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論文

J-PARC 3GeVシンクロトロンにおける純炭素フォイルによる荷電変換への挑戦

仲野谷 孝充; 吉本 政弘; Saha, P. K.; 竹田 修*; 佐伯 理生二*; 武藤 正義*

Proceedings of 20th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.937 - 941, 2023/11

J-PARC 3GeVシンクロトロン(RCS: Rapid Cycling Synchrotron)では、前段加速器であるリニアックから入射した400MeVのH$$^{-}$$ビームを荷電変換フォイルによりH$$^{+}$$ビームに変換して、3GeVまで加速している。これまでRCSでは、HBCフォイル(Hybrid Boron mixed Carbon stripper foil)とカネカ社製のグラフェン薄膜(GTF: Graphene Thin Film)の2種類を荷電変換フォイルとして使用してきた。HBCフォイルとは100$$mu$$g/cm$$^{2}$$以上の厚い炭素フォイルを安定的に作製するために高エネルギー加速器研究機構(KEK)で開発された手法である。当初はKEKで作製されたフォイルを使用してきたが、2017年からは原子力機構でHBCフォイルの作製を開始し、以来これを使用している。近年、アーク蒸着法では作製が困難と言われてきた厚い純炭素フォイルの成膜に成功した。新たな試みとして、この純炭素フォイルを2023年3月からの利用運転で使用した。結果、HBCフォイルとGTFでは使用時間の経過とともに、荷電変換されずにビームダンプに廃棄されるビーム量の増加傾向が観察されたが、純炭素フォイルではこの傾向がなく、安定的に荷電変換が可能であった。本発表ではこれら3種類の荷電変換フォイルの使用状況について報告する。

論文

J-PARC 3GeVシンクロトロンにおける荷電変換フォイルの最近の使用状況

仲野谷 孝充; 吉本 政弘; Saha, P. K.; 竹田 修*; 佐伯 理生二*; 武藤 正義*

Proceedings of 19th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.629 - 633, 2023/01

J-PARC 3GeVシンクロトロン(RCS: Rapid Cycling Synchrotron)では、前段加速器であるリニアックから入射した400MeVのH$$^{-}$$ビームを荷電変換フォイルによりH$$^{+}$$ビームに変換して、3GeVまで加速させている。RCSで主に使用している荷電変換フォイルは、少量のホウ素を炭素棒に添加し、これを電極としてアーク蒸着法により作製したHBCフォイル(Hybrid Boron mixed Carbon stripper foil)である。2017年から原子力機構でフォイルの内作を開始し、2018年以降これを利用運転で使用している。これまでのところフォイルを起因とする大きな問題は生じていない。一方でこの間、RCSのビームパワーは500kWから830kWへと段階的に上昇してきた。出力上昇に伴い、フォイルを支えているSiCファイバーの破断が顕著になってきた。SiCファイバーの破断はビームロスを増やしたり、フォイル回収時の汚染源となる可能性がある。この課題の対策としてより高強度な特性を持つSiCファイバーの使用やSiCファイバーパターンの変更などの対策を検討した。本発表では近年のJ-PARC利用運転でのフォイルの使用状況と課題とその対策ついて報告する。

論文

Design and actual performance of J-PARC 3 GeV rapid cycling synchrotron for high-intensity operation

山本 風海; 金正 倫計; 林 直樹; Saha, P. K.; 田村 文彦; 山本 昌亘; 谷 教夫; 高柳 智弘; 神谷 潤一郎; 菖蒲田 義博; et al.

Journal of Nuclear Science and Technology, 59(9), p.1174 - 1205, 2022/09

 被引用回数:3 パーセンタイル:80.29(Nuclear Science & Technology)

J-PARC 3GeVシンクロトロン(RCS)は、最大1MWの大強度ビームを25Hzという早い繰り返しで中性子実験及び下流の主リングシンクロトロンに供給することを目的に設計された。2007年の加速器調整運転開始以降、RCSではビーム試験を通じて加速器の設計性能が満たされているかの確認を進め、必要に応じてより安定に運転するための改善を行ってきた。その結果として、近年RCSは1MWのビーム出力で連続運転を行うことが可能となり、共用運転に向けた最後の課題の抽出と対策の検討が進められている。本論文ではRCSの設計方針と実際の性能、および改善点について議論する。

論文

Magnetoelastic anisotropy in Heusler-type Mn$$_{2-delta}$$CoGa$$_{1+delta}$$ films

窪田 崇秀*; 高野 大地*; 小田 洋平*; Mohanty, S.*; 伊藤 啓太*; 松木 充弘*; 林田 誠弘*; Sun, M.*; 竹田 幸治; 斎藤 祐児; et al.

Physical Review Materials (Internet), 6(4), p.044405_1 - 044405_12, 2022/04

 被引用回数:1 パーセンタイル:54.41(Materials Science, Multidisciplinary)

This study focuses on an inverse-type Heusler alloy, Mn$$_{2-delta}$$CoGa$$_{1+delta}$$ (MCG), with a small off-stoichiometry ($$delta$$), showing perpendicular magnetic anisotropy (PMA). We observed a relatively large uniaxial magnetocrystalline anisotropy constant ($$K_mathrm{u}$$) on the order of 10$$^5$$ J/m$$^3$$ at room temperature in the MCG films with a small tetragonal distortion of a few percent. X-ray magnetic circular dichroism (XMCD) was employed to get insight into the origin for the PMA. Negligible angular variation of the orbital magnetic moment evaluated using the XMCD spectra suggested a minor role of the so-called Bruno's term to $$K_mathrm{u}$$. The origin of the PMA was discussed based on the second-order perturbation theory in terms of the spin-orbit coupling, and first principles calculations, claiming that the mixing of the occupied $$uparrow$$- and the unoccupied $$downarrow$$-spin states is responsible for the PMA of the MCG films.

報告書

3GeVシンクロトロンビーム入射部における放射線遮蔽体の検討及び設置作業報告

仲野谷 孝充; 神谷 潤一郎; 吉本 政弘; 高柳 智弘; 谷 教夫; 古徳 博文*; 堀野 光喜*; 柳橋 享*; 竹田 修*; 山本 風海

JAEA-Technology 2021-019, 105 Pages, 2021/11

JAEA-Technology-2021-019.pdf:10.25MB

J-PARC 3GeVシンクロトロン加速器ではビーム出力の増強に伴い、ビーム入射部付近では放射化による機器の表面線量と空間線量率が年々増加している。一方でビーム入射部には人の手によるメンテナンスが欠かせない機器が多数存在しており、作業者の被ばく低減が重要な課題であった。そのため、本加速器施設を管理するJ-PARCセンター加速器ディビジョン加速器第二セクションにおいて、作業者の被ばく低減のための遮蔽体設置を目的としたワーキンググループ「入射部タスクフォース」を設立し、遮蔽体の構造や設置方法等について検討を重ねてきた。結果、ビーム入射部の構造を一部更新し、必要な際に容易に取付けが可能な非常設型の遮蔽体を設置することとした。そして、2020年夏期メンテナンス期間に遮蔽体の設置に必要な更新作業を実施し、遮蔽体の設置を行った。更新作業は高線量下で長期間に渡るため、作業員の被ばく量を抑えることが重要な課題であった。このため、事前に入念に作業計画と作業手順を作成し、作業期間中も様々な被ばく低減対策と個々の被ばく管理を行った。これにより、作業者の被ばく線量を管理目標値以下に抑えることができた。本作業の実施により、ビーム入射部に取付け取外し可能な遮蔽体を設置できるようになった。この遮蔽体により入射部近傍での作業時の被ばく線量の低減に寄与できることが確認できた。夏期メンテナンス期間中のほぼすべてで入射部を占有する大規模な作業となったが、今後の保守作業における被ばく抑制のためには非常に有意義な作業であったと考えられる。

論文

3GeVシンクロトロンビーム入射部への遮蔽体設置作業

仲野谷 孝充; 神谷 潤一郎; 吉本 政弘; 高柳 智弘; 谷 教夫; 古徳 博文*; 堀野 光喜*; 柳橋 享*; 竹田 修*; 山本 風海

Proceedings of 18th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.238 - 242, 2021/10

J-PARC 3GeVシンクロトロン加速器ではビーム出力の増強に伴い、ビーム入射部付近では放射化による機器の表面線量と空間線量率が年々増加している。一方でビーム入射部には人の手によるメンテナンスが欠かせない機器が多数存在しており、作業者の被ばく低減が重要な課題であった。特に今後、本加速器の設計値である1MWで定常的な運転をしていくとさらなる機器の放射化が予想されるため、作業者の被ばくを低減するには遮蔽体の設置が必須である。遮蔽体の形状、設置方法等について検討を重ねた結果、ビームライン架台に対して取り外し可能な遮蔽体を設置することとした。そして、2020年夏季メンテナンス期間に遮蔽体の設置作業を実施した。遮蔽体の設置作業は高線量下で行われるため、作業員の被ばく量を抑えることが重要な課題であった。被ばく低減を図るため、入念に作業計画と作業手順を作成し、また、作業期間中も様々な被ばく低減対策と個々の被ばく管理を行った。これにより、作業者の最大の被ばく線量を管理目標値以下に抑えて作業を完遂することができた。遮蔽体設置後に遮蔽効果を検証した結果、この遮蔽体によって入射部近傍での被ばく線量が大幅に低減することが確認できた。本発表では設置した遮蔽体の概要、設置作業に係る作業管理・放射線管理及び遮蔽効果について報告する。

論文

Alternation of magnetic anisotropy accompanied by metal-insulator transition in strained ultrathin manganite heterostructures

小林 正起*; Anh, L. D.*; 鈴木 雅弘*; 金田-高田 真悟*; 竹田 幸治; 藤森 伸一; 芝田 悟朗*; 田中 新*; 田中 雅明*; 大矢 忍*; et al.

Physical Review Applied (Internet), 15(6), p.064019_1 - 064019_10, 2021/06

 被引用回数:0 パーセンタイル:28.82(Physics, Applied)

A fundamental understanding of the interfacial magnetic properties in ferromagnetic heterostructures is essential for utilizing ferromagnetic materials for spintronic device applications. Here, we investigate the interfacial magnetic and electronic structures of epitaxial single-crystalline LaAlO$$_3$$(LAO)/La$$_{0.6}$$Sr$$_{0.4}$$MnO$$_3$$(LSMO)/Nb:SrTiO$$_3$$(Nb:STO) heterostructures with varying LSMO layer thicknesses, in which the magnetic anisotropy strongly changes with the LSMO thickness due to the delicate balance between strains originating from both the Nb:STO and LAO layers, using X-ray magnetic circular dichroism and photoemission spectroscopy. We successfully detect the clear change of the magnetic behavior of the Mn ions concomitant with the thickness-dependent metal-insulator transition. Our results suggest that the double-exchange interaction induces ferromagnetism in the metallic LSMO film under tensile strain caused by the STO substrate, while the superexchange interaction determines the magnetic behavior in the insulating LSMO film under compressive strain originating from the top LAO layer. The change in strain, depending on LSMO layer thickness, is confirmed by scanning transmission electron microscopy. Based on those findings, the formation of a magnetic dead layer near the LAO/LSMO interface is attributed to competition between the superexchange interaction via Mn $$3d_{3z^2-r^2}$$ orbitals under compressive strain and the double-exchange interaction via the $$3d_{x^2-y^2}$$ orbitals. These findings provide key aspects of ferromagnetic oxide heterostructures for the development of spintronic device applications.

報告書

地下水流動解析コードMIG2DF第2版の開発

高井 静霞; 木村 英雄*; 打越 絵美子*; 宗像 雅広; 武田 聖司

JAEA-Data/Code 2020-007, 174 Pages, 2020/09

JAEA-Data-Code-2020-007.pdf:4.23MB

計算コードMIG2DFは、放射性廃棄物地中処分の安全評価を目的とした多孔質媒体中における地下水流・核種移行解析コードとして、平成4年に第1版が開発された。MIG2DF第1版では、2次元(鉛直断面・水平面および軸対称3次元)の有限要素法によるモデルに対し、密度を考慮した飽和-不飽和地下水流解析及び核種移行解析を行うことが可能である。一方放射性廃棄物地中処分では、長期的な地質・気候関連事象として、サイトに応じた隆起・侵食による地形変化や、沿岸域においては海水準変動に伴う塩淡境界の変化による地下水流動への影響を合わせて考慮する必要がある。こうした事象に対する評価手法を整備するために、本グループではMIG2DF第1版に対する改良、および、非定常な地形変化に対応したMIG2DFによる解析を可能とするための外部プログラムの整備を行っている。これらの開発のうち、本報告書ではMIG2DF第1版を改良した第2版について、その構成・解法・使用方法・検証計算を示す。また本報告書では、整備したMIG2DFの複数の外部プログラムのうち、地下水流路解析コード(PASS-TRAC)、解析用データセット作成コード(PASS-PRE)、および、ポスト表示コード(PASS-POST)についても構成・解法・使用方法を示す。

論文

Enhancement of element production by incomplete fusion reaction with weakly bound deuteron

Wang, H.*; 大津 秀暁*; 千賀 信幸*; 川瀬 頌一郎*; 武内 聡*; 炭竃 聡之*; 小山 俊平*; 櫻井 博儀*; 渡辺 幸信*; 中山 梓介; et al.

Communications Physics (Internet), 2(1), p.78_1 - 78_6, 2019/07

 被引用回数:7 パーセンタイル:56.64(Physics, Multidisciplinary)

陽子(あるいは中性子)過剰核の効率的な生成経路を探索することは、原子核反応研究の主な動機のひとつである。本研究では、$$^{107}$$Pdに対する核子当たり50MeVの陽子および重陽子入射による残留核生成断面積を逆運動学法によって測定した。その結果、重陽子入射ではAgやPd同位体の生成断面積が大きくなることを実験的に示した。また、理論計算による解析から、この生成断面積の増大は重陽子の不完全融合反応に起因することを示した。これらの結果は、陽子過剰核の生成において重陽子のような弱束縛核の利用が有効であることを示すものである。

論文

J-PARC 3GeVシンクロトロン用荷電変換フォイルの作製状況

仲野谷 孝充; 吉本 政弘; 山崎 良雄; 竹田 修*; 佐伯 理生二*; 武藤 正義*

Proceedings of 16th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.545 - 549, 2019/07

J-PARC 3GeVシンクロトロン(RCS: Rapid Cycling Synchrotron)では大強度陽子ビームを実現するために荷電変換フォイルを用いた荷電変換ビーム多重入射方式を採用している。RCSで使用している荷電変換フォイルは、少量のホウ素を炭素棒に添加し、これを電極としたアーク蒸着法により作製したフォイル(HBCフォイル: Hybrid Boron mixed Carbon stripper foil)である。このHBCフォイルはビーム照射による損傷に対して強い耐久性を持つことが大きな特徴である。これまでHBCフォイルの作製は、成膜工程(蒸着,アニール,剥離)を高エネルギー加速器研究機構(KEK)つくばで実施し、原子力機構(JAEA)東海でフォイルの調製工程(サイズ調整,フレームマウント,マガジンラックへの装填)を実施する分業体制で行ってきた。2017年より、フォイル蒸着装置をKEKつくばからJAEA東海に移設し、作製工程を統合した。移設後に新しく作製したHBCフォイルの健全性を評価するために、量子科学技術研究開発機構(QST)高崎研TIARAにおいて照射試験及び性能分析を実施し、実機でのビーム照射試験を経て、利用運転での使用を開始した。結果、新しく作成したHBCフォイルのみで1年間の利用運転を達成することができた。

論文

Activation in injection area of J-PARC 3-GeV rapid cycling synchrotron and its countermeasures

山本 風海; 山川 恵美*; 高柳 智弘; 三木 信晴*; 神谷 潤一郎; Saha, P. K.; 吉本 政弘; 柳橋 亨*; 堀野 光喜*; 仲野谷 孝充; et al.

ANS RPSD 2018; 20th Topical Meeting of the Radiation Protection and Shielding Division of ANS (CD-ROM), 9 Pages, 2018/08

J-PARC 3GeVシンクロトロンは1MWのビーム出力を中性子ターゲットおよび主リングシンクロトロンに供給するためにビーム調整を進めている。現在は最大500kWの出力で運転を行っているが、現状最も放射化し線量が高い箇所はリニアックからのビーム軌道をシンクロトロンに合流させる入射部である。この放射化はビーム入射に使用する荷電変換フォイルとビームの相互作用によるものであるが、フォイルを使う限り必ず発生するため、周辺作業者への被ばくを低減するための遮蔽体を設置できる新しい入射システムの検討を行った。フォイル周辺は入射用電磁石からの漏れ磁場で金属内に渦電流が流れ、発熱することがこれまでの経験から判っているため、その対策として金属の遮蔽体を層状に分け、その間に絶縁体を挟む構造を考案した。遮蔽計算の結果から、9mmのステンレスの間に1mmの絶縁体を挟んでも遮蔽性能は5%程度しか低下しないことがわかった。

論文

J-PARC 3GeVシンクロトロンの新しい入射システムの設計

山本 風海; 神谷 潤一郎; Saha, P. K.; 高柳 智弘; 吉本 政弘; 發知 英明; 原田 寛之; 竹田 修*; 三木 信晴*

Proceedings of 14th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.374 - 378, 2017/12

J-PARC 3GeVシンクロトロン(RCS)は、最大1MWの大強度陽子ビームを物質生命科学実験施設および主リングシンクロトロンに供給するために設計され、運転を行っている。現在のところ、RCSでは設計値の半分である500kWの出力での連続運転に成功しているが、今後さらにビーム出力を向上し、安定な運転を達成するためには、入射点付近の残留放射能による被ばくへの対策が重要となってくる。これまでのビーム試験やシミュレーション、残留線量の測定結果等から、入射点周辺の残留放射能は、入射で使用する荷電変換用カーボンフォイルに入射及び周回ビームが当たった際に発生する二次粒子(散乱陽子や中性子)が原因であることがわかった。現状では、RCSの入射にはフォイルが必須であり、これらの二次粒子を完全になくすことはできない。そこで、これら二次粒子によって放射化された機器の周辺に遮蔽体を置けるように、より大きなスペースが確保できる新しい入射システムの検討を開始した。予備検討の結果、機器配置は成立するが、入射用バンプ電磁石磁場が作る渦電流による発熱が問題となることがわかり、その対策の検討を進めることとなった。

論文

J-PARC 3GeVシンクロトロンビームコリメータの故障原因究明作業

岡部 晃大; 山本 風海; 神谷 潤一郎; 高柳 智弘; 山本 昌亘; 吉本 政弘; 竹田 修*; 堀野 光喜*; 植野 智晶*; 柳橋 亨*; et al.

Proceedings of 14th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.853 - 857, 2017/12

J-PARC 3GeVシンクロトロン(RCS)には、ビーム損失を局所化し、機器の放射化を抑制するためにビームコリメータが設置されている。RCSにて加速中に広がったビームハローは、すべてコリメータ散乱体によって散乱され、吸収体部にて回収される。2016年4月のコリメータ保守作業時に吸収体部の1つで大規模な真空漏れが発生したため、代替の真空ダクトを設置することで応急的な対処を行い、ビーム利用運転を継続した。取り外したコリメータの故障原因を特定するためには、遮蔽体を解体し、駆動部分をあらわにする必要がある。しかし、故障したコリメータ吸収体部は機能上非常に高く放射化しており、ビームが直接当たる真空ダクト内コリメータ本体では40mSv/hという非常に高い表面線量が測定された。したがって、作業員の被ばく線量管理、及び被ばく線量の低減措置をしながら解体作業を行い、故障したコリメータ吸収体の真空リーク箇所の特定に成功した。本発表では、今回の一連の作業及び、コリメータの故障原因について報告する。

論文

Materials and Life Science Experimental Facility (MLF) at the Japan Proton Accelerator Research Complex, 2; Neutron scattering instruments

中島 健次; 川北 至信; 伊藤 晋一*; 阿部 淳*; 相澤 一也; 青木 裕之; 遠藤 仁*; 藤田 全基*; 舟越 賢一*; Gong, W.*; et al.

Quantum Beam Science (Internet), 1(3), p.9_1 - 9_59, 2017/12

J-PARC物質・生命科学実験施設の中性子実験装置についてのレビューである。物質・生命科学実験施設には23の中性子ビームポートがあり21台の装置が設置されている。それらは、J-PARCの高性能な中性子源と最新の技術を組み合わせた世界屈指の実験装置群である。このレビューでは、装置性能や典型的な成果等について概観する。

論文

New injection scheme of J-PARC rapid cycling synchrotron

山本 風海; 神谷 潤一郎; Saha, P. K.; 高柳 智弘; 吉本 政弘; 發知 英明; 原田 寛之; 竹田 修*; 三木 信晴*

Proceedings of 8th International Particle Accelerator Conference (IPAC '17) (Internet), p.579 - 581, 2017/05

J-PARC 3GeVシンクロトロン(RCS)は、1MWの大強度ビームを物質生命科学実験施設および主リングシンクロトロンに供給するために設計され、調整が進められている。現在の所、RCSでは設計値の半分である500kWでの連続運転に成功しているが、今後さらにビーム出力を向上するためには、入射点付近の残留放射能による被ばく対策が重要となってくる。これまでのビーム試験やシミュレーション、残留線量の測定結果等から、入射点周辺の残留放射能は入射で使用する荷電変換用カーボンフォイルに入射及び周回ビームが当たった際に発生する二次粒子(散乱陽子や中性子)が原因であることがわかった。現状では、RCSの入射にはフォイルが必須であり、これらの二次粒子を完全に無くすことはできない。そこで、これら二次粒子によって放射化された機器の周辺に遮蔽体を置けるように、より大きなスペースが確保できる新しい入射システムの検討を開始した。予備検討の結果、機器配置は成立するが、入射用バンプ電磁石磁場が作る渦電流による発熱が問題となることがわかったため、今後その対策を検討することとなった。

論文

派生断層の成長による地層処分システム周辺の地下水流動への影響評価

高井 静霞; 武田 聖司; 酒井 隆太郎*; 島田 太郎; 宗像 雅広; 田中 忠夫

日本原子力学会和文論文誌, 16(1), p.34 - 48, 2017/03

地層処分では、活断層による処分施設への直接的影響は立地選定の段階で回避することとされている。しかし、地下深部において活断層から派生した断層については事前に検知するのが困難なため、回避できない可能性が残されている。本研究では、検知できなかった分岐断層が将来成長し処分施設を直撃した場合に、地層処分システムの天然バリアに与える影響を評価した。まず国内における派生断層の事例調査を行い、断層成長に対する条件設定を行った。さらに、仮想的な堆積岩サイトにおいて派生断層の成長を仮定した水理・地質構造モデルを作成した。そして、処分施設の位置や深度および断層の成長速度をパラメータとして、地下水流動解析を実施した。その結果、処分施設からの移行経路は分岐断層の成長に伴い断層に沿って上昇する経路に変化し、地表到達までの平均流速が1-2桁程度上昇することが確認された。また、断層成長に伴い断層に沿った下向きの流れが形成することで、地表付近の酸化性地下水が処分施設へ流入する可能性があることが確かめられた。

論文

J-PARC 3GeVシンクロトロンビームコリメータの故障事象

山本 風海; 岡部 晃大; 神谷 潤一郎; 吉本 政弘; 竹田 修; 高柳 智弘; 山本 昌亘

Proceedings of 13th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.314 - 318, 2016/11

2007年のRCSの運転開始以後、ビームコリメータではこれまで不具合は起きていなかったが、2016年4月の保守作業時に真空漏れが発生した。ビームコリメータはその機能の上から、非常に放射化することが予想されていたため、真空フランジを遠隔から着脱するためのリモートクランプシステムをはじめとして、作業中の被ばく量を低減するための準備がなされていた。そのため、今回故障が発生してから代わりのダクトへの入れ替えを行うに際して、ビームが直接当たるコリメータ本体では40mSv/hという非常に高い表面線量が測定されたにも関わらず、作業者の被ばく線量は最大でも60マイクロSvに抑えることに成功した。本発表では、コリメータの故障から復旧までの状況について報告する。

論文

J-PARC RCSリングコリメータ故障によるビーム損失局所化への影響

吉本 政弘; 竹田 修; 原田 寛之; 山本 風海; 金正 倫計

Proceedings of 13th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.1097 - 1101, 2016/11

J-PARC 3GeV RCSでは世界最高レベルの1MW大強度ビームを実現するために、ビーム損失を局所化して他機器の放射化を抑制するリングコリメータシステムを設置している。RCSのリングコリメータシステムは散乱体1台と吸収体5台で構成されており、これまでのビーム調整の成果と合わせて、コリメータ部以外に大きな放射化を機器に生じさることなく500kWビーム出力までの利用運転の実績を持つことができた。しかし、2016年4月にリングコリメータの吸収体5で駆動部破損に伴う真空リークが発生し、取り外しての加速器運転を余儀なくされた。そこで、まず粒子トラッキング計算によりコリメータ下流部で新たなビーム損失が発生しても現状での利用運転の強度では許容可能であることを事前に確認した。次にリング全周におけるビーム損失の変化をビーム損失モニタの測定結果から問題ないことを確認して、加速器運転を再開した。今回からRCS全周にわたる残留線量の詳細分布測定を実施し、合わせて短期メンテナンスに伴うビーム停止毎に継続的に測定することで加速器運転状況に伴う線量分布の推移も調査した。この結果からより詳細なビーム損失の構造を把握することができた。本発表では、リングコリメータ吸収体5を取り外したことによるビーム損失局所化への影響を報告する。また詳細な残留線量分布測定の結果からリングコリメータの調整方法に対する課題についても議論する。

論文

Draft genome sequence of ${it Methylobacterium}$ sp. ME121, isolated from soil as a mixed single colony with ${it Kaistia}$ sp. 32K

藤浪 俊*; 武田 喜代子*; 小野寺 威文*; 佐藤 勝也; 清水 哲*; 若林 佑*; 鳴海 一成*; 中村 顕*; 伊藤 政博*

Genome Announcements (Internet), 3(5), p.e01005-15_1 - e01005-15_2, 2015/09

${it Methylobacterium}$ sp. ME121 was isolated from soil as a mixed single colony with ${it Kaistia}$ sp. 32K during our screening of L-glucose-utilizing microorganisms, and its growth was enhanced by coculture. It was expected that genomic analysis of this bacterium would provide novel information on coculture-dependent growth enhancement. The genomic information of symbiotic bacteria could be of use for studying the molecular mechanisms underlying microbial symbiosis. The draft genome sequence of ${it Methylobacterium}$sp. ME121 is 7,096,979 bp in total length and comprises 197 large contigs ($$>$$ 500 bp) that was deposited at DDBJ/EMBL/GenBank under the accession number BBUX00000000. The draft genome sequence shows that ${it Methylobacterium}$ sp. ME121 has some genes that encode putative methanol/ethanol family PQQ-dependent dehydrogenases involved in methylotrophy. Some unknown factor provided by the coculture may contribute to increase the growth of ${it Methylobacterium}$ sp. ME121.

論文

J-PARC RCS荷電変換装置におけるスロー排気・パージ系統の改修

飛田 教光; 吉本 政弘; 竹田 修; 佐伯 理生二; 山崎 良雄; 金正 倫計; 武藤 正義*

Proceedings of 12th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.1350 - 1354, 2015/09

J-PARC RCSの荷電変換フォイルは、厚さ約1$$mu$$mの炭素製薄膜を使用している。フォイルは、ビームが照射され続けることで劣化が進み壊れやすくなる。フォイルを真空容器内から取り出す、新しいフォイルを再装填して使用する際には、Arパージ作業、真空排気作業が必要となる。フォイルは非常に薄いため気流による破損のリスクが高い。そのため、真空容器内の気流を抑制する目的で、スローパージ・スロー排気系統を採用している。これまでは、真空容器のビューポートからフォイルに破損等の有無が生じていないか直接監視しており、残留線量の高い主トンネル内で作業を行っていた。そのため、作業時には高い被ばく線量を作業員が浴びていた。そこでRCSでは、残留線量の高い主トンネル内での作業を避け、被ばくのリスクが低いサブトンネルへスローパージ・スロー排気系統を移設した。それに合わせて、ビューポートに新たにカメラを設置し、サブトンネルでフォイルの画像を確認しながら作業を行えるシステムを追加した。サブトンネルへの移設により作業員の放射線被ばくはほとんどなくなった。本発表ではスローパージ・スロー排気系統の移設とその効果について詳しく説明する。

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