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帰山 秀樹*; 古市 尚基*; 杉松 宏一*; 乙坂 重嘉
no journal, ,
福島第一原子力発電所周辺の海底堆積物や懸濁粒子は、同海域の沿岸域生態系への主要な放射性セシウムの供給源であることが指摘されている。本研究では、主に同海域の海底付近の懸濁粒子の存在状態の把握を目的として、2017年9月及び2018年6月7月に、宮城県から茨城県にかけての沿岸域(概ね水深100200m)において、現場式粒度組成測定装置による懸濁粒子濃度及び粒度組成分布を観測した。2017年9月の観測では、全体として、亜表層(水深40m付近)と海底付近で懸濁粒子濃度の極大が観測された。亜表層では、粒径74-330mの比較的粗粒な懸濁物が支配的であった。この層はクロロフィル蛍光強度のピーク深度とよく一致しており、粗粒懸濁物は植物プランクトン由来であると推測された。海底近傍の高懸濁物層では、粒径3.78-63mの細粒懸濁物が支配的であったが、陸棚縁辺の一部の観測点では、これらに加えて、亜表層で観測されたものと同等のサイズの粗粒懸濁物も観測された。陸棚縁辺の海底付近では、海底堆積物の再懸濁に加えて、表層付近から運ばれた粒子が滞留しやすいことが示唆された。