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塩谷 光平; 新山 友暁*; 下川 智嗣*
Materials Transactions, 66(6), p.704 - 711, 2025/04
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Materials Science, Multidisciplinary)ハイエントロピー合金(HEA)は、ほぼ等量ずつの5種類以上の元素により構成される多元系合金である。本論文では、HEAにおける粒界移動の分子動力学シミュレーションを実施し、HEAの各構成元素の濃度が粒界移動挙動に及ぼす影響を系統的に調査した。解析の結果、HEAの粒界移動に必要な駆動力は、粒界の移動が間欠的になるか、あるいは粒界移動速度が低下する条件において最大になることがわかった。また、最大の駆動力は粒界への元素の偏析度合いが最大になるときに達成された。さらに、粒界偏析の度合いはHEAの構成元素組成によってさまざまに制御可能であり、粒界偏析は粒界の移動に必要な駆動力や粒界移動速度といった粒界の移動挙動に強く影響を与えることがわかった。本研究は、HEAの元素組成が粒界移動挙動を決定する上で重要な役割を果たすことを示し、得られた結果は優れた機械的特性を有するHEAの設計に貢献するものである。
塩谷 光平; 新山 友暁*; 下川 智嗣*
no journal, ,
ハイエントロピー合金(HEA)は、ほぼ等モルずつの5種類以上の元素から構成される合金の総称であり、高強度と高延性の両立や高い高温強度をはじめとした優れた力学特性を示すことから注目を集めている。HEAの力学特性の発現機構は主に結晶粒内で発生する現象に基づいて理解されてきたが、粒界のように原子配列が乱れた領域で生じる現象と力学特性の関係を理解することもまた重要である。本研究では、HEAの粒界を起点とする塑性現象の例として、粒界からの転位放出現象や高温での粒界移動現象に着目した。これらの現象と粒界特性の関係の理解を目的として、分子動力学(MD)法を用いた原子論的な解析を実施した。解析の結果、粒界偏析が発生することにより粒界からの転位放出応力や粒界移動抵抗が上昇することが分かった。また、HEAの粒界移動抵抗は従来合金と比較して高いことも分かった。この理由として、HEAの粒界中での偏析元素の拡散が遅いことが候補にあげられ、拡散が遅くなる原因にはHEAが多成分元素から構成されていることが関連している可能性を見出した。
塩谷 光平; 下平 昌樹; 外山 健
no journal, ,
原子炉圧力容器(RPV)鋼は、炉心から放出される中性子の照射により形成される欠陥(格子間原子型転位ループ(DL)やCu等からなる溶質原子クラスター(SC)など)によって硬化し脆化することが知られている。これまで、DLやSCはそれぞれ単独に存在すると考えられてきたが、近年、それらが結合した複合体(DL-SC)としても存在する可能性があることが実験的に明らかになってきた。そのため、DL-SCが照射硬化に及ぼす影響を評価することは、RPVの中性子照射脆化の予測精度を向上させる上で重要である。本研究では、解析の簡単化のためにSCをCuのみからなるクラスターとした上で、前回(2025年春期講演大会)で講演したDLとは異なるバーガースベクトル(結晶方位)を持ったDL-SCと刃状転位との相互作用解析を分子動力学法を用いて実施した。そして、DL-SCの転位運動に対する抵抗力(障害物強度)を評価した。その結果、障害物強度はDLの結晶方位に強く依存することが分かった。実験値(透過電子顕微鏡(in-situ TEM)で観察した転位の張り出し角から推定される値)との比較も行い、一部の結晶方位のDLでは良い一致がみられた。講演では、DL-SCの障害物強度とDLの結晶方位の関係を議論する。
塩谷 光平; 下平 昌樹; 外山 健
no journal, ,
中性子照射を受けた原子炉圧力容器(RPV)鋼には自己格子間型転位ループ(DL)やCu等からなる溶質原子クラスター(SC)が形成され、RPV鋼の照射脆化(硬化)の主因となることが知られている。従来はDL、SCはそれぞれ単独に存在すると考えられていたが、近年、DL/SC複合体としても存在する可能性が強いことが分かってきた。そのため、DL/SC複合体が照射硬化に及ぼす影響の評価が求められる。その端緒として、本研究では、分子動力学法を用いてDL/Cuクラスター複合体の転位運動に対する抵抗力(障害物強度)を評価した。まず純Cuクラスターの障害物強度を評価して先行研究と比較し、評価手法の妥当性を確認した。DL/Cuクラスター複合体に関しても解析を実施しており、講演ではその障害物強度も報告する。
塩谷 光平; 下平 昌樹; 外山 健
no journal, ,
原子炉圧力容器(RPV)鋼の硬化や脆化は、中性子照射によって形成した自己格子間型転位ループ(DL)や、CuやNi、Mn等を主成分とする溶質原子クラスター(SC)が、転位の運動を抑制することにより生じると考えられている。DLやSCはそれぞれ単独に存在すると考えられてきたが、近年の微細組織観察からは、それらが複合した状態(DL-SC)でも存在する可能性があることがわかってきた。そのため、DL-SCが照射硬化に及ぼす影響の評価が重要である。本研究では、分子動力学法を用いてDLとCuの複合体(DL-Cu)と転位の相互作用解析を実施し、転位の運動に対するDL-Cuの影響を、DLの結晶学的特徴やサイズの観点から系統的に調査した。調査の結果、DLに複合した1nm程度の微小なCuクラスターでさえもDLのすべり運動を抑制し転位運動の抵抗力を高めることや、DLの結晶学的特徴だけでなくDLのサイズによってもその抵抗力が異なることなどを見出した。本発表では、以上の解析結果に対して議論する予定である。
下平 昌樹; 塩谷 光平; 河 侑成; 高見澤 悠; 山口 義仁; 岩田 景子; 真野 晃宏; 外山 健
no journal, ,
経年劣化研究グループでは、原子炉構造材料の健全性評価や経年劣化評価手法の信頼性向上及び国による発電用原子炉に対する規制活動における技術的判断等に資することを目的として、主に軽水炉の一次系冷却水バウンダリ機器である原子炉圧力容器や配管等を対象とした材料劣化(照射脆化や応力腐食割れ等)等に関する研究を実施している。原子炉圧力容器の健全性評価に関して、確率論的破壊力学解析による加圧熱衝撃時の破損確率の定量評価や、分子動力学法による照射脆化機構に関する微細組織の障害物強度の評価を行った。また、原子力科学研究所の試験研究炉JRR-3を活用し、原子炉圧力容器鋼を対象とした中性子照射及び照射後試験を実施した。原子炉配管の健全性評価に関して、溶接残留応力や硬さの分布を考慮し、破損確率の評価を行った。以上の健全性評価手法の高度化に関する研究に加えて、機器中の欠陥を検出するための非破壊検査技術に関する研究も実施している。非破壊検査精度の向上に資するため、機械学習に基づき超音波探傷画像から欠陥の位置や寸法を推定するためのツールの開発を進めており、その教師データとするための超音波探傷シミュレーションを行った。