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木村 暢之; 林 謙二; 上出 英樹; 伊藤 真美*; 関根 正*
Nuclear Technology, 152(2), p.210 - 222, 2006/03
被引用回数:21 パーセンタイル:79.04(Nuclear Science & Technology)FBR実用化戦略調査研究の一環として行っているNa大型炉について、炉容器コンパクト化に伴う上部プレナム内流動の適正化を行う必要がある。そこで、1/10スケール水流動試験装置を製作し、可視化,粒子画像流速測定法,超音波流速計による流況の定量化を行うとともに、熱流動上の課題の抽出を行った。その結果、UISの切り込みを通る上昇流によって液面が大きく変動することを確認した。しかし、ディッププレートの下に移行するガス巻き込みの発生は確認されなかった。また、ホットレグ(H/L)吸込流速増大のため、H/L吸込部近傍に3本のキャビテーションを伴う水中渦を確認した。流動上の課題について、プレナム内構造をパラメータとした実験を行い、流動の適正化を実施した。ホットレグ近傍で発生する水中渦に関しては、炉容器とホットレグの間にスプリッタを設けることで水中渦の初生条件を改善することができた。また、燃料交換機が挿入される貫通孔のプラグ高さを最適化することで、ディッププレートを通過する流量を低減できた。
中山 王克; 木村 暢之; 上出 英樹; 伊藤 真美*; 関根 正*
JNC TN9400 2005-032, 103 Pages, 2005/03
FBR実用化戦略調査研究にて検討されている大型ナトリウム炉のコンパクト化に関して、炉内の高流速化に伴い、自由液面からのガス巻き込みが懸念されている。そこで、実機の1/10スケール炉上部プレナム水流動試験装置を製作し、自由液面からのガス巻き込みを含む炉内流動の適正化を図るための研究を実施している。これまで、液面に向かう流れの抑制やキャビテーションを伴う水中渦抑制に効果的な構造として1)燃料交換機(FHM)貫通孔に挿入するプラグ、2)ホットレグに向かい合う炉壁に縦リブを設けるスプリッタを考案し、大型炉の成立性を確認した。本報告では、液面の下に設ける水平板(ディッププレート、D/P)の2重化ならびにUISの外周に多孔胴を設けることの効果について1/10スケール試験装置を用いて検討した。 2重D/Pでは、炉容器と燃料出入機案内管の間の液面近傍領域において、流れを抑制する効果が確認された。また、燃料交換機(FHM)貫通孔に挿入するプラグについて、2重としたD/P間の高さでプラグの直径を変えて段差を設けることで、プラグ周りの隙間を通る流れの抑制効果が認められた。2重D/P体系でのプラグ高さが液面近傍の流れに与える影響を評価した結果、プラグをD/Pよりさらに下方に挿入することが液面近傍の流速低減とキャビテーションを伴う水中渦の抑制に有効であることを確認した。キャビテーションを伴う水中渦を抑制する構造案としてUISに多孔胴を設けることの効果を把握した。胴を設けることで、炉壁とホットレグ間のキャビテーションを発生させやすくし、コールドレグから発達するキャビテーションの抑制についても必ずしも有効でないとする結果が得られた。胴により効果を得ようとする場合には、胴にあける孔の配置などにより、渦の発生を抑制するよう流れの微妙なバランスをとる必要があり、さらに検討が必要と考えられる。
木村 暢之; 林 謙二; 伊藤 真美*; 関根 正*; 五十嵐 実; 佐藤 博之; 上出 英樹
JNC TN9400 2003-032, 214 Pages, 2003/03
FBR実用化戦略調査研究の一環として、ナトリウムを冷却材とした高速炉が検討されている。本炉においては、物量を削減して経済性を大幅に向上させるために、徹底したシステムの簡素化・コンパクト化が進められており、具体的には、プレナム径に対する炉出力の増加、燃料交換システム簡素化に伴う切り込みを有するUIS構造の採用などが挙げられる。これらによって懸念される流動現象としては、自由液面からのガス巻き込み現象、高流速化に伴うキヤビテーション、流力振動、熱過渡などがある。設計では、炉心出口からの流れが直接液面に到達しないように、ディッププレートと呼ばれる水平板を液面の下方に設置し、ガス巻き込みの抑制を図ることを検討している。そこで、液面からのガス巻き込み防止を含む炉上部プレナム内の流況を適正化することを目的に、主な構造物を全て模擬した実体系1/10スケールの炉上部プレナム水流動試験装置を製作し、試験を実施した。流況把握は、可視化、超音波流速計、粒子画像流測定法を用いて行った。実機流速一致までの条件で液面からの連続的なガス巻き込みは発生せず、ディッププレートの有効性が確認できた。しかしながら、UIS切り込み部の正面位置での液面は激しく揺動し、液面に向かう流速が大きいことがわかった。また、H/L配管吸い込み部では気泡を伴う水中渦が確認され、キヤビテーション係数を用いて評価すると、実機で発生する可能性があることが確認された。上記課題の解決策として、流れを整流するスプリッタを設置することで、実機キャビテーション係数一致条件での水中渦の発生が防止できることを確認した。また、燃料交換機が設置される個所にプラグを挿入することで、液面に向かう流れが抑制できることを確認した。以上の方策により、コンパクト化した原子炉容器について、流動現象の面から成立性の見通しが得られた。
木村 暢之; 林 謙二; 五十嵐 実; 上出 英樹; 伊藤 真美*; 関根 正*
Proceedings of 10th International Topical Meeting on Nuclear Reactor Thermal Hydraulics (NURETH-10), CD-RO, K0102 Pages, 2003/00
FBR実用化戦略調査研究の一環として行っているNa大型炉について、炉容器コンパクト化に伴う上部プレナム内流動の適正化を行う必要がある。そこで、1/10スケール水流動試験装置を製作し、可視化、粒子画像流速測定法、超音波流速計による流況の定量化を行うとともに、熱流動上の課題の抽出を行った。その結果、UISの切り込みを通る上昇流によって液面が大きく変動することを確認した。しかし、ディッププレートの下に移行するガス巻き込みの発生は確認されなかった。また、ホットレグ(H/L)吸込流速増大のため、H/L吸込部近傍に3本のキャビテーションを伴う水中渦を確認した。流動上の課題について、プレナム内構造をパラメータとした実験を行い、流動の適正化を実施した。ホットレグ近傍で発生する水中渦に関しては、炉容器とホットレグの間にスプリッタを設けることで水中渦の初生条件を改善することができた。また、燃料交換機が挿入される貫通孔のプラグ高さを最適化することで、ディッププレートを通過する流量を低減できた。
飯田 芳久; 大貫 敏彦; 磯部 博志; 柳瀬 信之; 関根 敬一; 吉田 英一*; 湯佐 泰久*
Journal of Contaminant Hydrology, 35, p.191 - 199, 1998/00
被引用回数:4 パーセンタイル:18.7(Environmental Sciences)変質過程での花崗岩中の希土類元素の移行挙動を解明するために、東濃ウラン鉱床を対象として、これまで岩石中の希土類元素の分布を研究してきた。試料は土岐花崗岩の変質・未変質部より採取した。希土類元素濃度は中性子放射化分析法により、鉱物相は粉末X線回折法及びSEMにより測定した。元素分析は、ICP発光分析法により行った。変質試料中では、未変質試料に比べ軽希土類元素濃度が高かった。変質・未変質試料中には、一般に希土類元素を含むとされる鉱物が観察されたが、変質試料中にのみCa,希土類元素の炭酸塩鉱物が見られた。変質試料中のCa,軽希土類元素濃度が高いことから、これらの元素が熱水によって移行し、炭酸塩鉱物として結晶化したと考えられる。
柳瀬 信之; 佐藤 努; 飯田 芳久; 関根 敬一
Radiochimica Acta, 82, p.319 - 325, 1998/00
クンガラウラン鉱床におけるウラン及びアクチニウム系列核種の水平及び深さ方向の2次元分布を、ガンマ線スペクトロメトリーにより求めた。U-238とTh/U放射能比の深さ方向の分布から、クンガラ鉱床の風化帯を3つの部分に分けることができた。5mより浅い表層では、雨水による速い移動によりウラン濃度は低く、5-20mの中層では、鉄鉱物へのウランの固定などによりウラン濃度は比較的高く、しかも35万年以内の顕著な移動は検出できなかった。より深い20-28m層では、1次鉱床から溶出したウランが下流方向150mにわたって移動沈着していた。また、2次鉱床に残っているウランの割合を計算すると、表層、中層及び深層でそれぞれ2-9%、13-58%及び14-29%であった。最も高かったのは深さ15mの2次鉱床の中心であった。したがって、移行率では1-3百万年の間に表層、中層及び深層で91-98%、42-87%及び71-86%のウランが鉱床から移行したと推定できた。
大貫 敏彦; 柳瀬 信之; 関根 敬一; 磯部 博志; 永野 哲志; 坂本 義昭
Journal of Nuclear Science and Technology, 34(12), p.1153 - 1158, 1997/12
被引用回数:26 パーセンタイル:86.43(Nuclear Science & Technology)非晶質鉄鉱物の結晶化過程におけるウランの再分配挙動を、選択的抽出法により検討した。硝酸鉄溶液中に1mg・l1のウランを混合し、PHを6.5に調整して得た初期の沈澱は、全てTAO溶液により溶解した。また、溶液中のウラン濃度は1%以下であった。このことは、ほとんどのウランが非晶質の鉄鉱物に吸着していることを示している。鉄とウランの沈澱は、時間の経過とともに一部がTAO溶液では溶けないで残った。この場合、TAO溶液により抽出されるウランの量は、残査沈澱物の量が増えるに伴い減少した。溶液中のウランの濃度はやはり1%以下であった。これらの結果から、非晶質鉄鉱物の結晶化過程において、ウランは溶液中にはき出されず、結晶質および非晶質の鉄鉱物に吸着していることがわかった。
柳瀬 信之; 佐藤 努; 磯部 博志; 関根 敬一
放射性廃棄物研究, 2(1-2), p.121 - 135, 1996/02
クンガラウラン鉱床を用いたナチュラルアナログ研究において、岩石中のウランの分布を明らかにするために、逐次選択的抽出法を適用した。対象とした抽出相は、吸着、非晶質鉄鉱物、結晶質鉄鉱物、緑泥石および残査鉱物相である。風化帯では、大部分のウランが結晶質鉄鉱物と共存しており、非風化帯の鉱床付近ではウラン鉱物としてウランが存在していた。非風化帯の地下水流の下流側では鉱床起源のウランは少なかった。また、各抽出相のU/U放射能比から、微視的に残査鉱物が鉄鉱物に覆われている状態で反跳が起こることが原因と考えられる残査鉱物相へのUの濃集が認められた。
中山 真一; 佐藤 努; 永野 哲志; 柳瀬 信之; 山口 徹治; 磯部 博志; 大貫 敏彦; 関根 敬一
JAERI-Review 95-011, 94 Pages, 1995/07
環境安全研究部地質環境研究室は、高レベル放射性廃棄物の安全評価および処分システムの性能評価のための基礎研究を担う研究室のひとつであり、放射性核種-地下水-岩石・鉱物間に起こる相互作用、すなわち放射性核種の地球化学的挙動に関して、天然現象の観測および試料の観察に基づく研究(ナチュラルアナログ研究)、ならびに室内における実験的研究を進めてきた。本報告書は、本研究室における研究活動の背景、位置付けおよび成果をまとめたものであり、それを通して、われわれの研究の地球化学的基礎研究としての、かつ地層処分のための研究としての意義を明確にした。またそれとともに廃棄物処分の分野における基礎研究の必要性・重要性を強調した。本報告書は当研究室が拠って立つべき存在意義である。
柳瀬 信之; T.E.Payne*; 関根 敬一
Geochemical Journal, 29, p.31 - 54, 1995/00
被引用回数:23 パーセンタイル:46.66(Geochemistry & Geophysics)クンガラウラン鉱床中のウラン系列核種の移行挙動を研究するために、地下水中の核種濃度及び放射能比を求めた。深さ20m以浅の地下水のU/U比は1より小さく、30m以深では1より大きかった。Thはウランに比べ地下水中では非常に動きにくかった。Ra/U比から、RaはUに比べ風化帯(30m以浅)より非風化帯(30m以深)で動きやすかった。これは風化帯ではMnやFeを含む風化二次鉱物に、Raが共沈あるいは吸着されるためと考えられる。Rnは地下水中にUより3桁以上過剰に存在し、Pb/Rn比からはPbの地下水中での滞留時間約6日が推定できた。以上の結果から、クンガラウラン鉱床では、ウラン系列核種の非平衡は、酸化還元状況の反映である風化の度合い、溶解共沈吸着現象、及びアルファリコイル機構によって支配されていると考えられる。
柳瀬 信之; T.E.Payne*; 関根 敬一
Geochemical Journal, 29, p.1 - 29, 1995/00
被引用回数:25 パーセンタイル:49.47(Geochemistry & Geophysics)非常に風化した岩石-地下水系におけるウランの移行挙動を詳細に知るために、クンガラウラン鉱床の地下水の地球化学的研究を行った。クンガラ地下水の特徴は、中性のpH、酸化性、そして陽・陰イオンとしてMgと炭酸水素イオンが支配的なことである。鉱床中心では、ウラン濃度は周辺より3桁高かった。ウランの地下水中での化学形は、炭酸ウラニルイオンであると考えられる。得られた地球化学的データから、クンガラの地下水流は、上流の砂岩層に浸透した雨水が、鉱床に近接する断層を通して鉱床へ入り、鉱床中のウラン酸化物(ウラニナイト)を風化溶解し、鉱床から南東及び南方向へ流れていると考えられる。また、ウランの一部は、約100~150万年の間に鉱床の中心から約200m下流に移動していることが分った。
柳瀬 信之; 関根 敬一
Materials Research Society Symposium Proceedings, Vol.353, 0, p.1235 - 1242, 1995/00
地層中における超ウラン元素の長期の移行挙動を類推する1つの方法として、ウラン系列核種を用いたナチュラルアナログ研究がある。その際、基礎的なデータとして地層中の岩石や地下水中のウラン系列核種の分布を知る必要がある。そのためには迅速で簡便な測定方法が必要である。そこで、複雑で時間のかかる線スペクトロメトリーに代わり、より簡便な線スペクトロメトリーの有用性を検討した。その結果、UとThについては、それぞれ0.1及び1Bq/g以上の試料について充分適用可能であることが分かった。さらに、この方法で実際のクンガラ鉱床の試料を測定したところ、地表付近の岩石については、鉱床でウランの溶出が、また南東方向の地下水流付近でウランの蓄積が見い出された。
柳瀬 信之; 関根 敬一
日本原子力学会誌, 37(8), p.704 - 709, 1995/00
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Nuclear Science & Technology)水中の線放出核種を現場で直接測定する検出器としてGe検出器の適用を検討した。大型水槽にGe検出器あるいはNaI(Tl)検出器を吊り下げ、空気、水道水、海水並びにCs及びCoを含んだ海水をそれぞれ満たしたときの線スペクトルを測定した。その結果、NaI(Tl)検出器では検出できなかった濃度のCs及びCoが、Ge検出器では検出できた。Ge検出器の海水中でのピーク検出効率は、662keV(Cs)、1332keV(Co)及び1462keV(K)線について、それぞれ29、22及び19cps/(photon/s・ml)であり、検出限界濃度は、0.29、0.24及び1.6mBq/mlであった。これらの値が放射性廃液の排水濃度限度以下であることから、Ge検出器が平常時の野外での水中放射能のモニタリングに、また、チェルノブイル原発事故のような場合にも十分使用可能であることが分かった。
柳瀬 信之; 上野 隆; 関根 敬一; 小林 義威
第34回環境放射能調査研究成果論文抄録集; 平成3年度, p.96 - 97, 1992/12
Ge検出器を用いる海洋における放射能モニタリングシステムの開発を目的として、水槽実験を行った。Ge検出器及びNaI検出器の海水中での線スペクトルの比較、及びGe検出器の海水中での検出感度並びに検出限界放射能濃度を検討した。これらの値をこれまでに報告されている海水中Cs及びCoの放射能濃度と比較し、本Ge検出器の海水中での性能を評価した。その結果、NaI検出器の分解能では検出できなかった濃度(約0.3mBq/ml)のCs及びCoが、Ge検出器では検出可能であった。水槽の大きさを検討した結果、Ge検出器について得られた海水中K,Cs,Coの検出感度19,19,17cps/(photon/s・ml)は、実際の海洋での測定に十分適用可能と思われる。
大貫 敏彦; 村上 隆; 関根 敬一; 柳瀬 信之; 磯部 博志; 小林 義威
Materials Research Society Symposium Proceedings, Vol. 176, p.607 - 614, 1990/00
変質した石英-緑泥石中のウラン系列核種移行挙動をオーストラリア、クーンガウにおける核種濃度分布データを用いて研究した。U/UおよびTh/U放射能比の分布から、核種の移行は深さにより異なることが明らかとなった。また、U/UとTh/Uの関係から、UとUの遅延係数は異なりUの遅延係数がUよりも大きかった。その値は深さにより異なり、浅層部では1.1、中層部では1.9であった。X線回折解析より、緑泥石が変質により、カオリナイト-スメクタイトおよびゲータイト、ヘマタイトへ変わっているのが観察された。深さによるウラン系列核種の移行挙動の違いは緑泥石の変質に伴う層構成分質の違いによるものと考えられる。
中村 雅弘; 森平 正之; 木原 義之; 関根 伸行*; Hellwig, C.*; Bakker, K.*
no journal, ,
JNC-PSI-NRG共同研究(通称フジプロジェクト)の枠組みの中でスフェアパック燃料設計コードDIRAD-Sによる計算結果と照射後試験結果を比較した。DIRAD-Sには粒子充填体熱伝導度モデルSPACONと粒子間のネッキングの機構論的モデルが組み込まれている。計算結果と照射後試験結果はよく一致した。
中村 雅弘; 加瀬 健; 小泉 務; 水野 峰雄*; 高阪 裕二*; 小川 伸太*; 関根 伸行*
no journal, ,
スフェアパック燃料は燃焼中の高温・高圧により粒子間が焼結し、燃料の実効熱伝導度が改善されると考えられている。設計コードでは、粒子間焼結の進展をネック比をパラメータとして取り込んでいる。断面金相観察と破面観察によるネック比測定結果を比較することにより、照射後試験における金相観察によるネック比測定精度を評価した。
中川 貴博; 高田 千恵; 関根 伸行*; 高安 哲也*; 辻村 憲雄; 百瀬 琢麿
no journal, ,
核燃料サイクル工学研究所のMOX施設では作業環境中に中性子が存在するため、管理区域境界の積算線量モニタリングを行う際、線に加え中性子線も測定する必要があり、長年サーベイメータにより測定した線量率を用いていたが、平成14年度からTLDを用いた積算中性子線量当量計を新たに導入した。この線量計は、ポリエチレン製の立方体の中心にTLD素子を配置したものである。今回、減速中性子校正場での特性試験と方向特性について追試験を行うとともに、モンテカルロ計算を用いて性能評価を行った。その結果は市販されているサーベイメータとほぼ同じ性能であった。使用実績の一例として示す管理区域境界における中性子線の四半期ごとの積算線量トレンドでは、測定ポイント付近にあった核燃料物質の移動により見られる3か月間あたり0.1mSvという小さな変化もよく観測されている。サーベイメータでの週ごとのモニタリングに加え、積算線量を測定することで、サーベイメータでは検出下限値未満となる低線量の場合でも測定することができ、より細やかな管理が可能である。以上から、本線量計はMOX施設の管理区域境界における中性子線積算線量の測定に適切である。
中川 貴博; 高田 千恵; 関根 伸行*; 高安 哲也*; 辻村 憲雄
no journal, ,
【はじめに】MOX施設の管理区域境界では、施設の運転状況から線量率が低く変動が小さいことを前提として、サーベイメータでの定期的な線量率測定を管理の基本としている。しかし、微小な線量率変動の影響を加味し、1.3mSv/3月間を超えないことを確認するためには、積算線量計での測定が望ましい。核燃料サイクル工学研究所では、TLDを内蔵した中性子線量当量計を平成14年に導入し、既に運用していた線用TLDとともに現在まで測定を行ってきた。【性能試験】本線量当量計について、これまでに報告されていない頂点方向入射の方向特性とMOX施設への適用の再確認のためエネルギー特性に関する試験を行った。加えて、モンテカルロ計算(MCNP5)にて詳細な性能評価を行った結果、方向依存は無視できる程小さく、エネルギー特性についても、本線量当量計がMOX施設での積算線量測定に十分な性能であることが確認できた。【運用実績】あるポイントでは、サーベイメータによる測定結果は検出下限値未満であったが、積算線量計を用いることで、微小な線量変動を捉えることができ、きめ細やかな管理が可能であることが確認できた。
佐藤 有司; 高城 久承; 浜田 宣幸; 関根 智一*; 竹田 正幸*; 秋山 隆司*
no journal, ,
原子炉運転中にアスファルト固化装置蒸発缶の洗浄剤として使用していたテトラクロロエチレンは有害性が確認されたため、使用を中止した。洗浄に使用したテトラクロロエチレンには放射性物質等不純物が含まれており、不純物の分離及びテトラクロロエチレンの無害化処理について試験を行い、無害化できる見通しが得られた。無害化処理方法は、放射性物質等を含有したテトラクロロエチレン廃液を蒸留し、残渣と高濃度のテトラクロロエチレンに分離する。蒸留で得られた高濃度のテトラクロロエチレンを純水中に15010000mg/Lとナノ鉄複合粒子を0.015wt%を混合し、無害化処理を行った。無害化処理の結果、テトラクロロエチレンをエチレン等のガスに分解し、テトラクロロエチレンを無害化することができた。分解速度は、テトラクロロエチレンの投入量によって左右されるが、平均2030ppm/h程度で処理することができた。