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報告書

地下水流動解析コードMIG2DF第2版の開発

高井 静霞; 木村 英雄*; 打越 絵美子*; 宗像 雅広; 武田 聖司

JAEA-Data/Code 2020-007, 174 Pages, 2020/09

JAEA-Data-Code-2020-007.pdf:4.23MB

計算コードMIG2DFは、放射性廃棄物地中処分の安全評価を目的とした多孔質媒体中における地下水流・核種移行解析コードとして、平成4年に第1版が開発された。MIG2DF第1版では、2次元(鉛直断面・水平面および軸対称3次元)の有限要素法によるモデルに対し、密度を考慮した飽和-不飽和地下水流解析及び核種移行解析を行うことが可能である。一方放射性廃棄物地中処分では、長期的な地質・気候関連事象として、サイトに応じた隆起・侵食による地形変化や、沿岸域においては海水準変動に伴う塩淡境界の変化による地下水流動への影響を合わせて考慮する必要がある。こうした事象に対する評価手法を整備するために、本グループではMIG2DF第1版に対する改良、および、非定常な地形変化に対応したMIG2DFによる解析を可能とするための外部プログラムの整備を行っている。これらの開発のうち、本報告書ではMIG2DF第1版を改良した第2版について、その構成・解法・使用方法・検証計算を示す。また本報告書では、整備したMIG2DFの複数の外部プログラムのうち、地下水流路解析コード(PASS-TRAC)、解析用データセット作成コード(PASS-PRE)、および、ポスト表示コード(PASS-POST)についても構成・解法・使用方法を示す。

論文

Sensitivity analysis of external exposure dose for future burial measures of decontamination soil generated outside Fukushima prefecture

島田 亜佐子; 澤口 拓磨; 武田 聖司

Proceedings of 2020 International Conference on Nuclear Engineering (ICONE 2020) (Internet), 5 Pages, 2020/08

福島第一原子力発電所の事故により東日本の広範囲が汚染され、福島県の他、岩手,宮城,茨城,栃木,群馬,千葉,埼玉などの県においても除染活動が行われた。しかし、福島県外の除去土壌については、処分方法などがまだ決まっていない。そこで、サイズ条件が多様で分散保管されている除去土壌の取扱いや将来の適切な処置のための技術的な情報を提供するために、各保管場所から県外土壌の全量に相当する量までの様々なサイズの除去土壌を想定し、離隔距離や覆土厚さを変えた主要経路である外部被ばくの線量換算係数を算出した。本算出結果から、立入や近隣居住を想定した外部被ばく線量を評価し、適切な処置のための条件を整理した。

報告書

除去土壌の海岸防災林への再生利用に関する線量評価(受託研究)

澤口 拓磨; 高井 静霞; 武田 聖司

JAEA-Research 2020-005, 47 Pages, 2020/06

JAEA-Research-2020-005.pdf:5.09MB

福島第一原子力発電所事故後の除染活動等によって福島県内で発生した大量の除去土壌等は、中間貯蔵を経た後福島県外で最終処分されることとなっている。最終処分の実現に向けて、環境省は処分量の低減のため、除去土壌に適切な前処理を施し再生資材として管理主体が明確である公共事業等に限定して再生利用する方針を示した。そこで、本研究では、環境省が策定する除去土壌の再生利用に係る指針等に資するため、公共事業における海岸防災林盛土材への再生利用を対象に、安全を確保するための再生資材の放射能濃度および建設条件について検討した。評価の結果、施工時・供用時における作業者および一般公衆の追加被ばく線量が1mSv/yを満たすための再生資材中の放射性セシウム濃度レベルは5,000Bq/kgと算出された。この濃度の再生資材に対して、供用時の公衆の追加被ばく線量を10$$mu$$Sv/yまで低減させるためには、覆土厚さを39cm以上にする必要があることを示した。さらに、再生利用可能な放射能濃度レベルの再生資材を使用した場合に、災害時に作業者および一般公衆が受ける追加被ばく線量が1mSv/yを超えないことを確認した。

論文

Dose estimation in the recycling of removed soil for land reclamation

島田 亜佐子; 根本 宏美*; 澤口 拓磨; 武田 聖司

Mechanical Engineering Journal (Internet), 7(3), p.19-00569_1 - 19-00569_17, 2020/06

福島県内で発生した除去土壌の再生資材を埋戻材として土地造成に再利用した場合の作業者や周辺居住者,土地造成地の利用者の被ばく線量を評価した。土地造成地は、草本または木本が植栽された後、スポーツや森林浴などに利用されることを想定した。木本植栽の場合は、埋戻材から樹木に放射性セシウムが移行することを想定し、埋戻材に加え、放射性セシウムを取り込んだ立木や伐採木、リターフォールにより生成する堆積有機物層からの外部被ばく等について評価を行った。その結果から、年間の被ばく線量が1mSvを超えないための$$^{134}$$Csと$$^{137}$$Cs濃度レベルを算出した。加えて、供用期間中の一般公衆の被ばく線量が年間10$$mu$$Svを超えないために必要な覆土の厚さも算出した。さらに、算出された放射能濃度レベルの埋戻材の利用時に、津波や火災、集中豪雨が起こった場合の作業者や一般公衆の被ばく線量が年間1mSvを超えないことを確認した。これらの評価結果に基づき、土地造成に再利用可能な除去土壌の再生資材の放射能濃度を求めた。

論文

Dose estimation for contaminated soil storage in living environment

高井 静霞; 島田 亜佐子; 澤口 拓磨; 武田 聖司; 木村 英雄

Radiation Protection Dosimetry, 188(1), p.1 - 7, 2020/01

 被引用回数:0 パーセンタイル:100(Environmental Sciences)

福島第一原子力発電所事故後の除染活動によって発生した除去土壌は、福島県外ではそのほとんどが、学校・公園または宅地等の除染が行われた現場において除染ガイドラインに従って保管されている。実際の現場保管において、バックグラウンドを含まない除去土壌からの追加被ばく線量や、原則制限されている保管場所への立入に対し、その立入の被ばく線量の程度を把握しておくことは、継続的な現場保管および現場保管の有効性の確認のために重要である。本研究では、現在の福島県外における様々なタイプの現場保管の情報に基づき、居住者および利用者の被ばく線量を評価した。その結果、居住による線量は10$$^{-2}$$-10$$^{-3}$$mSv/y、立入による線量は10$$^{-3}$$mSv/yオーダーであった。よって、福島県外における現在の現場保管による被ばくは1mSv/yに比べ十分小さいことが確認された。

論文

Development of dose estimation system integrating sediment model for recycling radiocesium-contaminated soil to coastal reclamation

三輪 一爾; 武田 聖司; 飯本 武志*

Radiation Protection Dosimetry, 184(3-4), p.372 - 375, 2019/10

 被引用回数:0 パーセンタイル:100(Environmental Sciences)

福島事故後の除染作業によって発生した除去土壌を再生資材として再利用する方針が環境省により示されている。有効な再利用用途の1つである海面埋立地では、施工時に溶存した放射性Csの他に土粒子に付着した放射性Csの海洋への流出が予想されるため、安全評価上、両形態の核種移行を評価できるモデルが必要となる。そこで本研究では、施工時および供用時の放射性Csの流出をモデル化し、海洋に流出した核種についてはOECDにより示されたSediment modelにより移行評価を行った。沿岸域における核種移行評価にSediment modelを用いることの妥当性を、福島沿岸域の実測値の再現計算により確認した。施工時および供用時の核種流出を評価するモデルおよびSediment modelをクリアランスレベル評価コードPASCLR2に組み込むことで、海洋へ流出した核種からの被ばく線量評価を行えるようにした。

論文

クリアランスの現状と課題,5; 福島第一原子力発電所における低線量がれきの限定的な再利用の考え方

島田 太郎; 三輪 一爾; 武田 聖司

日本原子力学会誌, 61(7), p.531 - 534, 2019/07

福島第一原子力発電所(以下、1Fという)敷地内に保管されている表面線量率5$$mu$$Sv/h未満の汚染がれき類を資源化して敷地内に限定して再利用することが検討されている。1F敷地内のように放射線管理が実施されている現存被ばく状況において、汚染した資機材等の限定的な再利用の考え方などが示された例はない。そこで、適切な安全規制のために、1F敷地内での線量管理下の現存被ばく状況における再利用評価の考え方、1F敷地内での運用されている作業者及び周辺公衆の安全確保策に応じためやす濃度算出の方法論を構築するとともに、1F敷地内での道路材及びコンクリート構造材に関して用途別の資源化物のめやす濃度を試算して、とりまとめた。本報ではこの評価の方法について解説するとともに、1F敷地内の限定的な再利用の評価の一例について紹介する。

論文

Dose estimation in recycling of decontamination soil from the Fukushima Daiichi NPS accident for land reclamation

島田 亜佐子; 根本 宏美*; 澤口 拓磨; 武田 聖司

Proceedings of 27th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-27) (Internet), 6 Pages, 2019/05

福島第一原子力発電所事故後の除染作業等により発生した除去土壌を土地造成の資材に再利用することは、廃棄物の効率的な減量のための用途の1つとして考えられている。本研究では、再生資材を土地造成へ利用したケースに対し、施工から供用(植栽による緑地化)に至るまでの作業者及び一般公衆に対し被ばく経路を設定し、線量評価を行った。その結果から、年間追加被ばく線量が1mSv/yを超えない放射性セシウム濃度レベルを算出した。また、供用時の一般公衆に対する追加被ばく線量を10$$mu$$Sv/y以下に抑えるために必要な構造材(客土)厚さ条件を検討した。さらに、仮に地震,森林火災等の災害による土地造成地の変状等が生じた場合の追加被ばく線量を評価し、災害及び復旧時の追加被ばく線量が1mSv/yを超えないことを確認し、これらの評価から土地造成として再利用可能な濃度レベルを提示した。

論文

Study on restricted use of contaminated rubble on Fukushima Daiichi NPS site, 2; Validation of reference radiocesium concentration for recycling materials

三輪 一爾; 島田 太郎; 武田 聖司

Progress in Nuclear Science and Technology (Internet), 6, p.166 - 170, 2019/01

本報告では(その1)において算出した限定再利用に対するめやす濃度の妥当性を確認するため、再利用後の線源(再生資材)に対し、(1)1F敷地内の作業者に対する追加被ばく線量、(2)1F敷地境界の空間線量率への寄与、(3)地下水移行による海洋出口での水中濃度、について評価した。(1)の評価では、1F敷地内で線源に最も接近をする作業者の被ばく線量を評価し、その線量が放射線作業従事者の年間被ばく限度20mSv/yと比較し十分に低い値であることを確認した。(2)の評価では、1F敷地内で再利用された全再生資材から受ける敷地境界での空間線量率を解析し、その結果がバックグラウンドを合算しても敷地境界での目標値1mSv/y以下を満足することを確認した。さらに(3)の評価として、敷地内の流速条件等を考慮した道路路盤材及びコンクリート構造物の基礎から溶出する核種の移行解析を行い、算出した水中放射性セシウム濃度が現在の1F敷地内の排水基準を満足していることを示した。

論文

Study on restricted use of contaminated rubble on Fukushima Daiichi NPS site, 1; Estimation of reference radiocesium concentration for recycling materials

島田 太郎; 三輪 一爾; 武田 聖司

Progress in Nuclear Science and Technology (Internet), 6, p.203 - 207, 2019/01

福島第一原子力発電所(以下1F)敷地内に一時保管されている放射能で汚染されたがれき類を資源化して敷地内のある特定の用途に限定して再利用することが検討されている。1F敷地内のような放射線管理が実施されている現存被ばく状況において、汚染した資機材等の再利用に対し、線量のめやすとなる数値は現在まで提示されていない。そこで、本研究では、現状の1F敷地内のバックグラウンド(BG)線量率に着目し、資源化物(線源)が使用された場所において上昇する1m高さでの空間線量率が、BGの線量率変動範囲を超えないことを必要条件とした。また、算出されためやす濃度による再利用が作業者及び公衆へ影響を与えないことを、作業者の追加被ばく線量、敷地境界への線量寄与、地下水核種濃度を評価することによって確認する評価フローを構築した。さらに構築した評価フローに従い、資源化した骨材を道路路盤材及びコンクリート構造物の基礎に適用する場合を想定し、評価対象核種のめやす濃度を試算した。

論文

Study on criticality in natural barrier for disposal of fuel debris from Fukushima Daiichi NPS

島田 太郎; 田窪 一也*; 武田 聖司; 山口 徹治

Progress in Nuclear Science and Technology (Internet), 5, p.183 - 187, 2018/11

福島第一原子力発電所の燃料デブリを格納容器から回収した後、地層処分相当の処分場に埋設する際に、燃料デブリはウランのインベントリも多く、$$^{235}$$U濃縮度が2%を超えるため、処分場から溶出したウランが天然バリア内のある地点に集積し、臨界となる可能性が懸念される。本研究では、まずその可能性のある条件を抽出するため、処分場及び天然バリアにおける溶解度、地下水流速などの条件を変化させた1次元核種移行の解析を基に移行経路上のウラン沈殿量を保守的に評価した。その結果、還元性環境が維持される通常の処分環境下では移行経路上で臨界質量を超えるウランが沈殿することはないことが示された。ただし、表層付近の酸化性地下水の流入によって処分場が酸化性に変化する場合では、地質媒体中の酸化から還元に変化するフロントで臨界質量を上回るウランが沈殿する可能性が示唆された。次に、この臨界の可能性が懸念される条件に対し、より現実的に処分場の空間レイアウトを考慮した核種移行解析、臨界評価を行った。その結果、処分場のサイズ条件に基づくウラン集積サイズは臨界となり得る集積サイズよりも広範囲に広がり、天然バリア内において臨界に到する可能性を排除できることが示された。

論文

Dose estimation in recycling of decontamination soil resulting from the Fukushima NPS accident for road embankments

高井 静霞; 澤口 拓磨; 武田 聖司

Health Physics, 115(4), p.439 - 447, 2018/10

 被引用回数:1 パーセンタイル:74.25(Environmental Sciences)

福島原子力発電所後の除染活動に伴い、放射性セシウムで汚染された大量の土壌が福島県内で保管されている。環境省は除去土壌の最終処分の実現のために、低レベルの除去土壌を再生資材として再生利用することで処分量を低減させる方針を示している。再生利用は土木構造物に限定され、管理主体や責任体制が明確な公共事業等に限定して実施される。しかしながら、これまで除去土壌の再生利用が実際に行われた事例や安全評価はなかった。そこで本研究では、環境省による再生利用に係るガイドライン作成に貢献するため、除去土壌の道路盛土への再生利用に係る安全評価を実施した。はじめに、建設時・供用時に作業者・公衆に生じる追加被ばく線量を評価した。評価の結果、追加被ばく線量が1mSv/y以下となる再生利用可能な再生資材の放射性セシウム濃度は6,000Bq/kgと算出された。また、供用時の公衆に対する追加被ばく線量を10$$mu$$Sv/y以下に抑えるためには、40cm以上の保護工(土壌)が必要であることがわかった。さらに再生利用可能な放射性セシウム濃度に対し、自然災害により道路盛土が破壊した場合でも追加被ばく線量が1mSv/yを下回ることを確認した。

論文

Safety assessment for recycling of soil generated from decontamination activities

武田 聖司

Str${aa}$levern Rappot 2018:4 (Internet), p.62 - 64, 2018/04

福島第一原子力発電所の深刻な事故により放出された放射性セシウムによって広範囲の環境が汚染された。除染措置は広範囲に実施されており、一時的に保管に大量の汚染した除去土壌が一時的に保管されている。除染土壌の量を再利用するには、土壌を建設資材として再生利用することが有効である。本報では、管理責任の明確な公共事業への用途を制限した再利用に対する安全評価の方法論、シナリオ構築及びパラメータ選定の考え方を示すとともに、防潮堤への再生利用を想定したケースに対する評価結果を述べる。

論文

Dose estimation in recycling of decontamination soil due to Fukushima NPS accident as coastal levees

高井 静霞; 澤口 拓磨; 武田 聖司

Proceedings of International Waste Management Symposia 2018 (WM 2018) (Internet), 14 Pages, 2018/03

福島原子力発電所後の除染活動に伴い、放射性セシウムで汚染された大量の土壌が福島県内で保管されている。環境省は除去土壌の最終処分の実現のために、低レベルの除去土壌を再生資材として再生利用することで処分量を低減させる方針を示している。再生利用は土木構造物(防潮堤や道路盛土等)に限定され、管理主体や責任体制が明確な公共事業等に限定して実施される。しかしながら、これまで除去土壌の再生利用が実際に行われた事例や安全評価はなかった。そこで本研究では、環境省による再生利用に係るガイドライン作成に貢献するため、除去土壌の防潮堤への再生利用に係る安全評価を実施した。はじめに、建設時・供用時に作業者・公衆に生じる追加被ばく線量を評価した。評価の結果、追加被ばく線量が1mSv/y以下となる再生利用可能な再生資材の放射性セシウム濃度は6,800Bq/kgと算出された。このとき、国内の一般的な建設条件に対して、供用時の公衆に対する追加被ばく線量は10$$mu$$Sv/y以下を下回った。さらに再生利用可能な放射性セシウム濃度に対し、自然災害により防潮堤が破壊した場合でも追加被ばく線量が1mSv/yを下回ることを確認した。

論文

福島の環境回復に向けた取り組み,6; 安全性の確保を大前提とした除去土壌等の再生利用

岡田 尚; 武田 聖司; 仲田 久和

日本原子力学会誌, 59(10), p.603 - 607, 2017/10

福島県内の除染活動で発生する除去土壌等の処分量を低減することが鍵であり、環境省は、除去土壌を適切に処理し放射能濃度の低い土壌とした再生資材を、適切な管理の下で活用する再生利用の方針を示した。本講座では、除去土壌等の減容・再生利用の意義と、再生利用の基本的考え方に関する追加被ばく線量の考え方等について説明する。

論文

1F事故による環境回復に伴う廃棄物の管理と除去土壌の減容・再生利用の取り組み,4; 除去土壌の再生利用の安全評価

澤口 拓磨; 高井 静霞; 梅澤 克洋; 武田 聖司; 岡田 尚

日本原子力学会誌, 59(8), p.445 - 447, 2017/08

環境省は福島県内における除染等の措置に伴い生じた土壌(除去土壌)を再生資材化し、放射線影響に関する安全性を確保しつつ、適切な管理の下で利用する方針を示した。本評価では除去土壌の再生利用に係る指針等の策定に資するため、当該再生資材を4種類の土木構造物(道路・鉄道盛土、防潮堤、海岸防災林、最終処分場)に利用することを想定し、施工時、供用時、災害時における作業者および一般公衆に対する追加被ばく線量評価を行った。また、その結果から、当該線量を制限するための放射性セシウム濃度や施設の設計条件についての検討を行った。

論文

3次元輸送計算コードMCNPを用いた森林除染による空間線量率の低減効果の検討

邉見 光; 山口 徹治; 武田 聖司; 木村 英雄

原子力バックエンド研究(CD-ROM), 24(1), p.3 - 14, 2017/06

福島第一原子力発電所の事故起源の放射性セシウムにより汚染された森林の除染に関して、居住区域における空間線量率の低減が顕著になる汚染源の条件や除染の範囲を感度解析によって検討した。汚染源を$$^{134}$$Csおよび$$^{137}$$Csを含む堆積有機物層(A$$_{0}$$層)と表層土(A$$_{1}$$層)とし、モンテカルロ法による3次元輸送計算コードMCNPを用いて空間線量率を算出した。森林斜面の数、角度、汚染の分布状態、森林土壌中の放射性セシウムの量、除染範囲、林縁から評価点までの距離、評価点の高さをパラメーターとした。その結果、汚染の分布が均一の場合、林縁から20mまでのA$$_{0}$$層の除染が、空間線量率の低減に効果的であることがわかった。一方、林縁から20m以遠の汚染が20m以内よりも高いような、汚染の分布が不均一の場合、A$$_{1}$$層に比べA$$_{0}$$層に含まれる放射性セシウムの量が多い条件においてのみ、林縁から40mまでのA$$_{0}$$層の除染により、空間線量率が顕著に低減した。

報告書

地層処分の工学技術の適用に関連したシナリオ設定手法の整備; 処分場の建設・操業・閉鎖段階における地震の発生による閉鎖後の安全機能への影響についての整理(受託研究)

高井 静霞; 高山 秀樹*; 武田 聖司

JAEA-Data/Code 2016-020, 40 Pages, 2017/03

JAEA-Data-Code-2016-020.pdf:2.42MB

本研究では、地質・気候関連事象のうち処分場の建設から閉鎖段階における地震の発生が長期安全性に与える影響をシナリオとして設定するための検討を行った。まず、地震による地下施設の被害事例を収集し、被害をもたらす条件について分析した。その調査結果に加え、既往のバリア材の熱・水・応力・化学に関する特性への影響に関するFEP(Feature、Event、Process)の情報を踏まえて、地震による影響要因を特定した。さらに、工学技術適用上の事故・人的要因の検討結果を参考にして、地震発生により起こりうる人工バリア・天然バリアの設計上想定される状態から逸脱した状態(逸脱事象)を特定した。そして、逸脱事象により起こりうるバリア特性の変化および安全機能の喪失・低下につながる影響の連鎖をシナリオとして提示し、一連の結果を地層処分工学技術の適用に関連したシナリオ構築のためのデータベースとして整備した。

論文

派生断層の成長による地層処分システム周辺の地下水流動への影響評価

高井 静霞; 武田 聖司; 酒井 隆太郎*; 島田 太郎; 宗像 雅広; 田中 忠夫

日本原子力学会和文論文誌, 16(1), p.34 - 48, 2017/03

地層処分では、活断層による処分施設への直接的影響は立地選定の段階で回避することとされている。しかし、地下深部において活断層から派生した断層については事前に検知するのが困難なため、回避できない可能性が残されている。本研究では、検知できなかった分岐断層が将来成長し処分施設を直撃した場合に、地層処分システムの天然バリアに与える影響を評価した。まず国内における派生断層の事例調査を行い、断層成長に対する条件設定を行った。さらに、仮想的な堆積岩サイトにおいて派生断層の成長を仮定した水理・地質構造モデルを作成した。そして、処分施設の位置や深度および断層の成長速度をパラメータとして、地下水流動解析を実施した。その結果、処分施設からの移行経路は分岐断層の成長に伴い断層に沿って上昇する経路に変化し、地表到達までの平均流速が1-2桁程度上昇することが確認された。また、断層成長に伴い断層に沿った下向きの流れが形成することで、地表付近の酸化性地下水が処分施設へ流入する可能性があることが確かめられた。

論文

Sensitivity analysis on safety functions of engineered and natural barriers for fuel debris disposal

島田 太郎; 西村 優基; 武田 聖司

MRS Advances (Internet), 2(12), p.687 - 692, 2017/01

東京電力福島第一発電所の事故で発生した燃料デブリは、その特性調査が開始された段階であり、具体的な処分方法は示されていない。本研究では、燃料デブリ処分に求められるバリア機能を予察的に把握するため、HLWと同様の地層処分概念を前提に、既往文献から核種量や廃棄体形状を仮想し、燃料デブリ特性、人工バリア及び天然バリアの不確実性を想定した核種移行の感度解析を行った。その結果、燃料デブリの主要核種である$$^{238}$$Uを含む4n+2系列核種の天然バリア出口での移行フラックスは、燃料デブリ特性や人工バリアの不確実性を考慮しても、天然バリアの性能が確保されればHLWと同程度に収まり、また、他の系列及びFP核種の移行フラックスはHLWを下回ることがわかった。一方、燃料デブリ特有の$$^{14}$$C, $$^{129}$$Iについては、燃料デブリからの瞬時放出割合の感度が高く、これら核種の放出時の物理化学特性の把握が重要であることを示した。

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