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今泉 充*; 森岡 千晴*; 住田 泰史*; 大島 武; 奥田 修一*
Proceedings of 37th IEEE Photovoltaic Specialists Conference (PVSC-37) (CD-ROM), p.1579 - 1582, 2011/06
InGaP太陽電池及びInGaP/GaAs/Ge三接合太陽電池の低エネルギー電子線照射効果を調べた。今回はInGaP太陽電池中のGa及びInのはじき出しエネルギーのしきい値以下である300keVでの電子線照射を行った。電子線照射中に太陽電池の発電特性を測定する同時計測法により、これら太陽電池の照射による電気特性の変化を調べたところ、短絡電流は照射によって変化しないこと、開放電圧は照射量の増加とともに低下することが判明した。今回のエネルギーではPのはじき出しによる欠陥のみが生成されることから、短絡電流の低下の原因となる少数キャリアの拡散長はP由来の欠陥には影響されないと結論できる。また、表面再結合が増加することで開放電圧が低下することから、300keV電子線照射によって表面再結合が増加することも併せて判明した。
山口 真史*; Ekins-Daukes, N. J.*; Lee, H. S.*; 住田 泰史*; 今泉 充*; 高本 達也*; 安居院 高明*; 兼岩 実*; 上村 邦夫*; 大島 武; et al.
Proceedings of 2006 IEEE 4th World Conference on Photovoltaic Energy Conversion (WCPEC-4) (CD-ROM), p.1789 - 1792, 2006/05
宇宙用InGaP/GaAs/Ge三接合(3J)太陽電池の耐放射線性強化技術開発の一環として、InGaP及びGaAsサブセルの陽子線(30及び200keV)照射効果を調べた。InGaP太陽電池はGaAs基板上に、GaAs太陽電池はGe基板上に有機金属化学気相成長法(MOCVD)により作製し、ベース層のキャリア濃度を変化させ耐放射線性との関係を調べた。その結果、InGaP, GaAs太陽電池ともに、ベースのキャリア濃度が高いほど発電特性の劣化が大きいことが明らかとなった。分光感度測定を行ったところ、ベースのキャリア濃度が高い太陽電池はキャリア濃度の低い太陽電池に比べ、長波長側の量子効率の低下が顕著であり、それにより発電特性の劣化が大きくなることが判明した。さらに、キャリア連続の方程式を用いて分光感度劣化のシミュレーションを行ったところ、拡散長及びベースのキャリア濃度の低下を考慮することで実験結果が再現でき、劣化の主要因が特定できた。
大島 武; 住田 泰史*; 今泉 充*; 川北 史朗*; 島崎 一紀*; 桑島 三郎*; 大井 暁彦*; 伊藤 久義
Proceedings of 31st IEEE Photovoltaic Specialists Conference and Exhibition (PVSC-31), p.806 - 809, 2005/00
多接合型(InGaP/GaAs/Ge)太陽電池について、低温(175K)での10MeV陽子線照射及び電気特性測定を行った。310
/cm
照射により短絡電流,開放電圧,最大電力をそれぞれ初期値の77%, 77%, 50%程度まで低下させ、その後、光照射や電流注入が劣化した特性に及ぼす影響を調べた。その結果、AM0模擬太陽光照射では劣化した特性は変化しないが、暗状態での順方向バイアス印加により0.5A/cm
程度の電流注入を行うと短絡電流,開放電圧,最大電力ともに回復を示すことが判明した。
住田 泰史*; 今泉 充*; 大島 武; 伊藤 久義; 桑島 三郎*
Proceedings of 31st IEEE Photovoltaic Specialists Conference and Exhibition (PVSC-31), p.667 - 670, 2005/00
宇宙用の高効率太陽電池として期待される三接合太陽電池の放射線劣化予測の新技術を開発するため、NIEL(Non Ionizing Energy Loss)解析から見積もられるダメージドーズ(D)をもとに劣化を予測する方法を検討した。InGaP/GaAs/Ge三接合太陽電池に対し、陽子線(50keVから10MeV)または電子線(1MeV)のみを照射した場合、陽子線と電子線の両方を照射した場合について、それぞれD
を見積もり、太陽電池特性の劣化量とD
の関係を調べた。その結果、全ての場合において特性劣化が同一の関係式で表されることが判明した。これより、陽子線,電子線及び両者の複合照射においてもD
を劣化予測の指標として用いることが可能であり、実宇宙での劣化予測に際してNIEL解析が有効であると帰結できた。
今泉 充*; 住田 泰史*; 川北 史朗*; 大島 武; 伊藤 久義; 桑島 三郎*
Proceedings of 31st IEEE Photovoltaic Specialists Conference and Exhibition (PVSC-31), p.563 - 566, 2005/00
人工衛星つばさ「MDS-1」に搭載された地上用InGaP/GaAs二接合タンデム太陽電池の耐放射線性の実宇宙環境試験結果を地上試験結果と比較した。600日間静止トランスファー軌道(GTO)に投入されたタンデム太陽電池の電気特性を解析し、短絡電流(I),開放電圧(V
)及び最大電力(P
)を求めた。600日経過後の特性劣化量と地上での1MeV電子線及び10MeV陽子線照射実験の結果を比較したところ、1MeV電子線を基準とした等価フルエンス解析では、I
, V
及びP
で照射線量に約一桁のズレがあるのに対し、10MeV陽子線を基準とした等価フルエンス解析では全てのパラメータで良い一致を示した。この結果は、GTO軌道では電子線より陽子線の存在量が多いことに起因すると考えられる。これより、従来は1MeV電子線等価フルエンスにより太陽電池の寿命予測を行ってきたが、投入する軌道によっては10MeV陽子線等価フルエンスによる寿命予測を行った方が正確に寿命予測が行えると帰結できた。
今泉 充*; 高本 達也*; 住田 泰史*; 大島 武; 山口 真史*; 松田 純夫*; 大井 暁彦; 神谷 富裕
Proceedings of 3rd World Conference on Photovoltaic Energy Conversion (WCPEC-3) (CD-ROM), 4 Pages, 2004/01
多接合型太陽電池の放射線劣化の振る舞いを総合的に明らかにし、劣化のモデル化を行うため、多接合型太陽電池を構成している各単セル構造について、放射線照射による劣化の振る舞いを調べた。トップセルに使用されるInGaPセルは陽子線照射中に光照射のあるなしにかかわらず同様な劣化の振る舞いを示した。ミドルセルであるInGaAsセルは、In含有量が増加するに従い耐放射線性が劣化すること、ボトムセルに使用されるGeセルの耐放射線性はトップ,ミドルセルに比べ低いことが明らかになった。
川北 史朗*; 今泉 充*; 住田 泰史*; 櫛屋 勝巳*; 大島 武; 山口 真史*; 松田 純夫*; 依田 真一*; 神谷 富裕
Proceedings of 3rd World Conference on Photovoltaic Energy Conversion (WCPEC-3) (CD-ROM), 4 Pages, 2004/01
2002年2月に打ち上げられた人工衛星MDS-1に搭載されたCu(In,Ga)Se太陽電池(CIGS太陽電池)の非常に優れた耐放射線性を観測した。打ち上げ後200日経過時点で、短絡電流は全く劣化せず、開放電圧も1%の低下のみであった。一方、地上試験により、CIGS太陽電池は室温においても劣化が回復すること、さらに電流注入により回復が早くなることを見いだした。これにより、CIGS太陽電池の「劣化の急速回復」による優れた耐放射線性が確認された。
住田 泰史*; 今泉 充*; 松田 純夫*; 大島 武; 大井 暁彦; 神谷 富裕
Proceedings of 3rd World Conference on Photovoltaic Energy Conversion (WCPEC-3) (CD-ROM), 4 Pages, 2004/01
宇宙用太陽電池は宇宙放射線への暴露によって劣化するため、初期の変換効率だけでなく寿命末期での性能も重要である。今回は劣化予測法が確立していない3接合型宇宙用太陽電池について地上でのプロトン照射を行い、放射線照射試験に基づく従来の2種類の劣化予測法、すなわち相対損傷ドーズ法とはじき出し損傷ドーズ法の適用妥当性を検討した。3接合型太陽電池では、それぞれInGaP, GaAs, Geによる3つの接合層が直列に接続されている。相対損傷ドーズ法を適用した場合、プロトンの進入深さと電池の層構造を考慮に入れることで各層の電圧劣化から電池全体の開放電圧劣化挙動を説明できる一方で、短絡電流値と電力値については、予測値が大きな誤差を含むことが問題となった。分光感度の解析により各層の電流発生値を見積もった結果、劣化に伴って全体の電流を制限する接合層が初期のInGaP層からGaAs層に移る現象を明らかにし、単純なセル構造に対して開発された相対損傷ドーズ法は精密な電流値劣化予測には不向きであることを示した。はじき出し損傷ドーズ法による評価も、複雑な電流劣化挙動のため劣化予測値のばらつきが大きく、短絡電流値及び電力値の劣化には不適当であり、3接合型太陽電池に特化した劣化予測法の開発が必要であるとの結論を得た。
梅林 励; 八巻 徹也; 山本 春也; 宮下 敦巳; 田中 茂; 住田 泰史*; 浅井 圭介*
Journal of Applied Physics, 93(9), p.5156 - 5160, 2003/05
被引用回数:292 パーセンタイル:98.69(Physics, Applied)イオンビームを利用した手法によって、これまで困難だと言われてきたTiOへのSドープに成功した。本論文では、イオン注入実験の詳細と、S
注入TiO
の結晶構造,光学特性、及び電子構造について報告している。特筆すべき成果としては、S
注入TiO
は可視光励起によってVBとCBにキャリアを生成することが明らかになった。この結果は、Sドープによってバンドギャップナロウイングが起きるという理論的な予測と一致している。
梅林 励; 八巻 徹也; 住田 泰史*; 山本 春也; 田中 茂; 浅井 圭介*
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 206, p.264 - 267, 2003/05
被引用回数:24 パーセンタイル:82.89(Instruments & Instrumentation)CrとNbがドープされたTiOの電子構造を第一原理バンド計算と紫外線光電子分光(UPS)によって詳しく調べた。両ドープ体には、電子占有準位がバンドギャップ内に形成されることが明らかになった。これら不純物準位は、CrドープTiO
ではバンドギャップのほぼ中央に、Nbドープの場合は伝導帯(CB)の底付近に位置する。過去に報告された遷移金属ドープTiO
の可視域における光応答特性は、これらの不純物準位を介した電子遷移過程を考えれば系統的に説明できるものと考えられる。UPS測定では、不純物準位に起因するピークが両ドープ体ともに観測された。Crドープに由来する準位のピークは価電子帯(VB)端の近くに現れたのに対し、Nbの準位はより高エネルギー側、すなわちCBに近い側に位置した。この不純物種による違いは、上記の計算結果とほぼ一致した。われわれは、Cr,NbがTiO
にドープされたときにバンドギャップ内に形成される準位の特性を理論,実験の両面から明らかにした。
住田 泰史*; 今泉 充*; 松田 純夫*; 大島 武; 大井 暁彦; 伊藤 久義
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 206, p.448 - 451, 2003/05
被引用回数:47 パーセンタイル:93.75(Instruments & Instrumentation)宇宙用に開発された三接合型(InGaP/GaAs/Ge)太陽電池の陽子線照射効果を明らかにするため、20keVから10MeVのエネルギー範囲の陽子線を照射し、電気的・光学的特性の変化を調べた。モンテカルロシュミレーションより見積もった陽子線の侵入長を考慮して特性劣化を解析した結果、ミドルセルであるGaAsセルの接合付近が陽子線の侵入長にあたる場合に最も特性の劣化が大きいことを見出した。このことより耐放射線性のさらなる向上にはGaAsミドルセルの耐放射線性向上が重要であると結論できた。
Choi, Y.; 山本 春也; 齊藤 宏*; 住田 泰史*; 伊藤 久義
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 206(1-4), p.241 - 244, 2003/05
被引用回数:7 パーセンタイル:47.56(Instruments & Instrumentation)二酸化チタン薄膜に対する炭素イオン照射とプラズマ処理による光触媒活性への影響を調べた。陽極酸化によって作製したアナターゼ薄膜はイオン照射でもプラズマ処理でも活性が落ちた。この試料は酸素欠陥と結晶粒界が多く含まれるため元々強度が弱く、イオン照射とプラズマ処理によって、活性点と考えられる表面の酸素欠損がこわれすぎて活性が落ちたと考えている。しかし、レーザー蒸着によってサファイア上にエピタキシャル成長させたアナターゼ薄膜はプラズマ処理によって活性が増大することがわかった。この試料は、陽極酸化によって作製した試料より強度が高く、丈夫であるためプラズマ処理をすると酸素欠損が表面上に生成され活性が増大したと考えている。これらの結果からイオン照射とプラズマ処理の制御により活性点のコントロールができ、光触媒活性の向上が期待される。
八巻 徹也; 梅林 励; 住田 泰史*; 山本 春也; 前川 雅樹; 河裾 厚男; 伊藤 久義
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 206(1-4), p.254 - 258, 2003/05
被引用回数:135 パーセンタイル:99.05(Instruments & Instrumentation)二酸化チタン(TiO)単結晶に1
10
から1
10
ions cm
の200eV F
を注入し、1200
までの等時アニールを各ステップ5時間ずつ行った。アニールに伴う照射損傷の回復過程については、ラザフォード後方散乱/チャネリング解析とエネルギー可変ビームを用いた陽電子消滅測定で調べた。1200
でアニールすると、空孔型欠陥の外方拡散によって結晶性が完全に回復した。二次イオン質量分析によれば、本試料は深部から表面へ向かって増大するような不純物濃度プロファイルを有していた。密度汎関数理論に基づいたバンド構造計算を行った結果、FドープはTiO
の伝導帯の下端付近にわずかな変化を及ぼし、これによりバンドギャップ制御が可能であることを明らかにした。
住田 泰史*; 八巻 徹也; 山本 春也; 宮下 敦巳
Thin Solid Films, 416(1-2), p.80 - 84, 2002/09
被引用回数:22 パーセンタイル:70.42(Materials Science, Multidisciplinary)酸化チタン(TiO)表面の電荷分離性能を,パルスレーザーデポジション法で製膜したCrが一様分布した膜と、イオン注入により作成したCr濃度勾配を持つ膜について、本研究室にて開発したパルス光励起表面電荷分離性能評価法(PITCS)を用いて評価を行った。その際、Crの膜内分布は二次イオン質量分析計で確認を行い、両膜の最表面のCr濃度はXPSを用いて等しくなるように作成を行った。PITCS法は金属電極を用いず、外部電界も印加する必要がないので、TiO
表面の既存のバンド勾配を乱すことなく、その膜の本質的な電荷分離性能を見積もることが可能である。この手法を用いて測定を行った結果、Cr濃度勾配を持つ膜は520nmの可視光に対してまで高い電荷分離性能を示した。これは、Cr一様分布膜や、アナターゼ単結晶膜よりはるかに高い性能であった。
Syarif, D. G.; 宮下 敦巳; 八巻 徹也; 住田 泰史*; Choi, Y.; 伊藤 久義
Applied Surface Science, 193(1-4), p.287 - 292, 2002/06
被引用回数:87 パーセンタイル:93.61(Chemistry, Physical)レーザ蒸着(PLD)によりガラス基板上二酸化チタン()薄膜を作製した。結晶構造,表面構造,光触媒性能の酸素分圧依存性をX線回折(XRD),原子間力顕微鏡(AFM),UV-VIS分光計で求めた。基板温度773Kの条件で酸素分圧の増加により、表面構造は平坦から粗い構造へと変化し結晶構造はルチルからアナターゼへと変化した。酸素分圧調整の結果、表面構造の変化とアナターゼ構造生成により光触媒性能は向上した。
山本 春也; 住田 泰史; 八巻 徹也; 宮下 敦巳; 楢本 洋
Journal of Crystal Growth, 237-239(Part1), p.569 - 573, 2002/04
二酸化チタン(TiO)は優れた光触媒材料であり、触媒特性の大幅な向上にはルチル及びアナターゼ構造の高品質なエピタキシャル膜の作製が必要とされている。本研究では、レーザ蒸着法によりTiO
のエピタキシャル成長を試み、種々の基板と膜との結晶方位関係,基板温度と膜の結晶性の関係を明らかにすることを目的とした。TiO
薄膜試料は、低圧酸素雰囲気下でエキシマレーザ(ArF 193nm)を用いたレーザ蒸着法によりLaAlO
,LSAT,SrTiO
,YSZ,
-Al
O
などの単結晶基板上に約200nmの膜厚で作製した。TiO
薄膜は、X線回折とラザフォード後方散乱/チャネリング法により構造評価を行った。その結果、基板温度が約500
C以上でアナターゼ構造の高品質なエピタキシャルTiO
(001)膜がLaAlO
(001), LSAT(001), SrTiO
(001)基板上に得られ、また、
-Al
O
(0001)及び(01-01)基板上には各々ルチル構造のTiO
(100)及びTiO
(001)膜が得られた。さらに光学的バンドギャップを評価し、アナターゼTiO
(001)膜で3.22eV,ルチルTiO
(100)膜で3.11eVの値を得た。
八巻 徹也; 住田 泰史; 山本 春也; 宮下 敦巳
Journal of Crystal Growth, 237-239(Part1), p.574 - 579, 2002/04
本研究では、KrFエキシマーレーザー蒸着によってサファイア(0001)基板上に TiOエピタキシャル膜を作製し、蒸着に用いるレーザーの強度を変化させたときの膜の結晶構造,表面形態について調べた。X線回折や顕微ラマン分光による分析結果から、(100)配向したルチル相に(001)配向のアナターゼ相がわずかに混合した膜が得られることを明らかにした。膜中における両相の混合比(アナターゼ/ルチル)はレーザー強度の減少とともに増大し、アナターゼ相の相対的な含有量を製膜条件で制御できることが示された。原子間力顕微鏡での観察によれば、最小のレーザー強度で作製した膜の表面は比較的大きな粒子から成りラフネスも大きかった。この膜は、その高いアナターゼ相含有量と大きな表面積によって、有機色素の光分解反応に対し高い活性を示した。
山本 春也; 住田 泰史; Sugiharuto; 宮下 敦巳; 楢本 洋
Thin Solid Films, 401(1-2), p.88 - 93, 2001/12
被引用回数:126 パーセンタイル:96.88(Materials Science, Multidisciplinary)光触媒材料である二酸化チタン(TiO)では、光触媒特性の向上を目的にルチル及びアナターゼ構造の高品質なエピタキシャル膜の作製が必要とされている。本研究では、レーザ蒸着法によりルチル及びアナターゼ構造のTiO
のエピタキシャル成長を試み、種々の基板と膜との結晶方位関係、基板温度と膜の結晶性の関係を明らかにすることを目的とした。TiO
膜は、低圧酸素雰囲気下でNb-YAGを用いたレーザ蒸着法によりSrTiO
,LaAlO
,LSAT,YSZ,
-Al
O
,などの単結晶基板上に約200nmの膜厚で作製した。TiO
膜は、X線回折とラザフォード後方散乱/チャネリング法により構造評価を行った。その結果、基板温度が約500
でアナターゼ構造の高品質なTiO
(001)膜がLaAlO
(001), LSAT(001), SrTiO
(001)基板上に成長でき、基板との格子整合が膜の結晶性に影響することを明らかにした。また、
-Al
O
(0001)及び(10
0)基板上にルチル構造のTiO
(100)及びTiO
(001)膜を作製することができた。
住田 泰史; 八巻 徹也; 山本 春也; 宮下 敦巳
Japanese Journal of Applied Physics, Part 1, 40(6A), p.4007 - 4008, 2001/06
被引用回数:7 パーセンタイル:34.89(Physics, Applied)半導体光触媒に光を照射した際に、表面に過度的に励起されるキャリア数を直接カウントする新たな光触媒性能評価法を開発したので報告する。励起光としてN色素レーザー(パルス幅:5nsec,波長337~520nm)を用いた。基板に蒸着された半導体光触媒薄膜はITO透明電極ではさみ、光入射側をマイラーシートでブロッキングする。半導体光触媒表面に電位勾配が存在すると、パルス光により励起された電子-正孔対が電荷分離して微少な電荷
qを表面に誘起する。この電荷量の入射光エネルギー依存性を観測することで、短時間で様々な使用環境下(自然光,室内光下など)の光触媒性能を予測することが可能となる。
Sugiharuto; 山本 春也; 住田 泰史; 宮下 敦巳
Journal of Physics; Condensed Matter, 13(13), p.2875 - 2881, 2001/04
被引用回数:14 パーセンタイル:60.75(Physics, Condensed Matter)酸素雰囲気中のレーザ蒸着法によりSi(001)基板上にSrTiOとTiNをバッファ層としてアナターゼ相TiO
薄膜をエピタキシャル出来た。アナターゼ相TiO
薄膜とSrTiO
/TiNのバッファ層及びSi基板との結晶学的な関係を
-2
測定と極点図測定のX線回折法により求めた。薄膜の成長方向については、
/
/
/
の関係があり、面内方向については、
//
//
//
の関係があった。アナターゼ相TiO
の結晶品位はロッキングカーブ測定で、薄膜の組成は2.0MeVの
Heを用いたラザフォード後方散乱分光(RBS)により求められた。