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山本 信幸; 岩野 圭太*; 並川 正*; 森川 誠司*; 瀬尾 昭治*; 田部井 和人*; 戸井田 克*; 横田 秀晴
JAEA-Research 2013-003, 252 Pages, 2013/06
多数の割れ目を有する岩盤中に坑道を掘削する場合、坑道周辺では割れ目の挙動に起因する力学特性や水理特性の変化が生ずると考えられる。このため、掘削影響領域の評価には割れ目発生等に起因する力学・水理挙動を原位置計測で把握するとともに、割れ目の挙動を考慮できる連成解析による評価が必要となってくる。本研究では、MBCモデル(Micromechanics-Based Continuum model)を用いた水平坑道掘削に伴う3次元力学-水理連成解析の事前・事後解析を実施した。事前解析では、140m調査坑道掘削初期段階において、地上及び地下の調査データを用いた解析を実施した。その結果、MBCモデルによる割れ目の開口と透水係数とがシンクロし、当解析が坑道周辺岩盤の掘削挙動予測に適用可能であることを確認した。事後解析では、140m調査坑道掘削が完了した段階で、事前解析の時点から新たに得られた調査データをもとに初期応力,岩盤力学物性,岩盤水理物性を見直すとともに、割れ目物性に関するデータを追加して解析を実施した。その結果、解析結果は原位置計測結果と力学的にも水理的にも整合がとれ、実現象に近い坑道周辺岩盤の掘削挙動予測が可能であることを確認した。
瀬野 康弘; 中間 茂雄; 佐藤 稔紀*; 森 孝之*; 森川 誠司*; 田部井 和人*; 須山 泰宏*; 村上 浩次*
JAEA-Research 2007-080, 112 Pages, 2008/01
本報告書は、第2段階以降の調査・研究計画策定のための基礎情報を得ることを目的とし、研究坑道の深度500m付近の立坑と水平坑道の連接部を対象に、MBCモデルによる掘削損傷を考慮した3次元予測解析結果について報告するものである。解析検討により得られた知見は以下のとおりである。(1)岩盤挙動は初期応力の作用方向,亀裂の幾何学的方向の影響を受ける。また、B級やCH級に比べ強度が劣るCL級では、変位や支保にかかる応力は大きくなる。(2)解析ステップの細分化が解析結果に与える影響は少ない。(3)掘削損傷域の有無による岩盤挙動に対する影響は比較的小さい。(4)立坑連接部では一般部に比べ支保の応力が1.31.6倍になる。(5)3次元的な亀裂分布に基づく岩盤挙動をより適切に表現するには2次元モデルより3次元モデルが有効である。
森 孝之*; 森川 誠司*; 田部井 和人*; 岩野 圭太*; 中嶌 誠門*
JNC TJ7400 2005-080, 216 Pages, 2005/03
超深地層研究所計画(以下、MIU計画)の第1段階における岩盤力学研究では、岩芯やボーリング孔を利用した試験などにより、岩盤の力学特性や初期応力状態を評価して、岩盤力学モデルを構築するとともに、その岩盤力学モデルをもとに坑道掘削に伴う坑道周辺岩盤の挙動を推定し、その結果を坑道の力学的安定性の評価や詳細設計、さらに次段階以降の調査・研究計画の策定に反映することとしている。現在のMIU計画の進捗状況は、第1段階における調査・研究の最終段階となり、来年度からは、研究坑道の掘削施工を通じて調査研究を進める第2段階へと本格的に移行する状況である。そこで、本業務では、第1段階における最新・最終の調査結果を用いてまず、解析モデルの構築を図り、それをもとにMBCモデルによる研究坑道の掘削影響予測解析を実施し、坑道の力学安定性の評価や次段階以降の調査・研究計画の策定のための基礎資料を得る。これらの検討により、得られた知見は以下の通りである。(1)研究所用地内に削孔したMIZ-1号孔の岩芯を用いて、圧裂引張試験で発生した亀裂面に対し、一面せん断試験を行い、掘削に伴い新しく発生する新鮮な亀裂面を想定した力学特性が得られた。(2)MIZ-1号孔の調査データを詳細に検討した結果、岩盤力学特性や亀裂特性を深度別の傾向で分類し、岩盤力学モデルを構築した。(3)MBCモデルによる坑道掘削影響予測解析を行い、立坑・水平坑道では、岩盤等級や掘削損傷領域の有無、水平坑道の展開方向の違い等による周辺岩盤の挙動を検討した結果、岩盤が堅硬であるため、比較的亀裂の開口量が小さいが、水平坑道では、高傾斜亀裂の存在により側壁部の掘削影響が顕著であることが分かった。
森 孝之*; 森川 誠司*; 田部井 和人*; 岩野 圭太*
JNC TJ7400 2004-006, 58 Pages, 2004/02
核燃料サイクル開発機構では,超深地層研究所計画(以下,MIU計画)の第1段階における研究として,掘削影響領域の予測解析手法の整備・高度化を進めている。昨年までに,岩盤内の亀裂挙動を考慮できる解析手法の1つであるMBC(Micromechanics Based Continuum Model)解析についても,2次元掘削影響解析を実施してきた。ただし,本解析手法は,通常の有限要素法の掘削解析同様,応力再配分現象のみを捉える解析となっており,発破や機械掘削により生じた掘削損傷領域を考慮していない。そこで,本業務では,MBCモデルを対象に,掘削損傷領域のモデル化手法を確立するとともに,掘削損傷領域を考慮した掘削影響解析を実施し,掘削損傷領域を考慮することによる掘削影響についての検討を行った。得られた知見については以下の通りである。1.MBCモデルで使用する岩盤や亀裂のパラメータについて感度解析を実施し,各パラメータが掘削影響領域に与える影響とその鋭敏性について検証し,亀裂密度と岩盤基質部の弾性係数の影響度が高いことが分かった。2.立坑・横坑断面に対し,掘削損傷領域を考慮した解析ケースを実施した。設定した掘削損傷領域内の亀裂密度を大きくするほど,またその領域を広げるほど,亀裂の開口量は増大し,等価せん断剛性は低減した。3.掘削損傷領域内の亀裂状態に関して,先在亀裂が進展する場合と,新たに坑道壁面平行に亀裂が発生する場合について解析を実施した結果,前者のケースは後者に比して,設定した掘削損傷領域の外へより影響が及ぶ傾向であった。4.以上の結果から,MBCモデルを用いた掘削損傷領域を考慮した掘削影響解析よる研究坑道の詳細検討は可能であることが分かった。また,研究坑道の岩盤挙動の実計測を通して本解析の検証を行うことができると思われる。
奥津 一夫*; 森川 誠司*; 高村 尚*; 羽根 幸司*; 田部井 和人*; 佐原 史浩*; 村上 武志*
JNC TJ8400 2003-050, 140 Pages, 2003/02
ニアフィールド水理場の長期的変遷評価システムの構築に向けた検討として、このシステムの構成要素となる化学的/力学的変遷挙動解析システムを試作、またそれらの連成方法について検討した。
奥津 一夫*; 森川 誠司*; 高村 尚*; 羽根 幸司*; 田部井 和人*; 佐原 史浩*; 村上 武志*
JNC TJ8400 2003-049, 265 Pages, 2003/02
ニアフィールド水理場の長期的変遷を評価システムの構築に向けた検討として、構成要素となる化学/力学解析システムを試作し、またそれらの連成方法について検討した。
高治 一彦; 三浦 一彦*; 田部井 和人*; 納多 勝*; 杉江 茂彦*; 高橋 真一*
サイクル機構技報, (5), p.27 - 36, 1999/12
高レベル廃棄物処分場において、ガラス固化体、オーバーパック、緩衝材および周辺岩盤からなるニアフィールド環境が、長期に亘って力学的安定性を維持しうるかどうかを確認することは、安全評価上重要である。ここでは、想定される種々の現象のうち、岩盤クリープ変形、オーバーパックの腐食膨張、沈下現象を対象としたニアフィールド環境の安定性について、解析的検討を行った。その結果、今回設定した条件下では10,000年を経過してもその安定性に有意な影響を及ぼさないことが示された。
羽根 幸司*; 尾上 博則*; 石橋 正祐紀*; 田部井 和人*; 並川 正*; 田川 陽一*; 三枝 博光*; 石田 圭輔*; 藤崎 淳*; 澤田 淳
no journal, ,
割れ目ネットワークモデルの水理学的パラメータを推定する際の低透水性割れ目のモデル化の有無が、モデル化対象割れ目の平均的な透水性の設定値に数桁の違いを及ぼす不確実性因子であることを、瑞浪超深地層研究所で取得されたデータを用いたモデル化・解析を通じて確認した。
尾上 博則*; 石橋 正祐紀*; 江崎 太一*; 田川 陽一*; 田部井 和人*; 並川 正*; 羽根 幸司*; 三枝 博光*; 石田 圭輔*; 澤田 淳
no journal, ,
地下水の主要な水みちとなり得る割れ目の位置や透水性、その連続性が、亀裂性岩盤を対象とした水理地質構造モデルの妥当性を確認する上での重要な不確実性因子であることを、瑞浪超深地層研究所で取得されたデータを用いたモデル化・解析を通じて確認した。
石橋 正祐紀*; 尾上 博則*; 江崎 太一*; 田川 陽一*; 田部井 和人*; 並川 正*; 羽根 幸司*; 三枝 博光*; 石田 圭輔*; 澤田 淳
no journal, ,
地下500mの坑道で取得された原位置データを用い、モデル化における不確実性として低透水性割れ目の取り扱い方法が異なる2種類の割れ目ネットワーク(DFN)モデルを構築し、その違いがモデル解析の評価指標として設定した坑道湧水量や坑道周辺の水頭分布の解析結果に与える影響について検討した。その結果、本事例では評価指標によって影響に違いがあることが確認された。
並川 正*; 尾上 博則*; 江崎 太一*; 羽根 幸司*; 田川 陽一*; 石橋 正祐紀*; 田部井 和人*; 三枝 博光*; 石田 圭輔*; 澤田 淳
no journal, ,
割れ目ネットワーク(DFN)モデルを構築する際に、原位置調査結果に基づくモデルの調整(コンディショニング)を行うことは、より確からしいモデルの構築に有効な手法である。本検討では、コンディショニングの対象割れ目やそれらの連結性の解釈の違い が、地下水流動解析結果に与える影響について考察した。
田川 陽一*; 尾上 博則*; 江崎 太一*; 羽根 幸司*; 石橋 正祐紀*; 並川 正*; 田部井 和人*; 三枝 博光*; 石田 圭輔*; 澤田 淳
no journal, ,
亀裂性岩盤の地下水流動・物質移行モデルに関して、割れ目ネットワーク(DFN)モデルを基にした等価不均質連続体(ECPM)モデルへの変換方法の違いが、DFNモデルの再現性に与える影響を確認した。
羽根 幸司*; 尾上 博則*; 石橋 正祐紀*; 江崎 太一*; 田川 陽一*; 田部井 和人*; 並川 正*; 三枝 博光*; 石田 圭輔*; 澤田 淳
no journal, ,
地下水流動・物質移行解析の結果に基づき、割れ目ネットワーク(DFN)モデルから等価不均質連続体(ECPM)モデルへの変換方法の違いや、DFNモデルとECPMモデルといった割れ目のモデル化概念の違いが、坑道湧水量や塩化物イオン濃度など の評価指標に与える影響について考察した。