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上西 真里*; 田中 裕久*; 谷口 昌司*; 丹 功*; 西畑 保雄; 水木 純一郎; 小林 哲彦*
Catalysis Communications, 9(2), p.311 - 314, 2008/02
被引用回数:33 パーセンタイル:62.85(Chemistry, Physical)ペロブスカイト型触媒LaFePdOにおいては、排出ガスの酸化還元雰囲気変動による結晶内外へのPdの移動によって貴金属粒子の成長が抑えられる。Pdの実際の移動を直接観察するために、Pdの周りの局所構造の時間発展の様子を10ミリ秒の時間分解能でエネルギー分散型X線吸収スペクトルの微細構造(DXAFS)のその場観察により調べた。Pdの構造変化は実際のガソリンエンジンの制御周波数(14Hz)に十分早く応答しており、また析出したPd粒子は極端に小さい。
田中 裕久*; 谷口 昌司*; 上西 真里*; 梶田 伸彦*; 丹 功*; 西畑 保雄; 水木 純一郎; 成田 慶一*; 木村 希夫*; 金子 公良*
Angewandte Chemie; International Edition, 45(36), p.5998 - 6002, 2006/09
被引用回数:172 パーセンタイル:94.89(Chemistry, Multidisciplinary)貴金属のペロブスカイト酸化物粒子への可逆な固溶析出現象を利用して、貴金属の使用量を削減しながら高性能な自動車触媒を創ることができる。パラジウムに引き続き、白金とロジウムに関しても自己再生機能を持たせることに成功した。
田中 裕久*; 上西 真里*; 谷口 昌司*; 丹 功*; 成田 慶一*; 木村 希夫*; 金子 公良*; 西畑 保雄; 水木 純一郎
Catalysis Today, 117(1-3), p.321 - 328, 2006/09
被引用回数:195 パーセンタイル:98(Chemistry, Applied)インテリジェント触媒の貴金属の自己再生機能は1970年代以降の自動車触媒の歴史において画期的な技術である。その自己再生機構はXAFS解析によって研究される。それは現実の自動車排ガス中の酸化還元雰囲気変動に同期して起こる、ペロブスカイト構造の内(Pd陽イオン)と外(Pdナノ粒子)の変化によって実現している。結果として、Pd粒子の成長は自動車の使用期間中ずっと抑制される。そのうえ、その変化の早さがエネルギー分散型XAFSのその場観察で10ミリ秒の時間分解能で測定された。そして自己再生がかなり早く起こっていることが判明した。さらに、Pd同様にRhとPtでも自己再生機能を持つ新しい触媒ができた。自己再生機能は将来の触媒技術の設計指針を与える。
田中 裕久*; 丹 功*; 上西 真里*; 谷口 昌司*; 西畑 保雄; 水木 純一郎
Key Engineering Materials, 317-318, p.827 - 832, 2006/08
革新的なPdペロブスカイトである「インテリジェント触媒」が開発された。これはPdナノ粒子の自己再生機能により耐久性が大幅に改善されたものである。Pdペロブスカイト触媒はアルコキシド法で作製され、SPring-8での80億電子ボルトの放射光を利用してX線吸収実験が成された。Pdは酸化雰囲気中ではペロブスカイト格子のBサイトを占有し、還元雰囲気中では析出し、金属ナノ微粒子を形成する。触媒は排ガスの酸化還元変動中でもペロブスカイト構造を維持しており、Pdの周りの局所構造は完全に可逆的に変化している。Pdのペロブスカイト格子の内外への出入りのため、金属粒子の成長は抑制される。この機能は、ガソリンエンジンの排ガス中で典型的に起こるゆらぎの中で、自動車触媒を活性状態に修復させることができる。その場観察を含むXAFS解析により、Pdの自己再生機能は低温から高温域まで、非常に広い温度範囲で起こっていることがわかった。インテリジェント触媒は貴金属の需要供給問題の一つの解であり、触媒技術の世界標準になることが期待される。
丹 功*; 谷口 昌司*; 田中 裕久*; 上西 真里*; 梶田 伸彦*; 西畑 保雄; 水木 純一郎; 新原 晧一*
Key Engineering Materials, 317-318, p.833 - 836, 2006/08
Pdが自己再生する、Coを使わないLaFePdOペロブスカイト触媒が開発された。その金属粒子成長抑制能力と触媒活性がLaFeCoPdOと比較された。900Cの排ガス中での耐久後にXAFSとTEMで観察し、LaFePdOのPdはナノサイズを維持しており、ライトオフ試験の結果も優秀であることが確認された。さらに触媒変換器のデザインも、実環境下において自己再生機能が最大限に発揮できるように検討された。
田中 裕久*; 丹 功*; 上西 真里*; 谷口 昌司*; 木村 希夫*; 西畑 保雄; 水木 純一郎
Journal of Alloys and Compounds, 408-412, p.1071 - 1077, 2006/02
被引用回数:51 パーセンタイル:88.62(Chemistry, Physical)自動車用ガソリンエンジンからの排ガスは酸化還元変動を伴っているが、排ガスを無毒化するために完全燃焼に近い条件で動作している。LaFePdOペロブスカイト触媒は「インテリジェント触媒と命名され、自動車排ガス中の自然な雰囲気変動の中で貴金属の自己再生の能力をもっている。アルコキシド法で作成されたペロブスカイト触媒のLaはAサイトに位置する。Pdは酸化雰囲気中ではBサイトに位置し、還元雰囲気中では金属微粒子となって析出する。その酸化還元変動中でもペロブスカイト構造は全体として保たれる一方で、Pdの周りの局所構造は全く可逆に変化する。その結果、Pd金属粒子の肥大化は抑制される。また200Cもの低温でも自己再生機能が働いていることがわかった。高活性が維持されるため、Pdの必要量が激減した。この技術は触媒設計の新しい世界標準として期待される。
内藤 一哉*; 田中 裕久*; 谷口 昌司*; 上西 真里*; 丹 功*; 梶田 伸彦*; 高橋 一郎*; 鈴木 啓将*; 成田 慶一*; 平井 章雅*; et al.
SAE 2006 World Congress & Exhibition Technical Papers, 8 Pages, 2006/00
2種類のRhペロブスカイトであるLaFeRhOとCaTiRhOの自己再生について調べ、CaTiRhOが優れた自己再生機能を有していることを見つけた。Pdペロブスカイトと同様の組成であるLaFeRhOでは、Rhはペロブスカイト構造中で安定であるために、高温の還元雰囲気中でもほとんど析出してこない。一方で、ABO型であるCaTiRhOでは、還元雰囲気中で実際に多くのRhが析出した。そして再酸化雰囲気中では、析出したすべてのRhがもとのペロブスカイト格子中に戻った。Pd及びRhのインテリジェント触媒を用いた触媒変換器は耐久試験後でも高い触媒活性を維持し、Rh及びPdの大幅な使用量削減を可能とする。
田中 裕久*; 上西 真里*; 丹 功*; 木村 希夫*; 水木 純一郎; 西畑 保雄
SAE 2001 World Congress Paper; Advanced Catalytic Converters and Substrates for Gasoline Emission Systems (SP1573), p.1 - 8, 2001/00
ペロブスカイト型酸化物を基本としたセラミックス触媒が開発された。この触媒は特別な処理を必要とせず、通常の使用条件下で、貴金属の自己再生という新しい機能を実現するために原子レベルで制御されている。