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山路 哲史; 滝塚 貴和; 鍋島 邦彦; 岩村 公道; 秋本 肇
Proceedings of 2009 International Congress on Advances in Nuclear Power Plants (ICAPP '09) (CD-ROM), p.9366_1 - 9366_8, 2009/05
本研究では、深宇宙探査機の推進用として、固体原子炉と熱電変換素子を組合せた発電システムの設計を行った。具体的には、以下の3種類のシステムについて、電気出力,放熱器質量、及びヒートパイプと熱電変換素子の作動温度範囲を評価した。3種類のシステムは、固体熱伝導のみで冷却するsolid thermal conduction (STC)システム,炉心表面をヒートパイプで冷却するcore surface cooling with heat-pipes (CSHP)システム,炉心内部を直接ヒートパイプで冷却するcore direct cooling with heat-pipes (CDHP)システムである。その結果、これらのシステムは、従来、宇宙での電力源として欠如していた電気出力1から100kWeの範囲を広くカバーできることが明らかになった。特に、ヒートパイプ及び熱電変換素子の使用温度範囲は広く、比較的に低温領域までカバーしている。これは、機器の選択範囲の拡大,新規開発要素の低減,信頼性の向上の観点から望ましいことであり、本概念の早期実現に有利である。
高田 昌二; 滝塚 貴和; Yan, X.; 國富 一彦; 稲垣 嘉之
日本機械学会論文集,B, 75(749), p.11 - 18, 2009/01
高温ガス炉ガスタービン発電システム用軸流式ヘリウムガス圧縮機の1/3スケール,4段の圧縮機モデルにより、ヘリウムガスを作動流体とした空力性能試験を実施した。試験装置は、直径500mmのロータを定格回転数10800rpmの電動機で駆動する。初段動翼高さ34mmである。試験条件は、入口圧力0.88MPa,温度30C,流量12.47kg/sとした。高ボス比・多段型となるヘリウムガス圧縮機では、端壁境界層厚さが大きくなり、効率が低下しやすい。端壁境界層では、翼端すき間流れや二次流れの発生により旋回流が発生して軸流速度が低下する。旋回流に合わせて翼端壁近傍の翼入口角を大きくすることで、軸流速度の低下を抑制することができる。試験と3次元数値解析により、翼入口角による端壁境界層における軸流速度への影響を明らかにした。また、20段の実機圧縮機の断熱効率が約90%となることを予測した。
Yan, X.; 滝塚 貴和; 國富 一彦; 伊高 英彦*; 高橋 邦雄*
Journal of Turbomachinery, 130(3), p.031018_1 - 031018_12, 2008/07
被引用回数:28 パーセンタイル:72.22(Engineering, Mechanical)300MWe級原子力ガスタービンの多段軸流ヘリウム圧縮機の空力設計研究及びその設計検証の結果を報告する。ヘリウム圧縮機は多段,狭流路となり、損失が大きくなりやすいことから、その設計は容易ではない。ヘリウム圧縮機特有の問題を克服し、高効率を達成するために、先端的な空力設計技術を採用した。縮尺モデルによる圧縮機空力性能試験及び3次元粘性CFD解析を行って、設計を検証した。さらに、実機圧縮機の空力性能を予測する性能モデルを構築した。レイノルズ数及び表面粗さが圧縮機の空力性能に大きな影響を与えることを示した。
高田 昌二; 滝塚 貴和; Yan, X.; 國富 一彦
日本ガスタービン学会誌, 34(2), p.94 - 99, 2006/03
GTHTR300は、原子炉で850Cまで加熱したヘリウムガスでタービンを駆動する直接サイクルガスタービン発電システムである。動力変換系の設計では、可能な限り既存の技術に基づく設計とすることで、要素技術開発項目を少なくした。システムは、中間冷却なし再生式サイクルを採用した。閉サイクルヘリウムガスタービンと圧縮機は高ボス比・多段型となり、端壁境界層厚さが翼高さに対して相対的に厚くなることから、空力性能上不利となるが、これを克服するために翼端壁部の翼入口角を流れに合わせるなどして、設計目標値ポリトロープ効率93%,90%を満足させた。設計の結果、発電効率は45.8%となり、安全性に優れ、発電コストが4円/kWhとなる原子力発電プラントの成立性の見込みが得られた。高効率ヘリウムガス圧縮機の設計手法を構築するために、1/3スケール圧縮機モデルにより、端壁境界層を抑制するための端壁近傍での翼入口角の設定方法を構築するとともに、設計式の係数を修正することにより、目標の90.5%を満足する高効率ヘリウムガス圧縮機の設計を完成させた。
高田 昌二; 滝塚 貴和; Yan, X.; 黒河内 直浩; 國富 一彦
JAEA-Technology 2005-007, 241 Pages, 2006/02
高温ガス炉ガスタービン発電システム用ヘリウムガス圧縮機では、入口主配管を吸込ケーシングの分配流路の流れ方向に直角に接続するため、分配流路に流入した流れが分配流路壁面からはく離して、逆流領域を形成することにより流動抵抗を増加させる。分配流路内における全圧の周方向差の増加に伴い、翼列入口での流速の差が増加し、圧縮機性能を劣化させるインレットディストーションが発生する可能性がある。圧縮機モデル性能試験装置により、インレットディストーションの大きさを変化させた試験を実施し、圧縮機性能への影響を評価した。逆流発生領域前後で周方向流速を均一化させるよう壁面から流れを注入して、はく離と逆流を解消させることにより、設計点でインレットディストーションを約23%低減でき、定格流量における翼列間断熱効率を約0.5%向上させることができた。サージ点修正流量を10.0kg/sから9.5kg/sまで低減した。吸込ケーシング入口主配管にオリフィスを設置してインレットディストーションを約4%増加させることにより、翼列間断熱効率が約1%低下した。以上の結果から、定格流量における翼列間断熱効率のインレットディストーションに対する相関式を並行圧縮機モデルに基づき導出した。試験から得られた効率のレイノルズ数依存性から予測した断熱効率は90.2%であった。試験結果を用いて検証された設計コードによる実機圧縮機の効率は89.7%とよく一致し、設計値89.0%を満足した。
椎名 保顕; 滝塚 貴和; 笠原 清司
日本原子力学会誌, 48(2), p.58 - 59, 2006/02
第2回HTTRワークショップ「水素製造技術に関するワークショップ」が、2005年10月57日、日本原子力研究開発機構(以下、原子力機構)大洗研究開発センターで、原子力機構及び経済協力開発機構・原子力機関・原子力科学委員会(OECD/NEA/NSC)の共催、国際原子力機関(IAEA)の協賛により開催された。原子力機構ではHTTR(高温工学試験研究炉)プロジェクトを推進するため、情報交換,技術課題・研究課題の推進方法,国際協力等についての議論を行うことを目的として、昨年7月に高温ガス炉技術及び原子力を利用した水素製造の研究開発に関するワークショップ(第1回HTTRワークショップ)を開催した。本ワークショップはこれに引き続き第2回目として開催されたものであり、また第3回OECD/NEA/NSC原子力水素情報交換会議としても位置づけられた。参加人数は143名で、そのうち国外の参加者は10か国・地域(米・仏・韓・独・加・中・台・伊・スウェーデン・インドネシア)39名であった。発表件数は原子力水素製造関連研究35件,HTTR研究関連4件、計39件である。昨年の参加者,発表件数(113名うち国外21名、6か国)と比べると海外からの参加者が増加し、また発表件数も倍以上となった。特に熱化学法による水素製造研究に関する発表件数が大きく増加したのが特徴である。
椎名 保顕; 滝塚 貴和; 笠原 清司
日本原子力学会誌, 46(12), p.862 - 863, 2004/12
「水素製造技術に関するワークショップ」が、2004年7月56日、茨城県大洗町の日本原子力研究所(原研)大洗研究所で、同研究所の主催のもと、開催された。原研ではHTTR(高温工学試験炉)プロジェクトにおける研究開発推進のため、高温ガス炉技術の開発研究及び水素製造などの核熱利用技術の開発研究に関する専門家を集めたHTTRワークショップを定期的に開催し、核熱による水素製造技術の技術課題や研究開発の推進方法などについて議論することを計画している。本ワークショップはその第1回として開催された。参加人数は113名で、そのうち国外の参加者は6か国(米・仏・韓・独・加・英)21名であった。発表はすべて口頭で行われ、件数は17件であった。
國富 一彦; 片西 昌司; 高田 昌二; 滝塚 貴和; Yan, X.; 小杉山 真一
JSME International Journal, Series B, 47(2), p.261 - 267, 2004/05
高温ガス炉ガスタービン発電システム(GTHTR300)は、原子炉の1次系にガスタービンを設置して発電を行う高効率発電システムであり、2010年代の実用化を目指している。本システムでは、可能な限り既存の技術を用いることで、開発要素を少なくする設計としているが、主要機器である圧縮機,磁気軸受等の開発試験が必要である。開発試験は、1/3スケールのヘリウムガス圧縮機の空力性能試験,磁気軸受の制御性確認試験,全体システムの運転制御性試験からなる。このうち、ヘリウムガス圧縮機の空力性能試験では、ボス比が大きくなりブレード周りのヘリウムガスの2次流れの空力性能の影響が大きくなるヘリウムガス圧縮機の特性を考慮した試験計画を定めた。本報は、GTHTR300の優れたタービン系の特長を示すとともに、開発試験の試験計画,試験内容を示す。
小杉山 真一; 武井 正信; 滝塚 貴和; 高田 昌二; Yan, X.; 國富 一彦
日本原子力学会和文論文誌, 2(4), p.532 - 545, 2003/12
GTHTR300の発電系設備に対して既に提案されている保守・点検方針に基づき、点検方法・手順の検討を行った。定期的に開放点検あるいは分解点検を行うこととしたガスタービン,圧縮機及び発電機は1次系圧力バウンダリである動力変換容器内に設置されている点,原子炉冷却材ヘリウムガス環境で使用されるため有意なFP沈着が想定される点で既存の発電プラントにおけるタービンと比べて特徴的であり、従来とは異なる点検方法が必要と考えられる。線量率評価の結果、ガスタービン及び圧縮機廻りの線量率が点検時に有意な被ばく影響を与え得る程度であることを確認した。したがって、開放点検は専用の点検エリアで一定期間の保管冷却後に行うこととした。動力変換容器からの取出し手順は、発電機収納部を切離した後にガスタービン-圧縮機一体のアセンブリとして容器内から引出し、天井クレーンで点検エリアに運ぶこととした。さらに、点検期間短縮の観点から、ガスタービン-圧縮機は予備アセンブリで入替える運用とした。ここで提案した方法・手順により設備利用率90%以上確保に見通しが得られた。なお、被ばく低減対策が今後の重要な検討課題であることを併せて確認した。
高田 昌二; 滝塚 貴和; 國富 一彦; 小杉山 真一; Yan, X.; 松本 岩男*
日本原子力学会和文論文誌, 2(4), p.525 - 531, 2003/12
GTHTR300のターボマシンを支持する磁気軸受設計の妥当性を検証するために、試験装置を設計するとともに試験計画を作成した。ターボマシンは、フレキシブルカップリングにより接続したターボ圧縮機と発電機ロータで構成され、それぞれ2個のラジアル磁気軸受で支持する。両ロータは、定格回転数以下に曲げモード危険回転数を持つ弾性ロータである。磁気軸受負荷容量は、弾性ロータを支持する既存の軸受に比べ10倍程度大きい。試験装置は、フレキシブルカップリングにより接続した実機の1/3スケールの試験ロータにより構成される。磁気軸受負荷容量は、既存技術で製作可能な値として、実機の1/10とした。試験ロータは実機の危険速度と振動モードを模擬できるように設計した。本件は、文部科学省から原研への委託により実施している電源特会「核熱利用システム技術開発」の「高温発電システム」の内容に関するものである。
小杉山 真一; 滝塚 貴和; 國富 一彦; Yan, X.; 片西 昌司; 高田 昌二
日本原子力学会和文論文誌, 2(3), p.319 - 331, 2003/09
GTHTR300の発電系設備に対する保守・点検の基本方針について検討し、提案を行った。検討に際しては、機器ごとに運転時の使用環境,構造,材料等を考慮し、機能の維持に支障を来す可能性のある劣化・損傷事象を予測した。特に留意すべき事象は、ガスタービンの動翼・静翼に対する高温クリープ及び熱疲労による割れ及び変形等であり、定期的な開放点検により健全性を確認することとした。なお、動翼・静翼には寿命評価による管理が必要であり、劣化傾向を把握し計画的に取り替えることとした。開放点検の周期は設計上の寿命も考慮すると、技術的には最長6年程度までなら妥当であるとの見通しを得た。そのほか、腐食・浸食が予測される前置冷却器及び発電機冷却ガス冷却器の伝熱管をはじめ、圧力バウンダリ機器には軽水炉の相当の検査を行うこととした。また、プラント運転時には巡視点検は行わず、モニタリングにより機器状態を確認することとした。
高田 昌二; 滝塚 貴和; 國富 一彦; Yan, X.; 谷平 正典*; 伊高 英彦*; 森 英二*
日本原子力学会和文論文誌, 2(3), p.291 - 300, 2003/09
GTHTR300用ヘリウムガス圧縮機は、3次元空力設計により、高いサージマージン30%を保持しつつ高いポリトロープ効果90%を達成できた。ヘリウムガス圧縮機は、高ボス比のために翼高さに対してチップクリアランスが相対的に大きく、多段型となるので、性能とサージマージンが低下しやすい。本圧縮機は既存の産業用空気圧縮機の空力設計手法及びデータをもとに設計した。本設計手法のヘリウムガス圧縮機への適用の妥当性を評価するために、実機の1/3で4段の圧縮機モデルによる性能試験を計画した。作動流体をヘリウムガス,入口設計圧力を0.88PMaとして十分高いレイノルズ数範囲でデータを取得する。本件は、文部科学省から原研への委託により実施している電源特会「核熱利用システム技術開発」の「高温発電システム」の内容に関するものである。
高田 昌二; 滝塚 貴和; 國富 一彦; Yan, X.; 皆月 功*
第31回ガスタービン定期講演会論文集, p.55 - 60, 2003/06
ヘリウムガス冷却高温ガス炉ガスタービン発電プラント(GTHTR300)の設計研究を行った。再生式閉サイクルにより、850C,7MPaのタービン入口条件で45.8%の発電効率を得た。ターボマシンは、単軸,磁気軸受支持とした。タービン及び圧縮機は、各々93%,90%のポリトロープ効率を達成した。再生熱交換器は、プレートフィン型とした。効率が高く、安全性に優れた原子力発電プラントの成立性の見込みが得られた。本報告では、GTHTR300ターボ圧縮機の空力設計,動力変換系統設計及びターボ圧縮機の保守補修方針について報告する。なお、本件は文部科学省から原研への委託により実施している電源特会「核熱利用システム技術開発」の「高温発電システム」の内容に関するものである。
國富 一彦; 片西 昌司; 高田 昌二; 滝塚 貴和; 中田 哲夫; Yan, X.; 武井 正信; 小杉山 真一; 塩沢 周策
日本原子力学会和文論文誌, 1(4), p.352 - 360, 2002/12
原研では、独自の高温ガス炉ガスタービン発電システム(GHTHR300)の設計研究を実施してきた。GTHTR300は、その早期導入のために、技術的・経済的な課題を低減すべくできるだけ簡素化した設計としている。GTHTR300では、新たに提案した設計上の工夫、すなわち、2バッチ燃料交換を採用した炉心,既存の鋼製原子炉圧力容器,革新的なプラント構成及び横置きのガスタービンユニットの導入により、2010年代において経済的に競争力があると期待される。本論文は、原子炉, 燃料, 炉内構造物及び圧力容器設計に関する独自の特徴、及びGTHTR300の資本費が目標値である200,000/kWeを満足できる予備評価について述べる。本研究は、文部科学省から原研への委託により実施している電源特会「核熱利用システム技術開発」の「高温発電システム」の内容に関するものである。
高田 昌二; 滝塚 貴和; 國富 一彦; Yan, X.; 片西 昌司; 小杉山 真一; 皆月 功*; 三好 保行*
日本原子力学会和文論文誌, 1(4), p.341 - 351, 2002/12
GTHTR300発電系設計では、経済性を高めるため、動力変換機器の高性能化,中間冷却器無サイクルの採用による物量低減を行った。タービンと圧縮機には3次元翼設計により、スラスト力を10kNに低減し、各々93.90%の高ポリトロープ効率を達成し、発電効率45.8%を得た。圧縮機ではサージマージン30%を得た。ターボマシンは横置とし、またダイヤフラムカップリングにより発電機とターボ圧縮機の振動絶縁を行い、磁気軸受負荷容量を低減しつつ軸系振動振幅をISO管理値75m以下とした。熱交換器設計では、小型化・物量低減を行った。プレートフィン型再生熱交換器では1.2
1.2mmの正方フィンを採用し、温度効率95%を確保した。前置冷却器はローフィン管ヘリカルコイル型とした。本件は文部科学省から原研への委託により実施している電源特会「核熱利用システム技術開発」の「高温発電システム」の内容に関するものである。
小杉山 真一; 高田 昌二; 片西 昌司; Yan, X.; 滝塚 貴和; 國富 一彦
JAERI-Tech 2002-088, 70 Pages, 2002/11
GTHTR300が次世代原子力発電プラントとして相応しい信頼性,経済性を有するためには、保守・点検性に優れていることが必要である。そこで平成13年度に実施した基本設計結果をもとに、発電及びプラント性能に直接かかわるガスタービン,圧縮機,発電機,再生熱交換器,前置冷却器等の保守・点検方針の検討・提案を行った。検討の結果、各対象機器に想定される劣化・損傷事象等を考慮すると、既存の軽水炉発電プラント及び火力コンバインドサイクル発電プラントと比較して、技術的には保守・点検項目の合理化及び点検周期の延長が可能との見通しが得られた。一方で、各機器の設置状況,構造的特徴及び核分裂生成物の付着等の観点から、点検作業を現実的かつ効率的に行うために解決すべき課題を摘出した。提案された点検方針の妥当性確認及び各課題の解決については、今後のGTHTR300設計の詳細化の中で実施していく。なお、本件は文部科学省から原研への委託により実施している電源特会「核熱利用システム技術開発」の「高温発電システム」の内容に関するものである。
倉田 有司; 滝塚 貴和; 大杉 俊隆; 高野 秀機
Journal of Nuclear Materials, 301(1), p.1 - 7, 2002/02
被引用回数:12 パーセンタイル:60.19(Materials Science, Multidisciplinary)日本におけるADS(加速器駆動核変換システム)の最近の戦略を述べた。階層型燃料サイクル概念は、長寿命放射性核種の分離と核変換のためのシステムとして、原研によって提案されている。ADSはこの階層型燃料サイクルのキーテクノロジーである。提案されたシステムは、鉛-ビスマス冷却,窒化物燃料を用いたマイナーアクチノイドと長寿命核分裂生成物を核変換するための800MWtのADSである。原研と高エネルギー加速器機構の統合計画のもとで、施設の概念設計が実施されている。高強度陽子加速器に加え、加速器駆動核変換技術の開発と実証のために、炉物理実験施設と工学実験施設が計画されている。炉物理実験施設ではハイブリッド未臨界システムの炉物理データを取得することを主な目的とし、工学実験施設では鉛-ビスマスターゲットシステムの設計のための材料データを蓄積することを主な目的としている。
片西 昌司; 國富 一彦; 高田 昌二; 中田 哲夫; 滝塚 貴和; 塩沢 周策
日本機械学会第8回動力・エネルギー技術シンポジウム講演論文集, p.185 - 188, 2002/00
高温ガス炉は、セラミック被覆燃料や黒鉛炉心構造物を使用していること、出力密度が低いことなどにより、高温に耐えることができ、かつ、異常事象の進展が緩慢であるといった安全上の特長を有する。これらの特長により、受動的冷却系のみで炉心の残留熱を除去でき、かつ、設計基準事象を越える事象でも炉心溶融の心配がないなど、高い安全性を有するシステムの設計が可能である。本稿では、現在設計を進めている高温ガス炉ガスタービン発電システムの安全にかかわる機器・系統の設計方針策定と設計の進捗,安全評価の対象事象の選定と判断基準の策定についての検討結果を報告するものである。
高田 昌二; 滝塚 貴和; 國富 一彦; Yan, X.; 片西 昌司; 小杉山 真一; 塩沢 周策
日本機械学会第8回動力・エネルギー技術シンポジウム講演論文集, p.189 - 192, 2002/00
本論文では、GTHTR300実証プラントの発電系設計により得られた成果について報告する。本プラント設計では、経済性を高めるために、主要機器の物量を低減することと高性能化を目指した。本プラントでは、ターボマシン,発電機及び再生熱交換器,前置冷却器を動力変換容器及び熱交換機収容器内に収納する。これらの機器や容器の寸法を最小化させて物量を低減する必要がある。本プラントでは中間冷却器のないサイクルを採用するとともに、前置冷却器はコンパクトなローフィン質ヘリカルコイル型として物量を低減した。タービンと圧縮機のポリトロープ効率の設計目標値をそれぞれ93%,90%まで高くして、翼形状を3次元化するなどして設計目標値を満足できるようにした。なお、本件は文部科学省から原研への委託により実施している電源特会「核熱利用システム技術開発」の「高温発電システム」の内容に関するものである。
國富 一彦; 片西 昌司; 高田 昌二; 滝塚 貴和; Yan, X.; 中田 哲夫; 武井 正信; 小杉山 真一; 塩沢 周策
日本機械学会第8回動力・エネルギー技術シンポジウム講演論文集, p.181 - 184, 2002/00
原研が開発を進めている高温ガス炉ガスタービン発電システム(GTHTR300)の目的,特徴等について報告するとともに、平成13年度に実施した設計研究のうち、炉心設計,熱流動設計,燃料設計,炉内構造物設計,原子炉圧力容器設計を中心に報告する。炉心設計では、新しい燃料交換方法により、2年間の連続運転,平均燃焼度約120GWd/tonを実現した。また、原子炉圧力容器設計では、冷却材流路バスの工夫により、その材料に軽水炉と同材料が使用可能であることを示した。これらの設計結果を基にして、簡易的な経済性評価を実施し、経済性が目的の20万円/kWe以下であることを示した。