検索対象:     
報告書番号:
※ 半角英数字
 年 ~ 
 年
検索結果: 29 件中 1件目~20件目を表示

発表形式

Initialising ...

選択項目を絞り込む

掲載資料名

Initialising ...

発表会議名

Initialising ...

筆頭著者名

Initialising ...

キーワード

Initialising ...

発表言語

Initialising ...

発行年

Initialising ...

開催年

Initialising ...

選択した検索結果をダウンロード

論文

Large spontaneous Hall effect with flexible domain control in the antiferromagnetic material TaMnP

小手川 恒*; 中村 彰良*; Huyen, V. T. N.*; 新井 祐樹*; 藤 秀樹*; 菅原 仁*; 林 純一*; 武田 圭生*; 田端 千紘; 金子 耕士; et al.

Physical Review B, 110(21), p.214417_1 - 214417_8, 2024/12

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Materials Science, Multidisciplinary)

In this study, we show that the orthorhombic system TaMnP exhibits a large anomalous Hall conductivity (AHC) in spite of the small net magnetization. Neutron scattering experiment and the observation of the AH effect comprehensively suggest a dominant AF structure in TaMnP is represented by $$B_{3g}$$. The AHC is one of the largest among those observed in AF materials at zero fields. First-principles calculations suggest that the spin-orbit interaction originating in nonmagnetic Ta-5$$d$$ electrons significantly contributes to the enhancement of Berry curvatures in the momentum space. We found that the AF domain switching is triggered by the magnetic fields along all the crystal axes. This indicates that the AF domain determining the sign of the Hall response can be controlled even through the small net magnetization symmetrically different.

論文

Spontaneous topological Hall effect induced by non-coplanar antiferromagnetic order in intercalated van der Waals materials

高木 寛貴*; 高木 里奈*; 見波 将*; 野本 拓也*; 大石 一城*; 鈴木 通人*; 柳 有起*; 平山 元昭*; Khanh, N.*; 軽部 皓介*; et al.

Nature Physics, 19(7), p.961 - 968, 2023/07

 被引用回数:43 パーセンタイル:98.80(Physics, Multidisciplinary)

In ferromagnets, electric current generally induces a transverse Hall voltage in proportion to the internal magnetization. This effect is frequently used for electrical readout of the spin up and down states. While these properties are usually not expected in antiferromagnets, recent theoretical studies predicted that non-coplanar antiferromagnetic order with finite scalar spin chirality - meaning a solid angle spanned by neighboring spins - can induce a large spontaneous Hall effect even without net magnetization or external magnetic field. This phenomenon, the spontaneous topological Hall effect, can potentially be used for the efficient electrical readout of the antiferromagnetic states, but it has not been experimentally verified due to a lack of appropriate materials hosting such magnetism. Here, we report the discovery of all-in-all-out type non-coplanar antiferromagnetic order in triangular lattice compounds CoTa$$_{3}$$S$$_{6}$$ and CoNb$$_{3}$$S$$_{6}$$. These compounds are reported to host unconventionally large spontaneous Hall effect despite their vanishingly small net magnetization, and our analysis reveals that it can be explained in terms of the topological Hall effect that originates from the fictitious magnetic field associated with scalar spin chirality. These results indicate that the scalar spin chirality mechanism offers a promising route to the realisation of giant spontaneous Hall response even in compensated antiferromagnets, and highlight intercalated van der Waals magnets as a promising quasi-two-dimensional material platform to enable various nontrivial ways of electrical reading and possible writing of non-coplanar antiferromagnetic domains.

論文

Spin polarized neutron scattering study on metal-insulator crossover in uranium dichalcogenide $$beta$$-US$$_{2}$$

目時 直人; 酒井 宏典; 鈴木 通人; 山本 悦嗣; 芳賀 芳範; 松田 達磨; 池田 修悟*

JPS Conference Proceedings (Internet), 3, p.013011_1 - 013011_6, 2014/06

ウランカルコゲナイドの金属からモット絶縁体までの多様な物性は多くの興味を集めている。中でもダイカルコゲナイド化合物はカルコゲンや外場(磁場・圧力)によって金属-非金属の変化を示すために興味を持たれている。この講演では、最近の中性子散乱実験の結果と5$$f$$電子の性格がこの物質の物性に関与している点を示すとともに、電子構造との関連性について議論する。

論文

Emergent antiferromagnetism out of the "hidden-order" state in URu$$_2$$Si$$_2$$; High magnetic field nuclear magnetic resonance to 40 T

酒井 宏典; Urbano, R. R.*; 徳永 陽; 神戸 振作; 鈴木 通人; Kuhns, P. L.*; Reyes, A. P.*; Tobash, P. H.*; Ronning, F.*; Bauer, E. D.*; et al.

Physical Review Letters, 112(23), p.236401_1 - 236401_5, 2014/06

 被引用回数:7 パーセンタイル:47.52(Physics, Multidisciplinary)

$$^{29}$$Si核を完全濃縮したURu$$_2$$Si$$_2$$単結晶を用いて、$$^{29}$$Si核核磁気共鳴(NMR)を行い、「隠れた秩序」(HO)状態と隣接する磁気相について微視的に調べた。極低温0.4Kで、HO相内22T付近にNMRシフトの異常が見られ、この磁場でフェルミ面不安定性があることを確認した。さらに、磁場をかけるとNMRシフトは顕著に増大し、臨界磁場$$H_csim$$35.6TのHO相の終焉と共にNMR信号は突然消失した。しかし、$$H_c$$以上の温度4.2Kで、HO相に隣接する磁気相のNMRスペクトルを測定できた。このスペクトル形状は、この磁気相の構造がイジング異方性をもつウランの磁気モーメントが並んだものによることを示している。

論文

Microscopic theory of the insulating electronic ground states of the actinide dioxides AnO$$_2$$ (An=U, Np, Pu, Am, and Cm)

鈴木 通人; Magnani, N.*; Oppeneer, P.*

Physical Review B, 88(19), p.195146_1 - 195146_14, 2013/11

 被引用回数:52 パーセンタイル:86.13(Materials Science, Multidisciplinary)

近年、アクチノイド化合物の低温において$$f$$電子系の多軌道性に由来する多様な基底状態が観測され大きな注目を集めている。本論文では、発表代表者の開発した最新の第一原理計算手法に基づき、二酸化アクチノイドAnO$$_2$$(AnP=U, Np, Pu, Am, and Cm)の基底状態における電子状態の系統的解析を行った結果を報告する。論文中では、第一原理計算の解析結果に基づき、バンド描像と実験的に得られている結晶場描像との対応関係などを議論し、特に、AnO$$_2$$のAn原子の持つ5$$f$$電子の結晶場的基底状態の形成と実験的に観測されている絶縁体基底状態の形成が密接に関係していることを明らかにした。さらに、これらの基底状態の形成は、アクチノイド原子の5$$f$$電子が有する強いクーロン相互作用とスピン-軌道相互作用によって実現しているが、各An原子の占有$$f$$電子数の違いにより、その絶縁体化機構は大きく異なることが示された。

論文

Observation of the partial Fermi surface quenching in the noncentrosymmetric superconductor Mo$$_3$$Al$$_2$$C

小山 岳秀*; 尾崎 穣*; 上田 光一*; 水戸 毅*; 小原 孝夫*; 和氣 剛*; 田畑 吉計*; 道岡 千城*; 吉村 一良*; 鈴木 通人; et al.

Journal of the Physical Society of Japan, 81(Suppl.B), p.SB008_1 - SB008_5, 2012/12

 被引用回数:1 パーセンタイル:10.49(Physics, Multidisciplinary)

最近、結晶構造においてある空間軸に対して反転対称を示さない超伝導体の超伝導相が奇妙な性質を示すことから盛んにその起源やその物性を明らかにすべく盛んに研究が行われている。本論文では、反転対称性の欠如した超伝導体Mo$$_{3}$$Al$$_{2}$$Cについて、正常相において実施された$$^{27}$$Al-NMRと比熱測定の結果を報告する。本研究によって観測された核スピンエコーのピークの変化から、超伝導転移温度より高温で相転移が起こっていることが明らかとなり、また、スピン-格子緩和時間の変化から相転移後に伝導電子密度が減少していることを観測した。さらに、第一原理計算によって電子状態の詳細な解析を行うことで正常状態を不安定化するフェルミ面ネスティングの存在を明らかにし、新規秩序相発現機構との関連性を議論した。なお、本研究の成果は、物質の高精度な物性予測を実現するための計算手法の開発の一環として実施されており、原子力物性材料研究の進展にも寄与する成果である。

論文

遍歴側から見たURu$$_2$$Si$$_2$$の隠れた秩序

池田 浩章*; 鈴木 通人

固体物理, 47(11), p.693 - 706, 2012/11

本稿では、最近の密度汎関数理論(DFT)に基づく第一原理的計算手法を最大限に生かして、遍歴電子状態に関する情報を詳細に読み解く方法について、発表者らが行ったウラン化合物URu$$_2$$Si$$_2$$の隠れた秩序状態への研究例を中心に紹介している。これらの理論に基づく計算は、今後、重い電子系化合物における未解決問題を紐解くうえで、有用な研究手法となることが期待され、アクチナイド化合物だけでなく新物質開発研究一般において大きな波及効果を期待することができる。

論文

Emergent rank-5 nematic order in URu$$_2$$Si$$_2$$

池田 浩章*; 鈴木 通人; 有田 亮太郎*; 瀧本 哲也*; 芝内 孝禎*; 松田 祐司*

Nature Physics, 8(7), p.528 - 533, 2012/07

 被引用回数:135 パーセンタイル:95.89(Physics, Multidisciplinary)

ウラン化合物URu$$_2$$Si$$_2$$が低温において示す隠れた量子秩序相は、長年、多岐に渡る研究がなされてきたが、その秩序構造は未だ明らかにされておらず、固体物理学の一つのミステリーと目されてきた(それゆえ、隠れた秩序相を呼ばれている)。本論文の目的は、第一原理計算手法に基づいて、その隠れた秩序相における秩序構造を同定することにある。本論文では電子状態の詳細な解析結果の報告とともに、URu$$_2$$Si$$_2$$の多極子相関の計算結果から、$$E$$$$^{-}$$対称性を持つ多極子のネマティック秩序が有力な秩序状態であることを示した。この結果は、実際に、実験的に観測される異方的な磁気励起、反強磁性秩序状態との競合、4回対称性の破れなどを含む実験結果を包括的に説明することに成功しており、長年の謎を解明する有力な秩序候補と言える。

論文

Partial gap opening on the Fermi surface of the noncentrosymmetric superconductor Mo$$_3$$Al$$_2$$C

小山 岳秀*; 尾崎 穣*; 上田 光一*; 水戸 毅*; 小原 孝夫*; 和気 剛*; 田畑 吉計*; 道岡 千城*; 吉村 一良*; 鈴木 通人; et al.

Physical Review B, 84(21), p.212501_1 - 212501_4, 2011/12

 被引用回数:13 パーセンタイル:47.96(Materials Science, Multidisciplinary)

低温で電荷密度波(CDW)転移を起こす遷移金属化合物の中には、CDW相においてさらに超伝導転移を起こす物質があることが知られているが、理論的にはこれら2つの相は競合関係にあるため、その発現機構は単純ではなく、高い関心を集めている。本論文発表では、実際、遷移金属化合物Mo$$_3$$Al$$_2$$Cは9Kという低温で超伝導転移を起こすことが知られているが、兵庫県立大学のNMR実験グループを中心に行われた$$^{27}$$Al-NMRにおける緩和時間の測定や比熱の測定の結果に基づくと、130K付近でCDW転移と考えられる相転移が発現し、さらに、その相転移によって状態密度が大きく減少することを見いだした。また、第一原理計算によって計算された正常相のフェルミ面構造から、CDW不安定性を引き起こすと考えられるネスティング機構とCDW転移に伴うフェルミ面消失を議論した。この研究成果により、遷移金属化合物におけるCDW・超伝導競合状態に関する研究が大きく進展すると考えられ、超伝導の新しい発現機構の解明に繋がる一方、こうした知見を蓄積することで、原子力分野での物質材料研究の新たな側面の開拓も可能になる。

報告書

水理地質構造の不確実性を考慮した水理地質構造のモデル化及び地下水流動解析

井尻 裕二*; 鈴木 俊一*; 杉原 豊*; 下茂 道人*; 山本 肇*; 文村 賢一*

JNC TJ7400 2002-003, 525 Pages, 2002/03

JNC-TJ7400-2002-003.pdf:15.78MB

本研究では,水理地質構造のモデル化手法および地下水流動解析手法に起因した地下水流動解析結果の不確実性を評価することを目的として,連続体モデル2手法と不連続体モデル1手法の併せて3つの手法を用いて東濃地域の正馬様用地を中心とした4km$$times$$6kmの地域を対象とした3次元地下水流動解析を実施した。解析ケースと得られた知見は,以下に示すとおりである。基本ケースでは,モデル化する解析領域,地質構造,境界条件は同じとして岩盤および月吉断層のモデル化の違いが移行経路に及ぼす影響を評価した。その結果,移行経路には,岩盤部のモデル化手法の違いだけでなく,月吉断層のモデル化の違いが及ぼす影響が大きいと考えられることから,断層や被砕帯などの大規模な地質構造の不確実性を低減することが重要であることがわかった。長期揚水試験解析ケースでは,月吉断層の上盤および下盤からの揚水試験を対象として解析を実施した結果,水頭低下量は,揚水井戸に近く,月吉断層と同じ側にある方が大きな値を 示すことから,基本ケースと同様,月吉断層の透水性を把握する事が重要であることが示された。感度解析ケースでは,境界条件,熱対流,断層構造が地下水流動解析結果に及ぼす影響について検討を行った。その結果,境界条件に関しては,盆地境界で解析領域を設定することにより大局的な地下水流動を模擬でき,境界条件の不確実性を低減できる可能性が示された。熱対流に関しては,現位置で地下水化学や地下水年代とともに深度方向の温度分布を測定することによって地表面からの涵養量の大きさを推定でき,地下水涵養量の不確実性を低減できる可能性が示された。断層構造に関しては.断層の走向と地下水類移動方向との関係から各断層の調査優先度を設定することによって,より合理的な調査手法を確立できる可能性が示された。

報告書

水理地質構造モデル化手法及び地下水流動解析手法の不確実性評価

井尻 裕二*; 鈴木 俊一*; 大石 雅也*; 杉原 豊*; 下茂 道人*; 西嶌 望*; 文村 賢一*

JNC TJ7400 2001-007, 612 Pages, 2001/03

JNC-TJ7400-2001-007.pdf:118.17MB

None

口頭

アクチナイド化合物の第一原理計算の基礎

鈴木 通人

no journal, , 

本講演では、2012年3月14日から16日にかけてSPring-8で開催されるアクチナイド計算科学スクールにおいて、アクチナイド化合物を中心とした第一原理計算の基礎理論に関する解説を行う。第一原理計算の基本的な枠組みである密度汎関数理論とKohn-Sham理論と、第一原理計算を実施するにあたって必要となる物性の基礎理論、また、アクチナイド化合物の計算において重要となる強相関効果や相対論効果を第一原理計算の枠組みでどのように導入するかについて、詳細な解説を行い、物性物理や原子力分野にてアクチナイド化合物の理論及び計算科学による研究に興味を持つ研究者に対し、第一線の研究手法とその成果を提示する。

口頭

AmO$$_2$$の隠れた秩序相の第一原理計算手法による秩序状態研究

鈴木 通人

no journal, , 

新型核燃料の構成物質となる二酸化アメリシウムAmO$$_2$$は、磁気帯磁率が15Kでピークを示し相転移の発現が確認されているが、中性子散乱実験やメスバウアー測定では、期待される磁気モーメントが観測されず、低温で通常の磁気秩序とは異なる秩序状態が実現していると考えられる。これらの実験における振る舞いは、反強的な磁気多極子秩序を基底状態に持つNpO$$_2$$と類似しており、AmO$$_2$$においても低温で多極子秩序状態が実現していると考えられる。本講演では、発表者がこれまでにNpO$$_2$$の反強的な磁気多極子基底状態の解析に適用してきた、LDA+U法に基づく第一原理計算手法をAmO$$_2$$の基底状態に適用し、低温相における多極子秩序発現の可能性と、多極子秩序状態における詳細な量子状態解析の結果について議論を行う。

口頭

モット絶縁体$$beta$$-US$$_2$$における5$$f$$電子遍歴及び局在クロスオーバー

目時 直人; 酒井 宏典; 鈴木 通人; 山本 悦嗣; 芳賀 芳範; 松田 達磨; 池田 修悟*

no journal, , 

$$beta$$-US$$_2$$は、5$$f$$電子が局在的な性格から遍歴的な性格にクロスオーバーすることを中性子散乱の結果示した。バンド計算の結果US$$_2$$がモット絶縁体であり、小さな$$p$$-$$f$$混成ギャップが$$Gamma$$点近傍に開いてDirac電子のようなバンド分散を示すことが明らかになった。明らかになったバンド構造から、中性子散乱によって観察された5$$f$$電子の局在-遍歴クロスオーバーは、5$$f$$電子が昇温によって小さな$$p$$-$$f$$混成ギャップを通して励起され、その結果生じる混成効果によって定性的に説明できる。

口頭

ナローギャップ半導体$$beta$$-US$$_2$$の強相関効果によるエネルギーギャップ形成機構

鈴木 通人; 目時 直人; 酒井 宏典; 芳賀 芳範

no journal, , 

ウランダイカルコゲナイド$$beta$$-US$$_2$$は、斜方晶系の結晶構造を持ち、90K程度の非常に小さなエネルギーギャップを持つ非磁性半導体であることが報告されている。90K以上でも電気抵抗が$$sim$$10$$^{-1}$$$$Omega$$cmと通常の金属に比べて大きいことから、小さなキャリア数による伝導状態にあると考えられるが、エネルギーギャップの形成も含めて伝導特性の機構は明らかになっていない。本講演では、第一原理計算により得られた結果から、特異なエネルギーバンド構造の形成に伴うエネルギーギャップ形成により、上記の伝導特性が説明されることを報告する。

口頭

強相関電子系の多軌道秩序形成における磁気空間対称性と電子状態

鈴木 通人

no journal, , 

希土類・アクチナイド化合物では、希土類・アクチナイドの持つf電子の多軌道性や強相関性が絡み合った多様な秩序状態が実現することが知られているが、多くの物質でその秩序形態を含めた物性が未解明のままである。本発表では、発表者が開発した秩序状態の第一原理計算手法の結果に基づき、これらの多様な秩序状態を磁気空間対称性の観点から理解する試みについての報告を行う。特に、ウランダイカルコゲナイドのキャント強磁性状態やURu$$_2$$Si$$_2$$, NpO$$_2$$の基底状態で実現していると考えられる多極子秩序状態の磁気空間対称性と電子状態のかかわりを明らかにし、これらの物質で観測される未解明の物性現象をいかに理解するかについて、最近の研究状況を報告する。本研究の進展により、未知な物性の多い新規希土類・アクチノイド化合物の諸物性の理解に関する研究の大きな進展を見込むことができる。

口頭

アクチノイド化合物の第一原理計算の基礎

鈴木 通人

no journal, , 

物質設計や物性予測研究は近年大きな進展を見せているが、その原動力となっているのが第一原理計算に基づく電子状態解析である。この第一原理計算は軽元素からなる物質系において高精度に電子状態を予測できる計算手法として、近年著しく普及しているが、アクチノイド化合物のような$$f$$電子家を含む物質に対する適用にはまだ問題点が多く、高精度な計算を行うには高度な知識と経験に基づく解析が必要になる。本アクチノイド計算科学スクールでは、このようなアクチノイド物質を対象とした第一原理計算や分子動力学の習得を目的として開催され、申請者はアクチノイド計算科学における第一原理計算手法の講義を行う講師として本スクールから招へいされている。講義では申請者の専門分野である第一原理計算に基づくアクチノイド物質の電子状態計算手法をはじめ、第一原理計算の理論的枠組みについて解説を行う。

口頭

非クラマース二重項結晶場基底を持つPr系化合物の四極子秩序と電子状態の理論研究

鈴木 通人

no journal, , 

PrPtBiやPrPb$$_{3}$$, PrT$$_{2}$$X$$_{20}$$(T=Ir, Rh, Ti, V; X=Zn, Al)などのPr系化合物は結晶場基底に非クラマース二重項と呼ばれる、磁場下で縮退の解けない特殊な結晶場基底を持つことが知られており、低温化での四極子秩序の発現などに興味が持たれている。例えば、PrPtBiは1.35Kで四極子秩序を起こし、電気伝導特性から半導体であると考えられているが、詳細な秩序パラメータや絶縁体化機構はわかっていない。また、PrPb$$_{3}$$は0.4Kで四極子秩序を起こすと考えられ、低磁場下で非整合的な秩序構造が観測されているが、無磁場下の詳細な秩序構造はわかっていない。本研究では、これらのPr系化合物を対象に、第一原理計に基づき四極子秩序相の形成やそれらが電子状態に及ぼす影響を調べた。発表ではこれらの秩序相の秩序パラメータやその電子状態への影響について議論を行う。

口頭

URu$$_2$$Si$$_2$$の多極子秩序状態の電子構造研究

鈴木 通人

no journal, , 

アクチノイド化合物URu$$_2$$Si$$_2$$は、17.5Kにおいて相転移が観測されているが、20年以上にわたる実験・理論による研究にもかかわらずその秩序状態が解明されず、その基底状態は「隠れた秩序相」として広く知られている。近年の理論研究は、この基底状態が、双極子以上の高次多極子によるものである可能性を挙げており、実験による多角的な研究によってその秩序状態の性質が徐々に明らかになってきているが、秩序パラメータの同定には未だ至っていない。本講演では、中期計画に関する研究の一環として開発した多極子秩序状態の電子構造計算プログラムによる、URu$$_2$$Si$$_2$$の多極子秩序状態の電子構造計算結果の詳細な解析結果と、この隠れた秩序相の秩序パラメータに関する見解を報告するものである。

口頭

First principle theory of multipole ordered state in NpO$$_2$$

鈴木 通人

no journal, , 

本発表は、アクチノイド化合物に関する国際ワークショップ"The 1st ASRC International Workshop"における招待講演であり、NpO$$_2$$の多極子秩序状態の第一原理計算手法による電子状態研究に関する研究成果の発表を行う。NpO$$_2$$は低温で、双極子モーメントを誘起しない磁気多極子による秩序状態が実現していることが知られており、これまでの実験・理論両面からの活発な研究によって、秩序相における秩序パラメータの性質が明らかになってきている。本講演では、この多極子秩序状態の直接的な電子構造計算による電子状態研究に関する研究報告を行う。なお、本発表内容は、既に出版されている論文"First-principles theory of multipolar order in neptunium dioxide": M.-T. Suzuki, N. Magnani, and P.M. Oppeneer, Phys. Rev. B 82, 241103(R)の内容に基づくものである。

29 件中 1件目~20件目を表示