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玉造 博夢; 福井 慧賀*; 飯村 壮史*; 本田 孝志*; 多田 朋史*; 村上 洋一*; 山浦 淳一*; 倉本 義夫*; 佐賀山 基*; 山田 武*; et al.
Physical Review B, 107(18), p.184114_1 - 184114_8, 2023/05
被引用回数:0 パーセンタイル:0(Materials Science, Multidisciplinary)Using an incoherent quasi-elastic neutron scattering (QENS) technique, we investigate H dynamics in a series of oxyhydrides LaHO that exhibit characteristic high H conductivity. In the end member LaH ( = 0), two kinds of H dynamics are identified: the jump diffusion and the localized motion. The jump length in the jump diffusion mode increases with increasing . The localized motion is identified as a jump between the two inequivalent sites. These dynamics are corroborated by our molecular dynamical simulations. Our QENS data suggest that similar H dynamics occurs also in oxyhydrides LaHO ( 0), whose H concentration dependence is consistent with the previous measurement of ionic conductivity. We also discuss the possibility that LaHO is an example of H ion conductors governed by the concerted migration mechanism. The identified H dynamics is a key to understanding the anomalous hydrogen concentration dependence of the diffusion coefficient in lanthanum hydrides, which has been a longstanding mystery in this compound.
武内 伴照; 柴田 裕司; 花川 裕規; 上原 聡明*; 上野 俊二*; 土谷 邦彦; 熊原 肇*; 柴垣 太郎*; 駒野目 裕久*
JAEA-Technology 2017-026, 26 Pages, 2018/02
原子力施設でシビアアクシデントが発生した際に、プラント状態を監視し、緊急時対応を円滑に実施するためには、信頼性の高い伝送技術が必要である。本研究では、水中で伝送可能な可視光無線伝送システムの構築を目指して、LEDやフォトダイオード等の光学部品に対して10Gyまでのガンマ線の照射による影響を調べた。その結果、LEDは全光束が減少するとともに樹脂レンズ部が着色した。フォトダイオードの電流-電圧特性にはほとんど変化は無かった。フォトダイオードは、受光感度が減少するとともに窓材の樹脂が着色したが、暗電流は伝送に悪影響を与えるほどの大きさにはならなかった。これらの結果から、両素子を無線伝送システムに適用する場合に考慮すべき特性劣化の主因は、半導体部分の劣化ではなく、樹脂の着色によって発光及び受光量が減少することによるものであることが示唆された。また、発光・受光回路部を環境から隔離するための窓材や、外乱ノイズ光を軽減するための光学フィルタとして、各種ガラスについてもガンマ線照射による透過率の減少を評価し、伝送システムの構築に向けた基礎データを取得した。
武内 伴照; 柴田 裕司; 大塚 紀彰; 上原 聡明; 熊原 肇*; 土谷 邦彦
JAEA-Review 2015-022, JAEA Takasaki Annual Report 2014, P. 29, 2016/02
水中でも伝送可能かつ耐放射線性をもつ可視光無線伝送システムの構築を目指して、発光波長がほぼ同じで比較的光量の大きい異なった2種類のLEDを選定し、その線照射効果を調べた。照射劣化を評価するため、照射前後におけるLEDの電流電圧特性や全光束を測定した結果、照射後に全光束が減少するとともに樹脂レンズ部が着色したが、電流電圧特性はほとんど変化は無かった。このことから、両素子の特性劣化の主因は半導体部分の劣化ではなく、樹脂の着色によるものであることが示唆された。一方、試験した内の1種類のLEDについて、照射量に対する全光束の減少速度が小さかったことから、開発中の無線伝送システムの発光素子に適すると考えられることが分かった。
武内 伴照; 花川 裕規; 柴田 裕司; 上原 聡明; 上野 俊二; 熊原 肇*; 土谷 邦彦
JAEA-Review 2014-050, JAEA Takasaki Annual Report 2013, P. 33, 2015/03
水中でも伝送可能かつ耐放射線性をもつ可視光無線伝送システムの構築を目指して、LEDとフォトダイオード(PD)の線照射効果の評価を行った。照射劣化を評価するため、照射前後で、LEDの電流電圧特性や全光束及びPDの暗電流や受光感度を測定した。その結果、照射後に、LEDは全光束が減少するとともに樹脂レンズ部が着色したが、電流電圧特性はほとんど変化は無かった。PDは、受光感度が減少するとともに窓材の樹脂が着色したが、暗電流は高々10nA以下と低い値のままであった。これらの結果から、両素子の特性劣化の主因は半導体部分の劣化ではなく、樹脂の着色によるものであることが示唆された。
長尾 誠也*; 入野 智久*; 荒巻 能史*; 池原 研*; 片山 肇*; 乙坂 重嘉; 内田 昌男*; 柴田 康行*
Radiocarbon, 52(3), p.1068 - 1077, 2010/08
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Geochemistry & Geophysics)河川からの有機物の流出が陸棚域における有機物の分布に及ぼす影響を、北海道沙流川沖で得られた有機物中のC値とC値の測定結果から議論した。陸棚域における堆積物は、大規模な河川粒子の流出のあった2006年の翌年に採取した。沙流川の懸濁粒子と堆積物は2007年から2008年にかけて採取した。陸棚堆積物中の有機物が持つC値は、-665から-77パーミルの範囲であった。このうち、上層のシルトや鉱物成分が持つC値は-240から-77パーミル、下層の砂質成分のそれは-665から-386パーミルであった。平常時の河川水中の粒子が持つC値は-292から-247パーミルであった。以上の分布から、河川流出が大きな時期には比較的古い(値の低い)有機物粒子が陸棚域に堆積し、その後に海洋表層で生産された新しい粒子が堆積したと推測された。
柏谷 裕美*; 白井 一実*; 松本 哲郎*; 柴田 肇*; 神原 浩*; 石角 元志; 永崎 洋*; 伊豫 彰*; 社本 真一; 黒沢 格*; et al.
Applied Physics Letters, 96(20), p.202504_1 - 202504_3, 2010/05
被引用回数:28 パーセンタイル:71.47(Physics, Applied)高圧合成されたPrFeAsO単結晶のc軸伝導特性をs字型ジャンクションを用いて調べられた。50Kで観測された約120倍の抵抗の異方性は、電子状態の異方性の存在を示している。c軸方向の得られた臨界電流密度は、2.910A/cmであり、BiSrLaCuOの値よりも2ケタ高いものとなっている。
呉田 昌俊; 玉井 秀定; 佐藤 隆; 柴田 光彦; 大貫 晃; 秋本 肇
Proceedings of 15th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-15) (CD-ROM), 11 Pages, 2007/04
稠密バンドル流路内のボイド率の評価を目的とした7本,14本,19本,37本バンドルボイド率計測実験及びスペーサ効果実験を大気圧から実機と同圧・同温度条件の範囲で実施し、設計用数値解析コードやドリフト・フラックスモデルとの比較によるボイド率予測手法の検証を行った。設計用コードであるNASCA,ACE-3D,TPFIT,TRAC-BF1、及びドリフト・フラックスモデルを定性的・定量的に検証し、ほぼすべての予測手法が稠密バンドル体系においても定性的に実験データと一致することを確認した。
シュラウド・再循環系配管サンプル調査チーム; 中島 甫*; 柴田 勝之; 塚田 隆; 鈴木 雅秀; 木内 清; 加治 芳行; 菊地 正彦; 上野 文義; 中野 純一; et al.
JAERI-Tech 2004-015, 114 Pages, 2004/03
東京電力(株)福島第二原子力発電所2号機においては、原子力安全・保安院の指示によりシュラウド溶接部の目視点検を実施し、炉心シュラウド中間胴/中間部リング溶接線H3外面にひび割れを発見した。本調査は、東京電力(株)が日本核燃料開発(株)にて実施するき裂を含む材料サンプルの調査・評価に関して、原研が第三者機関として調査計画の策定段階から加わり、調査中には随時試験データの評価や試験現場への立会を実施し、最終的に得られた調査データを入手し原研独自の調査報告書を作成することにより、調査の透明性を確保することを目的として実施した。本調査の結果と溶接により発生する引張残留応力及び炉水中の比較的高い溶存酸素濃度を考慮すると、このき裂は応力腐食割れ(SCC)であると考えられる。応力腐食割れの発生原因については、さらに施工法の調査などを行い検討する必要がある。
都筑 和泰; 木村 晴行; 川島 寿人; 佐藤 正泰; 神谷 健作; 篠原 孝司; 小川 宏明; 星野 克道; Bakhtiari, M.; 河西 敏; et al.
Nuclear Fusion, 43(10), p.1288 - 1293, 2003/10
被引用回数:39 パーセンタイル:74.23(Physics, Fluids & Plasmas)JFT-2Mでは、原型炉のブランケット構造材料の候補である低放射化フェライト鋼とプラズマとの適合性を調べる実験を進めてきている。昨年度にはフェライト鋼内壁を真空容器内に全面的に設置する作業を行い、今年度より実験を開始している。プラズマ生成,制御は問題なく行われ、金属不純物の放出も検出限界以下であった。改善閉じ込め(Hモード)も実現され、そのしきいパワーもこれまでと同等であった。プラズマ安定性に関してもこれまでの所悪影響は観測されておらず、規格化が3を超える放電との共存性も示された。高速イオンのリップル損失に関しても顕著な低減が実証された。以上のように、フェライト鋼の悪影響は小さく、有望な結果を得ている。JFT-2Mでは、その他にも先進的、基礎的な研究を行っている。先進的粒子供給手法であるコンパクトトロイド(CT)入射実験においては、再現性よくプラズマ中へ入射が行われ、CT入射に伴う密度の急上昇が初めて明確に観測された。
鬼沢 邦雄; 堤 英明*; 鈴木 雅秀; 柴田 勝之; 上野 文義; 加治 芳行; 塚田 隆; 中島 甫*
JAERI-Tech 2003-073, 125 Pages, 2003/08
沸騰水型原子力発電所炉心シュラウドのひび割れに関し、原子力安全委員会による事業者による健全性評価報告書の妥当性確認に資するため、SCC進展評価線図の妥当性,き裂進展量の評価、及び健全性評価に関する調査を実施した。調査は、東京電力(株)柏崎刈羽原子力発電所3号機のシュラウド下部リング部及びサポートリング部、並びに福島第一原子力発電所4号機のシュラウド中間胴部の溶接部近傍に確認された応力腐食割れを対象とした。SCC進展評価線図に関しては、リング部の材料・環境条件に対するSCC進展評価線図のデータを分析し、日本機械学会維持規格の線図の保守性を確認した。き裂進展量の評価に関しては、き裂形状のモデル化を行い、最適な応力拡大係数算出式を採用してき裂進展解析を行った結果、リング部及び中間胴部ともに、事業者の評価結果が保守的であることを確認した。シュラウドにき裂が存在する場合について、剛性の低下に関する構造解析を実施した結果、剛性低下はわずかであり、地震荷重に対するき裂の影響は小さいことを確認した。シュラウドの健全性に関して、運転時及び地震時の荷重条件から必要残存面積及び許容き裂長さを算定し、き裂進展解析結果と比較を行った。この結果、リング部及び中間胴部ともに、実運転4年間後も健全性は確保されることを確認した。
大貫 晃; 柴田 光彦; 玉井 秀定; 秋本 肇; 山内 豊明*; 溝上 伸也*
日本混相流学会年会講演会2003講演論文集, p.35 - 36, 2003/07
原研で開発を進めている低減速軽水炉の熱流動設計では、サブチャンネル解析コード等による解析的な評価を中核に据えている。そのため、ボイドドリフトモデルをはじめとする物理モデルの稠密格子体系への適用性を検証する必要がある。本研究では19本稠密格子ロッドバンドル体系での気液二相流流量配分実験を行い、サブチャンネル解析コードの適用性を評価/検証する。チャーン流条件で取得した液相及び気相の流量配分実験結果をサブチャンネル解析コードNASCAにより評価した結果、液相流量分布は妥当に予測したが気相流量分布は過小評価した。ボイドドリフトモデルの適用性をさらに検討する必要がある。
柴田 光彦; 高瀬 和之; 渡辺 博典; 秋本 肇
Fusion Engineering and Design, 63-64, p.217 - 222, 2002/12
被引用回数:5 パーセンタイル:34.58(Nuclear Science & Technology)本報は、核融合実験炉の圧力抑制システムが設計どおりの機能を有していることを実験的に調べたものである。試験は、核融合実験炉の構成要素(真空容器や圧力抑制システム等)を約1/1600のスケールで簡略モデル化した装置を使って、核融合実験炉の運転条件を模擬した条件下で真空容器内冷却材侵入時の圧力上昇挙動を調べた。一連の試験を行い、次の結論を得た。(1)3本のリリーフ配管を使用した場合には1本だけの場合に比べて真空容器内の最高到達圧力を約50kPa低下できる。(2)真空容器内の圧力上昇はリリーフ配管の断面積に大きく依存する。(3)最大水侵入時における真空容器内の圧力上昇速度は秒速100-200kPaである。(4)冷却材の温度,圧力,真空容器壁温,侵入水量等の広範囲な条件に対しても圧力抑制システムは設計どおりの性能を十分期待できる。
浦 環*; 賞雅 寛而*; 西村 一*; 青木 太郎*; 上野 道雄*; 前田 俊夫*; 中村 溶透*; 島津 俊介*; 徳永 三伍*; 柴田 陽三*; et al.
JAERI-Tech 2001-049, 154 Pages, 2001/07
原研では、改良舶用炉の設計研究の一環として、北極海を主な調査海域とする原子動力海中航行観測船の検討及び搭載する超小型原子炉SCRの検討を行っている。本報告書は、船体設計、音響測位、船体運動、海洋調査等の専門家による原子動力海中航行観測船の運航条件及び運航システムの検討結果を示したものである。わが国の潜水船の船体運動に関する設計条件を調査するとともに、北極海における調査活動を想定して水中航行時及び水上航行時の船体運動を推定した。また、想定した船体運動が超小型原子炉SCRの出力に与える影響を評価した。運航システムとしては氷の下での活動を想定して、海底トランスポンダ方式及び氷上通信ブイ方式による測位及び通信方法を検討し、トランスポンダまたは通信ブイの設置間隔を130kmと定めた。また、船体及び原子炉の事故事象を整理して、安全確保の方法を検討した。これらの検討は原子動力海中航行船の概念に反映され、今後の検討課題が明らかとなった。
高瀬 和之; 小瀬 裕男*; 柴田 光彦; 秋本 肇
第38回日本伝熱シンポジウム講演論文集, p.641 - 642, 2001/00
核融合実験炉ITER(International Thermonuclear Experimental Reactor)で真空容器内冷却材侵入事象ICE(Ingress of Coolant Event)が起きた場合の安全システムの妥当性を評価するために、ITER構成要素を約1/1600で模擬したICE統合試験装置を製作した。本報はICE統合試験装置で得られた試験結果、TRACコードによる二相流解析結果及び蒸気凝縮可視実験の結果について述べる。一連のICE統合試験結果はTRAC-PF1コードを使って十分予測可能であることを確認した。また、サプレッションタンク内での蒸気凝縮に関しては蒸気はリリーフ配管からジェット流で放出されて低温水と直接接触することによって凝縮し、大きな気泡が多数の微小気泡に分割されながら凝縮が促進されることが明らかになった。
足立 肇; 田村 浩司; 小倉 浩一; 柴田 猛順
Japanese Journal of Applied Physics, 38(12A), p.6887 - 6889, 1999/12
被引用回数:4 パーセンタイル:23.78(Physics, Applied)原子レーザー法同位体分離ではレーザー光で共鳴イオン化した目的同位体を電極に回収するが、電子ビーム偏向用磁場がイオン回収部にも印加される。短時間に効率よくイオンを回収する方法として先に提案した、アース又は負電位の平行平板電極の中央に正電位の細線電極を用いた方法について磁場の影響を調べた。平行平板電極の中央に発生させた光電離イオンの両側電極での回収量のバランスは150ガウス以下の磁場により若干変化するが、イオンの回収時間はほとんど変らず磁場の影響は小さいことが実験の結果わかった。
田村 浩司; 足立 肇*; 小倉 浩一; 大場 弘則; 柴田 猛順
Japanese Journal of Applied Physics, Part 1, 38(11), p.6512 - 6516, 1999/11
被引用回数:12 パーセンタイル:50.95(Physics, Applied)中性原子とイオンの間の衝突で生じる電荷移行反応はレーザー同位体分離の重要な素過程のひとつである。ウランの基底状態のイオンと中性原子の対称電荷移行断面積を衝突エネルギーが100eVから1200eVの範囲で測定した。断面積は反応で生成したイオン量と主イオンビームとのイオン量の比によって決定した。原子ビームは水冷銅るつぼ中のウラン金属を電子ビーム加熱することにより得た。衝突エネルギーが100eVの断面積は1.310cmで、Sinha&Bardsleyの理論値と同程度であった。断面積は衝突エネルギーとともに増加し1200eVでは2.710cmとなった。エネルギー依存性の傾向は、ウラン原子及びイオンの電子配置を考慮した計算結果とほぼ一致した。
田村 浩司; 足立 肇; 柴田 猛順
Japanese Journal of Applied Physics, Part 1, 38(5A), p.2973 - 2977, 1999/05
被引用回数:6 パーセンタイル:32.55(Physics, Applied)ディスプロシウム(Dy)とセリウム(Ce)について基底状態のイオンと中性原子との対称電荷移行断面積を衝突エネルギーが200eVから2000eVの範囲について測定した。断面積測定はレーザーイオン源から生成した主イオンビームのイオン量と、原子ビームとの衝突により生成したイオン量との比により決定した。原子ビーム速度は真空天秤法で求め、イオンエネルギーの高い領域では検出イオン信号の2次電子放出による補正を行った。得られた断面積はこのエネルギー範囲でほぼ一定で、Dyで1.810cm、Ceで0.910cmとなった。これは電子配置を考慮した予想と一致する結果である。
田村 浩司; 岡崎 哲治; 足立 肇; 大場 弘則; 柴田 猛順
Japanese Journal of Applied Physics, Part 1, 38(4A), p.2122 - 2123, 1999/04
被引用回数:9 パーセンタイル:42.98(Physics, Applied)ウランイオン衝撃により、ウラン表面から放出される二次電子の放出係数を、イオン衝撃エネルギーが300~3000eVで測定した。ウラン表面はウランを蒸着して作り、ウランイオンはレーザーイオン源から生成した。二次電子は、しきいエネルギーの1000eV以下では発生しなかった。それ以上のエネルギーでは、二次電子放出係数はイオンエネルギーに比例して増加し、イオンエネルギー3000eVでは0.12になった。この結果からレーザーウラン濃縮における二次電子放出によるエネルギー損失は小さいことが明らかになった。
足立 肇; 田村 浩司; 岡崎 哲治; 小倉 浩一; 大場 弘則; 柴田 猛順
JAERI-Research 99-029, 19 Pages, 1999/03
ウランについて、基底状態のイオンがウラン原子と衝突する場合の対称電荷移行断面積を衝突エネルギーが100~1200eVの範囲で測定した。共鳴光電離法によるレーザーイオン源からのイオンビームを原子ビームに直交させて入射し、電荷移行生成イオンと主ビームイオンの電流をそれぞれのファラデーカップ検出器で測定して、それらの電荷量の比及び原子密度から電荷移行断面積を導出した。その結果、衝突エネルギーが100eVでは電荷移行断面積は(1.30.3)10cmであり、衝突エネルギーの増加とともに増加し、1200eVでは(2.70.3)10cmの値が得られた。100eV以上の衝突エネルギーで断面積が増加する傾向は原子及びイオンの電子配位を考慮した理論計算結果とほぼ一致した。
田村 浩司; 岡崎 哲治; 足立 肇; 大場 弘則; 柴田 猛順
JAERI-Research 98-073, 10 Pages, 1998/12
ウランイオン衝撃によるウラン表面からの二次電子放出係数をイオン衝撃エネルギー300~3000eVの範囲で測定した。ウラン表面はウラン原子の蒸着により作り、ウランイオンビームは共鳴イオン化法を用いたレーザーイオン源から引き出した。衝撃エネルギー約1000eV以下では、二次電子の放出はなかった。しきい値1000eV以上での二次電子放出係数は、イオン衝撃エネルギーのほぼ一次関数で増加し、3000eVの時0.12であった。