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吉田 将冬; 井口 啓; 平野 宏志*; 北村 哲浩
Nuclear Engineering and Design, 431, p.113691_1 - 113691_16, 2025/01
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Nuclear Science & Technology)プルトニウム燃料第二開発室は現在廃止措置段階にあり、2010年からグローブボックスの解体作業が行われている。従来のグローブボックス解体作業では、放射性核種を封じ込めるためグローブボックスをビニル製のテントで囲い、その中でエアラインスーツを着用した作業者が火花の生じる切断工具を用いて手作業で解体している。この従来の解体工法は長年使用されている実績があり、適宜改良・改善され体系化されている。しかし、作業員の負担が大きく、実作業時間を短くしなければならないこと、作業場が放射性物質で汚染されているため、万が一事故が発生した際の放射性物質吸引による内部被ばくのリスクが高いことなどいくつもの欠点が存在する。このような従来法の欠点を解消するため、現在小型油圧切断機及び遠隔操作技術を用いた新たなグローブボックス解体工法の開発を進めている。具体的には、遠隔解体装置を導入することでエアラインスーツ作業を減らし、解体作業の安全性を高めることそして、すべての機器を再利用することで廃棄物の発生を抑えることを目的としている。さらに、これらの目的の達成のためテント内で解体された資材をグローブ作業で処理するためのグローブ作業エリアを設計・検討試験を行っている。
北村 遼; 林 直樹; 平野 耕一郎; 小坂 知史*; 宮尾 智章*; 森下 卓俊; 根本 康雄*
Journal of Physics; Conference Series, 2687(7), p.072006_1 - 072006_6, 2024/01
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Physics, Atomic, Molecular & Chemical)大強度陽子ビームを計測するビームモニタにおいて熱負荷の緩和は重要な課題の一つである。近年、大強度陽子加速器施設(J-PARC)のフロントエンドでは、バンチシェイプモニタの標的プローブに高配向熱分解グラファイト(HOPG)材料が使用した。HOPGは熱伝導率が高いため、高熱負荷条件下でのビームプロファイルの測定に適している。HOPGの応用として、例えば、ワイヤスキャナモニタなどの横方向プロファイルモニタのターゲットワイヤの代替材料として、薄いHOPGを使用することが考えられる。ビームプロファイルモニタ用HOPGターゲットの可能性についてテストスタンドでの3MeV負水素イオンビームを用いた実験結果の一部から考察する。
小山 真一; 池内 宏知; 三次 岳志; 前田 宏治; 佐々木 新治; 大西 貴士; Tsai, T.-H.; 高野 公秀; 深谷 洋行; 中村 聡志; et al.
廃炉・汚染水・処理水対策事業事務局ホームページ(インターネット), 216 Pages, 2023/11
令和3年度及び4年度に原子力機構が補助事業者となって実施した令和3年度開始「廃炉・汚染水対策事業費補助金に係る補助事業(燃料デブリの性状把握のための分析・推定技術の開発(燃料デブリの分析精度向上、熱挙動の推定及び簡易分析のための技術開発))」の成果概要を最終報告として取りまとめた。本報告資料は、廃炉・汚染水・処理水対策事業事務局ウェブサイトにて公開される。
新井 宇宙; 小坂 知史*; 根本 康雄*; 北村 遼
JAEA-Technology 2023-009, 18 Pages, 2023/05
J-PARC加速器群の初段に位置するリニアックでは、安定かつ高品質のビーム供給をすることが求められている。リニアックを構成する加速空洞の一つに機能分離型ドリフトチューブリニアック(SDTL)が設置されている。安定したビーム加速をするためには、SDTL空洞へ324MHzの高周波電力を安定に投入できることが重要となる。しかし、2011年の東日本大震災の復旧以降、複数のSDTL空洞にて、設計時の定格運転電力付近で電圧定在波比が増加して、空洞内へ安定に電力を投入できない不具合が発生した。調査の結果、震災後に空洞内表面が長時間にわたり高湿度の大気にさらされたことや、当時まで粗引き用ポンプとして使用していたロータリーポンプからのオイルの逆流などで、空洞内表面に汚れが付着したことが不具合の原因である可能性が示唆された。有機溶剤や酸を用いた空洞内表面の洗浄を行った結果、この不具合は解消された。本報告書では、2021年にSDTL空洞に対して行った希塩酸洗浄の手法と結果について報告する。
小坂 知史*; 新井 宇宙; 根本 康雄*; 北村 遼
JAEA-Technology 2023-003, 34 Pages, 2023/05
大強度陽子加速器施設J-PARCリニアックでは、ピーク電流50mAの負水素イオンビームを400MeVまで加速する。リニアックは主にトンネル内に設置された負水素イオン源及び4種類の加速空洞で構成される。これらの加速空洞はビーム速度の低い領域から順に高周波四重極線型加速器(RFQ)、ドリフトチューブ型線型加速器(DTL)、機能分離型DTL(SDTL)、環状結合型線形加速器(ACS)を採用している。DTLではタンクと呼ばれる円筒の空洞の中に、ドリフトチューブと呼ばれる構造を配置して加速電場を発生させる。ドリフトチューブの中にはビーム収束用の四重極磁石(DTQ)が設置されている。J-PARCのDTQは電磁石を採用しており、リニアックのビーム調整には、DTQの磁場極性を正しく設定することが重要である。本稿では、電源側でのクランプメーターを使用した直流電流測定及び電磁石側でのケーブル配線接続を外観により確認を行い、DTQの磁場極性即ち電流配線極性を確認する方法を報告する。
北村 遼; 二ツ川 健太*; 林 直樹; 平野 耕一郎; 近藤 恭弘; 小坂 知史*; 宮尾 智章*; 森下 卓俊; 根本 康雄*; 小栗 英知
Physical Review Accelerators and Beams (Internet), 26(3), p.032802_1 - 032802_12, 2023/03
被引用回数:3 パーセンタイル:60.26(Physics, Nuclear)バンチシェイプモニター(BSM)はビーム輸送中にある地点での縦方向位相分布を測定して、縦方向ビームチューニングを行う際に有用な装置である。低エネルギー負水素(H)イオンビームの縦方向位相分布を測定するために、大強度ビーム負荷による熱負荷を軽減できるよう2次電子を放出する標的に高配向性グラファイト(HOPG)が採用した。このHOPGターゲットにより、50mA程度の高いピーク電流を持つ3MeV H
イオンビームの中心部で縦方向位相分布の測定が可能となった。テストスタンドでHOPG-BSMを用いて縦方向のバンチ幅を測定したところ、ビームシミュレーションと一致した。HOPG-BSMを用いて、ビーム横方向と縦方向の相関測定を実証した。HOPG-BSMを用いて、縦方向Qスキャン法により縦方向Twissとエミッタンスを測定した。
北村 遼; 林 直樹; 平野 耕一郎; 小坂 知史*; 宮尾 智章*; 根本 康雄*; 森下 卓俊
Proceedings of 19th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.330 - 332, 2023/01
大強度陽子加速器施設J-PARCリニアックでは、フロントエンドの大強度・低速Hビームを測定するためにビーム熱負荷への耐久性を向上させた改良型バンチシェイプモニタ(BSM)を開発している。ビームと相互作用させるプローブに新素材であるグラファイト製標的を導入することで、これまで不可能であった大強度ビーム中心領域でのプロファイル測定を実現した。改良型BSMではビーム全体のプロファイルが測定可能になったため、BSMの特徴を生かした応用的なビーム診断手法を提案する。本講演では、二次電子計測による横プロファイル測定、横プロファイルからのビーム電流測定等、BSM本来の目的である縦方向測定の枠組みを超えてBSMの多様な運用可能性について議論する。
中沢 雄河*; 飯沼 裕美*; 岩田 佳之*; Cicek, E.*; 恵郷 博文*; 二ツ川 健太*; 河村 成肇*; 三部 勉*; 溝端 仁志*; 大谷 将士*; et al.
Proceedings of 31st International Linear Accelerator Conference (LINAC 2022) (Internet), p.275 - 278, 2022/09
J-PARCにおけるミューオンg-2/EDM実験のための324MHz交差櫛形Hモードドリフトチューブリニアック(IH-DTL)試作機の大電力試験を行った。この試作機は一体型ドリフトチューブ構造を持つ実機IH-DTLの製作方法を検証するために作られた。40時間のコンディショニング後、88kWの電力を安定に投入できることを確認した。これは設計加速電圧3.0MV/mの10%増しに相当する電力である。さらに、3次元シミュレーションモデルの妥当性を検証するために、熱特性と周波数応答を測定した。この論文では、このIH-DTL試作機の大電力試験の詳細について述べる。
近藤 恭弘; 北村 遼; 不破 康裕; 森下 卓俊; 守屋 克洋; 高柳 智弘; 大谷 将士*; Cicek, E.*; 恵郷 博文*; 深尾 祥紀*; et al.
Proceedings of 31st International Linear Accelerator Conference (LINAC 2022) (Internet), p.636 - 641, 2022/09
J-PARCにおいて、現代の素粒子物理学で最も重要な課題の一つである、ミューオン異常磁気モーメント、電気双極子モーメントを精密測定する実験のためのミューオンリニアック計画が進行中である。J-PARCミューオン施設からのミューオンはいったん室温まで冷却され、212MeVまで加速される。横エミッタンスは1.5mm mradであり、運動量分散は1%である。高速で規格化した粒子の速度で0.01から0.94におよぶ広い範囲で効率よく加速するため、4種類の加速構造が用いられる。計画は建設段階に移行しつつあり、初段の高周波四重極リニアックによるミューオン再加速はすでに2017年に実証済である。次段の交差櫛形Hモードドリフトチューブリニアックのプロトタイプによる大電力試験が完了し、ディスクアンドワッシャ型結合セルリニアックの第一モジュールの製作が進行中である。さらに円盤装荷型加速管の設計もほぼ終了した。本論文ではこれらミューオンリニアックの最近の進捗について述べる。
保田 諭; 田村 和久; 加藤 優*; 朝岡 秀人; 八木 一三*
Journal of Physical Chemistry C, 125(40), p.22154 - 22162, 2021/10
被引用回数:13 パーセンタイル:55.81(Chemistry, Physical)電解質溶液中におけるグラフェン-カチオン界面の電気化学挙動に関する知見は、グラフェンをベースにした電気化学デバイスの開発やカーボン材料とカチオンとの基礎的電気化学界面を理解するうえで重要である。本研究では、電気化学表面X線回折法と電気化学ラマン散乱分光法といった電気化学分光技術を用い、グラフェン-カチオン界面における基礎的な電気化学的挙動に関する知見を得ることを行った。その結果、ある特定の電位において、カチオンがグラフェン表面に脱水和・水和反応に伴う吸脱着が起きることが明らかとなった。これらの結果は、カーボンをベースにした新しい応用材料の開発や、グラフェン-カチオン界面における基礎的電気化学挙動を理解するうえで重要な知見となった。
北村 遼; 二ツ川 健太*; 林 直樹; 平野 耕一郎; 近藤 恭弘; 小坂 知史*; 宮尾 智章*; 根本 康雄*; 森下 卓俊; 小栗 英知
JPS Conference Proceedings (Internet), 33, p.011012_1 - 011012_6, 2021/03
J-PARCリニアックフロントエンドの大強度3MeV Hのバンチ幅を測定するためには、新たなバンチシェイプモニター(BSM)が必要である。カーボンナノチューブワイヤーとグラフェンスティックは大強度ビームを測定するために十分な強度を持つ素材であるため、BSMの標的ワイヤーの良い候補である。しかしながらBSMではワイヤーに数kV以上の負極性高電圧を印加するために放電抑制が課題であった。ワイヤーからの放電による影響を調査するための高電圧試験の後、グラフェンスティックを用いてピーク電流55mAでビーム中心部における信号検出に初めて成功した。本講演ではバンチ幅測定のプレリミナリーな結果を報告する。
北村 遼; 二ツ川 健太*; 林 直樹; 平野 耕一郎; 近藤 恭弘; 小坂 知史*; 宮尾 智章*; 根本 康雄*; 森下 卓俊; 小栗 英知
Proceedings of 17th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.251 - 253, 2020/09
大強度・低エミッタンスな陽子ビーム加速を実現するため、空間電荷効果の影響が大きい低エネルギー領域での縦方向分布モニター(バンチシェイプモニター: BSM)の運用試験を進めている。BSM内部でビームを受ける二次電子生成標的に熱負荷耐性の良い高配向性グラファイト(HOPG)を導入したことで、既存のタングステン製標的で問題となっていた標的破損による計測中断が無くなり、安定した計測が可能となった。しかしHOPGを導入したBSMで初めて測定した縦方向バンチ位相分布はシミュレーションによる予想より広がっており、改善の余地がある。J-PARCリニアック棟テストスタンドのビームを利用して、BSMの応答特性を調査した。この試験ではBSMを構成する電子増倍管,偏向電磁石及びRFデフレクタの各パラメータの応答特性を調査・調整した。調整後に測定した縦方向バンチ位相分布はシミュレーションの予想分布と一致した。
樽田 泰宜; 柳原 敏*; 橋本 敬*; 小林 重人*; 井口 幸弘; 北村 高一; 香田 有哉; 友田 光一
Proceedings of 2020 International Conference on Nuclear Engineering (ICONE 2020) (Internet), 8 Pages, 2020/08
廃止措置は長期的なプロジェクトであり、完遂までには世代交代が予想される。そのため、知識と技術を次世代に適切に継承する必要がある。近年、廃止措置の世界では、知識マネジメントや仮想現実の活用など高度な技術を適用する試みが行われている。本研究では廃止措置における知識マネジメントとデジタルツインの関係について論じる。
佐藤 優樹; 小澤 慎吾*; 寺阪 祐太; 峯本 浩二郎*; 田村 智志*; 新宮 一駿*; 根本 誠*; 鳥居 建男
Journal of Nuclear Science and Technology, 57(6), p.734 - 744, 2020/06
被引用回数:28 パーセンタイル:94.67(Nuclear Science & Technology)The Fukushima Daiichi Nuclear Power Station, operated by Tokyo Electric Power Company Holdings, Inc., suffered a meltdown as a result of a large tsunami triggered by the Great East Japan Earthquake on March 11, 2011. To proceed with the environmental recovery by decontamination, drawing a radiation distribution map that can indicate the distribution of radioactive substances is extremely important to establish detailed decontamination plans. We developed a remote radiation imaging system consisting of a lightweight Compton camera and a multi-copter drone to remotely measure the distribution of the radioactive substances. This system can perform radiation imaging using a Compton camera while flying and moving. In addition, it is also possible to draw the distribution of radioactive substances three-dimensionally by projecting the radiation image measured with the Compton camera on a three-dimensional topography model separately acquired by a 3D-LiDAR. We conducted a survey of radioactive hotspots in difficult-to-return zone in the coastal area of Fukushima, Japan. The drone system succeeded in three-dimensional visualization of several hotspots deposited on the ground. Such remote technology would be useful not only for monitoring the difficult-to-return zone, but also for monitoring distribution of radioactive substances inside the site of the FDNPS where decommissioning work is ongoing.
保田 諭; 田村 和久; 寺澤 知潮; 矢野 雅大; 中島 秀朗*; 森本 崇宏*; 岡崎 俊也*; 上利 龍史*; 高橋 康史*; 加藤 優*; et al.
Journal of Physical Chemistry C, 124(9), p.5300 - 5307, 2020/03
被引用回数:18 パーセンタイル:58.72(Chemistry, Physical)新しい二次元材料の新たな用途とエネルギー貯蔵システム創製の観点からグラフェン-基板界面への水素貯蔵に関する研究は重要である。本研究では、電気化学水素発生反応によりグラフェンのもつプロトン透過能を利用して、グラフェン-Au金属界面に水素を貯蔵する検証を行った。グラフェン担持Au電極を酸性溶液下での水素発生反応を誘起した結果、グラフェンとAu界面に水素が捕獲されたナノバブル構造が形成されるのを走査型トンネル顕微鏡により明らかにした。また、電気化学ラマン分光の結果、電気化学反応によるグラフェンの膜緩和が界面における水素貯蔵に重要な役割を担っていることを明らかにした。
北村 遼; 二ツ川 健太*; 林 直樹; 平野 耕一郎; 小坂 知史*; 宮尾 智章*; 守屋 克洋; 根本 康雄*; 小栗 英知
Proceedings of 16th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.51 - 54, 2019/07
J-PARCリニアックにおいてピーク電流60mAを超える大強度Hビームを供給する場合、高周波四重極リニアック(RFQ)後のビーム輸送系における縦方向測定と調整はビームロスとエミッタンス増大の削減のために重要である。大強度3MeVのH
ビームのバンチ幅測定にはエネルギー損失が小さくかつ高温耐性のあるカーボンナノチューブ(CNT)ワイヤーを用いた新しいバンチシェイプモニター(BSM)が必要である。しかし二次電子を引き出すためCNTワイヤーに高圧印加すると、放電が電圧印加の妨げとなる。それゆえ安定したバンチ幅測定のためには放電を抑制する必要がある。エミッタとしてのCNTの特性を考慮してワイヤー長を短くしたところ、-10kV高圧がワイヤーに印加できた。本講演ではこのBSMの最新の開発状況と将来の展望を報告する。
北村 遼; 林 直樹; 平野 耕一郎; 近藤 恭弘; 守屋 克洋; 小栗 英知; 二ツ川 健太*; 宮尾 智章*; 大谷 将士*; 小坂 知史*; et al.
Proceedings of 10th International Particle Accelerator Conference (IPAC '19) (Internet), p.2543 - 2546, 2019/06
バンチシェイプモニター(BSM)は縦方向位相空間分布を測定するための重要な装置の一つである。例えば、J-PARCリニアックではタングステンワイヤーを用いたBSMが加速空洞間のバンチ形状を測定するためACSセクションに3台導入されている。しかしながら、このBSMではRFQとDTLセクション間のビーム輸送系における3MeVのHビームのバンチ形状を測定することは、ビーム中心部でワイヤーが断線してしまうために困難である。そこで3MeVのH
ビームのバンチ形状を測定できるよう、カーボンナノチューブワイヤー(CNT)を用いた新たなBSMを開発している。CNTワイヤーに-10kVの高圧を印加するには細心の注意を要する。ワイヤーからの放電を抑制しつつBSMを運転するためにいくつかの対策を実施した。この講演ではCNT-BSMの最新の開発状況と将来の展望を報告する。
樽田 泰宜; 柳原 敏*; 井口 幸弘; 北村 高一; 手塚 将志; 香田 有哉
知識共創(インターネット), 8, p.IV 2_1 - IV 2_12, 2018/08
原子力知識マネジメント(NKM)は2002年にIAEAが組織力の強化という文脈で原子力知識の重要性を勧告したことから始まる。IAEAの提案するNKMに対しては理論的な側面は十分に検討されていない点や、主要な概念や手法などが十分に定義されておらず科学的な一貫性が欠如しているという指摘がある(Kanke 2016)。例えば、原子炉施設のライフサイクルには設計、建設、運転、廃止(措置)がある。NKMというアイデアは、炉の情報・歴史を保存、次の炉での活用、廃止措置段階で過去情報へのアクセス、課題解決や新しい知識の創造といった側面で有効に機能するであろう。しかし、2002年当初は原子力知識の強化という文脈であり、そこに管理(management)という文脈を付加したような情報管理に傾注する傾向があり、KMという知識の創造が十分に研究されていない。また、Kankeが指摘するように理論的側面には議論の余地が多く残されている。本研究ではKM分野の学術の裾野の拡張を射程とし、今後の原子力分野における知識マネジメントの位置づけを明確化することでNKMを発展させることを目的に、システム科学的な視点で検討すべき課題を整理及び同定し、NKM研究の議論を深める。
樽田 泰宜; 柳原 敏*; 井口 幸弘; 北村 高一; 手塚 将志; 香田 有哉
Proceedings of 26th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-26) (Internet), 6 Pages, 2018/07
2002年、IAEAは原子力の知識、技術、応用の強化の重要性について言及した。この背景には原子力に係わる職員の高齢化や原子力を学ぶ場の減少が指摘されている。こうした中、原子力知識マネジメント(NKM)と呼ばれる新しい研究分野が立ち上がり、原子力知識や情報の管理としてデータベースの開発が進められている。一方、日本の原子力施設では、運転経験者の退職やそれによる知識・技能の喪失が指摘されている。そこで、本研究では、過去の情報・知識を利用するためのプロトタイプ・データベースシステムを提案する。廃止措置の完了例は、日本ではJPDRが1件のみであり事例は多くはない。そのため大型水炉として初の事例である「ふげん」を対象とする。本研究のプロトタイプ開発から、過去のデータを準備するだけでは十分でない点を指摘した。これは、どのような情報を収集すべきか、そしてそれをいかにして活用すべきか、といった点に関して議論が十分になされていないためである。つまり、既存の情報の活用として運転時代の知識は重要であるものの、廃止措置はそれとは異なるタスクであり、収集された情報をそのまま使用することは必ずしも適切ではないのである。
長洲 亮佑*; 田邉 大次郎*; 横塚 享*; 熊沢 紀之*; 安食 貴也*; 相澤 雄介*; 長縄 弘親; 永野 哲志; 柳瀬 信之*; 三田村 久吉*; et al.
環境浄化技術, 17(2), p.58 - 61, 2018/03
原子力機構は、茨城大学, 熊谷組およびグループ会社であるテクノスとともに、森林からのセシウムの移行を抑制する新技術を開発した。この新技術では、ポリイオンと呼ばれるイオン性高分子と鉱物である粘土を併用し、降雨や雨水の流れといった自然の力を利用して、セシウムの移行を抑制する。福島県飯舘村で新規技術の実証試験を行い、森林から森林に隣接する牧草地へのセシウム移行に対する抑制効果を証明した。