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論文

Nuclide production cross sections in proton-induced reactions on Bi at GeV energies

岩元 大樹; 中野 敬太*; 明午 伸一郎; 竹下 隼人; 前川 藤夫

EPJ Web of Conferences, 284, p.01033_1 - 01033_4, 2023/05

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.21(Nuclear Science & Technology)

加速器駆動核変換システムの研究開発で重要となるビスマス標的に対する核種生成断面積の測定実験を行った。実験は、J-PARCの陽子ビームを用いて、0.4, 1.5及び3.0GeVの陽子ビームをビスマス標的試料に照射し、核種生成断面積を放射化法により導出した。本実験で新たに取得した計50核種127個の核種生成断面積データを最新の核反応モデル(INCL++/ABLA07及びINCL4.6/GEM)による計算結果及び評価済み核データライブラリJENDL/HE-2007の評価値と比較した。比較の結果、INCL++/ABLA07は総じて実験値を再現する一方で、INCL4.6/GEMは核分裂片に対する実験値を過小評価する等の知見が得られた。

論文

Measurement of nuclide production cross sections for proton-induced reactions on $$^{rm nat}$$Ni and $$^{rm nat}$$Zr at 0.4, 1.3, 2.2, and 3.0 GeV

竹下 隼人*; 明午 伸一郎; 松田 洋樹*; 岩元 大樹; 中野 敬太; 渡辺 幸信*; 前川 藤夫

Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 527, p.17 - 27, 2022/09

 被引用回数:2 パーセンタイル:53.91(Instruments & Instrumentation)

加速器駆動核変換システム(ADS)等における核設計の高度化のため、NiとZrについて数GeVエネルギー領域における陽子入射の核種生成断面積測定を行い、核設計に用いる計算コードPHITSによる計算値やJENDL/HE-2007等との比較検討を行った。

報告書

加速器駆動核変換システムビーム窓とLBEの核解析

中野 敬太; 岩元 大樹; 西原 健司; 明午 伸一郎; 菅原 隆徳; 岩元 洋介; 竹下 隼人*; 前川 藤夫

JAEA-Research 2021-018, 41 Pages, 2022/03

JAEA-Research-2021-018.pdf:2.93MB

加速器駆動核変換システム(ADS: Accelerator-Driven System)の構成要素の一つであるビーム窓の核特性を粒子・重イオン輸送計算コードPHITS及び誘導放射能解析コードDCHAIN-PHITSを用いて評価した。本研究では日本原子力研究開発機構が提案するADSの運転時にビーム窓内部に生成される水素やヘリウム等の量、高エネルギー粒子により引き起こされるビーム窓材の原子弾き出し数、ビーム窓内部の発熱量及び分布を導出した。また、中性子源標的及び冷却材として用いられる鉛ビスマス共晶合金(LBE)中の生成核種、発熱密度及び放射能分布を求めた。ビーム窓解析の結果、300日間のADSの運転によりビーム窓中に最大で約12500appmのH及び1800appmのHeの生成と62.1DPAの損傷が発生することが判明した。一方で、ビーム窓内の最大発熱量は374W/cm$$^3$$であった。LBEの解析では、$$^{206}$$Biや$$^{210}$$Poが崩壊熱及び放射能の支配的な核種であることが判明した。さらに、陽子ビームによるLBE中の発熱はビーム窓下流5cm付近が最大であり、945W/cm$$^3$$であることがわかった。

報告書

J-PARCにおける高エネルギー陽子入射核破砕反応による核種生成断面積の測定

中野 敬太; 松田 洋樹*; 明午 伸一郎; 岩元 大樹; 竹下 隼人*; 前川 藤夫

JAEA-Research 2021-014, 25 Pages, 2022/03

JAEA-Research-2021-014.pdf:2.1MB

加速器駆動核変換システム(ADS: Accelerator-Driven transmutation System)の開発に資するデータとして、$$^9$$Be, C, $$^{27}$$Al, $$^{45}$$Sc, V標的に対する高エネルギー陽子入射反応による核種生成断面積の測定を行った。得られた実験値は最新の核反応モデルによる計算値や評価済み核データライブラリの値と比較を行い、その再現性について議論を行った。

論文

Nuclide production cross section of $$^{nat}$$Lu target irradiated with 0.4-, 1.3-, 2.2-, and 3.0-GeV protons

竹下 隼人; 明午 伸一郎; 松田 洋樹; 岩元 大樹; 中野 敬太; 渡辺 幸信*; 前川 藤夫

JAEA-Conf 2021-001, p.207 - 212, 2022/03

加速器駆動核変換システム(ADS)などの大強度陽子加速器施設の遮蔽設計において、高エネルギー陽子入射による核破砕生成物の核種生成量予測は基礎的かつ重要な役割を担っている。しかしながら、生成量予測シミュレーションで用いられる核反応モデルの予測精度は不十分であり、核反応モデルの改良が必要である。J-PARCセンターでは実験データの拡充と核反応モデル改良を目的に、様々な標的に対して核種生成断面積の測定を行っている。本研究では、$$^{nat}$$Lu標的に対して0.4, 1.3, 2.2および3.0GeV陽子ビームを照射し、放射化法により核種生成断面積データを取得した。取得したデータとモンテカルロ粒子輸送計算コードで用いられる核反応モデルと比較することで、現状の予測精度を把握するとともに核反応モデルの改良点を考察した。

論文

Measurement of nuclide production cross sections for proton-induced reactions on Mn and Co at 1.3, 2.2, and 3.0 GeV

竹下 隼人*; 明午 伸一郎; 松田 洋樹*; 岩元 大樹; 中野 敬太; 渡辺 幸信*; 前川 藤夫

Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 511, p.30 - 41, 2022/01

 被引用回数:5 パーセンタイル:65.59(Instruments & Instrumentation)

1.3, 2.2および3.0GeVの陽子入射によるMnおよびCoの核種生成断面積を放射化法によりJ-PARCで測定した。$$^{55}$$Mn(p,X)$$^{38}$$S, $$^{55}$$Mn(p,X)$$^{41}$$Ar、および$$^{59}$$Co(p,X)$$^{38}$$Sの生成断面積を世界で初めて取得した。安定した陽子ビームと確立されたビームモニタにより、系統的不確かさを典型的に5%以下に低減することができ、過去のデータよりも優れたものとなった。核破砕反応モデルと評価済み核データライブラリの予測精度の検証のため、測定データをPHITSの核破砕反応モデル(INCL4.6/GEM, Bertini/GEM, JAM/GEM)、INCL++/ABLA07、およびJENDL/HE-2007ライブラリの断面積と比較した。平均二乗偏差係数の比較により、INCL4.6/GEMとJENDL/HE-2007は他のモデルよりも実測データとのよい一致を示すことがわかった。

論文

Nuclide production cross sections of Ni and Zr irradiated with 0.4-, 1.3-, 2.2-, and 3.0-GeV protons

竹下 隼人; 明午 伸一郎; 松田 洋樹; 岩元 大樹; 前川 藤夫; 渡辺 幸信*

JPS Conference Proceedings (Internet), 33, p.011045_1 - 011045_6, 2021/03

加速器駆動核変換システム(ADS)における核設計の高度化のため、ADSで使われる材料であるNiとZrについて、数GeVエネルギー領域における陽子入射の核種生成断面積測定を行い、核設計に用いる計算コードPHITSによる計算値やJENDL/HE-2007との比較検討を行った。

論文

Measurement of nuclide production cross-sections of $$^{mathrm{nat}}$$Fe for 0.4-3.0 GeV protons in J-PARC

松田 洋樹; 竹下 隼人*; 明午 伸一郎; 前川 藤夫; 岩元 大樹

JPS Conference Proceedings (Internet), 33, p.011047_1 - 011047_6, 2021/03

精度の良い核種生成断面積は加速器駆動核変換システム(ADS)設計における放射性廃棄物の取り扱い、放射性廃棄物の遠隔での取り扱い方法の設計、及び放射線作業従事者の被ばく評価に必要とされる。今日まで数多くの実験が行われてきたが、測定データ誤差が数十%を超えるものが時には存在し、いくつか重要な核種に対してはGeVエネルギー領域において実験データが存在しないものがある。この研究では鋼材の最も重要な構成元素である鉄の陽子入射による核種生成断面積を測定した。実験データはPHITSコードに組み込まれているBertiniやINCL4.6モデルを用いて計算した値、及び評価済み核データJENDL-HE/2007と比較した。この研究では(p,xn)反応を介した生成断面積に大きな食い違いがあることが明らかとなった。これは核子-核子散乱やパウリブロッキングなどのさらなる改良が核内カスケードモデルに必要であることを示唆するものであった。

論文

Measurement of thick target neutron yield at 180$$^{circ}$$ for a mercury target induced by 3-GeV protons

松田 洋樹; 岩元 大樹; 明午 伸一郎; 竹下 隼人*; 前川 藤夫

Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 483, p.33 - 40, 2020/11

 被引用回数:3 パーセンタイル:36.4(Instruments & Instrumentation)

大強度陽子加速器施設J-PARCにおいて、3GeV陽子入射による水銀標的から180度方向に放出される中性子のエネルギースペクトルを測定した。得られた結果は、粒子輸送計算コードPHITSによる計算結果と明らかな差異が見られ、その傾向はインジウムやニオビウムの放射化箔を用いた反応率実験の結果と一致することがわかった。鉛標的に対するGeV領域陽子入射中性子二重微分断面積の後方角におけるエネルギースペクトルの実験データとPHITSの核反応モデルを比較したところ、この差異は3GeV付近における核反応モデルによる中性子生成あるいは弾性散乱外断面積の記述に起因していることが示唆された。

論文

佐系69(${it Citrus hanayu}$ $$times$$ ${it C. depressa}$)の植物体再生率に対する炭素イオンの照射効果

納富 麻子*; 長谷 純宏; 田中 義樹*; 竹下 大樹*

JAEA-Review 2015-022, JAEA Takasaki Annual Report 2014, P. 102, 2016/02

佐賀県で選抜されたノビレチン高含有香酸カンキツ「佐系69」を材料として、さらにノビレチンを高含有する系統などの作出を目的としてイオンビームの適性照射線量を検討した。実生胚軸上のカルスにイオンビームを照射し、植物体の再分化率に及ぼす影響を調査した。非照射区の再分化率は97.7%であった。2, 4及び8Gy照射区では非照射区に比べて再分化率が低下したが、線量反応は明確ではなかった。4Gy照射区においても約8割の個体が再分化したことから、「佐系69」の放射線感受性は、これまで試験したカンキツ類のなかでは最も放射線感受性が低かった川野ナツダイダイと同等と考えられた。

論文

ウンシュウミカンにおけるイオンビーム照射用試料調整方法の検討

松尾 洋一*; 長谷 純宏; 竹下 大樹*; 納富 麻子*

JAEA-Review 2014-050, JAEA Takasaki Annual Report 2013, P. 111, 2015/03

中生ウンシュウミカンは、多胚性種子のために交雑育種による品種改良には多数の制約がある。このため新品種の開発は、雑種実生による品種改良は少なく、枝変わりもしくは珠心胚実生の中から突然変異個体を選抜している。通常の珠心胚実生の選抜試験では、特定の形質を得ることは困難であるため、イオンビーム照射を実施した珠心胚実生より突然変異個体を効率的に誘発するために、品種毎に試料の前処理方法を検討した。前処理方法として、実生の胚軸及び根部を切断してプラ壺へ移植する方法、ならびに組織の切断部位を少なくするために胚軸部のみを切断し、スチロールケースに配置して根部は水分を含ませた支持体で固定する方法の2通りを試験した。イオンビーム照射後の再分化率を比較した結果、前者の方法の方が再分化率が高いことがわかった。

論文

Structure and dynamics of poly(vinyl alcohol) gels in mixtures of dimethyl sulfoxide and water

金谷 利治*; 高橋 伸明; 竹下 宏樹*; 大倉 正敏*; 西田 幸次*; 梶 慶輔*

Polymer Journal, 44(1), p.83 - 94, 2012/01

 被引用回数:28 パーセンタイル:66.86(Polymer Science)

We review our structure studies on poly(vinyl alcohol) (PVA) gels formed in mixtures of dimethyl sulfoxide (DMSO) and water using various scattering methods including wide-, small- and ultra small-angle neutron scattering and light scattering. These studies revealed the hierarchic structure of PVA gels formed in DMSO/water (60/40 v/v) in a very wide spatial scale from 1 ${AA}$ to several micron: the crosslinking points are crystallites with radius of $$sim$$70 ${AA}$, the distance between the neighboring crystallites is 180-200 ${AA}$, and the bicontinuous structure due to liquid-liquid phase separation is in mm scale. We also review our dynamic studies on three kinds of PVA gels in nm scale using neutron spin echo technique to separate the concentration fluctuations observed by small-angle neutron scattering into the static and dynamics contributions.

口頭

カンキツ類へのイオンビーム及びシンクロトロン光照射による突然変異誘発

松尾 洋一*; 長谷 純宏; 野澤 樹; 石地 耕太郎*; 竹下 大樹*

no journal, , 

カンキツ類は他の作物と違い、交雑育種による品種改良には多数の制約がある。特に主力品目の温州みかんは多胚性種子のため、交雑によって得られる雑種品種は少なく、おもに枝変わり若しくは珠心胚実生を育成し、その中から突然変異個体が選抜されてきた。われわれは、カンキツ類の育種効率を向上させるために粒子線を利用した新品種作出に取り組んできた。これまでにカンキツ経済品種の代表的なものについて、イオンビームに対する感受性を把握した。カンキツ類の中でも温州みかんは、特に品種間差が著しかった。これまでに、トゲ消失個体,わい化個体,特定成分高含有個体などの有用変異株を獲得した。また、佐賀県では平成18年にシンクロトロン光照射施設が建設され、シンクロトロン光の植物育種への利用が検討されている。イオンビーム照射と同様な突然変異を誘発することが可能かどうか検討した結果、シンクロトロン光照射試験においても、わい化及びトゲ消失形質を獲得できたことから、シンクロトロン光の育種への利用が可能であることが判明した。

口頭

カンキツ類へのイオンビーム照射による突然変異誘発

松尾 洋一*; 竹下 大樹*; 長谷 純宏; 野澤 樹

no journal, , 

本試験では、カンキツ多胚性品種の実生胚軸より発生したカルスへイオンビーム照射し、適正線量を把握して突然変異体を効率的に作出する手法について検討した。2006年よりカンキツ類への炭素イオンビーム(320MeV)照射試験を開始し、カンキツ経済品種の代表的なものについて、イオンビームの感受性を把握した。また、今村温州及びカラタチのわい化変異体選抜では、数個体の候補個体を獲得した。さらに、ユズでは、不完全なトゲ消失も含め数個体の候補個体を獲得した。これらの候補個体については、今後、樹体特性及び果実形質を考慮して検定を実施する。

口頭

カンキツ類における量子ビーム照射による突然変異育種法の検討

松尾 洋一*; 石地 耕太郎*; 竹下 大樹*; 納富 麻子*; 長谷 純宏; 野澤 樹

no journal, , 

ユズ等の多胚性種子を形成するカンキツでは、交雑育種による品種改良は困難である。われわれは、枝梢にトゲが発生するユズにおいて、実生胚軸の切断面に発生したカルスにイオンビーム又はシンクロトロン光を照射し、トゲ消失変異体の作出を試み、量子ビームによる突然変異育種法の可能性を検討したので報告する。イオンビーム照射では、合計3,743個体に照射を実施した結果、1Gy, 2Gy及び4Gy区で完全にトゲが消失した3個体を獲得することができた。また、部分的にトゲが消失した個体は各線量区で認められ、合計13個体の変異体を獲得した。シンクロトロン光照射では、合計1,997個体に照射を実施した結果、1Gy区及び20Gy区で2個体のトゲ消失個体を獲得することができた。また、部分的にトゲが消失した個体は1Gy, 2Gy及び10Gy区で認められ、合計5個体を獲得した。実用的な突然変異育種手法として評価されているイオンビームと同様に、シンクロトロン光もカンキツ育種への利用が可能であることが示唆された。

口頭

中生ウンシュウミカン実生胚軸へのイオンビーム照射方法及び線量の検討

松尾 洋一*; 竹下 大樹*; 納富 麻子*; 長谷 純宏; 野澤 樹*

no journal, , 

中生ウンシュウミカンは、多胚性種子のために交雑育種による品種改良には多数の制約がある。このため新品種の開発は、雑種実生による品種改良は少なく、枝変わり若しくは珠心胚実生の中から突然変異個体を選抜している。通常の珠心胚実生の選抜試験では、特定の形質を得ることは困難であるため、イオンビーム照射を実施した珠心胚実生より突然変異個体を効率的に誘発するために、品種毎に試料の前処理方法を検討した。前処理方法として、実生の胚軸及び根部を切断してプラ壺へ移植する方法、ならびに組織の切断部位を少なくするために胚軸部のみを切断し、スチロールケースに配置して根部は水分を含ませた支持体で固定する方法の2通りを試験した。イオンビーム照射後の再分化率を比較した結果、前者の方法の方が再分化率が高いことがわかった。

口頭

ウンシュウミカンにおける量子ビーム感受性の品種間差異及び"今村温州"わい化変異体の作出

松尾 洋一*; 長谷 純宏; 野澤 樹; 竹下 大樹*; 納富 麻子*

no journal, , 

ウンシュウミカンは雄性不稔形質を有し多胚性種子を形成するため、交配による品種育成は困難な場合が多く、主に枝変わりもしくは珠心胚実生の中から突然変異体を選抜し品種を育成している。量子ビームを利用した突然変異育種法は、効率的に目的形質を獲得することが可能なことより花き類等では広く利用されているが、木本性植物では利用が少ない。本試験ではウンシュウミカンの多胚性種子を利用し、実生胚軸切断面より発生したカルスへ重イオンビーム照射を行い、感受性を把握し変異体を効率的に獲得する手法について検討した。さらに、樹勢が強く夏梢の徒長が著しい"今村温州"について徒長が抑えられた個体を選抜したので報告する。

口頭

ウンシュウミカンカルスへの重イオンビーム照射が再分化個体生育に及ぼす影響

田中 義樹*; 納富 麻子*; 竹下 大樹*; 松尾 洋一*; 長谷 純宏

no journal, , 

ウンシュウミカンは雄性不稔であることに加え、種子が多胚性で交雑胚が得られにくいことから、交雑育種は非常に困難である。このため、ウンシュウミカンの品種改良では、枝変わりもしくは珠心胚実生の中から突然変異個体を選抜するのが一般的であるが、変異の頻度や幅は非常に小さく効率が悪い。高糖系ウンシュウミカン"今村温州"は果実品質は優れているものの、樹勢が強すぎるため着果性が悪いという欠点を持つ。そこで、わい性の突然変異個体獲得を目的とし、珠心胚実生上のカルスにイオンビームを照射した。カルスから再分化した個体について、生育特性を調査した。樹高分布は2Gyおよび4Gyでほぼ同等で、幹径の分布も両線量区で同様の傾向を示した。樹勢が中庸またはやや弱い個体が2/3前後を占め、現時点でトゲ発生がない、あるいは少ない個体が5個体みられた。今後さらに候補個体の育成をすすめ、果実品質を中心とした他の形質について確認する予定である。

口頭

重イオンビーム照射"ゆら早生"個体群における優良個体の選抜

田中 義樹*; 松尾 洋一*; 長谷 純宏; 納富 麻子*; 竹下 大樹*

no journal, , 

イオンビーム照射によるカンキツ類の改良に関して、照射した組織から再生し、圃場で育成中の"ゆら早生"82個体について、樹体特性及び果実品質を調査した。イオンビーム照射組織由来の個体は、非照射の個体に比べて樹高が高く、幹径が大きい傾向が認められた。果実品質については、10月中旬に糖度が11度以上に達した個体が2Gyで4個体、4Gy区で1個体得られた。8Gy区の個体の糖度は全て8.5度以下であった。これらの結果から、樹勢が弱いことが課題となっている"ゆら早生"について、イオンビーム照射によって樹勢が強く、同等以上の果実品質を持つ個体が得られる可能性が示された。

口頭

放射線育種を利用した機能性成分高含有カンキツの育成

納富 麻子*; 松尾 洋一*; 長谷 純宏; 竹下 大樹*; 田中 義樹*

no journal, , 

佐賀県果樹試験場で育成されたノビレチン高含有香酸カンキツ「佐系69」を材料として、イオンビーム育種によりさらにノビレチンを高含有する個体の獲得を目指している。ここでは、実生胚軸上に形成されるカルスに対する最適な照射線量を検討するため、再分化率に及ぼす影響を調査した。照射5$$sim$$6週間前に剥皮した種子を播種し、照射7$$sim$$8日前に胚軸を切断して、切断面発生したカルスに炭素イオンビームを照射した。カルスからの再分化率は照射線量が高いほど低下する傾向にあった。「佐系69」においては、4$$sim$$8Gyが変異誘発に最適と考えられ、今後、再分化個体の生育特性及び葉のノビレチン含量を調査し、有用変異体の選抜を行う。

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