3.36GPaで1073Kから300Kへ冷却した際の、構造中の重水素(D)の席占有率を中性子その場観察により調べた。多くの重水素はfccの金属格子の八面体サイトを占め、またわずかながら四面体サイトへの占有も見られた。八面体サイトの占有率は、1073Kから300Kへの冷却で0.4から0.85へ増大した。一方、四面体サイトの占有率は約0.02のままであった。この温度に依存しない四面体サイトの占有率は普通でなく、その理由はよくわからない。水素による膨張の体積と水素組成の直線関係から、重水素の侵入による体積膨張は、2.09(13) 原子と求められた。この値は、過去NiやNi
Fe
合金で報告されている2.14-2.2
原子とよく一致している。
齋藤 寛之*; 町田 晃彦*; 飯塚 理子*; 服部 高典; 佐野 亜沙美; 舟越 賢一*; 佐藤 豊人*; 折茂 慎一*; 青木 勝敏*
Scientific Reports (Internet), 10, p.9934_1 - 9934_8, 2020/06
被引用回数:5 パーセンタイル:20.11(Multidisciplinary Sciences)4-6GPaの圧力で1023-300Kに降温中の鉄重水素化物の中性子回折パターンを測定した。二重六方晶構造を持つ'重水素化物は温度圧力に応じて他の安定または準安定相と共存し、673K, 6.1GPaではFeD
、603K, 4.8GPaではFeD
の組成を持つ固溶体を形成した。300Kに段階的に降温する際、D組成は1.0まで上昇し、一重水素化物FeD
を生成した。4.2GPa, 300Kにおけるdhcp FeD
において溶け込んだD原子は、中心位置から外れた状態で二重六方格子の八面体空隙のすべてを占めていた。また、二重六方晶構造は12%の積層欠陥を含んでいた。また磁気モーメントは2.11
0.06B/Feであり、Feの積層面内で強磁性的に並んでいた。
町田 晃彦*; 齋藤 寛之*; 服部 高典; 佐野 亜沙美; 舟越 賢一*; 佐藤 豊人*; 折茂 慎一*; 青木 勝敏*
Scientific Reports (Internet), 9(1), p.12290_1 - 12290_9, 2019/08
被引用回数:31 パーセンタイル:82.57(Multidisciplinary Sciences)hcp金属Feは、地球の内核に相当する温度圧力条件を含む広い範囲の温度(T)および圧力(P)条件で安定に存在するが、hcp鉄水素化物FeHxは、従来のFe-H系の相図には存在しない。温度298-1073K、水素圧4-7GPaにおけるその場X線および中性子回折実験を行った結果、x0.6の範囲でhcp鉄水素化物が生成されることを明らかにした。水素原子は、ホスト金属格子の八面体サイトを部分的にランダムにも占めていた。またHの侵入による体積膨張は、1水素当り2.48(5)
であり、面心立方(fcc)鉄水素化物のものより大きかった。hcp水素化物は、fcc水素化物と異なり、その水素組成xは温度とともに増大した。本研究は、広範囲のx-T-P領域にわたるFe-H系のさらなる調査のための手引きを提供する。
高木 成幸*; 飯島 祐樹*; 佐藤 豊人*; 齋藤 寛之; 池田 一貴*; 大友 季哉*; 三輪 和利*; 池庄司 民夫*; 青木 勝敏*; 折茂 慎一*
Angewandte Chemie; International Edition, 54(19), p.5650 - 5653, 2015/05
被引用回数:36 パーセンタイル:68.85(Chemistry, Multidisciplinary)Despite many exploratory studies over the past several decades, the presently known transition metals that form homoleptic transition-metal hydride complexes are limited to the Groups 7-12. Here we present evidence for the formation of MgCrH
, containing the first Group 6 hydride complex [CrH
.
町田 晃彦; 齋藤 寛之; 杉本 秀彦*; 服部 高典; 佐野 亜沙美; 遠藤 成輝*; 片山 芳則; 飯塚 理子*; 佐藤 豊人*; 松尾 元彰*; et al.
Nature Communications (Internet), 5, p.5063_1 - 5063_6, 2014/09
被引用回数:66 パーセンタイル:87.50(Multidisciplinary Sciences)鉄と水素との反応は水素脆性などな材料科学の問題や、地球内核の鉄中の水素の有無なども地球科学の問題を考える上で重要であり、広く興味が持たれている。鉄は高温高水素圧力下において水素化物を形成するが、常温常圧では不安定であるため、水素化物の形成過程や状態を観測するには高温高圧力下でその場観察を行う必要がある。本研究ではJ-PARC/MLFのBL11 PLANETを利用して高温高圧力下中性子回折実験を実施し、鉄の重水素化過程および面心立方晶構造の鉄重水素化物における重水素原子の占有位置と占有率の決定を行い、これまで考えられていた八面体サイトだけでなく四面体サイトの一部も重水素原子が占有することを世界で初めて明らかにした。さらに量子力学的計算に基づいて二つのサイトを占有するメカニズムについて考察を行った。
高木 成幸*; 池庄司 民夫*; 松尾 元彰*; 佐藤 豊人*; 齋藤 寛之; 青木 勝敏; 折茂 慎一*
Applied Physics Letters, 103(11), p.113903_1 - 113903_4, 2013/09
被引用回数:9 パーセンタイル:36.54(Physics, Applied)We used density-functional calculations to clarify the origin of the unusual sevenfold coordination of Ru by H in NaRuH
. We found that the
symmetry of the ligands enables the formation of strong covalent bonds of Ru and H through ligand-field effects, stabilizing the sevenfold coordination. We also examined the possible synthesis of the hypothetical 3
analog, Li
FeH
, which has a gravimetric hydrogen density of 8.4 mass%. The calculated enthalpychange of -16 kJ/mol H
for the reaction, 3LiH + Fe + 2H
Li
FeH
, reveals a possible route to a stable complex hydride containing [FeH
]
.
町田 晃彦; 齋藤 寛之; 服部 高典; 佐野 亜沙美; 佐藤 豊人*; 折茂 慎一*; 青木 勝敏
no journal, ,
鉄水素化物FeHでは高温高水素圧力下において全率固溶体fcc-FeH
の出現、著しい融点降下、融点直下における超多量空孔(Superabundant Vacancy: SAV)形成が観測されている。最近ではFe-D系の高温高圧力下その場中性子回折実験により、fcc-FeD
の重水素占有サイトと占有量が実験的に決定され、OサイトだけでなくTサイトにも熱的な励起によりわずかに存在することが示されている。本研究ではSAV形成に着目し、J-PARC/MLFの超高圧中性子回折装置PLANETを利用した高温高圧力下における中性子回折その場観察実験によりSAV形成とそのときの重水素の占有状態について調べた。
町田 晃彦; 齋藤 寛之; 服部 高典; 佐野 亜沙美; 遠藤 成輝*; 綿貫 徹; 片山 芳則; 飯塚 理子*; 佐藤 豊人*; 松尾 元彰*; et al.
no journal, ,
鉄水素化物は数GPaの高水素圧力下でのみ熱力学的に安定な物質であり、bcc-FeH(
), dhcp-FeH
(
), fcc-FeH
(
)の3つの状態が300-2000K, 0-20GPaで存在することが知られている。これまで、中性子その場観察による鉄重水素化物の研究は行われていないが、J-PARCの物質・生命科学実験施設に建設された超高圧中性子回折装置PLANETを利用して、高温高圧力下での鉄の重水素化反応過程における中性子回折その場観察が実現した。中性子回折用に開発した高圧セルを用いて、7GPa, 1000Kまでの高温高圧力下における中性子回折パターンの測定に成功し、約800Kにおける鉄のbcc-fcc相転移と続いて起こるfcc-Feの重水素化の観測に成功した。
町田 晃彦; 齋藤 寛之; 服部 高典; 佐野 亜沙美; 遠藤 成輝; 綿貫 徹; 片山 芳則; 飯塚 理子*; 佐藤 豊人*; 松尾 元彰*; et al.
no journal, ,
高温高圧力下における金属の水素化反応を利用することによって、これまで新規水素化物の探索や水素誘起超多量空孔形成に関する研究が多く実施されている。水素-金属系で観測される現象の理解には格子間水素の情報が必要であるが、これまで高温高圧力下における結晶構造のその場観察は放射光X線回折実験に限られており、格子間水素の情報を得ることができなかった。我々はJ-PARC・MLFに建設された超高圧中性子回折装置PLANETを利用して、高温高圧力下での鉄の重水素化反応過程における中性子回折その場観察を実施し、反応過程の中性子回折パターンの取得に成功した。約680Cにおける回折パターンに対してリートベルト解析を行い、この温度圧力条件での重水素組成と占有サイトの最適化を試みた。これらの結果について詳細に報告する。
町田 晃彦; 齋藤 寛之; 服部 高典; 佐野 亜沙美; 遠藤 成輝; 綿貫 徹; 片山 芳則; 飯塚 理子*; 佐藤 豊人*; 松尾 元彰*; et al.
no journal, ,
高温高圧力下における金属と水素の反応は新規水素化物の生成、水素誘起超多量空孔形成といった興味深い現象を引き起こす。水素-金属系で観測されるこうした現象の理解には格子間に侵入している水素の情報が必要であるが、これまで高温高圧力下における結晶構造のその場観察は放射光X線回折実験に限られており、格子間水素の情報をその場で得ることができなかった。我々はJ-PARC・MLFに建設された超高圧中性子回折装置PLANETを利用して、高温高圧力下での鉄の重水素化反応過程における中性子回折その場観察を実現し、反応過程の中性子回折パターンの取得に成功した。高温高圧力下における中性子回折パターンに対してリートベルト解析を行い、この温度圧力条件での重水素組成と占有サイトの最適化を試みた。重水素化過程の詳細とリートベルト解析結果について報告する。
町田 晃彦; 齋藤 寛之; 服部 高典; 佐野 亜沙美; 遠藤 成輝; 綿貫 徹; 片山 芳則; 青木 勝敏; 佐藤 豊人*; 松尾 元彰*; et al.
no journal, ,
新規水素化物や空孔-水素クラスター形成の研究には格子間水素の情報が必要である。これまで高温高圧下における結晶構造のその場観察はこれまで放射光X線を利用した実験に限られていたが、X線回折では格子間水素の情報を得ることができない。格子間水素を含めた構造決定には中性子回折実験が必要となる。大強度陽子加速器施設J-PARCの物質・生命科学実験施設に超高圧中性子回折装置PLANETが完成したことによって、高温高圧下の中性子回折実験が可能となった。そこで我々は高温高圧下水素流体中における放射光X線回折その場観察技術を改良した中性子回折実験技術の開発と試作した高圧セルを用いて、鉄の水素化過程における中性子回折実験を実施し、高温高圧下における構造解析を試みた。7.4GPaにおいて475Cまで加熱しながら中性子回折パターンの取得を行った。測定時間は120秒であるが、相の同定や格子定数の変化は観測可能なデータの取得ができることが確認できた。
齋藤 寛之; 高木 成幸*; 飯島 祐樹*; 佐藤 豊人*; 松尾 元彰*; 青木 勝敏*; 折茂 慎一*
no journal, ,
水素貯蔵の目的に加えて、イオン伝導・超伝導などの機能性材料創出とその物性研究を目的として新規水素化物の合成研究が進められている。固体の金属と水素ガス(高温高圧下では水素流体)が共存するよりも、固体の水素化物を生成した方が系の体積が小さくなるため、高圧化では新規水素化物が実現しやすくなると期待できる。発表者らはあらかじめ理論計算により新規水素化物の合成可能性を評価し、得られた結果をもとに合成研究を進めている。また、高温高圧化の合成条件を決定するために、SPring-8の放射光を利用したその場観察実験を行っている。本発表では高温高圧法を用いて合成された錯体水素化物について紹介する。