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論文

高濃度空気中放射性物質のモニタリングのための可搬形$$beta$$線ダストモニタの開発

佐川 直貴; 藤澤 真; 細見 健二; 森下 祐樹; 高田 千恵

保健物理(インターネット), 58(3), p.135 - 140, 2023/11

作業環境中の空気中放射性物質濃度は、作業者の内部被ばくの防護(呼吸保護具の選定)や線量評価のために重要な測定値である。福島第一原子力発電所の廃炉作業のように空気中放射性物質濃度が10$$^{-2}$$Bq/cm$$^{3}$$($$^{90}$$Srの空気中濃度限度の約30倍相当)を超えることが想定される作業環境を連続的に監視することを目的として、超極薄のプラスチックシンチレータを用いた高濃度用可搬形$$beta$$線ダストモニタを開発した。試作機による性能試験の結果から、開発した可搬形$$beta$$線ダストモニタは、1Bq/cm$$^{3}$$の空気中放射性物質濃度における連続モニタリングが可能であると評価した。

論文

Angular distribution of $$gamma$$ rays from a neutron-induced $$p$$-wave resonance of $$^{132}$$Xe

奥平 琢也*; 谷 結以花*; 遠藤 駿典; Doskow, J.*; 藤岡 宏之*; 広田 克也*; 亀田 健斗*; 木村 敦; 北口 雅暁*; Luxnat, M.*; et al.

Physical Review C, 107(5), p.054602_1 - 054602_7, 2023/05

 被引用回数:1 パーセンタイル:68.16(Physics, Nuclear)

$$s$$波共鳴と$$p$$波共鳴の混合に起因するParity violationの増幅が観測されている$$^{131}$$Xe+nにおける3.2eV共鳴からのガンマ線の中性子エネルギーに依存する角度分布を測定した。$$p$$波共鳴からのガンマ線の遷移を同定し、1807keVの終状態に遷移する7132keVガンマ線の角度分布を評価した。この角度分布は$$s$$波共鳴と$$p$$波共鳴の干渉による結果と考えられており、複合核におけるParity violationの増幅メカニズムの理解に役立つ。

論文

Measurement of the transverse asymmetry of $$gamma$$ rays in the $$^{117}$$Sn($$n,gamma$$)$$^{118}$$Sn reaction

遠藤 駿典; 奥平 琢也*; 安部 亮太*; 藤岡 宏之*; 広田 克也*; 木村 敦; 北口 雅暁*; 奥 隆之; 酒井 健二; 嶋 達志*; et al.

Physical Review C, 106(6), p.064601_1 - 064601_7, 2022/12

 被引用回数:2 パーセンタイル:52.69(Physics, Nuclear)

熱外中性子入射により形成される複合核において観測された、空間反転対称性の破れの大きな増幅は、今のところ複合核状態の入射チャネルにおけるパリティの異なる部分波の混合の結果として説明されている。さらに時間反転対称性の破れも同様のメカニズムで増幅されることが示唆されている。この入射チャネルにおける混合は、複合核共鳴から放出される個々のガンマ線のエネルギー依存なスピン-角相関を引き起こす。本研究ではJ-PARC・MLF・ANNRIにて偏極熱外中性子ビームを用い、$$^{117}$$Sn($$n,gamma$$)$$^{118}$$Sn反応におけるガンマ線強度分布が、中性子の偏極方向に依存することを確認した。

論文

Angular distribution of $$gamma$$ rays from the $$p$$-wave resonance of $$^{118}$$Sn

古賀 淳*; 高田 秀佐*; 遠藤 駿典; 藤岡 宏之*; 広田 克也*; 石崎 貢平*; 木村 敦; 北口 雅暁*; 新實 裕大*; 奥平 琢也*; et al.

Physical Review C, 105(5), p.054615_1 - 054615_5, 2022/05

 被引用回数:3 パーセンタイル:66.85(Physics, Nuclear)

J-PACR MLFのパルス中性子源及びBL04 ANNRIに設置されたゲルマニウム検出器を用いて、$$^{117}$$Sn(n,$$gamma$$)反応により生じるガンマ線の中性子エネルギー依存する角度分布を測定した。$$^{117}$$Snの複合核状態から$$^{118}$$Snの基底状態への遷移で発生する9327keVのガンマ線に関して、角度によって1.33eVの$$p$$波共鳴の形状が変わることが明らかに確認できた。この共鳴の低エネルギー側の積分値と高エネルギー側の積分値をそれぞれ$$N_{L}, N_{H}$$で表したとき、非対称性$$A_{LH}=(N_{L}-N_{H})/(N_{L}+N_{H})$$$$A$$cos$$theta_{gamma}+B$$という角度依存をし、それぞれのパラメータ値が$$A=0.394pm0.073$$$$B=0.118pm0.029$$であることがわかった。

論文

Energy-dependent angular distribution of individual $$gamma$$ rays in the $$^{139}$$La($$n, gamma$$)$$^{140}$$La$$^{ast}$$ reaction

奥平 琢也*; 遠藤 駿典; 藤岡 宏之*; 広田 克也*; 石崎 貢平*; 木村 敦; 北口 雅暁*; 古賀 淳*; 新實 裕大*; 酒井 健二; et al.

Physical Review C, 104(1), p.014601_1 - 014601_6, 2021/07

 被引用回数:4 パーセンタイル:57.13(Physics, Nuclear)

Neutron energy-dependent angular distributions were observed for individual $$gamma$$ rays from the 0.74 eV $$p$$-wave resonance of $$^{139}$$La+$$n$$ to several lower excited states of $$^{140}$$La. The $$gamma$$-ray signals were analyzed in a two dimensional histogram of the $$gamma$$-ray energy, measured with distributed germanium detectors, and neutron energy, determined with the time-of-flight of pulsed neutrons, to identify the neutron energy dependence of the angular distribution for each individual $$gamma$$ rays. The angular distribution was also found for a photopeak accompanied with a faint $$p$$-wave resonance component in the neutron energy spectrum. Our results can be interpreted as interference between $$s$$- and $$p$$-wave amplitudes which may be used to study discrete symmetries of fundamental interactions.

論文

Unified mercury radioactivity monitoring system at J-PARC and its operation experiences

原田 正英; 関島 光昭*; 森川 宣之*; 増田 志歩; 木下 秀孝; 酒井 健二; 甲斐 哲也; 春日井 好己; 武藤 儀一*; 鈴木 彰夫*; et al.

JPS Conference Proceedings (Internet), 33, p.011099_1 - 011099_6, 2021/03

J-PARC MLFでは、ゲルマニウム半導体検出器(Ge検出器)を用いた$$gamma$$線エネルギー解析により、系から漏洩した放射性物質を観測することで、水銀標的及び水銀循環系の故障の兆候を見つけ出すための統合水銀放射能モニター(UHAM)を設置しており、3つのサンプリングポートと放射線モニターとの組み合わせにより構成されている。(1)HAM(水銀容器と冷却水容器のヘリウムガス層を監視する)、(2)CAM(水銀循環系が稼働しているホットセルの空気を監視する)、(3)VAM(水銀容器が設置されているヘリウムベッセル内のヘリウムガスを監視する)。放射性物質の漏洩が検知されると、即座に警報が発報し、加速器制御系へ運転停止信号が送られる。ソフトウェアとハードウェアは、毎年適宜更新されている。例えば、HAMを二重化するための2台のGe検出器の設置、各系統に高計数率時のGe検出器への補償として、NaIシンチレーション検出器の設置を行っている。2015年4月の水銀容器の冷却水の漏洩時には、UHAMは活躍した。すなわち、VAMが、ヘリウムベッセル内の計数率の異常上昇を検知した。その後、測定された放射性物質の情報から、水銀の漏洩ではなく冷却水の漏洩であることを明らかにした。

論文

Transverse asymmetry of $$gamma$$ rays from neutron-induced compound states of $$^{140}$$La

山本 知樹*; 奥平 琢也; 遠藤 駿典; 藤岡 宏之*; 広田 克也*; 猪野 隆*; 石崎 貢平*; 木村 敦; 北口 雅暁*; 古賀 淳*; et al.

Physical Review C, 101(6), p.064624_1 - 064624_8, 2020/06

 被引用回数:9 パーセンタイル:73.66(Physics, Nuclear)

An sp-mixing model, which describes a compound nuclear reaction by mixing partial waves, predicts a correlation term in this reaction. The correlation term $$sigma_n$$ $$cdot$$ ($$k_n$$ $$times$$ $$k_gamma$$) in the $$^{139}$$La(n,$$gamma$$) reaction has been studied by measuring $$gamma$$-ray and neutron energies utilizing epithermal polarized neutrons and germanium detectors. The transverse asymmetry for single $$gamma$$-ray transition was measured to be 0.60 $$pm$$ 0.19 in the p-wave resonance.

論文

Measurement of the angular distribution of $$gamma$$-rays after neutron capture by $$^{139}$$La for a T-violation search

奥平 琢也; 清水 裕彦*; 北口 雅暁*; 広田 克也*; Haddock, C. C.*; 伊藤 維久也*; 山本 知樹*; 遠藤 駿典*; 石崎 貢平*; 佐藤 匠*; et al.

EPJ Web of Conferences, 219, p.09001_1 - 09001_6, 2019/12

原子核が熱外中性子を共鳴吸収する反応において、弱い相互作用起因のパリティ対称性の破れが核子間相互作用の最大10$$^{6}$$倍増幅される現象が観測されている。この反応では時間反転対称性の破れにも同様の増幅効果があることが理論的に予言されており、全く新しい手法で未知の時間反転対称性の破れを世界最高感度で探索できる可能性がある。しかし、その増幅率は全ての核種で未知であり、この手法がもつ可能性を具体的に議論できていなかった。本研究ではJ-PARC, MLF, BL04のGe検出器群を用いて、$$^{139}$$La(n,$$gamma$$)反応の角度分布測定を行い、世界で初めて$$^{139}$$Laで時間反転対称性の破れの増幅率を求めることに成功した。この結果を用いて、実験に必要な測定時間を見積もると、偏極率40%のLa核偏極技術、偏極率70%, 79atm・cmの$$^3$$He Spin Filterを用意すれば、1.4日の測定で世界最高感度で時間反転対称性の破れ探索実験が可能であることが判明した。現在原子力機構では高性能な$$^3$$He Spin Filterの開発を行なっており、本発表では$$gamma$$線の角度分布測定の結果、及び共用ビームラインに適用するための$$^3$$He Spin Filterの開発の現状について発表する。

報告書

J-PARC物質・生命科学実験施設の全体制御システムの進捗状況

酒井 健二; 大井 元貴; 高田 弘; 甲斐 哲也; 中谷 健; 小林 庸男*; 渡邊 聡彦*

JAEA-Technology 2018-011, 57 Pages, 2019/01

JAEA-Technology-2018-011.pdf:4.98MB

核破砕中性子源やミュオン標的などを安全に効率よく運転するために、物質・生命科学実験施設(MLF)は、専用の全体制御システム(GCS)を持ち、運転状況に応じた機器の監視操作やインターロックを運用している。GCSは、その役割に応じて、ネットワーク系(LAN), 統括制御系(ICS), サーバー, インターロック系(ILS), タイミング配信系(TDS)など幾つかのサブシステムで構成される。GCSは、MLF内の機器を独自に運転制御する一方、J-PARCの加速器や他実験施設と連動しながらMLFの安定したビーム運転を実現している。2008年度のビーム運転開始以来、GCSは運転制御コミッショニングに基づく改修を経て、システム性能を継続的に維持する視点から、ICSの大幅なアップグレードやILSの機能拡張を実施してきた(2010年度-2015年度)。この様に運転開始から約10年間、GCSには全般に渡って数多くの追加・変更がなされてきた。したがってGCS高度化の今後の方向性を決めるために、これまでの高度化の履歴とGCSの現況を把握することが重要と考え、2017年度時のGCSの構成・機能・役割を整理して取り纏めた。

論文

Numerical evaluation on fluctuation absorption characteristics based on nuclear heat supply fluctuation test using HTTR

高田 昌二; 本多 友貴*; 稲葉 良知; 関田 健司; 根本 隆弘; 栃尾 大輔; 石井 俊晃; 佐藤 博之; 中川 繁昭; 沢 和弘*

Proceedings of 9th International Topical Meeting on High Temperature Reactor Technology (HTR 2018) (USB Flash Drive), 7 Pages, 2018/10

HTGRに接続する核熱利用システムの設計では、化学プラント会社の容易な参入を可能にするため、非原子炉級で設計されるが、熱利用システムで異常が発生した場合でも原子炉の運転を継続できることとしている。需要地近接立地で負荷追従運転を実現するため、原子炉入口および出口冷却材温度を一定に保ちながら一次系ガス圧力を変化させるインベントリ制御は原子炉出力を制御する方法の候補の1つとされている。HTTRを用いた非核加熱運転による熱負荷変動吸収試験結果をもとに、異なる一次系ガス圧力で原子炉入口温度をステップ状に変動させた。数値解析の結果、圧力の低下により変動吸収特性が劣化しないことが明らかになった。また、原子炉出力の80%でも、原子炉出口温度がスクラムレベルに達しないことも明らかにした。

論文

Angular distribution of $$gamma$$ rays from neutron-induced compound states of $$^{140}$$La

奥平 琢也*; 高田 秀佐*; 広田 克也*; 木村 敦; 北口 雅暁*; 古賀 淳*; 長元 孝介*; 中尾 太郎*; 岡田 晏珠*; 酒井 健二; et al.

Physical Review C, 97(3), p.034622_1 - 034622_15, 2018/03

 被引用回数:12 パーセンタイル:71.12(Physics, Nuclear)

The angular distribution of individual $$gamma$$ rays, emitted from a neutron-induced compound-nuclear state via radiative capture reaction of $$^{139}$$La$$(n,gamma)$$ has been studied as a function of incident neutron energy in the epithermal region by using germanium detectors. An asymmetry $$A_{LH}$$ was defined as $$frac{N_{L}-N_{H}}{N_{L}+N_{H}}$$, where $$N_L$$ and $$N_H$$ are integrals of low- and high-energy region of a neutron resonance respectively, and we found that $$A_{LH}$$ has the angular dependence of $$(A cos theta_{gamma} + B)$$, where $$theta_{gamma}$$ is the emitted angle of $$gamma$$ rays, with $$A =- 0.3881 pm 0.0236$$ and $$B =- 0.0747 pm 0.0105$$ in 0.74-eV p-wave resonance. This angular distribution was analyzed within the framework of interference between s- and p-wave amplitudes in the entrance channel to the compound-nuclear state, and it is interpreted as the value of the partial p-wave neutron width corresponding to the total angular momentum of the incident neutron combined with the weak matrix element, in the context of the mechanism of enhanced parity-violating effects. Additionally, we use the result to quantify the possible enhancement of the breaking of time-reversal invariance in the vicinity of the p-wave resonance.

論文

Characterization of germanium detectors for the measurement of the angular distribution of prompt $$gamma$$-rays at the ANNRI in the MLF of the J-PARC

高田 秀佐*; 奥平 琢也*; 後藤 文也*; 広田 克也*; 木村 敦; 北口 雅暁*; 古賀 淳*; 中尾 太郎*; 酒井 健二; 清水 裕彦*; et al.

Journal of Instrumentation (Internet), 13(2), p.P02018_1 - P02018_21, 2018/02

 被引用回数:6 パーセンタイル:31.02(Instruments & Instrumentation)

In this study, the germanium detector assembly, installed at the Accurate Neutron Nuclear Reaction measurement Instruments (ANNRI) in the Material and Life Science Facility (MLF) operated by the Japan Proton Accelerator Research Complex (J-PARC), has been characterized for extension to the measurement of the angular distribution of individual $$gamma$$-ray transitions from neutron-induced compound states. We have developed a Monte Carlo simulation code using the GEANT4 toolkit, which can reproduce the pulse-height spectra of $$gamma$$-rays from radioactive sources and (n,$$gamma$$) reactions. The simulation is applicable to the measurement of $$gamma$$-rays in the energy region of 0.5-11.0 MeV.

論文

Investigation of absorption characteristics for thermal-load fluctuation using HTTR

栃尾 大輔; 本多 友貴; 佐藤 博之; 関田 健司; 本間 史隆; 澤畑 洋明; 高田 昌二; 中川 繁昭

Journal of Nuclear Science and Technology, 54(1), p.13 - 21, 2017/01

 被引用回数:1 パーセンタイル:10.62(Nuclear Science & Technology)

原子力機構ではGTHTR300Cの設計研究を行っている。水素製造施設のような熱利用系において発生した異常による熱負荷の変動が発生した場合でも、原子炉システムは、安定かつ安全な運転、更に安定な電力供給を継続することが求められている。そのためには、熱負荷変動を原子炉システムで吸収でき、安定かつ安全な運転を継続できることを実証する必要がある。原子力機構では、原子炉及びIHXによる熱負荷変動吸収特性を明らかにするために、核熱を伴わない熱負荷変動吸収試験を計画・実施した。その結果、原子炉は予想より大きな吸収容量を有しており、IHXも熱利用系で発生した熱負荷変動を吸収できることを明らかにすることができた。このことから、原子炉及びIHXは、熱利用系で発生した熱負荷変動の有意な吸収容量を有していることを確認した。さらに、RELAP5/MOD3に基づいた安全評価コードは、熱負荷変動吸収挙動を保守的に評価できることを確認した。

論文

Nuclear heat supply fluctuation tests by non-nuclear heating with HTTR

稲葉 良知; 関田 健司; 根本 隆弘; 本多 友貴; 栃尾 大輔; 佐藤 博之; 中川 繁昭; 高田 昌二; 沢 和弘

Journal of Nuclear Engineering and Radiation Science, 2(4), p.041001_1 - 041001_7, 2016/10

高温ガス炉の熱利用系は、化学プラントメーカーの参入拡大と経済性向上のため、非原子力級として設計される。したがって、熱利用系で異常事象が生じても、原子炉の運転を続けられることが必要である。原子力機構は、異常事象後に原子炉の運転を続ける際の熱負荷変動吸収を評価するための計算コードを開発し、HTTRの運転データを用いてコードを改良してきた。しかしながら、更なるコードの改良のためには、原子炉入口冷却材温度の変動に対応する炉側部金属及び炉心支持黒鉛構造物の過渡温度挙動に関するデータが不足していた。そこで、HTTRを使った核熱供給変動試験を、熱的効果に焦点を絞った非核加熱運転で実施した。試験では、冷却材ヘリウムガス温度をガス循環機の圧縮熱によって120$$^{circ}$$Cまで加熱し、新しい試験手順を考案することによって17$$^{circ}$$Cの十分高い温度変動を核出力のない理想条件下で原子炉入口冷却材に加え、炉側部金属及び炉心支持黒鉛構造物の温度応答を調べた。試験結果は、炉側部金属の温度応答が炉心支持黒鉛構造物より速いことを予測通り適切に示した。また、炉側部金属による熱負荷変動吸収のメカニズムを明らかにした。

報告書

HTTRを用いた熱負荷変動試験(非核加熱試験); 温度過渡に対する高温ガス炉システム応答特性の確認

本多 友貴; 栃尾 大輔; 中川 繁昭; 関田 健司; 本間 史隆; 澤畑 洋明; 佐藤 博之; 坂場 成昭; 高田 昌二

JAEA-Technology 2016-016, 16 Pages, 2016/08

JAEA-Technology-2016-016.pdf:2.84MB

高温工学試験研究炉(HTTR)では、温度過渡に対する高温ガス炉システム全体の応答特性を明らかにしシステム解析コードに反映することを目的とし、熱負荷変動試験(非核加熱試験)を実施した。原子炉システムでの熱負荷変動特性に対して、炉床部炉内構造物等のフィン効果等が影響する。一方、原子炉の運転中では炉心での発熱による干渉により、フィン効果の定量化が困難となる。このため、本試験では、上記弊害を排除できる非核加熱という理想的な条件において実施した。熱負荷変動試験(非核加熱試験)は、温度過渡に対する原子炉の応答特性を確認する核熱供給試験(非核加熱試験)と、中間熱交換器の応答特性を確認する熱利用系異常模擬試験(非核加熱試験)により成る。HTTRを用いた2つの非核加熱試験により、温度過渡に対する高温ガス炉システムの応答特性データを取得した。

論文

Progress of the general control system for the Materials and Life Science Experimental Facility in J-PARC

酒井 健二; 大井 元貴; 渡辺 聡彦; 甲斐 哲也; 加藤 裕子; 明午 伸一郎; 高田 弘

JAEA-Conf 2015-002, p.593 - 598, 2016/02

安全で安定なビーム運転のために、MLFでは、統括制御、インターロック、サーバ、ネットワーク、タイミング配信システムからなる全体制御システム(MLF-GCS)を稼働している。2008年の最初の陽子ビームの受け入れ以来、MLF-GCSは、ビームパワー増強に伴うターゲット機器のアップグレードや、ユーザー実験装置の毎年の増設に対応しながらも、大きなトラブルもなく安定した運転を実現してきた。しかしながら、近年は、長期に渡る継続的な施設運転の観点から、GCSの大掛かりな改造が進められている。例えば、メンテナンス時の柔軟性を高める目的で、基盤ソフトウェアを変更することで、GCSの監視操作システムがアップグレードされた。またJ-PARCの安全体制の再構築に従い、GCSのインターロックシステムも改良された。本論文では、MLF-GCSの近年の進捗状況について報告する。

論文

Upgrade of monitoring and operation systems for the MLF-GCS base on EPICS and CSS

大井 元貴; 酒井 健二; 渡辺 聡彦; 圷 敦; 明午 伸一郎; 高田 弘

JPS Conference Proceedings (Internet), 8, p.036007_1 - 036007_5, 2015/09

J-PARC物質生命科学実験施設(MLF)では、PLC,操作端末(OPI),インターロックシステム,サーバー等で構成されるMLF統括制御システム(MLF-GCS)によって、MLFを構成する様々な機器を統括制御しているが、OPIに使用しているSCADAソフト(iFiX)のOS依存性やバージョン互換性に欠点があった。そこで、これらの問題を解決するため、EPICSをベースに使用したシステムへ更新した。OPIにはControl System Studioを採用し、データベースにPostgreSQLを採用した。新システムは2014年1月から既存のMLF統括制御システムに接続し運用を開始した。7月まで施設運転に供しながら不具合の修正を行い、特に問題なく動作することを確認した。本件では、約7000点のデータと130画面を有する新システムおよびその性能について報告する。

論文

Nuclear heat supply fluctuation test by non-nuclear heating using HTTR

高田 昌二; 関田 健司; 根本 隆弘; 本多 友貴; 栃尾 大輔; 稲葉 良知; 佐藤 博之; 中川 繁昭; 沢 和弘

Proceedings of 23rd International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-23) (DVD-ROM), 7 Pages, 2015/05

高温ガス炉熱利用系の安全設計方針の策定のため、原子炉に対する外乱の影響を評価する必要がある。出力運転における核熱供給試験を模擬するため、新たな試験手順を考案して、核熱供給試験(コールド)を実施した。熱利用システムにおける異常事象の安全評価を行うため、試験結果は、炉床部温度を計算する数値解析コードの解析モデルの検証に使われた。試験では、ヘリウムガス温度がヘリウムガス圧縮機の圧縮熱により120$$^{circ}$$Cまで加熱された状態で、十分高い外乱を原子炉入口温度に付加する必要がある。しかし、冬季運転において、冷却水の凍結防止のため、最終ヒートシンクからの放熱に技術的な制限があった。試験手順の改善の結果、十分な温度外乱が原子炉入口温度に投入された。金属構造物の応答は炉床部構造物の黒鉛ブロック温度の応答より速いことがわかった。温度の応答は、構造物の熱容量、外乱の大きさ及び伝熱条件に大きく影響を受けた。

論文

Development of operation and maintenance technology for HTGRs by using HTTR (High Temperature engineering Test Reactor)

清水 厚志; 川本 大樹; 栃尾 大輔; 齋藤 賢司; 澤畑 洋明; 本間 史隆; 古澤 孝之; 七種 明雄; 高田 昌二; 篠崎 正幸

Nuclear Engineering and Design, 271, p.499 - 504, 2014/05

 被引用回数:6 パーセンタイル:42.97(Nuclear Science & Technology)

高温ガス炉の技術基盤の確立するため、平成22年1月から3月にかけて、HTTRを用いた50日間の高温試験運転を実施した。高温ガス炉の運転管理では、水素製造システムへの安定した熱供給を行うために、長期運転時のプラントの安定性、機器の信頼性を実証する必要がある。このため、事前に長期運転での技術的課題を抽出し、高温連続運転によりデータを取得し、評価を行った。その結果、高温機器の伝熱性能、ヘリウム漏えい管理、ヘリウム循環機等の動的機器の信頼性、遮へい体の昇温防止性能等、高温ガス炉特有の設備・機器について、長期連続運転での安定性、信頼性を実証した。本高温連続運転により高温ガス炉の運転管理・保守技術基盤を確立した。

論文

Operation status of interlock system of Materials and Life Science Experimental Facility (MLF) in J-PARC

酒井 健二; 甲斐 哲也; 大井 元貴; 渡辺 聡彦; 中谷 健; 髭本 亘; 明午 伸一郎; 坂元 眞一; 高田 弘; 二川 正敏

Progress in Nuclear Science and Technology (Internet), 4, p.264 - 267, 2014/04

J-PARCの物質・生命科学実験施設(MLF)は、陽子ビームをターゲットに入射し、大強度の中性子・ミュオンビームを発生させ、実験装置に供給する施設である。MLFでは、ビーム運転の他、機器保守、実験装置増強などの作業に対して安全を確保するために、MPS, TPS, PPSという3種類のインターロックシステムを運用している。これらのインターロックシステムは、J-PARCの中央制御室を通じて加速器や他実験施設と連動して運用される。MPSは想定外のビーム照射から機器を保護し、TPSは中性子ターゲットに特化して重大なトラブルを防ぐ役割を果たす。PPSは運転員を高放射線による被曝から保護する。さらに、PPSは、線源保守エリアへの入退室を制限したり、利用者の実験装置室への安全な入退室を管理する役割も持つ。MLFインターロックシステムは、2008年の5月にビーム運転を開始した後、ターゲット関連機器の増強や段階的な実験装置の増設に応じて対象を拡大しているが、これまでトラブルなく安定に運用されてきた。本発表では、MLFインターロックシステムの設計概念,構成,運転状況及びアップグレードなどについて報告する。

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