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吉村 公男; Sinananwanich, W.*; 越川 博; 浅野 雅春; 八巻 徹也; 前川 康成; 山本 和矢*; 猪谷 秀幸*; 朝澤 浩一郎*; 山口 進*; et al.
no journal, ,
水加ヒドラジンなどの液体燃料を蓄電媒体とする白金フリー燃料電池自動車に適用できるアニオン伝導電解質膜の開発において、アニオン膜の高い含水率に起因する燃料透過と低アルカリ耐性が問題になっている。本研究では、アニオン膜の高い含水率が水酸化物イオンとイオン交換基との間に形成される不安定な塩によるものと考え、共役構造により塩が安定化するイミニウム構造を有するグラフト型アニオン膜を作製し、含水率や導電率に及ぼす効果を調べた。放射線グラフト重合反応によりETFE膜にクロロメチルスチレングラフト鎖を導入した後、メチルイミダゾール(MIm)、又はジアザビシクロノネン(DBN)と反応させ、水酸化カリウムで処理してイミニウム構造を有するアニオン膜を得た。作製したアニオン膜の物性を調べた結果、MImを導入したアニオン膜は、従来のグラフト型アニオン膜に対してほぼ同等の導電率(127mS/cm)を維持し、かつ、約半分の含水率(68%)を示した。生成する塩がより安定化するDBNを導入したアニオン膜では、含水率が18%とさらに抑制できたが、導電率が0.4mS/cmと大幅に低下した。塩の安定性を調整することで、導電率を維持したまま含水率を抑制できることがわかった。
Ko, B.-S.*; 吉村 公男; Sinananwanich, W.*; 前川 康成
no journal, ,
線により多孔性ポリスチレン粒子(PSD)粒子表面にフタル酸ジアリル(FDA)を含む1-アリル-2-チオ尿素(ATU)を固定化した。ATU(FDA)固定化PSD粒子中のATU固定化量が増加すると亜鉛の吸着量も増加することが分かった。また、ATUによる亜鉛吸着能はpHにより大きく変化し、最大効力はpH5-7の範囲で発揮された。pH7では、ATUを固定していないPSD粒子に比べて亜鉛吸着量が2.64倍になった。この亜鉛吸着量の増加が、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛(ジラム)の分解を抑え、結果的にATU(FDA)固定化PSD粒子へのジラム吸着能を向上させたと結論した。さらに、ATU(FDA)固定化PSD粒子は繰り返し使用しても、そのジラム吸着能と回収能を維持することができた。したがって、これらの結果から、ジラム分析の簡便で迅速な固相吸着法が確立できたと結論した。