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山本 真人*; 鬼沢 邦雄; 吉本 賢太郎*; 小川 琢矢*; 馬渕 靖宏*; Valo, M.*; Lambrecht, M.*; Viehrig, H.-W.*; 三浦 直樹*; 曽根田 直樹*
Small Specimen Test Techniques; 6th Volume (ASTM STP 1576), p.53 - 69, 2015/05
4mm厚のミニチュア破壊靭性試験片(微小C(T))によるマスターカーブ法の適用性を検証するため、日本の原子炉圧力容器鋼から採取した破壊靭性試験片を用いて、国内外の研究機関や産業界の参加を得てラウンドロビン試験を実施した。ASTM E1921規格に従って試験を行い、得られた破壊靭性参照温度の比較から、微小C(T)から得られる参照温度のばらつきは規格に示されている不確実さの範囲とほぼ同等であり、微小試験片に対するマスターカーブ法の有効性を確認した。また、本報では各機関が行った試験結果を取りまとめて統計処理を行い、参照温度には大きな相違はなく、標準サイズの試験片との寸法効果も認められないことが確認できた。
飛田 徹; 中川 将*; 武内 伴照; 鈴木 雅秀; 石川 法人; 知見 康弘; 齋藤 勇一; 曽根田 直樹*; 西田 憲二*; 石野 栞*; et al.
Journal of Nuclear Materials, 452(1-3), p.241 - 247, 2014/09
被引用回数:19 パーセンタイル:80.15(Materials Science, Multidisciplinary)圧力容器鋼に含まれる不純物Cuの析出は、材料の照射脆化(照射硬化)の要因の一つである。本研究では、Fe-Cuモデル合金を用いて電子線照射試験を行い、機械的特性の指標となるビッカース硬さの増加と、材料内部の状態変化に敏感な電気抵抗率の低下を測定し、両者に良い相関があることを明らかにした。また、3DAPによる析出物の観察を行った結果、硬さの増加及び電気抵抗率の低下のメカニズムを析出物の体積分率を用いることで説明できることがわかった。これらのことから、電気抵抗率の測定により照射硬化を評価できる可能性が示唆された。
山本 真人*; 木村 晃彦*; 鬼沢 邦雄; 吉本 賢太郎*; 小川 琢矢*; 馬渕 靖宏*; Viehrig, H.-W.*; 三浦 直樹*; 曽根田 直樹*
Proceedings of 2014 ASME Pressure Vessels and Piping Conference (PVP 2014) (DVD-ROM), 7 Pages, 2014/07
破壊靭性評価のためのマスターカーブ法は、最近試験規格として標準化され、原子炉圧力容器の信頼性を確保するための強力なツールであると期待されている。現行の監視試験において、マスターカーブ法のためのデータを得るためには、シャルピー試験片の試験後の半片から採取可能な小型の試験片の活用が重要である。著者らは、4mm厚のミニチュア破壊靭性試験片(微小C(T))によるマスターカーブ法の適用性を検証するため、典型的な日本の原子炉圧力容器鋼を用いて、国内の学界、産業界や研究機関の参加を得てラウンドロビン試験を進め、微小C(T)の有効性を確認した。本報ではブラインド試験により試験温度の選択を各研究機関が独自に行った結果を取りまとめ、試験温度依存性を比較した。その結果、得られた参照温度には大きな相違はなく、破壊靭性評価にあたって試験温度の選択は大きな影響を及ぼさないことが確認できた。
植山 大地*; 千星 聡*; 齋藤 勇一; 石川 法人; 西田 憲二*; 曾根田 直樹*; 堀 史説*; 岩瀬 彰宏*
Japanese Journal of Applied Physics, 53(5S1), p.05FC04_1 - 05FC04_5, 2014/05
被引用回数:9 パーセンタイル:36.99(Physics, Applied)MeVエネルギー領域の荷電粒子ビーム照射による金属表面の改質に関する研究を行っている。これまでに、イオンビーム照射により熱時効した金属の表面の硬度が向上することを明らかにした。今回、電子線照射による表面硬度の変化を調べた。大きさが10100.25mmのCu-Ti合金の試料について熱時効処理のみのものと、熱時効しながら試料を突き抜ける2MeVの電子ビーム照射(8.010/cm)したものの表面硬度を比較した。その結果、熱時効処理だけの試料に比べて、電子ビーム照射したものは表面及び裏面とも4倍程度の高度の向上が得られた。これにより、電子線照射は金属試料全体の硬度向上に有用な手段であることを明らかにした。
山本 真人*; 木村 晃彦*; 鬼沢 邦雄; 吉本 賢太郎*; 小川 琢矢*; 千葉 篤志*; 平野 隆*; 杉原 卓司*; 杉山 正成*; 三浦 直樹*; et al.
Proceedings of 2012 ASME Pressure Vessels and Piping Conference (PVP 2012) (DVD-ROM), 7 Pages, 2012/07
破壊靭性評価のためのマスターカーブ法は、最近試験規格として標準化され、原子炉圧力容器の信頼性を確保するための強力なツールであると期待されている。現行の監視試験において、マスターカーブ法のためのデータを得るためには、シャルピー試験片の試験後の半片から採取可能な小型の試験片の活用が重要である。著者らは、4mm厚のミニチュア破壊靭性試験片(ミニCT)によるマスターカーブ法の適用性を検証するため、典型的な日本の原子炉圧力容器鋼を用いて、国内の学界,産業界や研究機関の参加を得てラウンドロビン試験を開始した。この試験では、ミニCTデータの信頼性と堅牢性を検証するために、実際に適用する前に解決すべき詳細な調査項目を取り出すことを目標とした。この試験の第1ステップとして、4つの機関がミニCT試験片により、共通した試験実施要領でマスターカーブ法試験を実施した。この結果、すべての機関で有効な参照温度Tを得られることが確認できた。ただし、T値は、機関間で最大34度の差があった。この差の原因に関して、参照温度Tと試験機関間で設定した負荷速度の差との強い相関が示唆された。
光田 智昭*; 小林 一平*; 小杉 晋也*; 藤田 直樹*; 齋藤 勇一; 堀 史説*; 千星 聡*; 金野 泰幸*; 西田 憲二*; 曽根田 直樹*; et al.
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 272, p.49 - 52, 2012/02
被引用回数:10 パーセンタイル:58.96(Instruments & Instrumentation)So far, we have found that the hardness of Al-Cu-Mg alloy (JIS2017, Duralumin) increases by energetic heavy ion irradiation at room temperature. Observations by using the three-dimensional atom probe (3DAP) have revealed that nano-meter sized precipitates are homogeneously distributed in the irradiated specimens, which are produced through the irradiation enhanced diffusion of solute atoms. The small precipitates contribute to the increase in hardness. In this report, we show the results for the hardness modification of Al-Cu-Mg alloy by the combination of energetic ion irradiation and thermal aging treatment. The hardness of the specimens pre-irradiated and thermally aged at 423 K is much larger than that without the pre-irradiation. The present result indicates that the combination of energetic ion irradiation and subsequent thermal aging can be used as an effective tool for the hardness modification of Al-Cu-Mg alloy.
光田 智昭*; 小林 一平*; 小杉 晋也*; 藤田 直樹*; 齋藤 勇一; 堀 史説*; 千星 聡*; 金野 泰幸*; 西田 憲二*; 曽根田 直樹*; et al.
Journal of Nuclear Materials, 408(2), p.201 - 204, 2011/01
被引用回数:14 パーセンタイル:70.87(Materials Science, Multidisciplinary)We irradiated Al-Cu-Mg alloy with 10 MeV iodine ions at room temperature and measured the surface microhardness. We analyzed the microstructure using a three-dimensional atom probe. Irradiation for 3.5 h led to an increase in hardness comparable to that obtained after 4 days of aging at 423 K. Precipitates of about 2.9 nm in diameter were distributed homogeneously over the irradiated region. The nanometer-sized precipitates produced by the irradiation caused a remarkable increase in hardness.
木村 晃彦*; 永井 康介*; 藤井 克彦*; 西山 裕孝; 曽根田 直樹*
日本原子力学会誌ATOMO, 50(10), p.630 - 633, 2008/10
近年、原子力材料研究の進展が極めて著しい。それを可能にしたのは原子力材料研究者による高度解析技術の開発であり、その技術開発を支えたのが分析機器,観察装置及び計算機の性能の向上である。本解説は、軽水炉圧力容器鋼の照射脆化のメカニズムの理解に不可欠であったナノスケールの照射欠陥などの微細組織の同定やその発達過程の解明において、その解決が困難とされていた学問的課題が高度解析技術により、いかに解決されてきたか、また、そのことが照射脆化予測に与えるインパクトについて記述したものである。西山は、原子炉圧力容器鋼の粒界脆化に関する部分を執筆し、不純物元素であるリン等の粒界偏析がなぜ粒界強度の低下を引き起こすかについて、実験データを示しながら第一原理計算によって明らかにできたことを解説した。
宮下 敦巳; 吉川 正人; 叶野 琢磨; 大沼 敏治*; 酒井 高行*; 岩沢 美佐子*; 曽根田 直樹*
Annual Report of the Earth Simulator Center April 2004 - March 2005, p.287 - 291, 2005/12
Siに比べ優れた物理特性を持つSiCを用いた半導体デバイスは、従来のSiやGaAs半導体デバイスでは動作が困難な、原子炉や宇宙環境等、極限環境下で用いられる素子として期待されている。半導体素子界面では原子レベルの欠陥の荷電状態が電気特性を支配しているため、この界面構造を計算機上で模擬し、界面欠陥構造がどのようにデバイス特性に影響するのか導出するため、地球シミュレータを用いた第一原理分子動力学計算で界面構造を構築し電子構造を決定する。400原子程度の中規模モデルを用いてアモルファス界面構造生成を行った。加熱温度は4000K、加熱時間は3ps、急冷速度は-1000K/ps、界面でのSiC可動層は4層とし、2200Kで側終端固定層を開放し自由端とすることによって、層でのアモルファス化を促進させた。生成された界面はダングリングボンドが消滅しており、清浄界面に近い状態が再現されたが、バンドギャップ中には欠陥準位が存在するのが観察された。欠陥準位は界面に存在する酸素から生じており、結合に寄与できない局在した電子分布が準位の原因となっていることがわかった。
宮下 敦巳; 大沼 敏治*; 酒井 高行*; 岩沢 美佐子*; 吉川 正人; 叶野 琢磨; 曽根田 直樹*
no journal, ,
SiC半導体デバイスは、耐放射線に優れ、高電圧・高温での動作が可能なことから、従来のSiやGaAs半導体デバイスでは動作が困難な、原子炉や宇宙環境等,極限環境下で用いられる素子として期待されている。しかしSiCデバイスの特性を左右する酸化膜界面には、Siデバイスでの酸化膜界面に比べて界面欠陥が多く存在しているため、SiCデバイス特性は理論的に予測される値よりも遥かに低い値しか実現できていない。また、物理的測定手法から推定される界面欠陥の原子構造から電気特性を推定することは困難である。そこで、第一原理分子動力学法を用いて計算機上に界面欠陥構造を生成し、エネルギー準位や荷電状態等の特性を算出することで、界面欠陥の物理構造とその電気特性との関連性を明らかにし、加えてSiC結晶表面の酸化膜成長メカニズムを明確にする。これによりSiCデバイスの電気特性を最大限に引き出せる物理的界面形成法の開発指針を得る。結晶SiO/SiC中規模モデルに対して、SiO側終端固定の条件において、加熱温度4000K,加熱時間3ps及び急冷速度-1000K/psの条件のもとで、界面ダングリングボンドのない急峻なアモルファスSiO/SiC界面構造を生成し、エネルギー準位や電荷分布等が導出できた。また、中規模モデルを用いて界面酸化反応の模擬計算を行い、酸素分子が連続して界面に達した場合に起こるSiO/SiC界面の酸化過程の第一原理分子動力学計算を世界で初めて成功させた。
宮下 敦巳; 大沼 敏治*; 酒井 高行*; 岩沢 美佐子*; 叶野 琢磨; 曽根田 直樹*; 吉川 正人
no journal, ,
SiC半導体は極限環境における次世代のMOS型デバイスとして有望であると期待されているが、界面においては界面欠陥密度が高くチャンネル移動度が低いことが知られている。この界面欠陥の性質を理解し、その形成過程を解明するには、計算機上で実デバイスに近い界面を生成し、さらに熱酸化過程のメカニズムを明らかにすることが重要である。1000原子規模の界面モデルを用いたアモルファス界面モデル生成における加熱・急冷計算で、室温までの冷却速度を-2000K/psから-500K/psまで遅くすることにより、界面における欠陥構造が緩和されることがわかった。また、Si面よりC面の酸化速度が速くなる原因が酸化反応の理論計算から確かめられた。