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今井 誠*; 左高 正雄*; 松田 誠; 岡安 悟; 川面 澄*; 高廣 克己*; 小牧 研一郎*; 柴田 裕実*; 西尾 勝久
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 354, p.172 - 176, 2015/07
被引用回数:14 パーセンタイル:73.72(Instruments & Instrumentation)炭素薄膜通過後の2.0MeV/uの炭素イオンについて平衡状態および非平衡状態の両方の電荷分布を実験的に調べた。測定された電荷状態分布は、10g/cmの標的厚さで平衡に達し、これは98g/cmの最大標的厚さまで変化しなかった。平衡電荷分布、平衡平均電荷、および平衡分布の幅と傾きを、ETACHAコードを含むシミュレーション結果だけでなく、既存の半経験式を用いた予測と比較した。C, C, C入射イオンの電荷分布, 平均電荷状態および分布幅は、平衡前の領域で5.7g/cmの標的厚さで準平衡値に合流し、そして同じ速度での硫黄イオンで既に示されているように、CおよびCイオンを含む全ての初期荷電状態についての真の平衡値に到達している。ETACHAと単一電子移動のみを考慮したレート方程式の2種類のシミュレーションを使用することで、測定された電荷状態の変化を定性的に再現した。準平衡な挙動はETACHAコードで再現できるが、初歩的なレート方程式では再現できない。
川口 和弘*; 山本 春也; 吉川 正人; 高廣 克己*
Thin Solid Films, 562, p.648 - 652, 2014/07
被引用回数:4 パーセンタイル:18.88(Materials Science, Multidisciplinary)シクロヘキサンに代表される有機ハイドライドは、水素を可逆的に放出・吸蔵できることから水素の貯蔵・輸送媒体として有望視されている。しかし、揮発した有機ハイドライドは、可燃性ガスであることから、漏洩した有機ハイドライドを安全に検知するセンサーの開発が課題の一つとなっている。本研究では、配列した金ナノ粒子で発現する表面プラズモン共鳴吸収特性が表面吸着物により変化する現象を利用した有機ハイドライド検知材料の開発を目的に、スパッタリング法を用いて石英基板上に基板温度、蒸着量をパラメータに金ナノ粒子を形成し、シクロヘキサンに対するプラズモン共鳴吸収特性を調べた。その結果、成膜時の基板温度: 300C、蒸着量: 4.410atoms/cmで形成した金ナノ粒子がシクロヘキサンに対して高い検知性能を示し、室温で爆発限界(1.3vol%)以下の0.5vol%の検知が可能であることを見出した。
高廣 克己*; 水口 友貴*; 川口 和弘; 一色 俊之*; 西尾 弘司*; 笹瀬 雅人*; 山本 春也; 西山 文隆*
Applied Surface Science, 258(19), p.7322 - 7326, 2012/07
被引用回数:3 パーセンタイル:14.19(Chemistry, Physical)SiO等の誘電体中に埋め込まれた銀(Ag)等の金属ナノ粒子は、非線形な誘電特性を示すことから非線形光学素子への応用が期待されている。本研究では、イオン注入法を用いてSi基板を熱酸化して形成したSiO層(300nm)注入にAgイオン注入(加速電圧:350keV、照射量:0.37-1.210 ions/cm)を行い、透過電子顕微鏡法,ラザフォード後方散乱法等を用いて、注入後の試料の構造評価を行った。その結果、注入Agイオンの投影飛程に相当する深さ近傍に直径25-40nmの銀ナノ粒子が、SiO/Si界面には直径数nmの銀ナノ粒子が、それぞれ規則的に配列して形成されることがわかった。さらに、X線光電子分光,X線回折の測定結果から、これらのAgナノ粒子は、酸化及び硫化に対して耐性があり1.5年以上その構造が保たれることがわかった。
川口 和弘; 齋藤 正裕*; 高廣 克己*; 山本 春也; 吉川 正人
Plasmonics, 6(3), p.535 - 539, 2011/09
被引用回数:8 パーセンタイル:27.75(Chemistry, Physical)銀ナノ粒子の表面にガス分子が吸着し粒子近傍の誘電率が変化すると、銀ナノ粒子の局在型表面プラズモン共鳴(LSPR)によって生じる可視光領域の吸収ピークが変化する。この現象を漏洩ガスの光学的検知に応用し、ガスセンサーを作製しようとする試みが行われているが、センサー材料として応用するには、安定したLSPRを発現する銀ナノ粒子を再現性よく作製する技術が必要となる。このため銀ナノ粒子を着床させた透明基板を試料とし、作製手法と得られる吸収ピークの強度や位置との関連性が研究されているが、理論値と異なることが多く、その原因はよくわかっていない。筆者らは、銀ナノ粒子作製時に表面に付着するさまざまな付着物がその原因であると推定し、作製した銀ナノ粒子に表面洗浄法として知られているプラズマ処理を行い、吸収ピークの位置や強度の変化を調べた。その結果、プラズマ処理後吸収ピークの幅が狭くなり短波長側へとシフトして理論値に近づく傾向が認められた。さらに、プラズマ処理で銀ナノ粒子表面の炭素系付着物が減少することがラマン散乱分析からわかり、吸収ピークの実験値と理論値の違いは、銀ナノ粒子表面の炭素系付着物に影響することが示唆された。
高廣 克己*; 尾崎 孝一*; 川面 澄*; 永田 晋二*; 山本 春也; 鳴海 一雅; 楢本 洋*
Applied Surface Science, 256(4), p.972 - 975, 2009/11
被引用回数:12 パーセンタイル:46.92(Chemistry, Physical)In order to investigate the allotropic effect on ripple pattern formation, highly oriented pyrolytic graphite (HOPG) and single crystalline diamond were irradiated with 10-200 keV Xe at an incident angle of 60 with respective to the surface normal. The irradiation fluence was 2 10 cm for all irradiations. Ripple patterns were observed on both HOPG and diamond surfaces. However, large differences in ripple wavelengths, amplitudes and surface roughnesses between HOPG and diamond were recognized. The reason for these differences is discussed.
高廣 克己*; 大泉 信之助*; 森本 圭一*; 川面 澄*; 一色 俊之*; 西尾 弘司*; 永田 晋二*; 山本 春也; 鳴海 一雅; 楢本 洋*
Applied Surface Science, 256(4), p.1061 - 1064, 2009/11
被引用回数:8 パーセンタイル:35.82(Chemistry, Physical)In X-ray photoelectron spectroscopy (XPS) of Au nanoparticles, the width of 5d valence band changes with Au particle size. This enables us to estimate the size of Au nanoparticles by using XPS. In this work, the 5d-band width has been measured for Au nanoparticles formed by ion implantation into SiO. The 5d-band width is found to be correlated strongly with the Au concentration. As the Au concentration increases, the 5d-band width becomes larger, indicating that the Au nanoparticles with the larger size tend to be formed in the vicinity of the projected range of Au ions. This correlation agrees very well with the results from transmission electron microscopy.
永田 晋二*; 笹瀬 雅人*; 高廣 克己*; 土屋 文*; 井上 愛知; 山本 春也; 四竈 樹男*
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 267(8-9), p.1514 - 1517, 2009/03
被引用回数:9 パーセンタイル:53.04(Instruments & Instrumentation)Zr基金属ガラスの構造変化及び微細結晶化に及ぼすイオンビーム照射効果について調べた。ZrAlNiCuからなる厚さ2mmの板状試料と薄膜試料に対して、室温のもとMg, P, Au及びBiイオンを100500keVの範囲で、最大210ions/cmまで照射した。X線回折を用いて照射試料の結晶構造を観察した結果、照射による長周期構造変化は見られなかった。Mgイオン照射した試料以外ではTEM観察によってfcc-ZrCuの析出を観察することができた。また、Auイオンを照射した試料ではX線光電子分光法によりAu-Zr又はAu-Cu金属間化合物の形成が認められた。これらの結果から、イオン照射は、金属ガラスの長周期構造にあまり影響を与えないが、金属間化合物の析出を促進させる効果があり、その効果は重イオンであるほど顕著であることが明らかになった。
永田 晋二*; 小西 芳紀*; 土屋 文*; 藤 健太郎*; 山本 春也; 高廣 克己*; 四竈 樹男*
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 257(1-2), p.519 - 522, 2007/04
被引用回数:7 パーセンタイル:49.61(Instruments & Instrumentation)プロトン伝導性を示すパーフルオロスルホン酸系高分子膜について、電気伝導特性に及ぼすMeV領域のイオンビームの照射効果を調べた。膜試料に対して、イオン種と照射量を変えた照射を行い、膜試料の電気伝導度の変化を調べた。その結果、水素(H)及びヘリウム(He)イオンを単位面積あたりの照射量が210ions/cmまで照射すると、膜試料の電気伝導度が約3桁上昇することがわかった。さらに、イオン照射を行った膜に対して可視,紫外分光及び赤外分光を用いて膜中の化学結合状態を調べたところ、フッ素と炭素からなる不活性な化合物(パーフルオロカーボン,PFC)とペロキシラジカルの形成が確認できた。これよりイオン照射によって形成されるPFCなどの化合物が膜試料中のプロトン伝導性を高くする要因の一つであると考えられる。
永田 晋二*; 東 誠二郎*; 土屋 文*; 藤 健太郎*; 四竈 樹男*; 高廣 克己*; 尾崎 孝一*; 川面 澄*; 山本 春也; 井上 愛知
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 257(1-2), p.420 - 423, 2007/04
被引用回数:16 パーセンタイル:71.35(Instruments & Instrumentation)代表的な金属ガラスであるZrAlNiCu合金に対してイオン照射を行い、その構造及び初晶挙動について研究を行った。実験では、厚さ50-100mの膜状試料に300-500keVのエネルギーに加速した水素(H),銀(Ag),銅(Cu)、及び金(Au)のイオン照射を行った後、X線回折法により結晶構造を調べた。その結果、照射直後の試料の構造に変化は見られず、照射したイオン種による違いも見いだせなかった。さらに、イオン照射した試料に対して熱処理を行うと準安定相の形成が確認された。これらの事実から、初晶は、エネルギー付与が多くなるとその成長速度が遅くなる傾向のあることがわかった。これは、イオンの線エネルギー付与が大きくなるにつれ形成される準安定相の核生成サイトが増加するためであると考えられた。
今井 誠*; 左高 正雄; 川面 澄*; 高廣 克己*; 小牧 研一郎*; 柴田 裕実*; 須貝 宏行; 西尾 勝久
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 256(1), p.11 - 15, 2007/03
被引用回数:6 パーセンタイル:45.33(Instruments & Instrumentation)重イオンの照射効果においてはイオン電荷により効果が異なる。そのためイオン電荷は重要なパラメーターであるが、その電荷は物質内で変化する。物質内の重イオンの電荷状態変化を研究するためタンデム加速器からの高エネルギー多価硫黄イオンを炭素薄膜に通過させ、イオンの電荷分布と炭素薄膜の厚さによる電荷変化の進展を測定した。入射イオンの電荷は6+から14+まで、薄膜の厚さは電荷が平衡に達する厚さよりも薄い0.9, 1.1, 1.5, 2.0, 3.0, 4.7, 6.9, 10.0g/cmについてそれぞれ測定した。一電子移行のrate方程式に基づくETACHAコードによりそれぞれの膜厚での出射イオンの電荷の平均値と電荷の分布幅についてはよく一致することがわかった。
高廣 克己*; 大泉 信之助*; 寺井 睦*; 川面 澄*; 土屋 文*; 永田 晋二*; 山本 春也; 楢本 洋; 鳴海 一雅; 笹瀬 雅人*
Journal of Applied Physics, 100(8), p.084325_1 - 084325_6, 2006/10
被引用回数:29 パーセンタイル:67.86(Physics, Applied)ガラス状炭素へ注入したAuクラスターのサイズの推定のため、X線光電子分光法を利用した。4f及び5d光電子スペクトルの解析から、注入Au原子濃度に応じて、クラスターサイズは0.7-2.5nmの分布を示した。さらに、4f電子の結合エネルギーのシフト量と5d電子のエネルギーレベルの分裂量の相関を求め、Auクラスターが炭素表面と内部に有るときで、異なった結果になることを見いだした。これは、光電子放出時の最終状態でのクラスター周辺のクーロン荷電現象に対する化学的な環境効果によるものと結論した。
高廣 克己*; 寺井 睦*; 川面 澄*; 楢本 洋; 山本 春也; 土屋 文*; 永田 晋二*; 西山 文隆*
Japanese Journal of Applied Physics, Part 1, 45(3A), p.1823 - 1825, 2006/03
被引用回数:2 パーセンタイル:8.54(Physics, Applied)-AlOはイオンが入射しても安定に帯電する。この現象を利用して、ラザフォード後方散乱(RBS)実験で、散乱粒子の荷電状態を識別した。ランダム条件でのRBS実験ではCu/Au/-AlOを用い、Cu, Au夫々の成分に対応して二つのピークが検出された。チャネリング条件下でのRBS実験では-AlO単体を用い、Al, O夫々からの散乱に対応する、計4個の表面ピークを確認した。後方散乱粒子の電荷分布は、強度解析から定量的にできる。
高廣 克己*; 寺井 睦*; 大泉 信之助*; 川面 澄*; 山本 春也; 楢本 洋
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 242(1-2), p.445 - 447, 2006/01
被引用回数:9 パーセンタイル:53.25(Instruments & Instrumentation)高配向性黒鉛,等方性黒鉛,ガラス状炭素,Cなどの炭素同素体にイオン照射した結果誘起される非晶質状態をX線光電子分光法及びラマン分光法により調べた。その結果、イオン照射量の増加に伴い「C 1s」線の非対称性が増すことを見いだした。「C 1s」線の非対称性は、黒鉛のドメインサイズとは無関係で、結合角の乱れなどの局所の構造乱れと関係するとの結論を得た。
那須 昭一*; 永田 晋二*; 吉井 樹一郎*; 高廣 克己*; 菊地 直人*; 草野 英二*; Moto, Shintaro*; 山口 貞衛*; 大橋 憲太郎*; 野田 健治; et al.
粉体および粉末冶金, 52(6), p.427 - 429, 2005/06
酸化リチウムは核融合炉のトリチウム増殖材料の候補材料である。表面をアルミニウム,シリコン又はチタンの保護膜で覆った酸化リチウム単結晶とその上につけたタングステン膜との化学的両立性をラザホード後方散乱法より調べた。保護膜のない酸化リチウムでは573Kで1分及び623-673Kで1分の加熱でタングステンとの化学反応が見られた。一方、保護膜をつけた酸化リチウムでは、すべての試料について、573Kにおける1分の加熱で少量のタングステンが保護膜や酸化リチウム中へ拡散することが見られたが、その後の623Kから723Kの加熱において顕著な拡散は見られなかった。このことから、アルミニウム,シリコン又はチタン保護膜は酸化リチウムをタングステンとの反応から保護するために有用であると考えられる。
今井 誠*; 左高 正雄; 川面 澄*; 高廣 克己*; 小牧 研一郎*; 柴田 裕実*; 須貝 宏行; 西尾 勝久
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 230(1-4), p.63 - 67, 2005/04
被引用回数:8 パーセンタイル:52.50(Instruments & Instrumentation)高速重イオンの高速の固体中での挙動を調べるため重イオンビームの極薄い炭素フォイルにより電荷変換させたイオンの電荷分布を測定した。イオン電荷はイオンの電離,励起,荷電変換,阻止能、など放射線と物質の相互作用を研究するための基本的パラメターの一つであり重要である。本研究は従来ある平衡電荷測定ではなく、平衡に達する前の電荷分布の測定であることが特徴である。実験は東海研タンデム加速器からSイオンを加速し、重イオンスペクトロメータENMAを用いて行った。炭素フォイルの厚さは10g/cm-0.9g/cmの8種類、入射イオンは64MeVのSイオンを用いた。電荷6+から13+までのイオンを入射させ出射イオンは電荷6+から13+まで各々のフォイルにつき測定した。測定結果は測定結果をEikonal近似に基づくBesenbacherらの計算と比較した結果、入射イオン電荷が11+の場合以外はよく合わなかった。
川面 澄*; 高広 克巳*; 今井 誠*; 左高 正雄; 小牧 研一郎*; 柴田 裕実*
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 205, p.528 - 532, 2003/05
被引用回数:4 パーセンタイル:33.60(Instruments & Instrumentation)東海研タンデム加速器を利用し高エネルギー領域における0度電子分光法により、ヘリウム原子との衝突による、酸素多価イオン(電荷3から5)からの放出電子スペクトルを測定し、オージェ電子とコスタークロニッヒ電子を同定した。低エネルギー領域においては励起状態は電子捕獲によって励起が起こりやすいが、高エネルギー領域では高励起状態は電子励起で起こりやすい。われわれは低エネルギー衝突による励起と比較し、オージェ電子スペクトルは低エネルギー衝突の場合とは異なっている。コスタークロニッヒ電子スペクトルでも低エネルギーの場合とは異なり、高エネルギー領域では励起状態は比較的低角運動量状態にあることを見いだした。
高広 克巳*; 竹島 直樹*; 川面 澄*; 永田 晋二*; 山本 春也; 鳴海 一雅; 楢本 洋
JAERI-Review 2001-039, TIARA Annual Report 2000, p.188 - 189, 2001/11
窒素イオン注入によるガラス状炭素の表面改質の研究において、表面粗さの増大が問題になった。そこで、非晶質炭素の結合状態を変更するため、水素イオンの追加注入による効果を調べた。実際の実験では、水素イオン注入の代わりに重水素イオンを注入して、結合状態と表面粗さとの相関を調べた。その結果、炭素-窒素の結合状態は表面粗さの増大に関係し、一方水素を付加的に導入すると、炭素,窒素及び水素が3元系の化合物を作り、その結果表面平滑性が保たれることを見出した。
高広 克巳*; 永田 晋二*; 山本 春也; 山口 貞衛*; 楢本 洋
JAERI-Review 99-025, TIARA Annual Report 1998, p.143 - 145, 1999/10
Ag及びClイオンをSiOと-AlOに室温で注入して、その存在状態を、RBS、X線回折、光吸収で調べた研究であり、以下の結論を得た。(1)室温注入でも、AgとClは固相反応して、AgClの超微粒子を形成した。(2)Clは、AgClの形成に関係するだけでなく、Ag自身の析出過程にも影響する。
高廣 克己*; 大泉 信之助*; 川面 澄*; 一色 俊之*; 西尾 弘司*; 永田 晋二*; 山本 春也; 鳴海 一雅; 楢本 洋
no journal, ,
単結晶サファイア(-AlO(0001))及び石英ガラス(SiO)に、500keVのAuイオンを4.010ions/cm注入し、生成されたAuナノ粒子の深さ方向のサイズ評価にX線光電子分光法(XPS)とスパッタエッチングを適用した。-AlO(0001)の場合、Au濃度が高いほどAu 5dと5d価電子帯準位間の分裂幅は広くなり、5d分裂幅においてAu濃度との強い相関が見いだされた。サイズ12nmのAuナノ粒子に対しては、XPSと透過型電子顕微鏡(TEM)から得られたサイズ分布の結果はよく一致した。一方、深さ6070nm及び130150nmにおいては、TEMではAuナノ粒子は観察されなかったが、価電子帯スペクトルでは、そのサイズを0.80.1nmと評価することができた。Auイオン注入SiOでは、サイズ1.55nmのAuナノ粒子が観察された。サイズ2nm以下については、XPSとTEMの結果は誤差の範囲内で良い一致を示した。一方、サイズ25nmについては、サイズ評価の精度が低くなった
高廣 克己*; 小野 泰治*; 尾崎 孝一*; 川面 澄*; 鳴海 一雅; 境 誠司; 楢本 洋*; 山本 春也; 永田 晋二*
no journal, ,
イオン照射によって炭素材料表面上に形成される周期的リップル構造とイオンビーム誘起非晶質化の相関を明らかにするために、炭素同素体材料である高配向性熱分解黒鉛(HOPG)と単結晶ダイヤモンドについて、法線に対して60傾いた方向から5-30keVのXeを210cm照射し、試料表面をスパッタリングした。その結果、ダイヤモンド表面とHOPG表面ではリップル構造に大きな違いが認められた。また、イオン照射後の光電子分光及びオージェ電子分光スペクトルを計測した結果、炭素の種類によらずほぼ同一のスペクトルが得られた。これらの結果から、リップルの形成には照射前の表面の化学結合状態が関与していることを明らかにした。