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藤原 悟*; 松尾 龍人*; 杉本 泰伸*; 柴田 薫
Journal of Physical Chemistry Letters (Internet), 10(23), p.7505 - 7509, 2019/12
被引用回数:4 パーセンタイル:21.85(Chemistry, Physical)無秩序なポリペプチド鎖のダイナミクスの特性評価は、本質的に無秩序状態なタンパク質およびフォールディングプロセスに関連する非ネイティブ状態下のタンパク質の挙動を解明するために必要である。本研究では、小角X線散乱測定データと動的光散乱測定データと組み合わせて準弾性中性子散乱測定データから、タンパク質のセグメント運動と分子全体の拡散および局所側鎖運動を評価する方法を独自に開発した。そしてこの方法を、非フォールディング状態およびメルトグロビュール(MG)状態のタンパク質RNase Aに適用し、セグメント運動から生じる拡散係数を評価し、非フォールディング状態とMG状態で異なる値をとることを明らかにした。またこの方法で得られた値は、蛍光現象を用いた別の測定技術を使用して得られた値と一致していることも確認できた。これらの研究成果は、この方法の、さまざまな無秩序状態でのタンパク質の挙動を特徴付ける実行可能性だけでなく、有用性も示している。
藤原 悟*; 河野 史明*; 松尾 龍人*; 杉本 泰伸*; 松本 友治*; 成田 哲博*; 柴田 薫
Journal of Molecular Biology, 431(17), p.3229 - 3245, 2019/08
被引用回数:12 パーセンタイル:49.22(Biochemistry & Molecular Biology)パーキンソン病発症には、脳細胞中の「-シヌクレイン」というタンパク質が線維状に集合した状態(「アミロイド線維」と呼ばれる)となることが関係すると考えられており、どのようなメカニズムでこのアミロイド線維が形成されるのかに強い関心が寄せられている。そこで研究チームは、タンパク質分子の「動き」に着目し、アミロイド線維のできやすさが様々に異なった条件でのタンパク質の動きを、J-PARCの中性子準弾性散乱装置を用いて調べた。その結果、タンパク質分子の動きの違いによりアミロイド線維のできやすさが変わること、特にアミロイド線維ができるためには、タンパク質同士が集合しやすくなるような特定の動きが必要なことを明らかにした。
藤原 悟; 武澤 康範*; 杉本 泰伸*; 若林 克三*
Journal of Structural Biology, 167(1), p.25 - 35, 2009/07
被引用回数:2 パーセンタイル:4.97(Biochemistry & Molecular Biology)中性子散乱・回折は、溶媒中の重水濃度を変えることにより、分子と溶媒の散乱長密度コントラストを変えることができるというユニークな特徴を持つ。このコントラスト変調法を用いた中性子繊維回折法の可能性を探るために、骨格筋の中性子繊維回折実験を行った。弛緩状態と硬直状態におけるカエル縫工筋の中性子繊維回折像をさまざまな重水濃度下で測定した。観測された反射の重水濃度依存性から、筋肉の単位構造中に異なった密度を持つ蛋白質領域が存在することが明らかとなった。さらに、赤道反射の解析を、フーリエ合成による投影密度マップ及びモデル計算を併用して行った結果、赤道反射の位相情報が得られること、筋肉を構成する主要要素である"太いフィラメント"と"細いフィラメント"の散乱長密度が異なること、そして、この太いフィラメントの密度が弛緩状態と硬直状態で大きく異なることが示された。これは、筋肉の状態変化に伴い、太いフィラメントの構造が大きく変化することを示唆する、また、構造解析に不可欠でありながらX線回折実験からは得られない位相情報が取得できることは、中性子回折の有用性を示している。
藤原 悟; 武澤 康範*; 杉本 泰伸*; 若林 克三*
Journal of the Physical Society of Japan, Vol.70, Supplement A, p.408 - 410, 2001/05
中性子散乱/回折は、コントラスト変調法を用いることにより、粒子の内部構造に関する情報を得ることができるというユニークな特徴を持つ。われわれは、ここでこの方法を繊維回折に適用した。「生きている」カエル筋肉を種々の重水濃度のリンゲル液で環流し、その中性子回折像を日本原子力研究所所有の中性子小角散乱装置SANS-Jで測定した。中性子回折像において観測されるそれぞれの反射の振幅のコントラスト依存性を解析した結果、筋肉中の組織状巨大蛋白質複合体中に散乱長密度の違いがあることを示された。さらに、それぞれのコントラストにおける筋肉の組織軸に垂直な面に投影した密度マップを解析した結果、この方法により赤道反射の位相が決定できること、及び実際に投影密度マップにおいて密度の異なった領域を検出できることが明らかとなった。
藤原 悟; 武澤 康範*; 杉本 泰伸*; 若林 克三*
no journal, ,
中性子散乱・回折では、「コントラスト変調法」により、粒子や単位構造の内部構造情報を得ることができる。中性子繊維回折の可能性を明らかにするために、典型的な繊維状蛋白質複合体である筋肉の中性子繊維回折測定をコントラスト変調法を用いて行った。弛緩状態及び硬直状態における筋肉の中性子繊維回折像を種々の重水濃度において測定した。得られた回折像において観測された反射の重水濃度依存性から、筋肉の単位構造内に異なった密度領域が存在することが明らかとなった。さらに、筋線維軸に垂直な平面への投影構造を反映する赤道反射の解析を、フーリエ合成による密度マップ及びモデル計算を併用して行った結果、赤道反射の位相情報が得られること,筋肉を構成する主要要素である「太いフィラメント」と「細いフィラメント」の密度が異なること、そして太いフィラメントの密度が弛緩状態と硬直状態で大きく異なることが示された。これは、筋肉の状態変化に伴い、太いフィラメントの構造が大きく変化することを示唆する、また、構造解析に不可欠でありながらX線回折実験からは得られない位相情報が取得できることは、中性子回折の有用性を示す結果である。