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扇柳 仁; 知見 康弘; 島田 祥雄*; 中村 武彦; 安部 勝洋*
Journal of Nuclear Science and Technology, 47(2), p.197 - 201, 2010/02
被引用回数:1 パーセンタイル:9.96(Nuclear Science & Technology)BWRの制御棒材料として用いられているハフニウム(Hf)の基本的特性を調べるため、未照射Hf材料(板材及び棒材)及び比較材としてジルカロイ-2(Zry-2)板材の水素固溶限を測定した。本測定では、水素ガス中加熱等により種々の水素含有量のHf及びZry-2試料を調製し、示差走査型熱量測定によりこれら試料中での水素化物の固溶及び析出温度等を測定した。Hfの水素固溶限はZry-2の1/7程度であり、制御棒の使用温度(約300C)において1015ppm程度であった。本研究で得られたZry-2の水素固溶限は文献値と一致し、試験データの信頼性が確認された。また、Hf中での水素化物の固溶及び析出における活性化エネルギーはそれぞれ42.0kJ/mol及び40.9kJ/molであり、Zry-2での報告値(固溶時:36.5kJ/mol,析出時:28.1kJ/mol(533K)及び21.0kJ/mol(533K))よりも大きいことがわかった。
島田 祥雄; 中頭 利則; 永瀬 文久; 更田 豊志
no journal, ,
水素化物が析出したZr合金の二軸応力条件下での脆性き裂発生及び進展挙動を、水素化物が受ける圧縮応力を考慮して解析した。その結果、二軸応力比や水素化物長さにより圧縮応力の影響はき裂の発生及び進展挙動に複雑に影響することが示された。
知見 康弘; 扇柳 仁; 島田 祥雄*; 西山 裕孝; 中村 武彦; 安部 勝洋*
no journal, ,
沸騰水型軽水炉(BWR)の制御棒材料として用いられているハフニウム(Hf)に関する基本的な照射挙動を把握するために、材料試験炉(JMTR)を用いたHfの照射試験を予定している。今回、照射試験に先立ち、未照射Hfの材料特性を調べるために金相観察,SEM観察、及び結晶方位測定を実施した。本試験では、国内BWRプラントで実際に制御棒材料として使用されているHf材(板材6種,棒材2種)を供試材とした。金相写真より、いずれの供試材も再結晶焼鈍材であると考えられ、平均結晶粒径は約1020mであった。SEM観察では、直径10m以下の析出物らしき領域が多く見られ、EDS分析からHfFeと推定される。また、後方散乱電子回折像(EBSP)法により結晶方位分布を測定し、同族金属のジルコニウム(Zr)やZr合金と同様に大きな異方性を持つことがわかった。
島田 祥雄*; 扇柳 仁; 知見 康弘; 西山 裕孝; 中村 武彦; 安部 勝洋*
no journal, ,
現行制御棒用Hf材料(棒材及び板材)を対象に、室温600Cの温度範囲で引張り試験により0.2%耐力,引張り強さ及び破断伸び等を、また室温で微小ビッカース硬さを評価した。棒材の0.2%耐力及び引張り強さは温度の上昇とともに低下した。圧延(L)方向での板材の0.2%耐力と引張り強さは棒材と同程度であったが、板幅(T)方向での0.2%耐力はL方向より大きく、異方性が認められた。引張り強さに関しては異方性は認められなかった。棒材及び板材の破断伸びは、温度上昇とともに増加する傾向を示した。板材の場合、500C600CではL方向とT方向で温度依存性に若干の差が生じた。これらの強度及び破断伸びの傾向は、結晶方位と関係していると推測される。棒材と板材の微小硬さは縦断面と圧延面において約180190であったが、横断面では約160前後であり、この差も結晶方位と関係していると考えられる。すべての材料で肉厚又は半径方向の微小硬さ分布に有意な差は認められず、10m20mの結晶粒径範囲では微小硬さに顕著な粒径依存性は見られなかった。
扇柳 仁; 知見 康弘; 島田 祥雄*; 西山 裕孝; 中村 武彦; 安部 勝洋*
no journal, ,
BWRの制御棒材料として用いられているハフニウム(Hf)の基本的特性を調べるため、未照射Hf材料(板材及び棒材)及び比較材としてジルカロイ-2(Zry-2)板材の水素固溶限を測定した。本測定では、水素ガス中加熱等により種々の水素含有量のHf及びZry-2試料を調製し、示差走査型熱量測定によりこれらの試料中での水素化物の固溶及び析出温度等を測定した。Hfの水素固溶限は、Zry-2の1/7程度であり、制御棒の使用温度(約300C)において1015ppm程度であった。本研究で得られたZry-2の水素固溶限は文献値とよく一致し、試験データの信頼性が確認された。また、Hf中での水素化物の固溶及び析出における活性化エネルギーはそれぞれ42.0kJ/mol及び41.0kJ/molであり、Zry-2での報告値{固溶時:36.5kJ/mol,析出時:28.1kJ/mol(533K)及び21.0kJ/mol(533K)}よりも大きいことがわかった。