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守田 幸路*; Zhang, S.*; 越塚 誠一*; 飛田 吉春; 山野 秀将; 白川 典幸*; 井上 方夫*; 油江 宏明*; 内藤 正則*; 岡田 英俊*; et al.
Nuclear Engineering and Design, 241(12), p.4672 - 4681, 2011/12
被引用回数:19 パーセンタイル:78.67(Nuclear Science & Technology)2005年から開始した研究プロジェクトでナトリウム冷却高速炉(SFR)の炉心損傷事故(CDA)の重点現象を詳細解析するためにMPS法に基づいたCOMPASSコードを開発している。その着目現象とは、燃料ピン破損・崩壊,溶融プール沸騰,融体固化・閉塞挙動,ダクト壁破損,低エネルギー崩壊炉心の運動,デブリベッド冷却性,金属燃料ピン破損を含んでいる。これらの主要現象に対して、COMPASSの検証研究が進められている。この論文では、幾つかの着目現象に対するCOMPASSによる詳細解析結果をまとめた。本結果は、COMPASSコードがSFRのCDAの重要現象を理解及び解明するのに有用であることを示している。
越塚 誠一*; 守田 幸路*; 有馬 立身*; 飛田 吉春; 山野 秀将; 伊藤 高啓*; 内藤 正則*; 白川 典幸*; 岡田 英俊*; 上原 靖*; et al.
Proceedings of 8th International Topical Meeting on Nuclear Thermal-Hydraulics, Operation and Safety (NUTHOS-8) (CD-ROM), 11 Pages, 2010/10
本論文では、COMPASSコード開発の2009年度成果を報告する。融体固化・閉塞形成,金属燃料の共晶反応,ダクト壁破損(熱流動解析),燃料ピン破損、及びダクト壁破損(構造解析)に関する検証計算が示される。位相計算,古典及び第一原理分子動力学研究は金属燃料とスティール及び制御棒材料とスティールの共晶反応の物性を調べるために用いられた。粒子法の基礎研究やSIMMER計算もまたCOMPASSコード開発に役立った。COMPASSは、SIMMERコードで用いられている実験相関式の基盤を明らかにするものと期待される。SIMMERとCOMPASSの結合はCDAの安全評価並びに炉心設計最適化に有効になるだろう。
守田 幸路*; Zhang, S.*; 有馬 立身*; 越塚 誠一*; 飛田 吉春; 山野 秀将; 伊藤 高啓*; 白川 典幸*; 井上 方夫*; 油江 宏明*; et al.
Proceedings of 18th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-18) (CD-ROM), 9 Pages, 2010/05
2005年から開始した5年間の研究プロジェクトで、ナトリウム冷却高速炉の炉心損傷事故特有の現象を詳細解析するためにMPS法に基づいたCOMPASSコードを開発している。その特有の現象とは、(1)燃料ピン破損・崩壊,(2)溶融プール沸騰,(3)融体固化・閉塞挙動,(4)ダクト壁破損,(5)低エネルギー崩壊炉心の運動,(6)デブリベッド冷却性,(7)金属燃料ピン破損を含んでいる。これらの主要現象に対して、COMPASSの検証研究が進められている。この論文では、幾つかの特有現象に対するCOMPASSによる詳細解析結果をまとめた。
越塚 誠一*; 守田 幸路*; 有馬 立身*; Zhang, S.*; 飛田 吉春; 山野 秀将; 伊藤 高啓*; 内藤 正則*; 白川 典幸*; 岡田 英俊*; et al.
Proceedings of 13th International Topical Meeting on Nuclear Reactor Thermal Hydraulics (NURETH-13) (CD-ROM), 11 Pages, 2009/09
COMPASSコードにより溶融炉心物質の分散・固化が計算され、GEYSER実験データと比較された。溶融炉心物質が配管内面を固化しながら流れていった。溶融プール挙動について、固体スティール球が固体燃料により囲まれた体系であるCABRI-TPA2実験が解析された。スティール球の溶融と沸騰を引き起こすために出力が印加された。SCARABEE-BE+3試験もダクト壁破損の検証としてCOMPASSコードにより解析された。
山本 雄一*; 平野 悦丈*; 大上 雅哉*; 清水 泉介*; 白川 典幸*; 越塚 誠一*; 守田 幸路*; 山野 秀将; 飛田 吉春
Proceedings of 17th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-17) (CD-ROM), 10 Pages, 2009/06
COMPASSは、MPS法の統一的枠組みにおいて、熱流動,構造,相変化などのマルチフィジックス現象問題を解析するよう設計されている。2006, 2007年度に、COMPASSの基本機能の開発が完了し、基礎検証計算を実施した。2007年度には、炉心崩壊事故における重要な現象に対し、利用可能な実験データを用いた総合検証計画も開始した。この論文では、COMPASSの相変化モデルに対する基礎検証計算及び実験解析の結果を記述し、併せて、MPS法の定式化の概略,COMPASSコードの概念設計も述べる。
上原 靖*; 白川 典幸*; 内藤 正則*; 岡田 英俊*; 山野 秀将; 飛田 吉春; 山本 雄一*; 越塚 誠一*
Proceedings of 17th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-17) (CD-ROM), 10 Pages, 2009/06
COMPASSコードを用いたメゾスコピックなアプローチによって、炉心崩壊事故の事象推移における重要現象の理解が進むと期待される。この論文では、SIMMER-IIIを使用したSCARABEE-BE+3試験の全体的な解析を記述するとともに、SIMMER-IIIによる解析結果から取り出された小さな時空間ウィンドゥにおけるダクト壁破損に注目したCOMPASSを使用した解析について述べる。
越塚 誠一*; Liu, J.*; 守田 幸路*; 有馬 立身*; Zhang, S.*; 飛田 吉春; 山野 秀将; 伊藤 高啓*; 内藤 正則*; 白川 典幸*; et al.
Proceedings of 2009 International Congress on Advances in Nuclear Power Plants (ICAPP '09) (CD-ROM), 1 Pages, 2009/05
ナトリウム冷却高速炉(SFR)での炉心崩壊事故のマルチフィジックス解析のためCOMPASSというコンピュータコードを開発している。熱流動・構造の複合問題にさまざまな相変化過程を伴う解析が必要であるため、MPS法というメッシュレス法を用いている。分離された素過程に対する検証及び実現象に対する検証を実施する。また、COMPASSは、大型SFR炉心における再臨界回避のための溶融燃料の流出を調べることもまた期待される。MOX燃料に加えて、金属燃料も考慮している。金属燃料と被覆材間の共晶反応は、相図計算,古典・第一原理分子動力学によって調べられる。数値計算手法に関連した基礎研究はCOMPASSのコード開発に役立つ。並列計算は大規模計算を扱うためOpenMPを使用して実施する。AVSにより可視化ツールもまた備えている。
越塚 誠一*; 守田 幸路*; 有馬 立身*; Zhang, S.*; 飛田 吉春; 山野 秀将; 伊藤 高啓*; 白川 典幸*; 内藤 正則*; 岡田 英俊*; et al.
Proceedings of 16th Pacific Basin Nuclear Conference (PBNC-16) (CD-ROM), 6 Pages, 2008/10
ナトリウム冷却高速炉(SFR)における炉心損傷事故(CDA)のさまざまな複合現象に対して、COMPASSと名づけられたコンピューターコードを開発している。COMPASSコードは、Moving Particle Semi-implicit(MPS)手法という枠組みの中で、熱流動・構造・相変化を含むマルチフィジックス問題を解析するように設計されている。その開発プロジェクトが、2005年度から2009年度までの5年間で、6組織により実施されてきた。本論文では、2007年度におけるプロジェクトの成果が報告される。検証計画に従って、融体固化・閉塞形成,溶融プール沸騰,ダクト壁破損の3つの検証計算が行われた。また、COMPASSコード開発をサポートするため、数値計算手法の基礎研究,金属燃料の共晶反応に関する物質科学、及びSIMMER-IIIによる解析が行われた。
越塚 誠一*; Liu, J.*; 守田 幸路*; 有馬 立身*; Zhang, S.*; 飛田 吉春; 山野 秀将; 伊藤 高啓*; 内藤 正則*; 白川 典幸*; et al.
Proceedings of IAEA Topical Meeting on Advanced Safety Assessment Methods for Nuclear Reactors (CD-ROM), 9 Pages, 2007/10
ナトリウム冷却高速炉における炉心損傷事故(CDA)のさまざまな複合現象に対して、COMPASSと名付けられたコンピューターコードを開発している。圧縮性と非圧縮性流れのための統一アルゴリズム,固体デブリを有する流動、及び自由界面に対するアルゴリズムの改善について、理論的研究も実施している。コード検証の流れは、SIMMER-IIIコードの検証の経験を活用して構築された。COMPASSはCDAにおける個別現象に対して用いられるが、全炉心を対象とするときはSIMMER-IIIにより解析される。COMPASSは大型高速炉のCDAにおける再臨界を回避するためのダクト破損と燃料流出過程を詳細に明らかにすることが期待される。
越塚 誠一*; Liu, J.*; 守田 幸路*; 有馬 立身*; 飛田 吉春; 山野 秀将; 伊藤 高啓*; 白川 典幸*; 細田 誠吾*; 荒木 和博*; et al.
Proceedings of 5th Korea-Japan Symposium on Nuclear Thermal Hydraulics and Safety (NTHAS-5), p.472 - 479, 2006/11
文部科学省革新的原子力システム研究開発事業の枠組みの中で2005年会計年度から5年間の研究プロジェクトを開始した。それはMOX燃料及び金属燃料を対象として高速増殖炉のシビアアクシデントのさまざまな複雑現象を解析するため、Moving Particle Semi-implicit(MPS)手法を用いてCOMPASS(Computer Code with Moving Particle Semi-implicit for Reactor Safety Analysis)と名づけられたコンピューターコードを開発することである。また、金属燃料と被覆材間の共晶反応は分子動力学及び分子軌道法により研究される。MPSにより、凝固を伴う溶融金属流れが解析されるとともに、ラッパ管の弾性解析もまた実施された。その結果は実験及び商用コードと比較された。共晶反応は分子動力学で計算され、参考文献と比較された。以上の数値解析手法は高速増殖炉の炉心損傷事故のマルチフィジックス・マルチスケール現象に有効であることがわかった。
堀江 英樹*; 山本 雄一*; 大上 雅哉*; 白川 典幸*
JNC TJ9400 2005-007, 135 Pages, 2004/02
液体ナトリウムを熱媒体としている蒸気発生器は、胴側を液体ナトリウムが伝熱管側を水または水蒸気が流れている。伝熱管の損傷等により、水または水蒸気が胴側へリークした場合、蒸気発生器内部でナトリウム-水反応が発生し機器の健全性に重要な影響を与える。この現象は非常に非線形性の強い混相流体系であり、数値的に本現象を評価するためには気液界面(界面積濃度)の評価が重要となる。なお、一般に伝熱管側が高圧条件となるためリークした水または水蒸気はジェット状でナトリウム液中に広がることが予想される。本件では、大規模な気液界面の変動を数値解析的に評価できる粒子法を用い、これまでに開発した液-液ジェット体系での買い面積濃度モデル構築方法を、より実現象に近い気-液ジェット体系に適用し、その妥当性を検討した。その際、化学反応による水蒸気と発生ガスのモル数変化を考慮した解析、および単一の管が存在する場合の相関式への効果を検討するための解析も実施した。
山野 秀将; 藤田 哲史; 飛田 吉春; 神山 健司; 近藤 悟; 守田 幸路*; Fischer, E. A.; Brear, D. J.; 白川 典幸*; 曹 学武; et al.
JNC TN9400 2003-071, 340 Pages, 2003/08
核燃料サイクル開発機構(サイクル機構)では、高速炉の仮想的な炉心損傷事故を評価するために新たな安全解析コードSIMMER-IIIの開発を進めてきた。SIMMER-IIIは、2次元,3速度場,多相多成分,オイラー座標系の流体力学モデルを中核として、物質配位及びエネルギー状態に対応した空間依存の核計算モデルを有機的に結合したコードである。現在までに、本コード開発プロジェクトの当初に計画していた全てのモデル開発を終了したことになり、いよいよ実機の安全解析や複雑な多相流解析に本格的に適用できる段階に達した。また、コード開発と併行して、体系的なモデル検証研究を欧州研究機関と共同で進めており、その結果、モデルの高度化により従来のSIMMER-IIコードで問題とされた適用限界の多くが解消できるとの見通しを得つつある。本報告書では、SIMMER-III Version 3.Aの詳細なプログラム解説に加えて、各要素物理モデル,数値計算アルゴリズム及びコードの特徴について述べる。今後さらにモデル改良を行うことが望まれる分野についてもとりまとめた。新たに完成したSIMMER-III Version 3.Aにより、高速炉の安全解析における信頼性と適用範囲が飛躍的に向上できるものと期待されている。
白川 典幸*; 山本 雄一*; 堀江 英樹*
JNC TJ9400 2005-005, 103 Pages, 2003/02
液体ナトリウムを熱媒体としている蒸気発生器は、胴側を液体ナトリウムが、伝熱管側を水または水蒸気が流れている。伝熱管の損傷等により、水または水蒸気が胴側へリークした場合、蒸気発生器内部でナトリウム-水反応が発生し機器の健全性に重要な影響を与える。この現象は非常に非線形性の強い混相流体系であり、数値的に本現象を評価するためには気液の接触面積(界面積濃度)の評価が重要となる。なお、一般に伝熱管側が高圧条件となるためリークした水または水蒸気はジェット状でナトリウム液中に広がることが予想される。これまで、微視的・直接的な流動解析手法である粒子法を用いて、多相・多成分・反応性流体の挙動に対する機構論的解析手法を開発し、流動様式・界面濃度に関する評価解析を実施した。さらに、粒子法による解析結果から液-液ジェットにおける界面積濃度相関式を作成した。本件では、粒子法を用い気液界面積濃度相関式についてモデル化を検討することを目的とし、液-液ジェットを用いたモデルの高精度化を実施した。また、粒子法を用いた気-液ジェットの数値解析を実施し、気-液体系でのジェット挙動について検討した。
白川 典幸*; 堀江 英樹*; 山本 雄一*
JNC TJ9400 2005-006, 183 Pages, 2002/02
ナトリウム(以下Na)-水反応に代表される事故事象が高速炉を構成する機器に及ぼす影響を伝熱流動に基づく数値実験により評価するためには、Na-水反応の発生箇所のみならず、反応を生じている機器全体を解析対象とする必要がある。そのためには、相変化・化学反応を伴う多相・多成分の反応性流体の挙動を適切にモデル化し、数値解析コードに組み込む必要がある。 反応性流体における相変化量・化学反応量は、反応を生じる界面の面積に依存しており、その面積は界面の形状により大きく変化する。しかしNa-水反応における界面挙動に関する実験的な知見は、これまでのところ得られていない。本件は、微視的・直接的な流動解析手法である粒子法を用いて、多相・多成分・反応性流体の挙動に対する機構論的解析手法を開発し、流動様式・界面濃度に関する解析評価手法を開発することを目的としている。 本件では、次に示す作業を実施した。1) 流動解析コードへの結合形態の検討2) 界面面積の相関性評価式の導出3) 界面面積の漏洩条件依存性評価4) スラグ流における界面面積の検討
白川 典幸*; 堀江 英樹*; 山本 雄一*
JNC TJ9400 2001-006, 93 Pages, 2001/02
伝熱流動数値実験によって、化学反応を伴う伝熱流動が高速炉を構成する機器に及ぼす影響を評価するには、反応の発生箇所近傍だけでなく機器全体を解析対象とする必要がある。そのため、計算負荷の観点から微視的な解析手法を直接用いることができない。このため、使用する熱流動解析コードには、化学反応によって生じる多相・多成分の反応性流体の挙動をモデル化し、相関式として組み込まなければならない。反応性流体の挙動の内、相変化量・化学反応量は、反応の生じている界面の面積に依存しており、この面積は界面の形状により大きく変化する。しかしナトリウムー水反応における界面挙動に関し、まとまった知見は現在のところ得られていない。本件は、微視的・直接的な解析手法である粒子法を用いて、多相・多成分・反応性流体の挙動に対する機構論的解析手法を開発し、流動様式・界面濃度に関する知見を得ることを目的とする。本年度は、次の作業を実施した。1)界面面積評価モデルの開発とプログラミング、2)相変化評価モデルの開発とプログラミング、3)機能確認解析と評価、および4)実験調査。
白川 典幸*; 堀江 英樹*; 山本 雄一*; 松宮 壽人*
JNC TJ9440 2000-008, 47 Pages, 2000/03
伝熱流動数値実験によって、化学反応を伴う伝熱流動が高速炉を構成する機器に及ぼす影響を評価するには、反応の発生箇所近傍だけでなく機器全体を解析対象とする必要がある。そのため、計算負荷の観点から微視的な解析手法を直接用いることができない。このため、使用する熱流動解析コードには、化学反応によって生じる多相・多成分の反応性流体の挙動をモデル化し、相関式として組み込まなければならない。反応性流体の化学反応の量は反応する相間の境界面積に依存し、この面積は界面の形状によって大きく変化する。しかし、ナトリウム-水反応のように化学反応を伴う系については、これに関する実験的知見もないのが現状である。そこで本件では、微視的解析手法である粒子法を用いて、多相・多成分・反応性流体の挙動を機構論的に解析し、流動様式や境界面積に関する知見を得ることを最終的な目的とする。本年度は、粒子法を用いて水・ナトリウム反応を扱うための第一段階として、液体ジェットが他の液体プールに噴出する際の流体力学的挙動への粒子法の適用性を検討することを目的とした。このため、文献調査によりジェット流動様式のメカニズムを検討するとともに、ここでの目的に合致する、「ガソリンプールに水を噴出させる実験」を選び、解析した。また、蒸気発生器内部の伝熱管水リーク事故では管群内のジェット流を解析する。このような複雑体系への本手法の適用性を検討するため、蒸気発生器安全性総合試験(SWAT/Run19試験)を例として化学反応を含まない流体力学のみの予備解析を実施した。その結果、伝熱管群を含む複雑体系においても、高速ジェット流とプール流体との相互作用を考慮した流動挙動への適用性が確認できた。さらに、今後扱うべき現象のモデリングについて検討し、相変化と化学反応経路を選定し定式化を行った。水の相変化は伝熱律速モデルに基づき、化学反応は水・水素転換率をパラメタとした一括反応モデルに基づいている。また、コード構成についても概念設計を行った。
白川 典幸*; 堀江 英樹*; 松宮 寿人*; 井上 方夫*
JNC TJ9440 99-009, 195 Pages, 1999/03
蒸気発生器(SG)伝熱管の合理的な設計基準水リーク率(DBL)を選定するためには、高温ラプチャによる伝熱管の破損伝播の可能性を定量的に評価する必要がある。このためには、(1)伝熱管からの水のブローダウン解析モデル(2)伝熱管の高温ラプチャモデル(構造/破壊力学モデル)(3)反応領域温度分析解析のためのナトリウム-水反応ジェットモデルの開発が必要である。本件では上記のうち伝熱管破損事故解析において、もっとも基礎的と考えられる(3)に焦点を絞り、高速炉安全性解析コードSIMMER-III(2次元版)をリファランスコードとして、これにナトリウム-水反応に関する化学反応モデルを組み込み、ナトリウム-水反応によるエネルギー発生、および反応生成物の発生をモデリングした。改修したSIMMER-IIIをSIMMER-SWとよぶ。本件では、以下の諸項目を実施した。-化学反応モデルのコーディングと1セル問題による機能検証-管群圧損モデルのコーディングと機能検証-管群体系入力作成のためのプリプロセッサーのコーディング-状態方程式と熱物性のデータ作成-リーク孔からのジェットとナトリウムの相互作用に関する検討-熱電対モデルの作成-SWAT1/P06試験の解析-SWAT3/Run19試験の解析得られた知見は以下のとおりである。-2次元性が強いSWAT1/P06試験の解析では実験を少なくとも定性的には再現した。-熱電対モデルは、ナトリウム・水反応のように多くの成分が関って温度計測値が得られている場合には、とくに有用である-ここで採用した化学反応モデルに関する限り、化学反応定数Kは0.01K
0.1程度である。-SWAT3/Run19試験の解析においては管群圧損の効果は小さくない。-3次元効果を考慮する必要があるSWAT3/Run19解析は、現状では実験を模擬できていない。
守田 幸路; 近藤 悟; 飛田 吉春; 白川 典幸
Evaluation of Material Coolant Interction and Material Movement and Relocation in Liquid Reactors, P. 407, 1994/00
本論文では、液体金属高速炉における炉心崩壊事故の遷移過程の解析評価に関する歴史的な見地および最近の発展についてレビューした。遷移過程解析では、多相多成分の熱流力挙動を物質配位およびエネルギー状態に依存した核計算と結合して取り扱う必要がある。これらを包括的にモデル化する研究は、1970年代の終わりに米国でSIMMERシリーズの計算コード開発とともに時に始まった。米国でのSIMMER-IIによる適用解析の成功とともに、欧州及び日本でもその有用性が証明されたが、同時にいくつかの問題点も明らかとなり、評価手法としての高度化を図ることの重要性も指摘されてきている。この為、動燃では、SIMMER-IIの適用解析を通じて学んだ経験と教訓を基に、次期安全解析コードSIMMER-IIIの開発を進めている。本プロジェクトでは、多相多成分流体力学の解析技術の向上と将来のより信頼性の高い安全解析の実現が期待され、モデル及び手法を記述。
小松 一郎*; 遠藤 寛*; 大田 修一*; 白川 典幸*
PNC TJ2164 87-005, 423 Pages, 1987/04
本研究はValueImpactAnalysis(VIA)法による安全設計の合理性評価法の開発研究の一環として昭和60年度より実施されている。本年度は前年度委託研究「安全設計の合理性評価用データベースの開発(1)」において設定したデータベースの構想およびプラントシステムの価値解析コードの概念をもとにして,システム価値データの収集を行ってデータベースを構築するとともにシステム価値解析コードを作成した。 システム価値データの調査は公開資料の範囲で実施したものである。収集したデータソースとしては,EnergyEconomicDataBase(EEDB)-6,これをもとに作成されているCOMO/LAMAデータ(CONCEP-5コードのデータベース),EEDB-Iにもちいられている原子炉系システムのデータおよび化学プラントのコストスケーリングデータが主なものである。前年度決定したデータベースの構想を具体化し,これらの収集データを編集してSEDBを構築した。 SEDBの保守・管理のためにコードを作成した。本コードは対話形式によりSEDBデータの登録・改修を行う機能をもつもので,パーソナルコンピュータ用に作成されている。 プラントシステム価値解析コードは,基準プラントの価値データをもとにしてシステムの変更によるプラントの価値変動をスケーリング則により解析するものである。 スケーリング則に関しては,解析コードに使用するために前年度の調査結果を汎用スケーリング則計算式にまとめ,SEDBのスケーリング則データファイルに組込んだ。これによりスケーリング則の修正,追加が容易となった。 本コードについて詳細設計を行いプログラムを作成した。本コードは複数のプラントを対象とし指定したシステムについての価値比較を行う機能をもっており,入力は対話形式によりおこなうものである。
近藤 悟; 飛田 吉春; 守田 幸路; 白川 典幸
動燃技報, ,
高速増殖炉の仮想的な炉心崩壊事象を評価するために、安全解析コードSIMMER-IIIの開発を進めている。SIMMER-IIIは、2次元、3速度場、多相多成分、オイラー座標系の流体力学モデルを中核として、物質配置及びエネルギー状態に対応した空間依存の核計算モデルが有機的に結合したコードである。本稿では、各要素物理モデル、数値計算アルゴリズム及びコードの特徴、さらに、コードの検証解析の現状を解説する。SIMMER-IIIコードは、高速増殖炉の安全解析における信頼性と適用範囲を飛躍的に向上できるものと期待されている。