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田力 正好*; 安江 健一; 柳田 誠*; 古澤 明*; 田中 義文*; 守田 益宗*; 須貝 俊彦
地理学評論, 84(2), p.118 - 130, 2011/03
過去10万年間程度の隆起量の推定手法の整備は、地質環境の長期安定性研究の重要な課題である。東北日本では、気候変動に連動して形成された河成段丘の比高を用いて隆起速度が広く推定されているが、西南日本においては、気候変動に伴って形成された河成段丘はほとんど報告されていない。本研究においては、西南日本の比較的小起伏な山地丘陵を流域とする土岐川沿いの河成段丘を対象とし、東北日本と同様な河床変動が生じているかどうか検討した。空中写真判読,C年代測定,火山灰分析,花粉分析を行い、段丘の形成時期と形成環境を推定した結果、土岐川流域の河成段丘は気候変動に連動した河床変動の結果として形成されたことがわかった。段丘面の比高から最近10万年程度の土岐川流域の隆起速度は0.11-0.16m/千年と推定された。