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杉原 弘造
JAEA-Review 2022-006, 74 Pages, 2022/05
この資料は、東濃鉱山の歩みを示すひとつの試みとして、日本原子力研究開発機構の研究開発成果検索・閲覧システム(JOPSS: JAEA Originated Papers Searching System)において、「東濃鉱山」でフリーワード検索をかけた際にヒットする研究開発報告書類等の概要を時系列的に整理したものである。2022年2月1日現在、JOPSSで「東濃鉱山」でフリーワード検索をかけると、研究開発報告書類214件、学会誌等掲載論文54件、口頭発表9件がヒットする。ここでは、東濃鉱山の歩みを示す観点から、個別の調査や作業ごとに作成されることの多い研究開発報告書類を中心に整理した。ただし、これらにはウラン探鉱事業の時代のものは、ほとんど含まれない。一方で、JOPSSで検索可能な国内ウラン探鉱事業の成果が取りまとめられている報告書の中に、東濃鉱山やその周辺での探鉱活動を含めた時系列的な記述が見られる。また、旧動力炉・核燃料開発事業団年史にも東濃鉱山に関する時系列的な記述や年表がある。このため、ウラン探鉱事業の時代の東濃鉱山の歩みについては、これらの資料から関係部分を抜粋して示した。
青木 克憲; 山中 浩揮*; 渡辺 和彦*; 杉原 弘造
JAEA-Data/Code 2020-018, 45 Pages, 2021/02
日本原子力研究開発機構東濃地科学センターでは、深地層の科学的研究(地層科学研究)の一環として、結晶質岩(花崗岩)を対象とした超深地層研究所計画を行っており、瑞浪超深地層研究所(以下、研究所)の研究坑道を深度500mレベルまで展開している。花崗岩には一般的に微量のウランが含まれており、花崗岩地域の坑道内では、通気の状態により坑道内の空気中のラドン濃度が高くなる可能性がある。このため、研究所では研究坑道の掘削や通気方法の変更等に合わせて、適宜、ラドン濃度測定を実施してきた。この測定データは花崗岩地域の地下空間におけるラドン濃度の実測値として貴重なデータと言える。このため、平成22年度から令和元年度までの測定結果を、ラドン濃度に影響を与える坑内通気や気温の情報とともにデータ集として取りまとめ、合わせて実測値に基づいて平衡係数の検討を行った。その結果、坑内のラドン濃度は、季節による坑内と外気との温度差で発生する自然通気の影響を受け夏季は高く冬季は低くなること、また、通気開始時におけるラドンの平衡係数の一時的な上昇は、坑内の粉塵の巻き上げ等によるエアロゾルの増加が原因と考えられる等の知見が得られた。
小出 馨; 大澤 英昭; 伊藤 洋昭; 棚井 憲治; 仙波 毅; 内藤 守正; 杉原 弘造; 宮本 陽一
Annual Waste Management Symposium (WM 2015), Vol.5, p.3631 - 3645, 2015/00
原子力機構は高レベル放射性廃棄物の地層処分技術に関する研究開発を進めており、その一環として日本の多種多様な地質環境に対応するため、深地層の研究施設計画として超深地層研究所計画(瑞浪)と幌延深地層研究計画を立ち上げた。瑞浪では結晶質岩を対象に深地層の科学的研究を実施している。一方、幌延では堆積岩を対象に深地層の科学的研究と地層処分研究開発を実施している。両プロジェクトとも、計画を「地上からの調査研究段階(第1段階)」「坑道堀削時の調査研究段階(第2段階)」「地下施設での調査研究段階(第3段階)」の3つの段階に分けて進めている。現在、研究坑道の堀削工事は、瑞浪では深度500mまで、また、幌延では深度350mまで終了している。今後、両プロジェクトでは、地質環境の長期変遷に関する研究を含む第3段階の研究を進めるとともに、深地層の研究施設を地層処分分野の研究者・技術者の育成、国民との相互理解促進、国際協力の場として活用していく。
濱 克宏; 見掛 信一郎; 西尾 和久; 川本 康司; 山田 信人; 石橋 正祐紀; 村上 裕晃; 松岡 稔幸; 笹尾 英嗣; 真田 祐幸; et al.
JAEA-Review 2014-038, 137 Pages, 2014/12
日本原子力研究開発機構東濃地科学センターでは、「地層処分技術に関する研究開発」のうち深地層の科学的研究(地層科学研究)の一環として、結晶質岩(花崗岩)を対象とした超深地層研究所計画を進めている。本計画は、「第1段階; 地表からの調査予測研究段階」、「第2段階; 研究坑道の掘削を伴う研究段階」、「第3段階; 研究坑道を利用した研究段階」の3段階からなり、2013年度は、第2段階および第3段階の調査研究を進めた。本報告書は、2010年度に改定した「超深地層研究所地層科学研究基本計画」に基づいた、超深地層研究所計画の第2段階および第3段階の調査研究のうち2013年度に実施した(1)調査研究、(2)施設建設、(3)共同研究等の成果を取りまとめたものである。
杉原 弘造
岩の力学; 50年の歩みと未来への展望, p.113 - 116, 2014/06
高レベル放射性廃棄物の地層処分に関して、地層処分概念、国の政策、事業、研究開発の概要と経緯、原子力機構における研究開発の経緯と現状、深地層の研究施設計画の概要と調査研究例を紹介する。
濱 克宏; 見掛 信一郎; 西尾 和久; 松岡 稔幸; 石橋 正祐紀; 笹尾 英嗣; 引間 亮一*; 丹野 剛男*; 真田 祐幸; 尾上 博則; et al.
JAEA-Review 2013-050, 114 Pages, 2014/02
日本原子力研究開発機構東濃地科学センターでは、「地層処分技術に関する研究開発」のうち深地層の科学的研究(地層科学研究)の一環として、結晶質岩(花崗岩)を対象とした超深地層研究所計画を進めている。本計画は、「第1段階;地表からの調査予測研究段階」、「第2段階;研究坑道の掘削を伴う研究段階」、「第3段階;研究坑道を利用した研究段階」の3段階からなり、2012年度は、第2段階および第3段階の調査研究を進めた。本報告書は、2010年度に改定した「超深地層研究所地層科学研究基本計画」に基づいた、超深地層研究所計画の第2段階および第3段階の調査研究のうち2012年度に実施した(1)調査研究、(2)施設建設、(3)共同研究等の成果を取りまとめたものである。
濱 克宏; 見掛 信一郎; 西尾 和久; 笹尾 英嗣; 岩月 輝希; 竹内 竜史; 松岡 稔幸; 丹野 剛男*; 尾上 博則; 尾方 伸久; et al.
JAEA-Review 2013-044, 37 Pages, 2014/01
日本原子力研究開発機構東濃地科学センターでは、地層処分技術に関する研究開発のうち深地層の科学的研究(地層科学研究)の一環として、結晶質岩(花崗岩)を対象とした超深地層研究所計画を進めている。本計画は、「第1段階; 地表からの調査予測研究段階」、「第2段階; 研究坑道の掘削を伴う研究段階」、「第3段階; 研究坑道を利用した研究段階」の3段階からなる。2013年度は、第2段階および第3段階の調査研究を進めていく。本計画書は、2010年に改訂した「超深地層研究所地層科学研究基本計画」に基づいた2013年度の超深地層研究所計画の調査研究計画、施設建設計画、共同研究計画などを示したものである。
國丸 貴紀; 見掛 信一郎; 西尾 和久; 鶴田 忠彦; 松岡 稔幸; 石橋 正祐紀; 笹尾 英嗣; 引間 亮一; 丹野 剛男; 真田 祐幸; et al.
JAEA-Review 2013-018, 169 Pages, 2013/09
日本原子力研究開発機構東濃地科学センターでは、「地層処分技術に関する研究開発」のうち深地層の科学的研究(地層科学研究)の一環として、結晶質岩(花崗岩)を対象とした超深地層研究所計画を進めている。本計画は、「第1段階; 地表からの調査予測研究段階」、「第2段階; 研究坑道の掘削を伴う研究段階」、「第3段階; 研究坑道を利用した研究段階」の3段階からなり、2011年度は、第2段階及び第3段階の調査研究を進めた。本報告書は、2010年度に改訂した「超深地層研究所地層科学研究基本計画」に基づいた、超深地層研究所計画の第2段階及び第3段階の調査研究のうち2011年度に実施した(1)調査研究、(2)施設建設、(3)共同研究等の成果を取りまとめたものである。
國丸 貴紀; 見掛 信一郎; 西尾 和久; 鶴田 忠彦; 松岡 稔幸; 石橋 正祐紀; 窪島 光志; 竹内 竜史; 水野 崇; 佐藤 稔紀; et al.
JAEA-Review 2012-028, 31 Pages, 2012/08
日本原子力研究開発機構東濃地科学センターでは、地層処分技術に関する研究開発のうち深地層の科学的研究(地層科学研究)の一環として、結晶質岩(花崗岩)を対象とした超深地層研究所計画を進めている。本計画は、「第1段階; 地表からの調査予測研究段階」、「第2段階; 研究坑道の掘削を伴う研究段階」、「第3段階; 研究坑道を利用した研究段階」の3段階からなる。2012年度は、第2段階及び第3段階の調査研究を進めていく。本計画書は、2010年に改訂した「超深地層研究所地層科学研究基本計画」に基づいた2012年度の超深地層研究所計画の調査研究計画,施設建設計画,共同研究計画などを示したものである。
國丸 貴紀; 見掛 信一郎; 西尾 和久; 鶴田 忠彦; 松岡 稔幸; 石橋 正祐紀; 上野 孝志; 徳安 真吾; 大丸 修二; 竹内 竜史; et al.
JAEA-Review 2012-020, 178 Pages, 2012/06
日本原子力研究開発機構東濃地科学センターでは、「地層処分技術に関する研究開発」のうち深地層の科学的研究(地層科学研究)の一環として、結晶質岩(花崗岩)を対象とした超深地層研究所計画を進めている。本計画は、「第1段階; 地表からの調査予測研究段階」、「第2段階; 研究坑道の掘削を伴う研究段階」、「第3段階; 研究坑道を利用した研究段階」の3段階からなり、2010年度は、第2段階である「研究坑道の掘削を伴う研究段階」を進めるとともに、第3段階(研究坑道を利用した研究段階)の調査研究を開始した。本報告書は、2002年2月に改訂した「超深地層研究所地層科学研究基本計画」に基づき、超深地層研究所計画の第2段階「研究坑道の掘削を伴う研究段階」及び第3段階(研究坑道を利用した研究段階)における2010年度に実施した(1)調査研究、(2)施設建設、(3)共同研究等の成果を取りまとめたものである。
丹羽 正和; 竹内 竜史; 尾上 博則; 露口 耕治; 浅森 浩一; 梅田 浩司; 杉原 弘造
Geochemistry, Geophysics, Geosystems (Internet), 13(5), p.Q05020_1 - Q05020_15, 2012/05
被引用回数:14 パーセンタイル:41.97(Geochemistry & Geophysics)瑞浪超深地層研究所とその周辺では広域地下水流動研究などのため、複数のボーリング孔で地下水観測を実施しているが、2011年東北地方太平洋沖地震発生後に明瞭な地下水圧の変化が観測された。それによると、研究所用地のごく近傍では最大約15mの水圧上昇を示したが、研究所用地から離れた地域ではすべてのボーリング孔で数十cmから数m程度の水圧低下を示した。地震直後の地下深部における地下水位変化のパターンは、地震直後の体積歪変化の分布パターンと良い相関を示すことが言われている(膨張域で水位低下、収縮域で水位上昇)。地殻変動解析ソフトCoulomb3.1による体積歪の計算結果からは、研究所周辺ではおよそ210
strainの膨張を示す。したがって、研究所用地から離れた地域におけるボーリング孔での水位低下は、東北地方太平洋沖地震に伴う体積歪の変化を反映している可能性が高い。一方、研究所用地のごく近傍で地下水位が大幅に上昇した要因としては、坑道掘削により平衡水位が低下していたところへの強制的な地下水の流入、及び、研究所用地を横断する遮水性の断層に微小なクラックが発生(開口)したことによる局所的な透水性の変化が考えられる。
松井 裕哉; 水野 崇; 笹本 広; 杉原 弘造; 油井 三和
第41回岩盤力学に関するシンポジウム講演集(CD-ROM), p.179 - 184, 2012/01
日本原子力研究開発機構は、経済産業省資源エネルギー庁からの受託研究「地下坑道施工技術高度化開発」の中で、既存のグラウチング技術の有効性や、その化学的影響に関する調査研究を平成19年度から実施してきた。本調査研究では、グラウト材が浸透・固化した領域に、水圧・水質連続モニタリングシステムを設置して、物理化学パラメータの連続観測と採水・分析を行い、近傍で実施中の地下水の地球化学的調査結果と比較し、その影響を検討した。その結果、地下水水質は、本モニタリング期間中にバックグラウンドと同等程度まで戻ったことが示され、影響が解消されるまでの期間は、空洞状態を保持している場合には、おおむね2年程度と推定された。
杉原 弘造
岩の力学ニュース, (101), p.8 - 9, 2011/11
東濃地科学センター概要紹介として、日本原子力研究開発機構や地層処分研究開発部門の業務,東濃地科学センターの歴史や業務を述べ、現在の主要業務として、地質環境の長期安定性に関する研究と超深地層研究所計画の概要と研究事例を紹介する。
國丸 貴紀; 見掛 信一郎; 西尾 和久; 鶴田 忠彦; 松岡 稔幸; 竹内 竜史; 三枝 博光; 水野 崇; 佐藤 稔紀; 尾方 伸久; et al.
JAEA-Review 2011-027, 30 Pages, 2011/08
日本原子力研究開発機構東濃地科学センターでは、地層処分技術に関する研究開発のうち深地層の科学的研究(地層科学研究)の一環として、結晶質岩(花崗岩)を対象とした超深地層研究所計画を進めている。本計画は、「第1段階;地表からの調査予測研究段階」,「第2段階;研究坑道の掘削を伴う研究段階」,「第3段階;研究坑道を利用した研究段階」の3段階からなる。2011年度は、第2段階及び第3段階の調査研究を進めていく。本計画書は、2010年に改訂した「超深地層研究所地層科学研究基本計画」に基づき、2011年度の超深地層研究所計画の調査研究計画,施設建設計画,共同研究計画などを示したものである。
國丸 貴紀; 見掛 信一郎; 西尾 和久; 鶴田 忠彦; 松岡 稔幸; 早野 明; 竹内 竜史; 三枝 博光; 大山 卓也; 水野 崇; et al.
JAEA-Review 2011-007, 145 Pages, 2011/03
日本原子力研究開発機構東濃地科学センターでは、「地層処分技術に関する研究開発」のうち深地層の科学的研究(地層科学研究)の一環として、結晶質岩(花崗岩)を対象とした超深地層研究所計画を進めている。本計画は、「第1段階;地表からの調査予測研究段階」,「第2段階;研究坑道の掘削を伴う研究段階」,「第3段階;研究坑道を利用した研究段階」の3段階からなり、現在は、第2段階である「研究坑道の掘削を伴う研究段階」を進めている。第2段階の調査研究では、研究坑道の掘削を伴う調査研究による地質環境モデルの構築及び研究坑道の掘削による深部地質環境の変化の把握、研究坑道の施工・維持・管理にかかわる工学技術の有効性の確認を目的とした調査研究を進めるとともに、第3段階(研究坑道を利用した研究段階)の調査研究計画の策定を進めている。本報告書は、2002年2月に改訂した「超深地層研究所地層科学研究基本計画」に基づき、超深地層研究所計画の第2段階「研究坑道の掘削を伴う研究段階」における2009年度に実施した(1)調査研究,(2)施設建設,(3)共同研究等の成果を取りまとめたものである。
弥富 洋介; 保科 宏行; 瀬古 典明; 島田 顕臣; 尾方 伸久; 杉原 弘造; 笠井 昇; 植木 悠二; 玉田 正男
JAEA-Technology 2010-045, 10 Pages, 2011/02
東濃地科学センター瑞浪超深地層研究所(以下、研究所)では、研究坑道掘削工事に伴う湧水に含まれる天然由来のフッ素及びホウ素について、環境基準値以下の濃度まで除去した後、湧水を河川に放流している。一方、量子ビーム応用研究部門環境・産業応用研究開発ユニットでは、放射線グラフト重合法で作製した捕集材により、海水や温泉水などに含まれる低濃度の希少金属捕集の実績があることから、2006年度から共同で湧水中のフッ素・ホウ素の効率的な除去方法について検討を行ってきた。これまでの研究によって、捕集材を用いて湧水中のフッ素・ホウ素の除去が可能であり、ホウ素除去については、イオン交換樹脂よりも高速処理が可能であることが明らかになっている。しかし、吸着性能は湧水のpHに大きく影響することから、2008年度はホウ素除去について中性域の湧水を用いた捕集材の再生利用試験を行い、吸着性能を把握した。その結果、2009年度行った再生利用試験結果よりも吸着性能が向上したが、再生利用時の性能は低下した。その理由として、フッ素除去後の湧水を用いたため、一度吸着したホウ素を溶離する際に、フッ素除去処理に使用する薬剤等が十分に除去できなかったためと考えられる。さらに、本研究を実施するにあたって設定した目標と、これまで得られた成果との比較及び研究所の排水処理を取り巻く状況について考察し、本研究の取りまとめを行った。
石井 洋司; 渡辺 和彦; 神谷 晃; 早野 明; 見掛 信一郎; 竹内 真司; 池田 幸喜; 山本 勝; 杉原 弘造
JAEA-Technology 2010-044, 92 Pages, 2011/02
岐阜県瑞浪市において建設を進めている「瑞浪超深地層研究所」は、高レベル放射性廃棄物の地層処分の技術基盤を整備するため、おもに花崗岩を対象とした深地層の科学的研究を進めている。現在実施中の研究坑道掘削工事において掘削範囲の地質や地下水状況を把握するために坑道掘削に先立ちパイロットボーリング調査を行ったところ、深度400m付近の換気立坑掘削領域において深度200m付近よりも透水性は低いものの高圧の湧水が発生する可能性が高い区間が存在することがわかった。そこで坑道掘削時の湧水を抑制することを目的として掘削範囲周辺に超微粒子セメントを用いたプレグラウチングを行った。その結果、低透水性・高湧水圧の岩盤であっても湧水量低減効果を確認することができた。本報告書は、プレグラウチングの施工結果と考察,得られた技術的知見などを取りまとめたものである。
杉原 弘造; 松井 裕哉
平成22年度(2010年)資源・素材学会秋季大会講演集, p.157 - 160, 2010/09
日本における地層処分の計画や研究開発の進展状況,地層処分の概念や特徴を示すとともに、現在の主要な研究の一つである深地層の研究施設計画の概要と現状,岩盤工学上の研究課題,最近の研究成果例を紹介する。深地層の研究施設における岩盤工学に関する研究のキーワードは「物理的安定性」と「超長期評価」である。前者に関しては、応力状態評価や塑性領域の発生等の不安定現象評価が課題である。後者に関しては、クリープ挙動といった従来の時間依存挙動の考え方などの適用性の評価が課題となる。
弥富 洋介; 保科 宏行; 瀬古 典明; 島田 顕臣; 尾方 伸久; 杉原 弘造; 笠井 昇; 植木 悠二; 玉田 正男
日本原子力学会和文論文誌, 9(3), p.330 - 338, 2010/09
日本原子力研究開発機構東濃地科学センターでは、結晶質岩(花崗岩)を対象とした地層科学研究のため、瑞浪超深地層研究所において研究坑道の掘削工事を行っている。掘削工事に伴って発生する湧水(地下水)は、天然由来のフッ素とホウ素が含まれるため、排水処理設備において環境基準値以下まで除去した後、河川に放流している。今後増加していくと予測される湧水の効率的な処理が求められることから、低コストかつ小規模の設備で効率的な処理方法として放射線グラフト捕集材を用いた湧水中のフッ素及びホウ素除去の検討を行った。その結果、ホウ素については、一般的なイオン交換樹脂よりも約12倍の高速吸着処理が可能であり、繰り返し利用も可能であることを確認したが、湧水のpHによって捕集材の吸着性能が影響を受けることが明らかになった。また、フッ素についても、湧水中濃度の90%を吸着可能であったが、吸着性能はホウ素と比べると低くなった。その理由として、湧水中濃度の差が考えられ、吸着性能が十分発揮できる溶存濃度を把握してから、研究所の湧水に適用可能か判断する必要がある。
見掛 信一郎; 山本 勝; 池田 幸喜; 杉原 弘造; 竹内 真司; 早野 明; 佐藤 稔紀; 武田 信一; 石井 洋司; 石田 英明; et al.
JAEA-Technology 2010-026, 146 Pages, 2010/08
現在、瑞浪超深地層研究所において進めている研究坑道掘削工事では、坑道掘削に先立ちボーリング調査を行い、掘削範囲の地質や地下水状況を把握したうえで坑道を掘削している。調査の結果、深度200m付近の換気立坑側や深度300m研究アクセス坑道で大量湧水が発生する可能性が高いことがわかった。このため坑道掘削時の湧水を抑制する技術として、坑道掘削に先立ち掘削範囲周辺の割れ目にセメントを注入する工法(プレグラウチング)を行った。本報告書は、プレグラウチングの計画と実施過程で得られた技術的知見を取りまとめたものである。