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進士 喜英*; 西垣 誠*; 竹内 真司
土と基礎, 54(5), p.6 - 9, 2006/05
揚水試験は、地盤の浸透特性を原位置で評価する調査法であり、その試験結果の解析法は、Theis, Jacob法(国際的にはCooper-Jacob法と呼ばれている)が用いられている。しかし、この解析法は理想的な条件に対する方法であり、実際の現場データを解析するには種々の限界がある。この観点から、本報文では新しい揚水試験の解析法に関する最近の研究をレビューし、これらを幾つかの世代に大きく分類し、各世代での代表的な成果を取りまとめる。また、最近の調査法として注目されている観測量の時間微分項を用いた手法を説明する。
進士 喜英*
JNC TJ7440 2005-060, 180 Pages, 2002/11
岩盤を対象とした単孔による水理試験には,非定常型と定常型の二つの試験分類がある。前者はPW・SW・SWS試験,後者は,RW・RWS試験に代表される試験である。いずれの試験法も比較的浅層地盤に対して開発されてきたものであるため,深部の低透水性地盤に適用する場合には,適用にあたって注意が必要である。ここでは,この観点から試験結果の解析を精度良くまた効率的に実施するための技術をまとめ,試験実施時に必要なデータを取得する助けとなる試験継続時間の考え方について解析技術の立場からその判定法を提案した。また,実測したRW試験結果を解析し,帯水層モデルの選定が結果として算定される浸透特性への影響を調べた。尚,これまでの一連の検討で導入していなかった擬似定常型二重空隙モデルの実データへの適用性を認め,これを導入し解析した。
進士 喜英*; 狩野 裕之*
JNC TJ7400 2005-026, 122 Pages, 2002/03
本報では、定常型水理試験の代表である揚水試験および、非定常型水理試験の代表であるスラグ試験結果の解析方法を取りまとめるとともに、実測データの解析事例を通してその適用を試みたものである。揚水試験結果の解析方法では、時間微分値を用いて解析する方法を整理した。また、スラグ試験ではスラグ試験中に試験孔内を閉塞しその回復過程のデータを利用した解析方法を取りまとめた。さらに、ここで整理したそれぞれの方法について実測データを用いた解析を行い、各解析方法の適用から得られた知見を取りまとめた。
竹内 真司; 進士 喜英*; 廣田 雅彦*
no journal, ,
揚水試験法など現場透水試験結果の解析において非定常試験データの時間項による微分値を用いた解析や評価技術があり、筆者らはその有用性に着目してきた。揚水試験結果の解析で、この手法はこれまでの解析手法にない以下の利点がみられる。例えば、(1)直線近似図解(Cooper-Jacob)法の直線区間の抽出精度が向上する,(2)標準曲線一致法では曲線形状の違いを増幅(顕在化)させることになりフィッティングが容易になる,(3)標準曲線との比較から、漏水など帯水層モデルの差異を明確にすることができ、帯水層場の診断(場の推定)に貢献する、などがあげられる。時間微分項は所定のグラフ軸上の曲線の接線勾配と定義されるが(横軸:時間軸,縦軸:測定値軸)、実際には散布データであるため、適切な方法で接線勾配を計算しなければならず、この作業が適切に実施できないと上述の利点を生かすことができない。そこで、既往の計算手法及びその改良さらには筆者らの提案した方法による時間微分項の算定結果を比較したところ、提案手法の優位性を確認したので報告する。