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大内 伸夫; 赤岡 伸雄*; 浅野 博之*; 千代 悦司; 滑川 裕矢*; 鈴木 浩幸*; 植野 智晶*; 野口 修一*; 加古 永治*; 大内 徳人*; et al.
Proceedings of 4th International Workshop on the Utilisation and Reliability of High Power Proton Accelerators, p.175 - 183, 2005/11
加速器駆動核変換システム(ADS)ではエネルギー約1GeV,ビームパワー20-30MWの大強度陽子加速器が要求される。原研,KEK,三菱重工業,三菱電機は共同でADS用超伝導陽子リニアックの開発を2002年から実施している。本技術開発では、J-PARC計画用超伝導陽子リニアックの設計をベースに、972MHzクライオモジュールの開発並びに超伝導陽子リニアックのシステム設計を行っている。クライオモジュールの開発においては、最大表面電界30MV/mの達成を目標としてクライオモジュールの試作,試験を実施している。空洞単体試験においては、2台の空洞について最大表面電界32, 34MV/mを達成した。2004年にはクライオモジュールの本格的な試験を実施し、最終目標値の達成を目指す。超伝導陽子リニアックのシステム設計では、エネルギー1001500MeV領域のビーム軌道解析を実施した。その結果、超伝導リニアックの構成は、10種類の超伝導空洞,クライオモジュール総数106台,全長565mとなった。低エネルギー部では高エネルギー部と比較して加速効率がかなり低下していることが判明した。
加古 永治*; 野口 修一*; 大内 徳人*; 宍戸 寿郎*; 赤岡 伸雄*; 小林 秀樹*; 大内 伸夫; 植野 智晶*; 原 博史*; 松岡 雅則*; et al.
Proceedings of 9th European Particle Accelerator Conference (EPAC 2004) (CD-ROM), p.1042 - 1044, 2004/07
加速器駆動核変換システム用超伝導リニアック開発の一環として、日本原子力研究開発機構と高エネルギー加速器研究機構は共同でクライオモジュールの試作を実施した。クライオモジュールは、972MHz,9セル超伝導空洞を2台実装したものである。超伝導空洞は高純度ニオブ(RRR250)製であり、製作後のプリチューニングにより軸上電場分布98%以内を実現した。クライオモジュール組み込み前の最終洗浄として高圧超純水洗浄を実施した。超伝導空洞に高周波電力を導入するための高周波入力カプラは円盤状の窓を有する同軸型である。単体の大電力高周波試験においては、最終的にピーク電力1MW,パルス幅0.6ms,繰返し50Hzまでクリアした。高調波取り出しカプラのフィルタ特性については、HFSSコードによる計算結果と単体試験の結果との良好な一致を見た。クライオモジュールの冷温冷却試験において、低レベルの高周波特性試験を実施した。超伝導空洞の外部Q値については、設計値に対して20%程度低い測定結果となった。チューナーの感度については計算値と測定値の一致は良好であった。
大内 徳人*; 加古 永治*; 野口 修一*; 宍戸 寿郎*; 土屋 清澄*; 赤岡 伸雄*; 小林 秀樹*; 大内 伸夫; 植野 智晶*; 原 博史*; et al.
Proceedings of 9th European Particle Accelerator Conference (EPAC 2004), p.1033 - 1035, 2004/00
日本原子力研究開発機構と高エネルギー加速器研究機構は、共同で加速器駆動核変換システム(ADS)用超伝導リニアック開発の一環として、9セル超伝導空洞2台を実装したクライオモジュールを試作し、最初の冷却試験を実施した。超伝導空洞の被冷却質量はステンレス33kg,チタン100kg,ニオブ117kgであり、290Kから7.5Kまでの冷却には9時間を要し、液体ヘリウム430Lを消費した。超伝導空洞冷却用の液体ヘリウム容器を減圧することにより2.05Kまでの冷却に成功した。超伝導空洞への熱侵入量の導出は、液体ヘリウムの蒸発速度を測定することにより実施し、測定結果は11.3Wであった。これは設計値4.8Wを大きく上回るものである。クライオモジュール内部の温度分布測定結果を元に、主要熱伝導パスからの熱侵入量を積算した結果10.4Wとなり、実測値をよく再現した。主要な熱侵入源は、チューナーシステムと空洞位置調整機構であることが判明した。
小林 仁*; 栗原 俊一*; 松本 浩*; 吉岡 正和*; 松本 教之*; 熊田 博明*; 松村 明*; 櫻井 英幸*; 平賀 富士夫*; 鬼柳 善明*; et al.
no journal, ,
ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)装置の建設を進めている。施設名称は茨城中性子先端医療研究センター(仮称)で、茨城県のいばらき量子ビーム研究センターの敷地内(茨城県東海村)に設置される。建物はこの装置に合わせて現在改修が進められている。BNCTは原子炉からの中性子を利用して長年の治療実績が積み重ねられた。病院内に設置できる治療装置として医療側から加速器ベースのBNCT装置の開発が強く望まれている。われわれは"Hospital Friendly"のBNCT装置を目指し、具体的には極力残留放射能の低い施設を目指して加速器のパラメータを選定した。陽子ビームエネルーを8MeVとし、ターゲット材料はベリリウムを選択した。治療時間は短いほど良いが目安となる中性子強度がIAEAから提案されており、それを満たす陽子ビームのパワーは80kW(平均電流で10mA)である。加速器のビームダイナミクスはJ-PARCのフロントエンドをベースとしているがデューティサイクルはJ-PARCより1桁近く大きくなる。このため加速管の水冷、ターゲットの熱除去とブリスタリング対策が重要課題となる。本稿では装置の開発状況を報告する。
若井 栄一; 粉川 広行; 涌井 隆; 直江 崇; Guan, W.; 花野 耕平*; 木下 秀孝; 成井 紀男*; 羽賀 勝洋; 勅使河原 誠; et al.
no journal, ,
J-PARCの核破砕中性子源施設は大強度(1MW(3GeV, 25Hz))での安定運転を目標としている。核破砕中性子源の水銀ターゲット容器は、水銀容器及び冷却水層を有する保護容器から成る薄肉多重容器構造を持ち、耐食性が良いSUS316L鋼で製作している。本研究では運転時に発生する応力をより低減させるため、従来と構造を大きく変更した半無拘束型ターゲット構造モデルの成立性を検討した。有限要素法などによって解析を進めた結果、設計要件を十分に満足させることができた。一方、その製作技術の評価では水銀容器と保護容器を繋ぐ部分(リブ)を容器後方の一部のみとし、溶接時に生じる熱変形や残留応力を低下させるため、電子ビーム溶接法による技術実証試験を行った。また、保護容器の構造強度を高めるとともに製作時間を短職化させるため、水路の体積を減少させる構造を採用し、その水路の加工をガンドリル法によって製作技術の実証試験を行った。その結果、応力などの解析評価と技術実証によりその成立性に関する良好な結果を得た。また、本評価を基にした実機ターゲット容器の製作も進んでおり、その近況も報告する。