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田島 俊樹; 曽山 和彦; Koga, J. K.; 宅間 宏
Journal of the Physical Society of Japan, 69(12), p.3840 - 3846, 2000/12
被引用回数:2 パーセンタイル:25.4(Physics, Multidisciplinary)中性子をレーザーと作用させる方法について提起する。レーザー波を適当に組み合わせることにより、非共鳴的に中性子の磁気核モーメントと結合させ、中性子との相互作用を起こさせることができることを指摘する。中性子は電気的に中性なので、レーザー光との結合は極めて弱いが、適度のレーザー光強度と光のうまい組み合わせなどを活用すれば、中性子の干渉を使うことにより、相互作用の様子を原理的に観測できることが示せる。これに必要な理論形式の構築、実験的原理(例えばレーザーキャビティーやレーザー・ビート波)の配位についても考察を展開する。現実に近い範囲でどのような実験パラメータが必要かについて提案する。こうした極底エネルギー光子-中性子相互作用域での観測可能性は、今後新たな研究局面を開くことになるかも知れない。
匂坂 明人; 本田 博史*; 近藤 公伯*; 鈴木 肇*; 永島 圭介; 長島 章; 河内 哲哉; 加藤 義章; 宅間 宏
Applied Physics B, 70(4), p.549 - 554, 2000/04
被引用回数:7 パーセンタイル:38.48(Optics)超短パルスレーザーを用いたX線領域の光源開発において、クラスターをターゲットに用いた研究が行われている。今回、レーザー電場中でのクラスター効果に注目し、研究を行った。チタンサファイアレーザー(1TW)を、窒素クラスターに照射し、発生したX線を結晶分光器で測定した。その結果、クラスター効果による完全電離イオン(N)の生成が観測された。
Raizen, M. G.*; Koga, J. K.; Sundaram, B.*; 岸本 泰明; 宅間 宏; 田島 俊樹
Physical Review A, 58(6), p.4757 - 4760, 1998/12
被引用回数:53 パーセンタイル:89.14(Optics)レーザーによる原子のストカスティック冷却方法を提案する。ポンプ・プローブレーザー配置によって原子の運動量分布の揺動を計測する。光双極子ポテンシャルを用いて補正キックを行う。反復冷却過程は測定とフィードバックの間に位相空間の再混合が必要である。この方法の適用の可能性を報告する。
西村 昭彦; 大図 章; 杉山 僚; 丸山 庸一郎; 有澤 孝; 宅間 宏; Nees, J.*; Biswal, S.*; Mourou, G.*; 大和田 進*; et al.
Technical Digest on CLEO'98, P. 177, 1998/05
レーザー上準位からの励起がなく量子効率が高い次世代超高出レーザー材料としてイッテルビウムガラスがある。30J/cmを超える高い飽和フルエンスを利用し、1.03ミクロンを中心とした幅広いバンド幅を活用して小型のレーザーシステムが可能となる。一方、この特性を最大限活かすためには半導体レーザー直接励起が必要となるが現時点ではコストの問題がある。このため、チタンサファイヤの長尺ロッドを用いてフラッシュランプ励起による高エネルギー励起光源を開発した。出力は793nmで12ジュール、920nmで6ジュールの高エネルギーパルスを得ることができた。発表ではレーザーの構造と発振特性について述べる。
宅間 宏
Proceedings of 1st International Conference on Superstrong Fields in Plasmas, p.509 - 515, 1997/00
最近のCPA増幅によるレーザー技術の進歩によって、実験室規模の装置によって従来核融合用巨大システムでしか実現できなかったような100TW級以上の出力が通常の実験室規模の装置によって発生可能となり、またパルス幅もフェムト秒程度に短くすることが可能となっている。このような条件での光とプラズマの相互作用では、相対論的な効果や、電子だけにエネルギーが注入されるなど、従来見られなかったような新局面が展開され、その結果高強度のX線の発生やプラズマ中に長いチャンネルと作る光の伝播,光による電子の高エネルギー加速、さらには精密加工や医療など広範な基礎領域・応用領域で画期的な展開が期待される。原研の光量子研究計画は、このような新領域を総合的に開拓しようとなるもので、極短パルス幅・コンパクト化を特徴とする超高強度レーザーの開発,X線レーザーやレーザー加速への応用研究を中心とし、さらにそれらの結果を共同研究によって広範な領域に応用使用とするものである。すでに9.6TWのピーク出力を世界最短幅16.6fsで発生することに成功し、さらに100TW, 20fsの発生が本年中に達成される見込みである。