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上遠野 健一*; 玉井 秀定*; 永吉 拓至*; 伊東 敬*; 高瀬 和之
Proceedings of 8th Japan-Korea Symposium on Nuclear Thermal Hydraulics and Safety (NTHAS-8) (USB Flash Drive), 8 Pages, 2012/12
原子力機構と日立GEニュークリア・エナジーは、軽水炉の安全性や経済性を向上させるための技術開発を協力して行っている。この一環として、ダウンカマ部におけるキャリーアンダー特性を高精度で評価できる技術として、ワイヤーメッシュを利用したボイド率分布計測技術の開発を行っており、これまでに2MPaを超える圧力条件下でダウンカマ部形状を簡略模擬した直径120mm,長さ6600mmの配管内を下降する水-蒸気二相流のボイド率分布を定量的に計測評価できることを確認した。本報では、取得したボイド率分布データをもとに構築したキャリーアンダー特性予測評価モデルの妥当性評価、並びに構築したキャリーアンダー特性予測評価モデルによる実機評価の結果について述べる。
玉井 秀定; 永吉 拓至; 上遠野 健一; 伊東 敬; 高瀬 和之
Proceedings of 7th International Conference on Multiphase Flow 2010 (ICMF 2010) (CD-ROM), 7 Pages, 2010/05
自由液面気液分離方式を採用した革新的水冷却炉や中小型BWRにおいては、上部プレナム内自由液面から発生する液滴の特性(キャリーオーバー特性)の高精度予測が設計上解決すべき重要課題となっている。本研究では、液面下のボイド率分布や液面から発生した液滴の大きさなどを実験的に把握したうえで、液滴流量の機構論的な予測技術の開発を進めている。本論文では、これら測定項目のうち、高圧水蒸気二相流において絞り熱量計を用いて液滴クオリティを計測した結果を報告する。実験は、圧力1.5-2.5MPa,蒸気見かけ速度0.4-1.9m/sの条件において液面からの高さを変化させて実施した。その結果、絞り後の過熱蒸気の温度と湿り蒸気のクオリティの間に強い依存関係があることを確認した。また、測定したデータに基づいて液滴クオリティを予測できる改良モデルを構築し、実機評価を行った結果、自由液面気液分離方式を採用した自然循環軽水炉の設計が成立する見通しを得た。
玉井 秀定; 永吉 拓至; 上遠野 健一; 伊東 敬; 高瀬 和之
日本混相流学会年会講演会2009講演論文集, P. 2, 2009/08
自然循環運転による革新的水冷却炉や中小型BWRにおいては、上部プレナム内自由液面からの液滴キャリーオーバー特性の高精度予測が設計上解決すべき重要課題となっている。この液滴キャリーオーバー特性を実験的に把握し、機構論的な予測技術を開発するための基盤研究を、原子力エネルギー基盤連携センターの軽水炉熱流動技術開発特別グループにおいて進めている。本研究では、データベース構築のために、等エンタルピ変化を利用した絞り熱量計を用いて、圧力1.5-2.5MPa,蒸気見かけ速度0.4-1.9m/sの条件において、自由液面からの高さに対する液滴クオリティ分布を計測した。その結果、これまで試験データ点数が限られていた液滴クオリティが0.001より大きくなる高蒸気流束領域のデータを取得できた。新たに取得した高蒸気流束域のデータに関しても、圧力依存性,蒸気見かけ速度依存性,自由液面からの高さ依存性は従来の知見と同様であることがわかった。
松川 誠; 菊池 満; 藤井 常幸; 藤田 隆明; 林 孝夫; 東島 智; 細金 延幸; 池田 佳隆; 井手 俊介; 石田 真一; et al.
Fusion Engineering and Design, 83(7-9), p.795 - 803, 2008/12
被引用回数:17 パーセンタイル:72.86(Nuclear Science & Technology)JT-60SAは、日欧の幅広いアプローチの下で建設する完全超伝導トカマク装置で、ITERや原型炉への貢献を目指している。2007年の両極の国会批准後、実質的には既に建設段階に移行している。JT-60SAは、既存の建屋,電源,プラズマ加熱装置,計測装置などの、JT-60U設備の最大限の有効利用が前提であり、完全に新作する主たる機器は本体装置のみである。最大プラズマは電流5.5MAで、プラズマ主半径3.06m,アスペクト比2.65,非円形度1.76,三確度0.36である。最大プラズマ加熱入力41MW,プラズマ電流のフラットトップ時間は100秒間である。本論文では、トカマク装置本体だけでなく、プラズマ加熱装置や遠隔保守装置の設計などについても言及するとともに、EUとの技術的な議論を踏まえて行った超伝導導体に関する最近の設計変更案などを紹介し、装置の全体像を明らかにする。
二宮 博正; 秋場 真人; 藤井 常幸; 藤田 隆明; 藤原 正巳*; 濱松 清隆; 林 伸彦; 細金 延幸; 池田 佳隆; 井上 信幸; et al.
Journal of the Korean Physical Society, 49, p.S428 - S432, 2006/12
現在検討が進められているJT-60のコイルを超伝導コイルに置き換える計画(トカマク国内重点化装置計画)の概要について述べる。本計画はITER及び原型炉への貢献を目指しているが、その位置づけ,目的,物理設計及び装置設計の概要,今後の計画等について示す。物理設計については、特に高い規格化ベータ値を実現するためのアスペクト比,形状因子及び臨界条件クラスのプラズマや完全非誘導電流駆動のパラメータ領域等について、装置については物理設計と整合した設計の概要について示す。
永島 芳彦*; 星野 克道; 永岡 賢一*; 篠原 孝司; 藤澤 彰英*; 上原 和也; 草間 義紀; 居田 克巳*; 吉村 泰夫*; 岡村 昇一*; et al.
Plasma and Fusion Research (Internet), 1(9), p.041_1 - 041_15, 2006/09
トロイダルプラズマ周辺での乱流揺動とメソスケール構造との間の非線形過程をバイスペクトル解析により調べた。JFT-2Mでは、リミター配位のみならず、ダイバータ配位についても解析し、ポテンシャル揺動のバイスペクトル関数の強度と位相は、ドリフト波-帯状流系の解析と整合することがわかった。CHS装置においては、Hモードの周辺プラズマについて調べ、重水素線強度の減少の以前(約30ms)から周辺ポテンシャルが減少すること,周辺部揺動は、低周波のMHD揺動,ドリフト波様の広帯域静電揺動、及び高周波の電磁揺動より構成されていることを見いだした。これらの間の非線形結合について解析を行い、コヒーレントMHD揺動と広帯域静電揺動及び高周波電磁揺動の非線形結合を初めて見いだした。
菊池 満; 玉井 広史; 松川 誠; 藤田 隆明; 高瀬 雄一*; 櫻井 真治; 木津 要; 土屋 勝彦; 栗田 源一; 森岡 篤彦; et al.
Nuclear Fusion, 46(3), p.S29 - S38, 2006/03
被引用回数:13 パーセンタイル:41.76(Physics, Fluids & Plasmas)トカマク国内重点化装置(NCT)計画は、大学における成果を取り込みつつJT-60Uに引き続き先進トカマクを進めるための国内計画である。NCTのミッションは発電実証プラントに向けて高ベータ定常運転を実現するとともに、ITERへの貢献を図ることである。高ベータ定常運転を実現するために、装置のアスペクト比,形状制御性,抵抗性壁モードの帰還制御性,電流分布と圧力分布の制御性の機動性と自由度を追求した。
土屋 勝彦; 秋場 真人; 疇地 宏*; 藤井 常幸; 藤田 隆明; 藤原 正巳*; 濱松 清隆; 橋爪 秀利*; 林 伸彦; 堀池 寛*; et al.
Fusion Engineering and Design, 81(8-14), p.1599 - 1605, 2006/02
被引用回数:1 パーセンタイル:9.98(Nuclear Science & Technology)JT-60定常高ベータ装置(トカマク国内重点化装置)は、経済的な核融合炉の実現を目指した定常高ベータプラズマ運転の実証が重要なミッションの一つである。現在、プラズマ形状及びアスペクト比について広いパラメータ領域で研究を行えるように、装置の物理的・技術的設計検討を進めている。本装置の目標とする高ベータプラズマは、自由境界MHD安定性限界を超えた領域にあるため、電子サイクロトロン加熱による新古典テアリングモードの抑制に加えて、安定化板及び容器内コイルを用いた壁不安定性モードの抑制など、さまざまなMHD不安定性の制御手法を駆使する必要がある。それらを踏まえて、今回は、高ベータと臨界条件クラスのプラズマを同時に達成できるプラズマパラメータの解析評価、及び自由境界MHD安定性限界を超えた高ベータプラズマの非誘導電流駆動制御シナリオの検討結果について報告する。また、広いパラメータ領域で定常高ベータプラズマ運転を実現させるための装置設計の現状に関して、超伝導コイル及び放射線遮へい材を中心に報告する。
永島 芳彦*; 伊藤 公孝*; 伊藤 早苗*; 藤澤 彰英*; 星野 克道; 永岡 賢一*; 江尻 晶*; 高瀬 雄一*; 矢木 雅敏*; 篠原 孝司; et al.
Europhysics Conference Abstracts (CD-ROM), 30I, 4 Pages, 2006/00
JFT-2MトカマクとCHS装置でのプラズマ乱流の非線形過程についての解析結果を報告する。いずれの装置でも、揺動測定は、静電プローブで行い、測定データをバイスペクトル解析で調べた。JFT-2Mのジュールプラズマのポテンシャルのデータ解析から得られた、測地的音波モードと乱流揺動の三波相互作用によるバイコヒーレンスとバイフェイズは、帯状流とドリフト波の相互作用の理論モデルから得られる値と一致することがわかり、観測された揺動の解析から明らかになった非線形相互作用は、この帯状流とドリフト波の相互作用によるものと推定される。また、CHSプラズマのHモード中の揺動解析から、特徴的に見られるMHD磁場揺動と密度乱流揺動に顕著な非線形相互作用を観測した。この密度揺動とポテンシャル揺動の相互バイスペクトラムから、揺動粒子束とMHD揺動は関連を持つことを明らかにした。以上のように両装置の揺動データ解析により、周辺プラズマの非線形過程の解明を進めた。
玉井 広史; 秋場 真人; 疇地 宏*; 藤田 隆明; 濱松 清隆; 橋爪 秀利*; 林 伸彦; 堀池 寛*; 細金 延幸; 市村 真*; et al.
Nuclear Fusion, 45(12), p.1676 - 1683, 2005/12
被引用回数:15 パーセンタイル:45.53(Physics, Fluids & Plasmas)トカマク国内重点化装置の設計研究をまとめた。装置の設計は、プラズマのアスペクト比と形状制御性に関して自由度を広く確保できることが求められている。これは、ITERと平行して研究を進めるとともに、定常高ベータプラズマ運転についての科学的なデータベースをDEMOへ提供する観点から重要である。この目標に合致するように、プラズマのアスペクト比と形状の自由度の確保について、これまで比較的困難であったダイバータ排気性能との両立が図られるように装置設計を行った。この装置設計に基づいて、閉じ込め,安定性,電流駆動,ダイバータプラズマ等の物理性能を評価し、主目的である定常高ベータプラズマを実現するための制御方法を検討した。
杉田 健一郎*; 高瀬 博康*
JNC TJ7440 2005-080, 105 Pages, 2004/03
本業務は、地質・地質構造に関する調査研究において課題となっている「割れ目の分布特性」について、規模、密度、方位、空隙形状などに着目した統計学的な解析を実施した。以下の解析および解釈を実施した。 ・割れ目の分布特性に関する既存情報・割れ目の分布特性の統計解析およびそれに基づいた割れ目区分・割れ目分布の空間的不均質性に関する解析・評価
白井 浩; 平山 俊雄; 清水 勝宏; 谷 啓二; 安積 正史; 平井 健一郎*; 今野 智司*; 高瀬 計三*
JAERI-M 93-026, 97 Pages, 1993/02
JT-60UおよびJFT-2Mの、異なる幾何学的配置で計測される多数のプラズマ実験データを磁気面関数にマッピングし、体積平均半径の関数に加工するソフト「SLICE」を開発した。実験データは「SLICE」を用いる事により、統合的に扱うことができる。「SLICE」はその豊富なコマンドにより、マッピングされたデータの加工が容易であり、線積分量として計測される物理パラメーターをアーベル変換処理する機能も併せ持っている。「SLICE」でマッピングされたデータは、フィッティングされた後データベースに保存すると共に、データベースからデータを読み込み、再表示・再加工することができる。さらに「SLICE」は粒子軌道追跡モンテカルロ・コード「OFMC」や、トカマクプラズマ予測解析コードシステム「TOPICS」の実行データを作成することができる。
永島 芳彦*; 星野 克道; 篠原 孝司; 上原 和也; 草間 義紀; 永岡 賢一*; 藤澤 彰英*; 居田 克巳*; 吉村 泰夫*; 岡村 昇一*; et al.
no journal, ,
当機構のJFT-2Mトカマク装置及び核融合科学研究所のCHSヘリカル装置で行われた周辺乱流の非線形過程の実験的研究に関する招待講演である。静電プローブによるポテンシャル揺動や密度揺動の測定により、ドリフト波乱流と帯状流の非線形相互作用について明らかにした。測定されたバイコヒーレンスやバイフェイズなどの指標の値とドリフト波乱流-帯状流系の理論的検討は整合していることを初めて示した。また、これらの統計量のサンプル数に対する収束の様子について初めて明らかにした。これらの研究は、プラズマの乱流と構造形成について解明したものであり、プラズマ中の輸送の解明に貢献する成果である。
長江 大輔; 竹村 真*; 上野 秀樹*; 亀田 大輔*; 旭 耕一郎*; 吉見 彰洋*; 杉本 崇*; 長友 傑*; 小林 義男*; 内田 誠*; et al.
no journal, ,
電気四重極モーメント(モーメント)は原子核の電荷分布に敏感な物理量で、これを測定することによって核の形が球形からどれだけ変形したかがわかる。不安定核のモーメント測定には-detected nuclear-quadrupole resonance法を用いた。モーメント測定では電気四重極相互作用によって個(は核スピン)に分離した共鳴周波数を印加しなくてはならない。この個の周波数を印加する方法は2つある。一つは個の周波数を順次印加する方法(時系列法)で一つのRFに対して十分なパワーを供給できるため、スピン反転で有利となる。もう一つは個の周波数を同時に印加する方法(混合周波数法)でRF印加時間が短くできるため、短寿命の原子核に対して有効である。われわれはこの二つの印加方法を一つの装置で行えるようなシステムを新たに構築した。システム評価のため、機知であるBのモーメントを二つの印加方法で測定し、どちらでもスピン反転に成功した。このシステムを使って、未知のAlのモーメント測定を行い、それぞれmb and mbを得た。
高瀬 操; 春山 満夫; 高峰 潤; 山口 聡; 赤司 健一*
no journal, ,
昨今、テロ活動が活発化している。そこで対核テロ防止の技術として輸送貨物内の核物質を検知する手法の開発が急務となっている。そこでわれわれが開発をした14MeV中性子直接問い掛け法を輸送貨物内の隠蔽核物質の検知に適用した場合の検出特性ついて、連続エネルギーモンテカルロ中性子輸送コードを用いた数値シミュレーションを実施した。その評価・検討結果を報告する。
高峰 潤; 春山 満夫; 高瀬 操; 山口 聡; 山口 大美; 榊原 哲朗; 赤司 健一*
no journal, ,
JAEAでは、これまで、さまざまな物質に内包された核分裂性核種に対する高速中性子直接問いかけ法の適用性評価をしてきたが、核燃料サイクル施設等で発生されるTRU雑固体廃棄物の圧縮処理体のような、形状が複雑で高密度なものについての評価は未だなされていない。そこで本研究では、このような廃棄体に対する本方法の適用性について連続エネルギーモンテカルロ計算コード(MVP)を用いて評価したので報告する。
玉井 秀定; 永吉 拓至; 上遠野 健一; 伊藤 敬; 高瀬 和之
no journal, ,
自然循環運転による革新的水冷却炉や中小型BWRにおいては、上部プレナム内自由液面からの液滴キャリーオーバー特性の高精度予測が設計上解決すべき重要課題となっている。この液滴キャリーオーバー特性を実験的に把握し、機構論的な予測技術を開発するための基盤研究を、原子力エネルギー基盤連携センターの軽水炉熱流動技術開発特別グループにおいて進めている。本報告では、データベースの拡充を図るとともに既存液滴キャリーオーバー予測モデルの適用範囲の拡張性を調べるために、等エンタルピ変化を利用した絞り熱量計を用いて、圧力1.5-2.5MPa,蒸気流束0.4-1.9m/sの条件において液滴クオリティを計測し、蒸気流量や水面からの高さなどの影響を既存モデルと比較した成果について述べる。その結果、実機運転条件に該当する高蒸気流束領域において、既存モデルを改良することにより液滴キャリーオーバー特性を良好に予測できることを確認した。今後、実機評価を進める予定である。
玉井 秀定; 永吉 拓至; 上遠野 健一; 伊東 敬; 高瀬 和之
no journal, ,
自然循環運転による革新的水冷却炉や中小型BWRにおいては、上部プレナム内自由液面からの液滴キャリーオーバー特性の高精度予測が設計上解決すべき重要課題となっている。この液滴キャリーオーバー特性を実験的に把握し、機構論的な予測技術を開発するための基盤研究を、原子力エネルギー基盤連携センターの軽水炉熱流動技術開発特別グループにおいて進めている。本報告では、既存のデータベース及び等エンタルピ変化を利用した絞り熱量計を用いて取得した液滴クオリティ計測結果をもとに、自然循環小型低減速軽水炉の実機評価を行った。本炉心では、セパレータ及びドライヤがない設計となっているが、予測された液滴クオリティは、ドライヤ出口要求である0.1パーセントよりも低く、実機運転条件において炉心が成立する見通しが得られた。
玉井 秀定; 永吉 拓至; 上遠野 健一; 伊東 敬; 高瀬 和之
no journal, ,
自然循環運転による革新的水冷却炉や中小型BWRにおいては、炉心出力上昇に伴うダウンカマへの蒸気泡巻き込み(キャリーアンダー)特性の高精度予測が設計上解決すべき重要課題となっている。このキャリーアンダー特性を実験的に把握し、機構論的な予測技術を開発するための基盤研究を、原子力エネルギー基盤連携センターの軽水炉熱流動技術開発特別グループにおいて進めている。本報では、大口径管内下降二相流の流動特性を把握するため、圧力1.5-2.5MPaの条件で内径120mm円管内の下降蒸気-水二相流において、水流速を0.5-1.0m/s、蒸気流速を0-1.0m/sに変化させて、電気式センサ及び流動方向差圧計を用いて、断面平均ボイド率を測定した結果について報告する。測定結果をもとに、大口径管内下降二相流の断面平均ボイド率を予測できる相関式を構築した。これにより、キャリーアンダー特性の機構論的予測技術開発に対して高い見通しを得ることができた。
上遠野 健一; 永吉 拓至; 玉井 秀定; 高瀬 和之; 伊東 敬
no journal, ,
自然循環運転による革新的水冷却炉や中小型BWRにおいては、炉心出力上昇に伴うダウンカマへの蒸気泡巻き込み(キャリーアンダー)特性の高精度予測が設計上解決すべき重要課題となっている。このキャリーアンダー特性を実験的に把握し、機構論的な予測技術を開発するための基盤研究を、原子力エネルギー基盤連携センターの軽水炉熱流動技術開発特別グループにおいて進めている。本報では、大口径管内下降二相流の流動特性を把握するため、圧力1.5-2.0MPaの条件で内径120mm円管内の下降蒸気-水二相流において、ボイド率の流路断面内分布や時間変化特性を高速に多点ボイド率測定が可能なワイヤメッシュ式センサにより測定した結果について報告する。一連の測定結果より、時間平均ボイド率の流路半径方向ボイド率分布は中央ピークとなっているが、流路中央部での分布は平坦となっていることを定量的に明らかにした。