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澤木 健太*; 浅井 志保; 渡部 和男; 須郷 高信*; 斎藤 恭一*
膜, 33(1), p.32 - 38, 2008/01
中性の抽出試薬TOPO(トリオクチルホスフィンオキシド)を利用して高効率に金属イオンを分離することを目的とし、高分子鎖を細孔表面に接ぎ木(グラフト)した多孔性膜にTOPOを担持した。TOPOを高密度に担持し、しかも担持後の透水性を保持するために、親水基であるジオール(2OH)基と疎水基であるオクタデカンチオール(CS)基を高分子鎖へ導入した。2OH基は、細孔内部に凝集し、細孔を塞いでいるTOPOとグラフト鎖上部との結合を弱める効果があり、TOPO担持後に純水を透過させることによって容易にTOPOが除去され、膜の透水性が回復した。CS基は、グラフト鎖間へ浸透したTOPOと疎水性相互作用することによって、TOPOをグラフト鎖間に安定に保持した。したがって、2OH基とCS基を組合せることによって、透水性と担持量とを両立したTOPO担持多孔性膜を作製できることが示された。金属吸着容量は、0.66mol-Bi(III)/kg-TOPO膜となり、市販の抽出クロマトグラフィー樹脂と同等、あるいはそれ以上の値であった。さらに、担持されたTOPOのすべてがBi(III)の捕捉に利用され、従来材料に比べて、TOPOは金属を効率よく捕捉できることが示された。
澤木 健太*; 土門 さや香*; 浅井 志保; 渡部 和男; 須郷 高信*; 斎藤 恭一*
膜, 32(2), p.109 - 115, 2007/03
放射線グラフト重合法を利用して、市販の多孔性膜の細孔表面にさまざまな機能を備えたグラフト鎖を付与することができる。本研究では、グラフト鎖へ疎水性部を持つ官能基を導入し、そこへ抽出試薬を担持することによって、金属イオンの分離の迅速化を試みた。グラフト鎖に導入する官能基としてアルキルアミノ基又はアルカンチオール基を選び、酸性抽出試薬であるCyanex 272をグラフト鎖に担持した膜を作製し、モデルイオンとしてZn(II)を用いてCyanex 272担持多孔性中空糸膜の金属イオン吸着性能を評価した。ドデシルアミノ及びオクタデシルアミノ基を導入し、Cyanex 272を担持した多孔性膜では、亜鉛イオンの平衡吸着容量は、それぞれ0.35及び0.37mol/kg-GMA膜となった。この値は市販の抽出試薬担持ビーズ状樹脂と同程度であった。さらに、膜に担持されたCyanex 272のうちそれぞれ77及び78%が亜鉛イオンの捕捉に寄与していることが示された。
澤木 健太*; 浅井 志保; 斎藤 恭一*; 須郷 高信*
no journal, ,
環境試料や放射性廃棄物に含まれる放射性核種の定量には、前処理として化学分離する必要がある。化学分離用の材料の一つとして、多孔性樹脂に抽出試薬を担持した抽出クロマトグラフィー樹脂が利用されている。この樹脂による分離では、樹脂内部への金属イオンの拡散が律速となるため、高速処理できないことが欠点である。そこで、拡散物質移動距離を最小限にできる多孔性膜を抽出試薬の新たな支持体として提案する。本研究では、酸性抽出試薬Cyanex 272及び中性抽出試薬TOPOを担持する抽出試薬として選んだ。2種類の抽出試薬を膜に高密度に担持し、モデル金属の吸着捕集試験を実施した。
澤木 健太*; 浅井 志保; 土門 さや香*; 斎藤 恭一*; 須郷 高信*
no journal, ,
放射線核種の分析では測定前処理として化学分離する必要がある。従来の分離法としては溶媒抽出法,イオン交換法、及び抽出クロマトグラフィーがある。しかしながら溶媒抽出法では有害な有機廃液が多量に発生し、イオン交換法や抽出クロマトグラフィーでは試料溶液を高速で処理できない。本研究ではグラフト鎖を付与した多孔性膜に抽出試薬を担持することにより分離を高性能化した。グラフト鎖に疎水性基を導入すると抽出試薬Cyanex 272を疎水性相互作用により安定に担持できる。疎水性基の炭素数及びCyanex 272担持溶媒の種類を変化させ、担持量、膜の透水性能及び金属吸着容量を評価して作製条件を最適化した。