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小田 治恵; 川間 大介*; 清水 浩之*; Benbow, S. J.*; 平野 史生; 高山 裕介; 高瀬 博康*; 三原 守弘; 本田 明
Journal of Advanced Concrete Technology, 19(10), p.1075 - 1087, 2021/10
被引用回数:0 パーセンタイル:0(Construction & Building Technology)TRU廃棄物処分場では安全性や構造の安定性の確保、及び放射性物質の移行遅延などの観点からコンクリートの使用が考えられている。本研究では、コンクリートの劣化及びひび割れ発生をコントロールする化学-輸送-力学にまたがる非線形連成プロセスを対象とし、複数の計算プログラムを用いて連成解析を実施した。このような連成解析モデルを開発することにより、TRU廃棄物処分場における長期のコンクリート劣化及びひび割れの発生をコントロールする可能性のある重要な非線形プロセスと関係を見出していくことができる。
Benbow, S. J.*; 川間 大介*; 高瀬 博康*; 清水 浩之*; 小田 治恵; 平野 史生; 高山 裕介; 三原 守弘; 本田 明
Crystals (Internet), 10(9), p.767_1 - 767_33, 2020/09
被引用回数:2 パーセンタイル:26.57(Crystallography)コンクリート埋め戻し材を用いたTRU廃棄物地層処分におけるニアフィールド変遷評価に向けて開発した連成モデル解析システムの詳細を報告する。本連成モデル解析システムでは、個別ソフトウェアプログラム間におけるデータ交換規格の一つであるOpenMIを用いて、坑道スケールでの有限要素法応力解析モデルMACBECE、コンクリート中でのひび割れ発生についての精緻なモデリングを可能とする個別要素法モデルDEAFRAP、及び、可変グリッドによるスケール変化とひび割れ内地下水流動を考慮してコンクリートの化学変遷プロセスを解析することの可能な有限要素及び有限体積法モデルGARFIELD-CHEMを組合せることで、人工バリアシステムの化学-力学-水理連成モデルを作成する。このように既存の詳細な個別ソフトウェアをOpenMIを用いて連携させることで、1つのソフトウェア上に複数のプロセス群のすべて組み込む場合に避けられないモデルの単純化を必要としなくなる。
朝倉 伸幸; 星野 一生; 清水 勝宏; 新谷 吉郎*; 宇藤 裕康; 徳永 晋介; 飛田 健次; 大野 哲靖*
Journal of Nuclear Materials, 463, p.1238 - 1242, 2015/08
被引用回数:12 パーセンタイル:70.51(Materials Science, Multidisciplinary)ダイバータ設計において、平衡コイルの配置を工夫してダイバータ板への磁力線の連結長を増加する「先進ダイバータ」の検討が注目されている。非常に大きな熱流の低減が求められる原型炉のダイバータ設計への適応を考察するため、コイル配置とプラズマ平衡配位の検討し1-2コのインターリンクコイルを設置することで、小型化したスーパーXダイバータ設計が可能であることを示した。さらに、上記のShort-SXDについてダイバータプラズマのシミュレーションを開始した。通常と異なるダイバータや磁力線の形状における計算用メッシュの作成を行い、500MWのプラズマ熱流が周辺部に排出される条件で、アルゴンガスを入射することで放射損失パワーを92%程度まで増加することにより、完全非接触ダイバータが生成する結果が得られた。標準磁場形状のダイバータでは同条件で完全非接触ダイバータは得らレなかったことから、磁場形状の工夫によるダイバータプラズマ制御の効果を明らかにした。最大ピーク熱負荷も標準形状のダイバータと比較して10MW/m程度に低減できたが、プラズマ熱流よりも再結合プロセスが寄与するため、このプロセスのモデリング検討が重要と思われる。
星野 一生; 朝倉 伸幸; 清水 勝宏; 徳永 晋介; 滝塚 知典*; 染谷 洋二; 中村 誠; 宇藤 裕康; 坂本 宜照; 飛田 健次
Plasma and Fusion Research (Internet), 9(Sp.2), p.3403070_1 - 3403070_8, 2014/06
核融合原型炉設計において、ダイバータにおける膨大な熱の制御は最も重要な課題の一つである。そのような課題解決に向けたSONICコードを用いたシミュレーション研究の進展について報告する。コード開発の面では、原型炉ダイバータシミュレーションのためにSONICコードの改良を進めると共に、国際核融合エネルギー研究センターに設置されている大型計算機に最適化することで効率よく設計研究を進めるが可能となった。改良されたSONICを用いた原型炉ダイバータの解析では、(1)原子番号の大きな希ガス不純物を用いることでダイバータ熱負荷を低減できるが、上流での放射パワーが大きくなりダイバータにおける不純物遮蔽性能の向上と炉心プラズマ性能との整合性が今後の課題となること、(2)ダイバータレッグを長くすることでダイバータ熱負荷の低減が可能であり、磁場配位を含めダイバータ形状最適化の余地があること、等が明らかになった。
朝倉 伸幸; 新谷 吉郎*; 飛田 健次; 星野 一生; 清水 勝宏; 宇藤 裕康; 染谷 洋二; 中村 誠; 大野 哲靖*; 小林 政弘*; et al.
Fusion Science and Technology, 63(1T), p.70 - 75, 2013/05
ダイバータの物理設計ではその形状を工夫して非接触プラズマを生成・制御するとともに、平衡コイルの配置と電流値の配分を工夫してダイバータ板への磁力線の連結長を増加する磁場形状の検討が注目され、「先進ダイバータ」と呼ばれている。非常に大きな熱流(500-600MW)の低減が求められる原型炉のダイバータ設計への適応を考察するため、ダイバータ形状や磁場配位を生成する平衡コイルの配置を検討した。プラズマ平衡コードTOSCAを用い、平衡コイルをトロイダルコイルの外側に設置する条件で、先進ダイバータの代表例である「スーパーXダイバータ」及び「雪結晶型ダイバータ」を形成可能なコイル配置及び電流の検討を行った。その結果、平衡コイルをトロイダルコイルの外側においた場合でも、先進ダイバータ磁場配位が可能であることがわかり、その初期結果を報告する。前者の場合はダイバータ板の受熱面積は通常の約3倍に、磁力線長も30%増加可能であるが、ダイバータ配位を形成するコイルには大電流が必要になる。後者では、六重極ヌル点の制御の困難さ、主プラズマ形状への影響、一部の中心ソレノイドに非常に大きな電流が必要であることがわかった。
朝倉 伸幸; 新谷 吉郎*; 飛田 健次; 星野 一生; 清水 勝宏; 宇藤 裕康; 染谷 洋二; 中村 誠; 大野 哲靖*; 小林 政弘*; et al.
Fusion Science and Technology, 63(1T), p.70 - 75, 2013/05
被引用回数:14 パーセンタイル:72.14(Nuclear Science & Technology)近年、ダイバータの物理設計において、平衡コイルの配置と電流値の配分を工夫してダイバータ板への磁力線の連結長を増加する磁場形状の検討が注目され、「先進ダイバータ」と呼ばれている。非常に大きな熱流の低減が求められる原型炉のダイバータ設計への適応を考察するため、ダイバータ形状や磁場配位を生成する平衡コイル(PFC)の配置を検討した。プラズマ平衡コードTOSCAを改善し新たに2つのパラメータを導入することにより、PFCをトロイダルコイル(TFC)の外側に設置する条件で、先進ダイバータの代表例である「スーパーXダイバータ」を形成可能なコイル配置及び電流の検討を行った。その結果、PFCをTFCの外側においた場合でも、先進ダイバータ磁場配位が可能であることがわかり、その初期結果を報告する。ダイバータ板の受熱面積は通常の約2倍程度の増加であるが、磁力線長も40-70%増加可能である。一方、ダイバータ配位を形成するコイルには大電流が必要になる。「雪化粧型ダイバータ」の検討を行い、六重極ヌル点の制御の困難さ、主プラズマ形状への影響、一部の中心ソレノイドに非常に大きな電流が必要であることがわかった。
久米 徹二*; 町田 晃彦; 青木 勝敏; 佐々木 重雄*; 清水 宏晏*
高圧力の科学と技術, 21(3), p.184 - 189, 2011/09
希土類金属3水素化物の高圧下における構造と電子状態研究をラマン散乱及び可視紫外吸収分光測定によって行った。X線回折測定で観測されている高圧力下におけるhcp相から長周期構造からなる中間相への構造相転移をラマン散乱によっても確認することに成功した。また可視紫外吸収分光測定によって、バンドギャップエネルギーを見積もることに成功し、中間相からfcc相への相転移にともなってバンドギャップが閉じる金属的になることを確認した。
久米 徹二*; 大浦 裕之*; 竹市 知生*; 大村 彩子*; 町田 晃彦; 綿貫 徹; 青木 勝敏; 佐々木 重雄*; 清水 宏晏*; 竹村 謙一*
Physical Review B, 84(6), p.064132_1 - 064132_7, 2011/08
被引用回数:19 パーセンタイル:61.3(Materials Science, Multidisciplinary)ScHの圧力誘起構造及び電子転移を調べるため、ラマン,赤外・可視光吸収スペクトルを室温下、50GPaまで観測した。hcp-中間相と中間相-fcc転移がそれぞれ25GPaと46GPaで観測された。中間相の構造はYHで報告されている長周期構造と同じと思われる。ScHの光学ギャップは1.7eVから減少し、50GPa付近でfcc構造への転移を伴って閉じる。
飛田 健次; 西尾 敏*; 榎枝 幹男; 中村 博文; 林 巧; 朝倉 伸幸; 宇藤 裕康; 谷川 博康; 西谷 健夫; 礒野 高明; et al.
JAEA-Research 2010-019, 194 Pages, 2010/08
発電実証だけでなく、最終的には経済性までを一段階で見通しうる核融合原型炉SlimCSの概念設計の成果を報告する。核融合の開発では、これまで、1990年に提案されたSSTR(Steady State Tokamak Reactor)が標準的な原型炉概念とされてきたが、本研究はSSTRより軽量化を図るため小規模な中心ソレノイドを採用して炉全体の小型化と低アスペクト比化を図り、高ベータ及び高楕円度(グリーンワルド密度限界を高めうる)を持つ炉心プラズマにより高出力密度を目指した。主要パラメータは、プラズマ主半径5.5m,アスペクト比2.6,楕円度2.0,規格化ベータ値4.3,核融合出力2.95GW,平均中性子壁負荷3MW/mとした。この炉概念の技術的成立性を、プラズマ物理,炉構造,ブランケット,超伝導コイル,保守及び建屋の観点から検討した。
飛田 健次; 西尾 敏; 榎枝 幹男; 川島 寿人; 栗田 源一; 谷川 博康; 中村 博文; 本多 充; 斎藤 愛*; 佐藤 聡; et al.
Nuclear Fusion, 49(7), p.075029_1 - 075029_10, 2009/07
被引用回数:137 パーセンタイル:97.72(Physics, Fluids & Plasmas)最近の核融合原型炉SlimCSに関する設計研究では、おもに、ブランケット,ダイバータ,材料,保守を含む炉構造の検討に重点を置いている。この設計研究における炉構造の基本的考え方とそれに関連する課題を報告する。楕円度のついたプラズマの安定化と高ベータ化のため、セクター大の導体シェルを交換ブランケットと固定ブランケット間に設置する構造とした。また、ブランケットには、加圧水冷却,固体増殖材を採用することとした。従来の原型炉設計で検討していた超臨界水冷却を利用するブランケット概念に比べ、トリチウム自給を満足するブランケット概念の選択肢はかなり絞られる。ダイバータ技術やその材料について考慮すると、原型炉のダイバータ板での熱流束上限は8MW/m以下とすべきであり、これは原型炉で取り扱うパワー(すなわち、アルファ加熱パワーと電流駆動パワーの和)に対して大きな制約となりうる。
山口 博康*; 清水 明美*; 長谷 純宏; 出花 幸之介*; 田中 淳; 森下 敏和*
Euphytica, 165(1), p.97 - 103, 2009/01
被引用回数:29 パーセンタイル:76.63(Agronomy)われわれは、キク腋芽におけるイオンビームと線の変異誘発効果を比較し、得られた変異体のキメラ構造を解析した。腋芽に対し、2Gyの炭素イオン(平均LET 122keV/m),10Gyのヘリウムイオン(平均LET 9keV/m)及び80Gyの線を照射した。照射された腋芽から伸長したシュートの下方から5つの節を切除し、それぞれの節の腋芽から新しいシュートを伸長させた。この手順を2回繰り返した後、得られた花色変異を調査した。変異体のキメラ構造は、根から再生させた個体の花色と比較することによって解析した。花色変異体は高頻度(17.4%28.8%)で得られ、処理区間で変異頻度の有意な差はなかった。線で得られたすべての花色変異体は周縁キメラであった。一方、イオンビームで得られた変異体の幾つかは根から再生させた個体の花色と同じ花色を示した。この結果は、これらの個体がソリッドな変異体であること、つまりLIとLIII組織の両者が同じ変異細胞に由来したことを示唆している。本論文では、ソリッドな変異体がイオンビームで得られた要因について議論する。
久米 徹二*; 大浦 裕之*; 佐々木 重雄*; 清水 宏晏*; 大村 彩子*; 町田 晃彦; 綿貫 徹; 青木 勝敏; 竹村 謙一*
Physical Review B, 76(2), p.024107_1 - 024107_5, 2007/07
被引用回数:38 パーセンタイル:79.32(Materials Science, Multidisciplinary)YHのラマン及び可視光吸収スペクトルを高圧下で測定し、構造及び電子転移過程を調べた。ラマン測定の結果は9-24GPaの圧力領域に渡って低圧六方晶と高圧立方晶の間の中間相が存在することを示している。Y金属格子構造と水素原子位置は転移を反映して変化する。可視光測定からは転移に伴って光学バンドギャップが閉じ始めることが見いだされた。
Zegers, R. G. T.*; 住浜 水季*; Ahn, D. S.*; Ahn, J. K.*; 秋宗 秀俊*; 浅野 芳裕; Chang, W. C.*; Dat, S.*; 江尻 宏泰*; 藤村 寿子*; et al.
Physical Review Letters, 91(9), p.092001_1 - 092001_4, 2003/08
被引用回数:128 パーセンタイル:94.9(Physics, Multidisciplinary)=1.5-2.4GeVで(,),(,)反応に対するビーム偏極非対称が初めて測定された。この結果は未決定のハドロン共鳴や反応機構解明に用いられる。
中野 貴志*; Ahn, D. S.*; Ahn, J. K.*; 秋宗 秀俊*; 浅野 芳裕; Chang, W. C.*; 伊達 伸*; 江尻 宏泰*; 藤村 寿子*; 藤原 守; et al.
Physical Review Letters, 91(1), p.012002_1 - 012002_4, 2003/07
被引用回数:1006 パーセンタイル:99.86(Physics, Multidisciplinary)との両粒子を前方で測定することにより、Cを標的にしたn n光反応を研究した。1.54GeV/Cに25MeV/C以下の幅の鋭いバリオン共鳴ピークを観測した。この共鳴ピークのストレンジネス()は+1であった。この状態は5つのクォーク()がと中性子に崩壊した状態であると解釈される。
清水 宏晏*; 内海 渉; 久米 徹二*; 近藤 忠*; 清水 克哉*; 曽谷 知弘*; 谷口 尚*; 中村 一隆*
高圧力の科学と技術, 11(4), p.334 - 338, 2001/12
2001年7月に中国北京で開催された表記の国際会議の報告。各国から約280名の参加があり、約370件の発表が行われた。
山口 博康*; 長谷 純宏; 田中 淳; 鹿園 直哉; 出花 幸之介*; 清水 明美*; 森下 敏和*
no journal, ,
イオンビームは線と比べて高い生物効果や変異誘発効果を有することが知られている。しかし、突然変異育種のための変異原としての有用性を議論するためには変異率だけでは十分ではない。不稔などの望ましくない影響の出現に対する変異頻度の高さは「効率」と定義され、変異原の有用性の一つの指標とされる。そこで本研究では、イオンビームと線とで「効率」を比較した。生存率及び稔実率を基準とした3種のイオンビームの効率は、線と同等かそれ以上であると判断された。生存率や稔実率の低下は染色体異常によることから、効率が高いことは照射当代における染色体の障害程度に対して変異頻度が高いことを示している。このことは、照射当代をそのまま使う栄養繁殖性作物においては、障害の少ない変異体を獲得するという点で重要であり、イオンビームは線よりも優れていると考えられた。
山口 博康*; 清水 明美*; 長谷 純宏; 田中 淳; 出花 幸之介*; 森下 敏和*
no journal, ,
イオンビームは線と比較してエネルギーが高く、致死などに及ぼす生物効果が高いことが示されているが、今回、キクの側芽に対するイオンビーム及び線照射により作出された変異体において、それらのキメラ構造に差異がみられたので報告する。無菌培養により維持しているキク「大平」の腋芽を1芽ずつに切り分け、原子力機構のAVFサイクロトロンを用いて炭素イオンを2Gy、ヘリウムイオンを5及び10Gy、また、放射線育種場において線を80Gyで照射した。培養下で2回の切り分けを行い育成した植物を、順化し圃場に定植し、花色変異体を選抜した。得られた花色変異体のキメラ性を確認するため、根から植物を再生し、LIII層の細胞に由来する植物の花色を調査した。炭素イオン及びヘリウムイオンによって得られた花色変異体には、その根からの再分化植物の花色が変異体の花色と同じ、すなわちLI層とLIII層とが同じ花色変異をしていた変異体も得られた。一方、線ではこのような変異体は得られなかった。本研究において、側芽に対するイオンビーム照射によりLI層からLIII層が一つの変異細胞由来となり、細胞層を超えて変異セクターが拡大することが観察された。
山口 博康*; 清水 明美*; 長谷 純宏; 田中 淳; 出花 幸之介*; 森下 敏和*
no journal, ,
突然変異は細胞単位で起こるため、茎頂分裂組織に起きた突然変異はセクター状となる。線を照射することにより茎頂分裂組織の始原細胞が死滅し、その後、周辺の少数の細胞が再分化して新たに不定芽が形成される内部摘芽と呼ばれる現象が、変異セクターを拡大する方法として報告されている。イオンビームはエネルギーが高く、内部摘芽に有効であると考え、キクの側芽を材料としてイオンビーム及び線照射により得られた花色変異体のキメラ構造を比較した。キク"大平"の側芽にイオンビーム及び線を照射し、培養下で2回の切り分けを行った後、花色変異体を選抜した。得られた花色変異体のキメラ性を確認するために根から植物体を再生した。両者が同じ花色変異を示した場合は、L1層からL3層までがひとつの変異細胞に由来すると考えられる。イオンビームではキメラでない変異体も得られたが、線ではすべての変異体が周縁キメラであると考えられた。イオンビーム照射では茎頂分裂組織の層構造の破壊と少数の細胞からのその再構築が起こったのに対し、線では層構造が壊されるような影響はなかったために周縁キメラとなったと考えられた。
森下 敏和*; 清水 明美*; 山口 博康*; 出花 幸之介*; 六笠 裕治*; 相井 城太郎*; 長谷 純宏; 鹿園 直哉; 田中 淳; 宮沢 豊*; et al.
no journal, ,
ダッタンソバはルチン含量が高く機能性食品素材として注目されているが、育成品種は少なく、放射線育種による新品種の育成が期待される。本発表では、線やイオンビーム照射により得た耐倒伏性を有する半矮性変異体の育成経過と特性について報告する。1999年から2004年にかけてダッタンソバ品種「Rotundatum」,「Pontivy」及び「北系1号」の乾燥種子に放射線育種場の線、原子力機構のAVFサイクロトロン及び理化学研究所のリングサイクロトロンで各種イオンビームを照射し、M2世代で変異体を選抜した。その後世代を重ねて変異を固定し、7系統の耐倒伏性の半矮性変異体を得た。これらの半矮性系統の草丈と主茎長は原品種の1/3から2/3であった。一般的に草丈と収量との間には正の相関が存在するが、これらの系統は草丈の低下に伴う収量減は少なく、着粒が密であった。これらの半矮性系統の主茎は原品種より節間が短いことが主茎の強度を高め耐倒伏性をもたらしていると推測された。現在これらの栽培特性を明らかにするための栽培試験、及び半矮性遺伝子を明らかにするための交配試験や遺伝子解析を進めている。
朝倉 伸幸; 清水 勝宏; 星野 一生; 飛田 健次; 染谷 洋二; 宇藤 裕康; 中村 誠; 滝塚 知典*
no journal, ,
原型炉SlimCS(核融合出力3GWクラス、排出熱パワーは500MW)におけるダイバータによる熱処理の検討をSONICシミュレーションコードも改良し、検討を進めた。3種の不純物ガス入射により放射損失パワーを増加する手法の検討では、価数の高い不純物ほど、主プラズマ周辺部の放射損失を増加でき非接触ダイバータを発生しやすい一方、主プラズマ内での放射損失や燃料希釈が大きくなることを、不純物輸送過程を考慮し定量的に評価した。ダイバータの深さを長くした設計の検討を行い、放射損失をダイバータ部で増加できプラズマの低温化を効率よくできる一方、中性粒子からのエネルギーがストライク点に集中する可能性を指摘した。拡散係数を増加することにより、ピーク熱負荷が最も低い完全非接触ダイバータが得られることがわかり、原型炉における拡散係数の予測とその増加手法がダイバータ制御に重要であることを明らかにした。