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酒井 宏典; 服部 泰佑; 徳永 陽; 神戸 振作; 植田 浩明*; 谷奥 泰明*; 道岡 千城*; 吉村 一良*; 高尾 健太*; 下田 愛子*; et al.
Physical Review B, 98(6), p.064403_1 - 064403_10, 2018/08
被引用回数:10 パーセンタイル:45.99(Materials Science, Multidisciplinary)La, Coを共置換した六方晶SrフェライトにおけるCo置換子の占有サイトと価数、スピン状態をFeとCo核磁気共鳴(NMR)法によって調べた。単結晶、多結晶試料のゼロ磁場、外部磁場NMRを測定した。フェリ磁性体M型Srフェライトには、上向きスピンをもつ, , ,の3つのFeサイトと 下向きスピンの, の2つのFeサイトがある。NMRスペクトルの比較の結果、LaとCoの電荷補償が効いて、大部分のCoがサイトに入っていて、未消失の小さな軌道磁気モーメントを有している一方、残りの少量Coイオンは、大きな起動磁気モーメントを有し、, , の八面体サイトに分布していると考えられる。
小山 岳秀*; 尾崎 穣*; 上田 光一*; 水戸 毅*; 小原 孝夫*; 和氣 剛*; 田畑 吉計*; 道岡 千城*; 吉村 一良*; 鈴木 通人; et al.
Journal of the Physical Society of Japan, 81(Suppl.B), p.SB008_1 - SB008_5, 2012/12
被引用回数:1 パーセンタイル:10.8(Physics, Multidisciplinary)最近、結晶構造においてある空間軸に対して反転対称を示さない超伝導体の超伝導相が奇妙な性質を示すことから盛んにその起源やその物性を明らかにすべく盛んに研究が行われている。本論文では、反転対称性の欠如した超伝導体MoAlCについて、正常相において実施されたAl-NMRと比熱測定の結果を報告する。本研究によって観測された核スピンエコーのピークの変化から、超伝導転移温度より高温で相転移が起こっていることが明らかとなり、また、スピン-格子緩和時間の変化から相転移後に伝導電子密度が減少していることを観測した。さらに、第一原理計算によって電子状態の詳細な解析を行うことで正常状態を不安定化するフェルミ面ネスティングの存在を明らかにし、新規秩序相発現機構との関連性を議論した。なお、本研究の成果は、物質の高精度な物性予測を実現するための計算手法の開発の一環として実施されており、原子力物性材料研究の進展にも寄与する成果である。
小山 岳秀*; 尾崎 穣*; 上田 光一*; 水戸 毅*; 小原 孝夫*; 和気 剛*; 田畑 吉計*; 道岡 千城*; 吉村 一良*; 鈴木 通人; et al.
Physical Review B, 84(21), p.212501_1 - 212501_4, 2011/12
被引用回数:12 パーセンタイル:44.66(Materials Science, Multidisciplinary)低温で電荷密度波(CDW)転移を起こす遷移金属化合物の中には、CDW相においてさらに超伝導転移を起こす物質があることが知られているが、理論的にはこれら2つの相は競合関係にあるため、その発現機構は単純ではなく、高い関心を集めている。本論文発表では、実際、遷移金属化合物MoAlCは9Kという低温で超伝導転移を起こすことが知られているが、兵庫県立大学のNMR実験グループを中心に行われたAl-NMRにおける緩和時間の測定や比熱の測定の結果に基づくと、130K付近でCDW転移と考えられる相転移が発現し、さらに、その相転移によって状態密度が大きく減少することを見いだした。また、第一原理計算によって計算された正常相のフェルミ面構造から、CDW不安定性を引き起こすと考えられるネスティング機構とCDW転移に伴うフェルミ面消失を議論した。この研究成果により、遷移金属化合物におけるCDW・超伝導競合状態に関する研究が大きく進展すると考えられ、超伝導の新しい発現機構の解明に繋がる一方、こうした知見を蓄積することで、原子力分野での物質材料研究の新たな側面の開拓も可能になる。
酒井 宏典; 服部 泰佑; 徳永 陽; 神戸 振作; 下田 愛子*; 和氣 剛*; 田畑 吉計*; 中村 裕之*
no journal, ,
SrFeO及び、La-Co置換系SrLaFeCoOの単結晶を用いて、ゼロ磁場NMR実験を行った。NMRスペクトルを元にCo置換位置等を議論したい。
酒井 宏典; 服部 泰佑; 徳永 陽; 神戸 振作; 下田 愛子*; 和氣 剛*; 田畑 吉計*; 中村 裕之*
no journal, ,
SrFeO及び、La-Co共置換系SrLaFeCoOの粉末試料、フラックス法で育成された単結晶を用いて、ゼロ磁場NMR実験を行った。低周波側50-100MHzと高周波側300-400MHzにCo核NMR信号を観測した。スペクトル強度は、低周波側の方が強い。従来、Laと電荷補償の結果、Coイオンは2価となっていると考えられており、Co核NMRが低周波域と高周波域で同時に観測されていることは、(1)共置換試料でCoの低スピン状態()と高スピン状態()とが共存、していることを示唆しているように思える。一方で、電荷状態に関して確定的な情報がないことから、(2)2価Co (高スピン)と3価Co (低スピン)との共存、というシナリオでの解釈も可能となる。現在、妥当な解釈を探るため、各Coイオン状態における超微細磁場の大きさの検討や、他の微視的実験手段における解釈妥当性、第一原理計算によるCoイオン状態安定性などを検討している。
酒井 宏典; 服部 泰佑; 徳永 陽; 神戸 振作; 下田 愛子*; 和氣 剛*; 田畑 吉計*; 中村 裕之*
no journal, ,
Srの一部をLaで、Feの一部をCoで同時に置換したM型Srフェライトについて、NMR実験を行った。その結果、Fe核とCo核NMRを測定した。M型フェライトには、結晶学的に異なる5つのFeサイトがあり、Coイオンがどのサイトに置換されたか、微視的見地から検討したい。また、Coイオンの磁気状態について、議論する。
酒井 宏典; 服部 泰佑; 徳永 陽; 神戸 振作; 下田 愛子*; 和氣 剛*; 田畑 吉計*; 中村 裕之*
no journal, ,
La-Co共置換M型フェライトSrFeOにおけるFe核、及びCo核NMRの実験結果を示し、妥当なCoの置換サイトや電子状態についてさらに議論したい。