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論文

Improvement of the longitudinal phase space tomography at the J-PARC synchrotrons

沖田 英史; 田村 文彦; 山本 昌亘; 野村 昌弘; 島田 太平; Saha, P. K.; 吉井 正人*; 大森 千広*; 杉山 泰之*; 長谷川 豪志*; et al.

Journal of Physics; Conference Series, 2687(7), p.072005_1 - 072005_7, 2024/01

縦方向位相空間トモグラフィは、ビーム進行方向(縦方向)の位相空間分布を得るための有効な測定ツールである。J-PARCシンクロトロン(3GeVシンクロトロン及びメインリング)の大強度運転時の位相空間分布の測定には、空間電荷効果や集束力の非線形性等のビーム物理を考慮したトモグラフィが必要であった。本研究では、ビーム物理を考慮可能なハイブリッドアルゴリズムを採用したCERN's TomographyのJ-PARCシンクロトロンへの導入とベンチマークを実施した。ベンチマークの結果、J-PARCシンクロトロンの大強度運転条件における位相空間分布を高精度に測定可能であることを確認した。

論文

J-PARC RCSにおける大強度1バンチ加速の検討

田村 文彦; 沖田 英史; 發知 英明*; Saha, P. K.; 明午 伸一郎; 吉井 正人*; 大森 千広*; 山本 昌亘; 清矢 紀世美*; 杉山 泰之*; et al.

Proceedings of 20th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.64 - 68, 2023/11

J-PARC 3GeVシンクロトロン(RCS)は物質・生命科学実験施設(MLF)およびメインリング(MR)に大強度陽子ビーム供給を行っている。RCSのハーモニック数hは2で、通常は2つのバンチを加速している。MLFのいくつかの実験では1バンチでのビーム供給が好ましいが、この場合1つのRFバケツを空きバケツとして加速を行うため、ビーム強度は半分となってしまう。RCSのハーモニック数を1として加速できれば、1バンチあたりの強度は2倍となり、最大強度での1バンチビーム供が可能となる。一方MRは、バンチあたりの粒子数を設計より上げることができるならば、1バンチずつ8回の入射を行うことで現在の設計ビームパワー1.3MWを超える運転ができる可能性がある。本発表では、主にRCSでの縦方向シミュレーションによるh=1加速の検討について報告する。

論文

RF systems of J-PARC proton synchrotrons for high-intensity longitudinal beam optimization and handling

田村 文彦; 山本 昌亘; 吉井 正人*; 大森 千広*; 杉山 泰之*; 沖田 英史; 清矢 紀世美*; 野村 昌弘; 島田 太平; 長谷川 豪志*; et al.

Proceedings of 68th ICFA Advanced Beam Dynamics Workshop on High Intensity and High Brightness Hadron Beams (HB2023) (Internet), p.305 - 311, 2023/10

大強度陽子シンクロトロンの加速空胴に金属磁性体(MA)コアを適用することは、J-PARCの2つのシンクロトロン(RCS、MR)で先駆的に行われた。MA空胴は高い加速電圧を発生させることができ、MA空胴の広帯域周波数特性は、加速中における空胴の共振周波数調整なしで陽子の速度変化に追従した周波数掃引を可能にする。加速に使用する基本波とその二倍高調波の高周波電圧の重畳によって1つの空胴を駆動するデュアルハーモニック運転は、RCSにおける空間電荷果を緩和するためのビーム進行方向のビーム形状制御に不可欠である。MA空胴のこれらの利点は、見方を変えれば欠点でもある。ビームに起因する空胴誘起電圧は複数の高調波(マルチハーモニック)から構成され、高周波バケツ歪みや結合バンチ不安定性を引き起こしビームの運動を不安定にする可能性があるため、それら複数の高調波を同時に補償しなければならない。空胴を駆動するアンプも出力電流が大きく、陽極電圧もマルチハーモニックである。10年以上にわたるRCSとMRの運転におけるこれらの問題に対する我々の取り組みをまとめる。

論文

1-MW beam operation at J-PARC RCS with minimum beam loss

Saha, P. K.; 原田 寛之; 岡部 晃大; 沖田 英史; 菖蒲田 義博; 田村 文彦; 山本 風海; 吉本 政弘; 發知 英明*

Proceedings of 68th ICFA Advanced Beam Dynamics Workshop on High Intensity and High Brightness Hadron Beams (HB2023) (Internet), p.147 - 152, 2023/10

In the 3-GeV RCS of J-PARC we have performed a systematic experimental studies and numerical beam simulations to minimize the beam loss at the designed 1 MW beam power. We have optimized and modified both longitudinal and transverse injection paintings and succeeded obtaining a significant beam loss mitigation throughout the RCS. The beam loss at the collimator and the 1st arc section is reduced to be as much as more than 60% as compared to that using original painting methods. The residual beam loss at 1 MW is estimated to be as low as well below than 0.1%, which is dominated by the beam loss caused by foil scattering of the circulating beam. As a result, we obtained a very stable user operation of the RCS with nearly 1 MW beam power to the MLF with low beam loss and less machine activation.

論文

A Kicker impedance reduction scheme with diode stack and resistor at the RCS in J-PARC

菖蒲田 義博; 原田 寛之; Saha, P. K.; 高柳 智弘; 田村 文彦; 富樫 智人; 渡辺 泰広; 山本 風海; 山本 昌亘

Proceedings of 68th ICFA Advanced Beam Dynamics Workshop on High Intensity and High Brightness Hadron Beams (HB2023) (Internet), p.162 - 169, 2023/10

J-PARC 3GeVシンクロトロン(RCS)では、キッカーインピーダンスによってビームが不安定になる。大きな横方向エミッタンスの場合、このビームの不安定性は抑制可能で、横方向のフィードバックシステムなしで、1MWビームを安定的に物質・生命科学実験施設に供給できる。しかし、Main Ringにビームを供給する場合には、より小さな横方向エミッタンスを持つ大強度ビームが必要である。そこで、ダイオードスタックと抵抗器を使用したキッカーインピーダンスを抑制するスキームの実用化をした。これにより、ビームの不安定性を低減しながら、RCSから正常にビームを出射することが可能になった。

論文

Development of a single-ended magnetic alloy loaded cavity in the Japan Proton Accelerator Research Complex rapid cycling synchrotron

山本 昌亘; 野村 昌弘; 沖田 英史; 島田 太平; 田村 文彦; 原 圭吾*; 長谷川 豪志*; 大森 千広*; 杉山 泰之*; 吉井 正人*

Progress of Theoretical and Experimental Physics (Internet), 2023(7), p.073G01_1 - 073G01_16, 2023/07

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Physics, Multidisciplinary)

J-PARC 3GeVシンクロトロンでは、ビームの加速に金属磁性体を装荷した加速空胴を使用している。金属磁性体の広帯域特性を利用して、ビームを加速する周波数だけでなく、その高調波も増幅する多重高調波励振によってビームの安定加速を実現している。既設の空胴は真空管増幅器において、加速電場を発生させる絶縁ギャップの前後に個別に電圧を印加するプッシュプル励振となるよう設計されている。プッシュプル励振は、ビームを加速しない状態では高調波歪みを抑制でき、さらに空胴の長さを短くできる利点がある。しかし、大強度ビーム加速時にはビームが誘起する電圧によって多重高調波励振が歪められ、それを補正するために絶縁ギャップの前後にかかる陽極電圧振幅が深刻な不平衡を引き起こし、真空管の動作を制限してしまう。現状では、設計値である1MWビーム加速は達成できているが、より安定な運転を行う上では真空管の不平衡が問題となる。この問題を避けるため、シングルエンド励振の空胴を開発した。シングルエンド励振は本質的に不平衡が起こらず、さらに既設の空胴に対して遥かに少ない電力消費を達成できることが分かった。

論文

Demonstration of a kicker impedance reduction scheme with diode stack and resistors by operating the 3-GeV rapid cycling synchrotron of the Japan Proton Accelerator Research Complex

菖蒲田 義博; 原田 寛之; Saha, P. K.; 高柳 智弘; 田村 文彦; 富樫 智人; 渡辺 泰広; 山本 風海; 山本 昌亘

Physical Review Accelerators and Beams (Internet), 26(5), p.053501_1 - 053501_45, 2023/05

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.02(Physics, Nuclear)

大強度陽子加速器施設(J-PARC)の3GeVシンクロトロン(RCS)では、ビームを出射させるキッカー電磁石のインピーダンスがビームの不安定性を励起することが理論的に予測されてきた。しかしながら、物質・生命科学実験施設に供給されるビームは大きいエミッタンスを持つので、1MWの大強度ビームであっても適切なマシーンパラメタを選べば、ビームの不安定化を抑制することができる。一方で、メインリングに供給されるビームは、小さいエミッタンスを持つので、キッカーのインピーダンスの低減が必須である。そこで、ダイオードと抵抗器を用いたデバイスを使うキッカーインピーダンスを抑制する方式を提案し、その抑制効果を実証した。しかし、J-PARC RCSは25Hzの繰り返し周波数で連続動作させる必要があり、実用化のためには、耐熱性の高い特殊なダイオードを開発する必要があった。この課題を解決するため、本研究において連続運転に耐えうる抵抗付きダイオードを開発した。これにより小さいエミッタンスを持つ大強度のビームの不安定性も抑制できることを実証することができた。またシミュレーションにより、この方式で少なくとも5MWのビーム運転にも利用できることを明らかにした。

論文

Recent results of beam loss mitigation and extremely low beam loss operation of J-PARC RCS

Saha, P. K.; 岡部 晃大; 仲野谷 孝充; 菖蒲田 義博; 原田 寛之; 田村 文彦; 沖田 英史; 吉本 政弘; 發知 英明*

Journal of Physics; Conference Series, 2420, p.012040_1 - 012040_7, 2023/01

To reduce high residual radiation at the RCS injection are caused by the foil scattering uncontrolled beam loss during injection period, a smaller size foil by minimizing the injection beam size has been successfully implemented at 700 kW operation. The new scheme also gives a significant beam loss mitigation at the collimator and 1st arc sections by reducing the beam halos. A beam loss mitigation of 30% has been achieved at the injection and 1st arc sections, while it is more than 50% at the collimator section. The residual radiation at 700 kW operation was thus measured to be significantly reduced, which at the injection and 1st arc sections are especially important due frequent access to these areas for regular maintenance works. The new scheme has also been successfully in service for 800 KW operation at present. It gives a very stable operation of the RCS and will also be tested for 1 MW operation in June 2022.

論文

Design studies on a high-power wide-band RF combiner for consolidation of the driver amplifier of the J-PARC RCS

沖田 英史; 田村 文彦; 山本 昌亘; 野村 昌弘; 島田 太平; 吉井 正人*; 大森 千広*; 杉山 泰之*; 長谷川 豪志*; 原 圭吾*; et al.

Journal of Physics; Conference Series, 2420, p.012092_1 - 012092_6, 2023/01

J-PARC 3GeVシンクロトロン(RCS)では、大強度陽子ビーム加速のために高周波加速装置を構成する8kWの駆動段半導体増幅器の出力増強が求められている。現在、窒化ガリウムを用いた6.4kW半導体増幅器を基本モジュールとする25kW半導体増幅器の開発を進めている。この開発の鍵となるのが、広い周波数帯域(およそ0.1-10MHz)を持ち、かつ25kWの高出力が可能な結合器の設計である。結合器の出力と周波数帯域は同軸ケーブルと磁性体コアからなる伝送線路トランスの設計に依存する。本研究では、同軸ケーブルと磁性体コアの特性を組み込んだ回路シミュレータモデルを構築し、これを用いて目標とする出力と周波数帯域を達成可能な伝送線路トランスの設計並びに結合器の回路設計を完了させた。本発表では、結合器の回路シミュレータモデルのセットアップとそれを用いた結合器の設計の詳細について報告する。

論文

Achievement of low beam loss at high-intensity operation of J-PARC 3 GeV RCS

Saha, P. K.; 岡部 晃大; 仲野谷 孝充; 吉本 政弘; 菖蒲田 義博; 原田 寛之; 田村 文彦; 沖田 英史; 畠山 衆一郎; 守屋 克洋; et al.

Proceedings of 19th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.1 - 5, 2023/01

The RCS beam power for operation to the MLF has been increased to 800 kW recently. The total beam loss even at the designed 1 MW beam power has been well controlled, but the uncontrolled beam losses, especially those caused by the foil scattering of the circulating beam during multi-turn injection are still high and causes extremely high residual radiation at the injection area. To further minimizing such a beam loss, we have implemented a new approach by minimizing the injection beam size and using a smaller size stripper foil. A smaller foil reduces foil hitting of the circulating beam and the corresponding foil scattering uncontrolled beam losses. In addition, an optimized transverse painting area matching with a smaller injection beam also gives a smaller circulating beam emittance to reduce beam loss at the collimator section and its downstream. The corresponding residual radiation for operation at 700 kW beam power was measured to be significantly reduced at the injection area, collimator section and it's downstream. A smaller injection beam size was also tested at 1MW beam power and the residual beam loss is minimized to 0.01%, which is nearly 1/4 reduction from the previous 1 MW test operation in 2020.

論文

画像認識技術により、マウンテンプロット画像から運動量広がりと縦方向のビーム形状を求める

野村 昌弘; 沖田 英史; 島田 太平; 田村 文彦; 山本 昌亘; 杉山 泰之*; 長谷川 豪志*; 原 圭吾*; 大森 千広*; 吉井 正人*

Proceedings of 19th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.215 - 217, 2023/01

J-PARC 3GeVシンクロトロン(RCS)では、機械学習の一種であるニューラルネットワークによる画像認識技術を用いることにより、ビームモニタで得た強度分布の画像から、前段のLinacからの入射ビームに関する情報が得られるようにしている。現状では、得られる情報の中で、入射ビームの運動量広がりについてはガウス分布の標準偏差として、また時間構造については強度が一定としてその時間幅として求められているが、これらの情報に関してはそれぞれの値としてではなく、運動量広がりと時間で表される位相空間上での強度分布として求められることが望まれる。そこで本研究では、ニューラルネットワークの出力を値から画像に変更し、位相空間上での強度分布の画像を学習させることにより、ニューラルネットワークの予測画像として位相空間上での強度分布が求められる様にした。その結果、シミュレーションによる画像を用いた検証ではあるが、ビームモニタで得た強度分布の画像から位相空間上での強度分布が求められることが確かめられた。

論文

J-PARC MRフラットトップにおける非断熱的バンチ操作への縦方向インピーダンスの影響

田村 文彦; 大森 千広*; 吉井 正人*; 冨澤 正人*; 外山 毅*; 杉山 泰之*; 長谷川 豪志*; 小林 愛音*; 沖田 英史

Proceedings of 19th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.175 - 178, 2023/01

J-PARC主リングシンクロトロン(MR)は大強度陽子ビームをニュートリノ実験に供給している。高いピーク電流を持つ8つのビーム集団(バンチ)が速い取り出しによってMRから取り出され、したがってニュートリノビームも同様の時間構造を持つ。将来の実験では中間水チェレンコフ検出器(IWCD)が導入される予定であり、IWCDはピーク電流が低い時間構造を要求するため、MRの取り出し直前に、高周波によりバンチの分布を平坦化させるピーク電流低減手法を検討中である。ビームパワーの低下を抑えるためバンチ操作はできるだけ短期間で行わねばならず、また取り出しキッカー電磁石の立ち上がり期間のビーム損失を防ぐために、磁場が立ち上がる最終バンチと先頭バンチの間隔を保つ必要がある。これらの要求を満たすために、加速ハーモニック近傍のマルチハーモニックRF電圧を用いた非断熱的なバンチ操作が提案されている。この過程においてはMR全周の縦方向インピーダンスの影響が考えられるため、シミュレーションを行い、大強度ビームのバンチ操作の成立可能性についての議論を行う。

論文

J-PARC RCSにおける大強度ビーム加速時に加速ギャップに発生する高次高調波の評価

沖田 英史; 田村 文彦; 山本 昌亘; 野村 昌弘; 島田 太平; 吉井 正人*; 大森 千広*; 原 圭吾*; 長谷川 豪志*; 杉山 泰之*

Proceedings of 19th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.262 - 266, 2023/01

J-PARC 3GeVシンクロトロン(RCS)の大強度ビーム運転中の高周波加速(RF)空胴では、ビーム電流が誘起するウェイク電圧が発生する。RCSのRF空胴は広帯域であるため、ウェイク電圧には高い周波数成分が含まれる。現在のRF制御システムでは基本周波数の四倍までの高調波(四倍高調波)を検波しているが、四倍高調波よりも高い周波数成分(高次高調波)もビーム挙動に影響を与えている可能性が示唆されていた。本研究では、大強度ビーム運転中のRF空胴電圧を測定し、周波数解析から高次高調波の評価を行なった。加えて、ビームトラッキングシミュレーションを用いて高次高調波がビーム挙動に与える影響を評価した。本研究の結果、大強度ビーム運転中のRF空胴には複数の高次高調波が発生しており、加速後半において高次高調波がビーム電流分布を変形させることが分かった。

論文

J-PARC 3GeVシンクロトロン1MW運転状況,2

山本 風海; 山本 昌亘; 山崎 良雄; 野村 昌弘; 菅沼 和明; 藤来 洸裕; 神谷 潤一郎; 仲野谷 孝充; 畠山 衆一郎; 吉本 政弘; et al.

Proceedings of 19th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.277 - 281, 2023/01

J-PARC 3GeVシンクロトロン(3 GeV Rapid Cycling Synchrotron, RCS)は物質生命科学実験施設(Materials and Life science experimental Facility: MLF)および主リング(Main Ring: MR)に最大1MW相当のビームを供給している。RCSは改良を重ねつつ徐々にビーム出力を上げていき、2015年に1MW相当の試験運転に成功した。その後、供用運転としても段階的にビーム出力を増加しながら、1MWの連続運転試験を断続的に行ってきたが、2020年6月に二日間の連続運転試験を実施した際には、最終的に冷却水温度が上昇し、機器の温度を下げることが出来なくなりインターロックが発報する事態となった。その後冷却水設備の熱交換器の洗浄を実施し、2022年6月に再度1MWビーム連続運転試験を行った。2022年6月の試験時は猛暑日となり、熱交換器の性能は改善されていたにも関わらず、1MWでは運転を継続できなかった。一方、600kWであれば猛暑日であっても運転できることを確認した。

論文

Improvement of longitudinal beam tracking simulation considering the frequency response of the cavity gap voltage monitor

沖田 英史; 田村 文彦; 山本 昌亘; 野村 昌弘; 島田 太平; 吉井 正人*; 大森 千広*; 原 圭吾*; 長谷川 豪志*; 杉山 泰之*

Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, 1041, p.167361_1 - 167361_7, 2022/10

 被引用回数:1 パーセンタイル:28.09(Instruments & Instrumentation)

J-PARC 3GeVシンクロトロン(RCS)では、広帯域の高周波加速(RF)空胴を使用している。大強度ビーム運転中のRF電圧には、複数の周波数成分を持つウェイク電圧やRF電源の出力の歪みが含まれており、加速中のビームはこれらの影響を受ける。空胴ギャップ電圧モニタの測定値はウェイク電圧やRF電源の出力の歪みの情報を含んでいる。そこで、空胴ギャップ電圧モニタの測定値を用いた縦方向ビームトラッキングシミュレーションを開発した。空胴ギャップ電圧モニタの測定値をシミュレーションに反映するために、空胴ギャップ電圧モニタの周波数応答を整理した。開発した縦方向トラッキングシミュレーションは1MWビーム加速時のビーム挙動を非常に高い精度で再現することを確認した。

論文

Design and actual performance of J-PARC 3 GeV rapid cycling synchrotron for high-intensity operation

山本 風海; 金正 倫計; 林 直樹; Saha, P. K.; 田村 文彦; 山本 昌亘; 谷 教夫; 高柳 智弘; 神谷 潤一郎; 菖蒲田 義博; et al.

Journal of Nuclear Science and Technology, 59(9), p.1174 - 1205, 2022/09

 被引用回数:5 パーセンタイル:81.82(Nuclear Science & Technology)

J-PARC 3GeVシンクロトロン(RCS)は、最大1MWの大強度ビームを25Hzという早い繰り返しで中性子実験及び下流の主リングシンクロトロンに供給することを目的に設計された。2007年の加速器調整運転開始以降、RCSではビーム試験を通じて加速器の設計性能が満たされているかの確認を進め、必要に応じてより安定に運転するための改善を行ってきた。その結果として、近年RCSは1MWのビーム出力で連続運転を行うことが可能となり、共用運転に向けた最後の課題の抽出と対策の検討が進められている。本論文ではRCSの設計方針と実際の性能、および改善点について議論する。

論文

Influence of a positive grid biasing on RF system in J-PARC RCS

山本 昌亘; 野村 昌弘; 沖田 英史; 島田 太平; 田村 文彦; 原 圭吾*; 長谷川 豪志*; 大森 千広*; 杉山 泰之*; 吉井 正人*

Proceedings of 13th International Particle Accelerator Conference (IPAC 22) (Internet), p.1336 - 1338, 2022/06

J-PARC 3GeVシンクロトロン(RCS)では、大強度ビーム加速時に大振幅のビーム負荷補償を行うために、真空管増幅器から大振幅の高周波電流を供給している。RCSでは四極真空管を使用しており、コントロールグリッドが正電圧に入る領域(ポジティブ・グリッド・バイアス)で使用している。この影響で、コントロールグリッドには陽極電流の一部が流れ込み、コントロールグリッド電圧波形を歪めたり、コントロールグリッドのDCバイアス電圧の急激な低下を招く影響が観測された。本発表では、電圧波形の歪みとDCバイアス電圧低下の測定結果を示し、対処可能な方法について述べる。

論文

J-PARC RCS次世代LLRF制御システムの導入

田村 文彦

加速器, 18(3), p.151 - 160, 2021/10

J-PARC 3GeVシンクロトロン(RCS)の 低電力高周波(LLRF)制御システムは大強度ビームの加速に重要な役割を果たしている。初期システムは、10年以上にわたって大きな問題もなく順調に稼働していたが、システムに搭載されている古いFPGAの陳腐化により、長期的なメンテナンスが困難となった。そこで、次世代のLLRF制御システムを開発・導入した。次世代システムは、最新のプラットフォームであるMTCA.4を基にしている。このシステムの最も重要な新機能は、マルチハーモニックベクトルRF電圧制御フィードバックであり、設計ビームパワー1MWのビーム強度において、広帯域空胴での重いビーム負荷を初期システムで用いられているフィードフォワードよりもよく補正することができた。システムの詳細、調整結果の結果を報告する。次世代システムの導入は成功であった。

論文

J-PARC RCSの空胴ギャップ電圧モニタの周波数応答評価

沖田 英史; 田村 文彦; 山本 昌亘; 野村 昌弘; 島田 太平; 吉井 正人*; 大森 千広*; 原 圭吾*; 長谷川 豪志*; 杉山 泰之*; et al.

Proceedings of 18th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.840 - 844, 2021/10

J-PARC 3GeVシンクロトロン(RCS)は、ビームの加速で使用する高周波として、周回周波数の2倍の周波数である基本波と、さらにその2倍の周波数の高調波(2倍高調波)の電圧を用いたデュアルハーモニック運転を行っている。加速ギャップに発生させる各高周波の電圧と位相の安定化にはマルチハーモニックベクトルフィードバック制御が採用されている。この制御のフィードバックに用いられる測定値には、各加速空胴の加速ギャップの1つに備え付けられたギャップ電圧モニタからの出力が使用されている。ビーム進行方向のビーム分布(バンチ形状)は各高調波の相対的な位相で変化するため、ギャップ電圧モニタの位相測定値の周波数応答を正確に把握することが重要となる。そこで、ギャップ電圧モニタの位相の周波数応答測定とこれを反映したビームシミュレーションを実施した結果、実際のビーム加速試験で測定されたバンチ形状をよく再現することを確認した。本発表では、周波数応答測定とビームシミュレーションについての詳細とギャップ電圧モニタ回路についての考察について報告する。

論文

画像認識で使用する画像は適切か、オートエンコーダーによる評価

野村 昌弘; 沖田 英史; 島田 太平; 田村 文彦; 山本 昌亘; 古澤 将司*; 杉山 泰之*; 長谷川 豪志*; 原 圭吾*; 大森 千広*; et al.

Proceedings of 18th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.80 - 82, 2021/10

J-PARC 3GeVシンクロトロンでは画像認識技術を用いることにより、ビームモニタで得たビーム進行方向の強度分布の画像から中心運動量からのずれ量が得られるようになった。今後、この得られた値を加速器の制御に使用することを考えた場合には、得られた値が信頼できるかが重要となってくる。なぜなら、画像認識技術では、データ取得に失敗した画像からも何らかの間違った値が得られてしまうからである。得られた値が信頼できるかどうかは当然その画像で決まる。そこで、今回機械学習の一種であるオートエンコーダーによる異常診断の手法を画像の診断に適用することにより、画像から得られた値が信頼できるかを示す指標を得ることができた。

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