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永野 博彦; Kim, Y.*; Lee, B.-Y.*; 重田 遥*; 犬伏 和之*
Soil Science and Plant Nutrition, 64(6), p.793 - 802, 2018/12
被引用回数:5 パーセンタイル:26.98(Plant Sciences)北半球の高緯度生態系における年間温室効果ガス(GHG)収支を決定する重要なプロセスである凍結土壌の融解中に起きる炭素動態の変化を調べるために、本研究では、内陸アラスカのクロトウヒ林から採取した凍結土壌コアの培養実験を行った。地表面から永久凍土がある深さ90cmまでのコアを、3層(表層,中間層,下層)に分けた。次いで、各層から分取した12土壌(1層につき4土壌)を3週間培養し、二酸化炭素(CO)およびメタン(CH)フラックスを測定した。培養中、温度を0から10Cまで1週間ずつ変化させた。表層および中間層の8土壌のうち6土壌では、CO放出量が0Cよりも5Cで1.5-19.2倍大きかったが、これら6土壌のうち3土壌のCO放出は、10Cでの培養で減少した。CH放出は、0Cで培養した下層土壌で最大であった。0Cで培養した表層および中間層の土壌でも、CH放出が観察された。5および10Cでは、下層土壌のCH放出が減少し、表層および中間層の土壌はCH吸収を示した。嫌気的CH酸化および生成の阻害物質(2-bromoethane sulfonate)を添加すると、CH吸収と放出の両方が減少した。細菌および古細菌群集のゲノム情報は土壌の深さとともに変化したが、融解に対しては安定であった。以上より、北方のクロトウヒ林における土壌のGHGフラックスは土壌融解に敏感かつ多様に反応する一方、細菌および古細菌の全体的な群集構造は融解に対して安定的であることが判明した。