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論文

TRAIL-R2 superoligomerization induced by human monoclonal agonistic antibody KMTR2

玉田 太郎; 新見 大輔*; 池田 昌弘*; 米澤 悌*; 片岡 之郎*; 黒木 良太; 森 英治*; 元木 一宏*

Scientific Reports (Internet), 5, p.17936_1 - 17936_12, 2015/12

 被引用回数:22 パーセンタイル:63.8(Multidisciplinary Sciences)

完全ヒトモノクローナル抗体KMTR2は、腫瘍壊死因子関連アポトーシス誘導リガンド受容体2(TRAIL-R2)に対して強いアゴニスト単体活性(架橋剤無しでアポトーシス細胞死を誘導)を示す。KMTR2によるアゴニスト単体活性発現メカニズムを明らかにすることを目的として、TRAIL-R2の細胞外領域とKMTR2のFabフラグメント(KMTR2-Fab)の複合体結晶構造を2.1${AA}$分解能で決定した。結晶中において、KMTR2-Fab2分子は結晶学的2回対称に基づき軽鎖のCDR2領域間で会合していたが、この会合がTRAIL-R2重合を促進していると着想した。この着想を実証するために、CDR2間に存在するAsn53をArgに置換した変異体を作製し、種々の機能解析を実施した。その結果、Arg変異体は抗原結合能を保持したまま、アポトーシス誘導活性を失うことが判明した。よって、着想したとおり、結晶学的2回対称に基づくKMTR2の二量体化が核となることでTRAIL-R2の超重合状態が惹起され、腫瘍細胞の細胞死を誘導するアゴニスト活性を発現していることを明らかにした。

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