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高橋 良和; 名原 啓博; 尾関 秀将; 辺見 努; 布谷 嘉彦; 礒野 高明; 松井 邦浩; 河野 勝己; 押切 雅幸; 宇野 康弘; et al.
IEEE Transactions on Applied Superconductivity, 24(3), p.4802404_1 - 4802404_4, 2014/06
被引用回数:23 パーセンタイル:73.01(Engineering, Electrical & Electronic)ITER計画において、原子力機構は中心ソレノイド(CS)コイル用導体の調達を担当している。導体の単長は最大910mであり、通電電流値は13Tの磁場中において40kAである。導体はケーブル・イン・コンジット型と呼ばれるもので、576本のNbn素線と288本の銅素線で構成される撚線を、矩形の中に円形の穴がある高マンガン鋼(JK2LB)製ジャケットに挿入し、ジャケットを圧縮成型したものである。撚線は5段階の撚線で構成され、6本の4次撚線を中心チャンネルの周りに撚り合せたものである。最近、従来の設計より短い撚りピッチの撚線の導体が短尺導体試験(サルタン試験)において繰り返し通電による超伝導性能劣化がない非常に良い特性を示した。しかし、撚りピッチが短いため、同じ外径の撚線を製作するには、より大きなコンパクションを撚線製作時に加える必要があるので、コンパクション・ローラを工夫し、超伝導素線へのダメージを小さくする必要がある。本講演では、この短い撚りピッチの撚線の製作技術及び素線へのダメージの検査方法などについて報告する。
奥野 清; 中嶋 秀夫; 杉本 誠; 礒野 高明; 河野 勝己; 小泉 徳潔; 濱田 一弥; 布谷 嘉彦; 松井 邦浩; 名原 啓博; et al.
Nuclear Fusion, 47(5), p.456 - 462, 2007/05
被引用回数:8 パーセンタイル:29.46(Physics, Fluids & Plasmas)ITER超伝導マグネットの調達準備活動を通して得られた大型超伝導コイルの技術開発成果について述べる。ITER計画では原子力機構が主体となり、産業界の協力の下、各企業が有する優れた製作技術・生産能力を有効に活用し、調達準備活動を実施している。NbSn超伝導導体技術では、マグネットの設計変更によりNbSn素線の臨界電流値に関する要求値が引き上げられたが、変更後の目標値をクリアーする素線の量産技術に見通しが得られた。また、局所的な曲げ歪みが素線の臨界電流値の低下を引き起こすことを実験的・解析的に明らかにし、その知見に基づいた導体設計手法の高度化が図られた。さらに、高さ14m,幅9m,1個の重量310tという大きなトロイダル磁場コイルを、所定の性能(68kA, 12T)が得られるように製作する技術の確立を目的とした技術活動を実施し、高精度巻線の検討,コイル容器用の高強度低温構造材を数十トンレベルで量産する技術の実証、及び機械加工・溶接の併用による大型コイル容器の製作技術の確立など、多くの成果が得られている。
奥野 清; 中嶋 秀夫; 杉本 誠; 礒野 高明; 河野 勝己; 小泉 徳潔; 濱田 一弥; 布谷 嘉彦; 名原 啓博; 喜多村 和憲; et al.
Proceedings of 21st IAEA Fusion Energy Conference (FEC 2006) (CD-ROM), 8 Pages, 2007/03
ITER超伝導マグネット・システムの建設では、日本が7極中、最大の調達分担を行うことが決まった。特にトロイダル磁場(TF)コイルでは、サイト極であるEUを凌いで、相当部分の調達を分担することになった。これら超伝導マグネットの調達をITER計画のスケジュールに従って実施するため、原子力機構が主体となり、産業界の協力の下、各企業が有する優れた製作技術・生産能力を有効に活用し、調達準備活動を実施している。NbSn超伝導導体技術では、マグネットの設計変更によりNbSn素線の臨界電流値に関する要求値が引き上げられたが、変更後の目標値をクリアーする素線の量産技術に見通しが得られた。さらに、高さ14m,幅9m,1個の重量310tという大きなTFコイルを、所定の性能(68kA, 12T)が得られるように製作する技術開発を実施し、コイル容器用の高強度低温構造材を数十トンレベルで量産する技術の実証、及び機械加工・溶接の併用による大型コイル容器の製作技術の確立など、多くの成果が得られている。
松岡 稔幸; 仙波 毅; 石垣 孝一; 杉本 芳博*; 田上 正義*; 成田 憲文*
日本応用地質学会平成18年度研究発表会講演論文集, p.331 - 334, 2006/11
日本原子力研究開発機構では、地層処分研究開発の基盤となる「深地層の科学的研究」の一環として、岐阜県瑞浪市において建設工事を進めている瑞浪超深地層研究所の用地内とその周辺において、花崗岩中の地下水流動を規制すると考えられる断層や割れ目(帯)などを把握するための調査技術の開発を行っている。この一環で、地下施設の建設に伴い地下水流動に影響を及ぼす地質構造を直接に抽出することができる物理探査技術の開発を目的に、研究所用地内で掘削中の2つの立坑(主立坑:内径6.5m,換気立坑:内径4.5m)からの排水に伴う周辺地下水の移動による流動電位の発生を利用した流体流動電位法による地下水流動のモニタリング調査を試みた。その結果、排水に伴って流動する大局的な地下水の流動を規制する断層を抽出するとともに、それを境にして地下水の流動が異なっている様子を推定することができた。
小泉 徳潔; 布谷 嘉彦; 高安 真*; 杉本 誠; 名原 啓博; 押切 雅幸*; CSモデル・コイル実験グループ
低温工学, 38(8), p.399 - 409, 2003/08
トロイダル磁場コイルへのNbAl導体とReact-and-wind法の適用性を実証するために、NbAlインサート・コイルを開発した。本コイルの導体には、熱処理後0.4%の曲げ歪を印可した。臨界電流値試験の結果、NbAlインサート・コイル導体の素線に加わった実効歪は、素線とコンジットの熱歪差に起因する成分が-0.4%、導体の曲げに起因する成分がほぼゼロと評価できた。後者は、予想よりも小さかったが、NbAl導体を用いたReact-and-wind法の適用性を実証するとともに、NbSnコイルへのReact-and-wind法の適用性も示唆した。さらに、NbAlインサート・コイル導体と同規模のNbSn導体では、電磁力が増加するに従って臨界電流値が低下する現象が観測されたが、NbAlインサート・コイルでは、このような予想外の臨界電流性能の劣化は観測されなかった。これは、NbAl線の剛性が高い、及びその臨界電流値の歪に対する低下度が小さいためと考えられた。これは、NbAl導体が、高磁場、大電流応用に適していることを示す。また、導体内の電流分布について解析し、その臨界電流値の評価への影響を考察した。その結果、本影響が小さいことを明らかにした。
高野 仁*; 杉本 芳博*; 山下 正*; 山田 直之*
JNC TJ6420 2003-011, 127 Pages, 2003/02
鉱さいたい積場における鉱さいのたい積状況と周辺の地質状況を把握し、地下水解析に反映可能な地質構造モデルを作成することを目的として、ボーリング調査、比抵抗電気探査および3次元地質構造モデルの作成を行った。ボーリング調査では熱水脈を伴う割れ目の発達により、脆弱化した花崗岩の分布が確認されたが、深度40m以深では新鮮な岩盤となっていることが判明した。風化花崗岩の透水係数は1.1510m/sで、既往の調査結果とほぼ一致した値となっている。しかしながら、新鮮花崗岩では4.3310m/sであり既往調査と比較すると2オーダー大きな値となっている。これは割れ目が発達しているためであると考えられる。比抵抗電気探査では、測線を縦横に配置し2次元の測定データを用いて3次元の解析を行った。3次元で解析をおこなうことにより、地形や地質構造の3次元効果を反映した精度の良い比抵抗分布が得られた。比抵抗分布から鉱さい、風化花崗岩ないし堆積岩および新鮮花崗岩が区分できた。また、3次元の比抵抗分布から既往の屈折法地震探査測線沿いの比抵抗分布を切り出して比較したところ、たい積場左岸の低速度帯が低比抵抗部に、たい積場内の基盤の高まりが高比抵抗部に一致するなどの対応が認められた。鉱さいたい積場およびその周辺の300m四方の領域で地形面、鉱さい下限面、堆積岩下限面、風化花崗岩下限面および新鮮花崗岩上限面の5つの3次元モデルを作成した。モデルは接点の座標と接合関係を示す汎用的なテキストデータとして出力される。
中嶋 秀夫; 杉本 誠; 礒野 高明; 小泉 徳潔; 濱田 一弥; 布谷 嘉彦; 河野 勝己; 名原 啓博; 阿部 加奈子*; 奥野 清
no journal, ,
ITER超伝導コイル製作に必要な技術開発について述べる。NbnSn素線では高性能素線を安定して量産する必要があり、このため実機規模の素線試作を実施し、超伝導特性を評価することで、実機で要求される特性を満足する素線製作の見通しを得た。導体調達では、CS導体ジャケット用として日本が開発した、超伝導生成熟処理後も特性劣化の少ないステンレス鋼(JK2LB)の実機適用に目処がつき、実機規模の試作材での最終的な検証の段階に入った。また、TFコイル製作では巻線部製作の主要技術である 巻線,熱処理,含浸及びレーザー溶接技術の検証に着手した。さらに、構造物では高強度高靭性の新しいステンレス鋼の大型素材製造に目処をつけるとともに、ラジアル・プレート,コイル容器の合理的製作を目指した要素技術試験を進めている。
松岡 稔幸; 石垣 孝一; 杉本 芳博*
no journal, ,
地下水流動を規制する断層や割れ目帯の把握は、水理地質構造モデルを構築するうえで重要な課題であり、(独)日本原子力研究開発機構が岐阜県瑞浪市で進めている超深地層研究所計画の一環として、これらの構造の可視化が可能な物理探査技術の開発を目的に、掘削中の2本の立坑(主立坑:内径6.5m,換気立坑:内径4.5m)からの排水時における電気探査(自然電位法及び三次元比抵抗法)による地下水流動モニタリングを実施した。本報告では、研究所用地内及びその周辺で取得した自然電位の時空間データ及び三次元比抵抗データを用いた水理地質構造の解釈について紹介する。
徳安 真吾; 松岡 稔幸; 水永 秀樹*; 杉本 芳博*
no journal, ,
日本原子力研究開発機構では、地層処分技術に関する研究開発の一環として、岐阜県瑞浪市の瑞浪超深地層研究所において、結晶質岩を対象とした深地層の科学的研究を進めている。今回、岩盤中の断層や割れ目帯の分布を評価可能な物理探査技術の整備を目的として、研究所周辺において自然電位測定による地下水流動モニタリングを実施し、研究所の坑道掘削工事や坑道内でのボーリング調査などに伴う湧水による地下水の流動に起因する自然電位異常の検出を行うとともに、その結果を確認・推定されている断層分布と比較して、水理地質構造の評価を行った。その結果、ボーリング孔掘削時の湧水に伴う微弱な自然電位変化であっても、適切なノイズ処理を適用することで、地下水の流動を視覚的に確認することが可能であり、遮水性の断層によって地下水の流動が異なっていることを推定することができた。
布谷 嘉彦; 高橋 良和; 名原 啓博; 堤 史明; 押切 雅幸; 宇野 康弘; 渋谷 和幸*; 石橋 達司*; 渡邊 和章*; 杉本 昌弘*; et al.
no journal, ,
ITER中心ソレノイド(CS)コイルは6個のモジュールで構成され、それぞれ独立の電流パターンで運転される。1個のモジュールは6個のHexa-Pancakeと1個のQuad-Pancakeで構成されている。導体はNbSnのケーブル・イン・コンジット(CIC)型で、中心チャンネルを有する。撚線はNbSn素線が576本、銅素線が288本で構成され、5次の多重撚線方式で製作される。この撚線を角型の中に丸い穴のあるステンレス管に挿入し、所定の外寸まで圧縮成型して、導体が完成する。定格電流値は13Tにおいて40kAである。ITERにおいて日本はCSコイル用導体の49本すべての製作を担当している。撚線の撚りピッチはTF用撚線と比較すると非常に短く、撚線における圧縮率が大きくなり、素線に傷の少ない撚線を製作するための開発を行った。その結果、素線の変形を少なくした撚線の製作技術を確立することができ、素線の外径変形量を最高で15%に抑制することができ、さらに素線内部の超伝導部には変形がないことを確認した。
高橋 良和; 名原 啓博; 尾関 秀将; 辺見 努; 布谷 嘉彦; 礒野 高明; 押切 雅幸; 堤 史明; 宇野 康弘; 渋谷 和幸*; et al.
no journal, ,
ITER計画において、原子力機構は中心ソレノイド(CS)コイル用導体の調達を担当している。導体の単長は最大910mであり、通電電流値は13Tの磁場中において40kAである。導体はケーブル・イン・コンジット型と呼ばれるもので、576本のNbSn素線と288本の銅素線で構成される撚線を、矩形の中に円形の穴がある高マンガン鋼(JK2LB)製ジャケットに挿入し、ジャケットを圧縮成型したものである。撚線は5段階の撚線で構成され、6本の4次撚線を中心チャンネルの周りに撚り合せたものである。最近、従来の設計より短い撚りピッチの撚線の導体が短尺導体試験(サルタン試験)において繰り返し通電による超伝導性能劣化がない非常に良い特性を示した。しかし、撚りピッチが短いため、同じ外径の撚線を製作するには、より大きなコンパクションを撚線製作時に加える必要があるので、コンパクション・ローラを工夫し、超伝導素線へのダメージを小さくする必要がある。本講演では、この短い撚りピッチの撚線の製作技術及び素線へのダメージの検査方法などについて報告する。
高橋 良和; 名原 啓博; 布谷 嘉彦; 諏訪 友音; 堤 史明; 押切 雅幸; 尾関 秀将; 渋谷 和幸*; 河野 勝己; 川崎 努*; et al.
no journal, ,
ITER中心ソレノイドの導体用撚線は、撚りピッチが短い導体は電磁力の繰り返し負荷に対する超伝導性能の低下がないことは既に報告した。撚りピッチが短い撚線は撚り合わせて圧縮成形する前の外径が大きくなるため、圧縮成形作業において圧縮率が高くなり、素線の変形を小さくする必要がある。このため、撚りピッチを最適化するための試作を行った。その結果、素線のダメージ(変形)は画期的に小さくなった。並行して、人工的に変形を施した素線のIcを測定し、変形のIcへの影響を測定した。両者の結果より、Icが低下しない撚線を開発することができたので実機撚線の製作を開始した。また、この撚線の機械的特性を引張試験により評価した。試作状況,機械的特性と合わせて、実機撚線の製作状況を報告する。