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論文

山地における集水域の設定方法に係る検討

竹末 勘人; 野原 壯; 遠藤 海人*; 和泉 昌弘*; 竹内 真司*

日本地下水学会2025年春季講演会予稿集(インターネット), 2 Pages, 2025/05

BB2025-0082.pdf:0.53MB

人形峠環境技術センターでは、花崗岩山間地におけるウラン廃棄物埋設処分の安全評価に係る環境研究を実施している。ウラン廃棄物埋設処分の安全評価では、ウランが地下水によって移行するシナリオ(地下水シナリオ)を用いる。集水域では、山の尾根を分水嶺として設定し、尾根から谷への水の流動や水質が調べられてきた。しかし、山地における集水域はスケールが小さく、場所によって地下水の流出先が異なる。従来、集水域における地下水の影響が調べられてきたが、表層付近の風化花崗岩や火山噴出物が水の流動や水質に局所的な変化をもたらす可能性がある。また、地下水の流出先の偏在が河川水の水質に影響を与える可能性がある。当面の課題は、表層付近の地質が集水域の水の流動や水質に与える影響を明らかにすることである。本研究では、単純な地下水流動モデルを考えて、まずは主な流出先の確認方法を検討した。さらに、河川水の水質を調べるとともに、室内試験で地質の影響を確認した。フィールド調査と水-岩石反応試験の結果、河川水の水質は、海塩起源だけでなく、岩石(鉱物)の関与が示唆された。

口頭

花崗岩山間地における地下水流動の特徴

竹末 勘人; 野原 壯; 遠藤 海人*; 竹内 真司*

no journal, , 

花崗岩山間地は、一般に地形が複雑で、帯水層の規模が小さく透水性が多様なため、地点ごとの水位の解析による再現が難しい。既存の花崗岩分布地域の研究では、表層付近の割れ目帯や、断層,マサ状風化に着目した事例がある。しかし、山間地においては、熱水変質や粘土状風化、割れ目の変位に起因した帯水層や難透水層が複雑に分布しており、さらに起伏に富む地形により近接した地点間で水位が顕著に異なることも予想されるが、詳細な調査事例は知られていない。そのため本研究では、人形峠地域を対象として、フィールド調査技術の適用と改良を図りながら、地下水流動の特徴を明らかにする。人形峠地域には、西南日本の山間地特有の地形地質が認められる。また、既存ボーリング調査により取得された岩石コアや透水性データの活用が可能であり、山間地の地下水流動調査を行う上で貴重なフィールドといえる。既存情報調査により、連続的な高透水層の特徴と分布を調べた結果、マサが卓越する風化花崗岩と砂礫層とが主な帯水層で、涵養域から流出域に連続的に分布すると推定された。本発表では、研究の計画と、予察的なフィールド調査の結果を紹介する。

口頭

花崗岩山間地の地下水流動の不均質性に係る調査手法の検討; フィールド調査と地下水流動解析

竹末 勘人; 野原 壯; 遠藤 海人*; 竹内 真司*

no journal, , 

人形峠環境技術センターは、花崗岩山間地におけるウラン廃棄物埋設処分の安全評価に係る環境研究を実施しており、信頼性を確保しつつシンプルな地下水流動モデルの構築を目指している。ウラン廃棄物埋設処分の安全評価では、放射性核種が地下水によって移行するシナリオ(地下水シナリオ)を用いる。放射性核種移行に係る安全評価は、地下水流動モデルを基本として実施されるため、地下水流動モデルの不確実性が最終的な安全評価の不確実性に大きな影響を与える。当面の課題は、花崗岩山間地の広域地下水流動の不均質性を把握することである。本研究では、表層付近の透水不均質性を考慮したフィールド調査と予備的な地下水流動解析を組み合わせた多面的な地下水流動調査を実施している。これまでに、フィールド調査と室内試験により、渓流域の水質と同位体組成を確認し、地下水の起源と移行メカニズムに係る予察的な結果を得た。また、地下水流動解析により山間地の複雑な地形の影響を確認した。

口頭

岡山県人形峠地域の花崗岩における割れ目の特徴と分布

竹末 勘人; 野原 壯

no journal, , 

花崗岩のような結晶質岩系における地下水流動は岩盤中の割れ目や断層の分布とその特徴に支配される(石橋ほか, 2014)。東濃や幌延地区では、割れ目帯の分布とそれらの平均的な透水係数などを用いた地下水流動の解析が行われた(例えば、西本ほか, 2008; 操上ほか, 2008)。最近では、白亜紀の花崗岩に超臨界流体による高透水化の証拠がみつかり、超臨界流体による透水不均質性とその分布の概念的なモデルが提案されている(Nohara et al., 2019)。地下水流動モデルを検討するうえで、断層や超臨界流体といった不均質な構造は不確実性の要因になる。不均質な構造での地下水流動のモデル化では、しばしば複雑な地質構造の把握が課題となる。そのため、シンプルな構造を有する地域を選んでモデル化を行い、その結果を踏まえて複雑な構造のモデル化にチャレンジする段階的なアプローチの仕方が、不均質性の理解や不確実性の減少に対して有効だろうと考えている。このような背景を踏まえ、本研究では人形峠地域を事例として、新たなボーリング調査を行い、透水試験データとコア観察及び岩石薄片観察による地質学的データの取得、解析により、主要な透水性割れ目の分布と特徴を把握した。

口頭

高温条件下で高透水化した花崗岩の特徴と水理構造モデル構築に向けた研究

野原 壯; 竹末 勘人; 松村 敏博*; 中桐 俊男; 竹内 真司*

no journal, , 

透水性媒体としての花崗岩は、4桁から5桁の透水係数の幅を有することから不均質な岩盤である。従来、断層運動と割れ目の発達に伴う高透水化が注目され、割れ目帯の分布とそれらの平均的な透水係数などを用いた広域地下水流動の解析が行われている。近年の地熱分野の研究により、350$$^{circ}$$C$$sim$$450$$^{circ}$$Cの地殻で引張割れ目が形成され、その結果、塑性的な地殻にも高透水領域が存在すると報告されている。また、国内の花崗岩には400$$^{circ}$$Cを超える超臨界流体の流動による遮水帯の形成や破断の影響が認められ、それらは現在の透水性と関連することが指摘されている。このような背景を踏まえ、本研究では人形峠地域を事例として、超臨界流体による影響を考慮して、花崗岩の広域$$sim$$サイトスケールの水理地質構造調査技術およびモデル化技術の適用と改良を行い、評価技術の高度化を図ることを主な目的とする。同地域は、貫入岩脈に伴う花崗岩の赤色化、鉱物の溶脱および石英脈の発達が認められ、これらは、超臨界流体流動の痕跡の特徴と一致する。本発表では、水理地質構造モデル構築に向けた研究の計画と、フィールド調査手法とその結果を紹介する。

口頭

花崗岩山間地の風化花崗岩の地下水流動の不均質性に関する研究

竹末 勘人; 野原 壯; 遠藤 海人*; 竹内 真司*

no journal, , 

人形峠環境技術センターは、ウラン廃棄物埋設処分の安全評価に係る環境研究を実施しており、信頼性を確保しつつシンプルな地下水流動モデルの構築を目指している。当面の課題は、花崗岩山間地の広域地下水流動の不均質性の把握である。本研究では、現在、人形峠地域の既存文献調査、地表踏査並びにボーリング孔を用いた簡易透水試験などを行い、地下水の選択的な移行経路となり得る高透水性の構造の調査を実施している。これまでの調査の結果、亀裂を含む風化花崗岩の透水係数はいずれも1.0E-8m/sオーダーであり、顕著な高透水性の構造は認められていない。薄片観察によって風化花崗岩の鉱物粒子の境界部を調べた結果、熱水変質や風化に伴う粘土化が生じており、このような部分で透水性が低下した可能性があることが示唆された。地下水流動の不均質性については、主な帯水層の地下水化学組成及び同位体組成に基づき、帯水層中の地下水の起源や移行メカニズムに係る調査を実施中である。このような調査結果を踏まえて、高透水性構造の不均質性に伴う地下水流動のアノマリーの検出を目指している。

口頭

地下水流動は地中ラドンポテンシャルに影響するか?

野原 壯; 竹末 勘人; 迫田 晃弘

no journal, , 

ラドンは岩石や土壌から散逸する放射性の気体で、ウランの放射壊変によって、数万年を超える時間スケールで発生している。ラドンは喫煙に次ぐ肺がんの主な原因と考えられ、2009年のWHOの勧告を踏まえて、ラドン被ばくの主な要因である地中のラドン供給能力の自然条件と、屋内ラドンに係る人為条件が、主に欧州で調べられている。前者については、地中ラドンポテンシャルが高い地点がウラン鉱床や断層帯に偏在することがわかっている。わが国の屋内ラドンは世界的にみると低く、屋内ラドン濃度が高い地点は少ないが、井戸水の利用による屋内ラドン濃度の上昇が報告されており、地下水ラドン濃度を考慮した高ラドンポテンシャル地点の調査と優先的な対策が必要である。本研究の目的は、地下水ラドン濃度が高いラドン泉地域における高ラドンポテンシャル地点の偏在の確認と、地下水流動によって地中ラドンポテンシャルが増加する可能性についての検討である。ラドン泉地域を対象に行った、地表の空間ガンマ線線量率及びラドン散逸率と、地中ラドン濃度の現場測定の結果を報告する。

口頭

ラドン泉地域における地中ラドンポテンシャルの特徴

野原 壯; 竹末 勘人; 迫田 晃弘; 坂口 千恵*; 小林 桂*

no journal, , 

被ばくの影響が相対的に大きい高ラドンポテンシャル地点の偏在と、その要因の解明を目的に、ラドン泉2地域(島根県三瓶、山梨県増冨)の地中ラドンポテンシャルの特徴について、地下水ラドンの影響を考慮して、地質調査とシンチレーションセルを用いた地中ラドン濃度の現場測定を行った。また、地中のラドン供給能力が高い地点のラドン泉と岩石のリチウム及びストロンチウムの同位体を調べた。ラドン泉2地域は、第四紀火山から10km以内の花崗岩の分布域に位置する。ラドン泉は、塩素濃度が高くCO$$_{2}$$を含有して自然湧出しており、塩素等の溶存成分比やストロンチウム同位体比等がスラブ起源深部流体の特徴を示す。このようなラドン泉地域では、ラドン泉の自然湧出地点から10m以内に、地中ラドン濃度が顕著に高い地点が偏在する。その地下には、高ラジウム濃度と極低$$delta$$$$^{7}$$Li値を示す高透水層と割れ目充填物が認められる。

口頭

花崗岩山間地の地下水流動とウラン挙動の特徴と変遷

野原 壯; 竹末 勘人; 遠藤 海人*; 佐藤 治夫*

no journal, , 

花崗岩山間地の地下水流動とウラン挙動の特徴と変遷の把握を目的に、人形峠地域のウラン鉱床に係る既存情報の整理とフィールド調査を行った。主な帯水層について既存ボーリングデータを整理し、高透水層(砂礫層,マサ卓越層)と、低透水層(熱水変質花崗岩,新鮮花崗岩,粘土質花崗岩風化部)とに区分した。フィールド調査の結果、高透水層は南斜面の北側(標高約800m)から麓の盆状地(同700m)にかけて連続的に分布し、低透水層は高透水層の直下や盆状地の南側に分布することがわかった。このような帯水層の分布に基づいてウラン挙動を検討した結果、花崗岩等から溶出したウランが地下水によって運ばれ、盆状地において炭質物等によって還元されて濃集したと推定された。ウラン鉱床の偏在については、斜面の形状と高透水層の分布に関連した流出域の偏在が主な原因と考えられる。また、ウランの長期保存の原因のひとつとして、低透水性泥質岩(キャップロック)による酸化的地下水の侵入抑制が考えられる。これらの知見を踏まえて、広域地下水流動の不均質性と地形の変遷を考慮した地下水流動の概念モデルを検討した。

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