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吉井 賢資; 米田 安宏; Jarrige, I.*; 福田 竜生; 西畑 保雄; 鈴木 知史; 伊藤 嘉昭*; 寺嶋 孝仁*; 吉門 新三*; 福島 整*
Journal of Physics and Chemistry of Solids, 75(3), p.339 - 343, 2014/03
被引用回数:10 パーセンタイル:41.9(Chemistry, Multidisciplinary)強誘電体BaTiO3について、共鳴X線発光(RXES)及び部分蛍光法を用いたX線吸収分光(PFY-XAS)により電子状態を分析した。実験はSPring8の原子力機構ビームラインBL14B1と物質・材料研究機構ビームラインBL15XUで行った。Ba L吸収端でのPFY-XASスペクトルは、過去の文献とは異なり、キュリー点上下で変化しなかった。これは、Baイオンの位置はキュリー点で変位しないか変位が小さいことを示唆する。また、Ti K吸収端でのRXESスペクトルからは、発光ピークのエネルギーは入射光エネルギーによらずほぼ一定であった。この結果は、Ti 3d軌道が非局在的な性質を持っており、それによりTiイオンが変位して電気双極子の生成して強誘電体となるという、理論計算から提案された機構を支持することが分かった。
千手 智晴*; 磯田 豊*; 荒巻 能史*; 乙坂 重嘉; 藤尾 伸三*; 柳本 大吾*; 鈴木 崇史; 久万 健志*; 森 康輔*
Journal of Oceanography, 61(6), p.1047 - 1058, 2005/12
被引用回数:9 パーセンタイル:19.27(Oceanography)日本海,日本海盆から大和海盆にかけて底層付近の詳細な水塊構造を観測した。観測は研究船白鳳丸KH03-3次航海(2002年10月14日19日)で行った。大和海盆の底層付近では0.085度以上の、日本海盆では0.070度以下の海水が分布しており、これらの海水は両海盆間の境界付近でestuary型のフロントを形成しながら会合していた。フロントの構造から、底層での日本海盆から大和海盆への流入と、その上層での大和海盆からの流出が示唆された。また、日本海盆から流入した底層水は、大和海盆内の時計回りの循環に捕捉され、鉛直拡散,海底加熱,酸素消費の過程を通して、大和海盆底層水に変質されると推測された。ボックスモデルにより大和海盆底層水の熱収支を解析した結果、海底加熱は鉛直拡散の約70パーセントの大きさを持ち、これらによって日本海盆からの冷たい底層水の移流効果が打ち消されていることがわかった。さらに、大和海盆底層水の平均滞留時間は9.1年であると見積もられた。
秋山 和彦; Zhao, Y.*; 末木 啓介*; 塚田 和明; 羽場 宏光; 永目 諭一郎; 兒玉 健*; 鈴木 信三*; 大槻 勤*; 坂口 正彦*; et al.
Journal of the American Chemical Society, 123(1), p.181 - 182, 2001/01
被引用回数:66 パーセンタイル:84.91(Chemistry, Multidisciplinary)タンデム加速器を利用し生成した崩壊する放射性アクチノイドトレーサー(Am,Np,U)を用いてアクチノイド金属内包フラーレンを合成し単離することに初めて成功するとともに、以下のような性質を明らかにした。放射性アクチノイドを含むフラーレンをアーク放電法で生成し、CS溶媒中に抽出された生成物をトルエン溶媒に溶かし、2種類のHPLCカラムの溶出挙動を得た。その結果Am,Np及びVを内包したフラーレンのHPLC挙動は+3価で内包されると考えられる軽ランタノイド(La,Ce,Pr,Ndなど)と良く似た挙動を示すことがわかった。ウランについては大量合成にも成功し、最も多い溶出部を対象にTOF/MSによる化学種同定を行った。その結果、この成分がU@Cであることを確認した。また紫外可視近赤外領域の光吸収スペクトルから、f軌道に3つの電子を持つNd@Cとの類似性を得ることができた。
斎藤 伸三; 田中 利幸; 数土 幸夫; 馬場 治; 安田 秀志; 菱田 誠; 宮本 喜晟; 若山 直昭; 篠原 慶邦; 占部 茂美*; et al.
日本原子力学会誌, 32(9), p.847 - 871, 1990/09
高温ガス炉は高温熱供給、高い固有の安全性、燃料の高燃焼度等の優れた特徴を有し、第2世代の原子炉として期待されている。我が国では、1969年以来、日本原子力研究所を中心に高温ガス炉の研究開発が行われてきたが、高温ガス炉の技術基盤の確立・高度化および高温に関する先端的な基礎研究を行うために熱出力30MW原子炉出口冷却材温度950Cを目指した高温工学試験研究炉(HTTR)を建設することとなり、その準備が着々と進められている。この機会に、HTTRの設計の概要とその特徴およびHTTRの設計・建設のために蓄積してきた関連研究開発の成果を紹介する。
吉井 賢資; 米田 安宏; Jarrige, I.*; 鈴木 知史; 伊藤 嘉昭*; 吉門 新三*; 福島 整*
no journal, ,
強誘電体BaTiOの電子状態を観測するため、Ba-L及びTi-K吸収端において放射光共鳴発光測定を行った。Ba吸収端において、共鳴発光を用いた部分蛍光法による吸収スペクトルをキュリー点上下で測定した。過去の文献では、温度によりスペクトルに違いが見られ、それによりこの物質の相転移起源について示唆がなされた。しかし本研究では、温度を変えてもスペクトルはほとんど変化しなかった。よって、スペクトル変化の存在の有無については、今後さらに検討が必要である。Ti-K吸収端での測定からは、Tiの共鳴発光ピークは吸収端近傍でそのエネルギーは一定であった。これは通常元素分析で用いられる蛍光過程によるものであり、励起された電子が速やかに非局在化することを示す。非局在化はTiのp及びd軌道で起こっており、Ti-Oの強い混成によって軌道が遍歴的になっていることを示す。この結果は、BaTiOの強誘電性がTi-Oの強い混成による歪みに由来することを示すものであり、過去の理論計算などと定性的に一致する。
吉井 賢資; 米田 安宏; Jarrige, I.*; 福田 竜生; 西畑 保雄; 鈴木 知史; 伊藤 嘉昭*; 吉門 新三*; 福島 整*
no journal, ,
BaTiOの強誘電性の起源を探るため、Ba-LおよびTi-K吸収端において放射光共鳴発光測定を行い電子状態を観測した。Ba吸収端においては、共鳴発光を用いた部分蛍光法による吸収スペクトルをキュリー点上下で測定した。過去の文献では、温度によりスペクトルに違いが見られ、それによりこの物質の相転移がいわゆる変位型によるとの示唆がなされた。しかし本研究では、温度を変えてもスペクトルはほとんど変化しなかった。よって、スペクトル変化の存在の有無については、今後さらに検討が必要である。Ti K吸収端での測定からは、Tiの共鳴発光ピークは吸収端近傍でそのエネルギーは一定であった。これは通常元素分析で用いられる蛍光過程によるものであり、励起された電子が速やかに非局在化することを示す。非局在化はTiのp及びd軌道で起こっており、Ti-Oの強い混成によって軌道が遍歴的になっていることを示す。この結果は、BaTiOの強誘電性がTi-Oの強い混成による歪みに由来することを示すものであり、過去の理論計算などと定性的に一致する。