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山口 敏男*; 西野 雅晃*; 吉田 亨次*; 匠 正治*; 永田 潔文*; 服部 高典
European Journal of Inorganic Chemistry, 2019(8), p.1170 - 1177, 2019/02
被引用回数:16 パーセンタイル:74.57(Chemistry, Inorganic & Nuclear)2mol dm CaCl重水水溶液の中性子回折測定を常温常圧および常温1GPaで行った。イオン水和と会合および水溶液を原子レベルで明らかにするためS(Q)を経験ポテンシャル構造精密化(EPSR)モデリングにより解析した。2つの圧力において、CaイオンはCa-O距離2.44、Ca-D距離3.70で7つの水分子により囲まれており、陽イオンの水和に圧力は影響しないことを示している。一方でClイオンは圧力に対し劇的な変化を示し、加圧によりCl-O距離の3.18から3.15の減少を伴い、Clイオンへの酸素の配位数は7から14に変化した。しかしながらここで、Clイオン周りの水素の配位数は、Cl-D距離が2.22から2.18へ減少しつつも、66.7とあまり変わらなかった。また溶媒の水の圧力変化は大きく、O-O距離は2.79から2.85に減少し、酸素原子の配位数は4.7から10.3に増大する。一方、水素原子は、加圧によらずO-D距離1.74、配位数も1.2のままであった。これらのことは、OD結合が加圧により大きく曲がることを示している。この水素結合の変化が、Clイオンまわりの酸素の配位数の大きな増大を引き起こしたものと思われる。