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論文

Incommensurate helimagnetic structure of Ba(Fe$$_{1-x}$$Sc$$_{x}$$)$$_{12}$$O$$_{19}$$ determined by single-crystal neutron diffraction

田中 誠也*; 鬼柳 亮嗣; 石川 喜久*; 天児 寧*; 飯山 拓*; 二村 竜祐*; 丸山 建一*; 内海 重宣*

Physical Review Materials (Internet), 7(1), p.014403_1 - 014403_11, 2023/01

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Materials Science, Multidisciplinary)

Sc-substituted hexagonal ferrite Ba(Fe$$_{1-x}$$Sc$$_{x}$$)$$_{12}$$O$$_{19}$$ has an incommensurate helimagnetic structure. However, the incommensurate helimagnetic structure has not been sufficiently determined, and the mechanism via which the helimagnetism develops has not been studied. Time-of-flight single-crystal neutron diffraction measurements were performed on single-crystal samples of Ba(Fe$$_{1-x}$$Sc$$_{x}$$)$$_{12}$$O$$_{19}$$ with Sc concentrations of x = 0, 0.128, 0.153, and 0.193. The magnetic structure analyses revealed that the helimagnetic structure of Ba(Fe$$_{1-x}$$Sc$$_{x}$$)$$_{12}$$O$$_{19}$$ is a cone type whose base is in the ab plane and height is in the c-axis direction. The magnetic moments of Fe2(4$$e$$), Fe4(4$$f_{2}$$), and Fe5(12$$k$$) are aligned with distinct angles, leading to the helimagnetic structure of Ba(Fe$$_{1-x}$$Sc$$_{x}$$)$$_{12}$$O$$_{19}$$, and can be explained by assuming that there is an antiferromagnetic superexchange interaction $$J_{5}$$ between Fe2(4$$e$$) and Fe5(12$$k$$) that is negligible in the x = 0 crystal. The shorter bond distance of Fe2-O1 in Sc-rich crystals revealed by the crystal structure analyses enhances the superexchange interaction $$J_{5}$$. The relatively strong $$J_{5}$$ leads to competition among the three superexchange interactions, $$J_{3}$$, $$J_{4}$$, and $$J_{5}$$, resulting in the development of the helimagnetic structure. These findings facilitate the understanding of the essentials of the basic magnetic material BaFe$$_{12}$$O$$_{19}$$.

論文

Magnetic phase diagram of helimagnetic Ba(Fe$$_{1-x}$$Sc$$_{x}$$)$$_{12}$$O$$_{19}$$ (0 $$leq$$ x $$leq$$ 0.2) hexagonal ferrite

丸山 建一*; 田中 誠也*; 鬼柳 亮嗣; 中尾 朗子*; 森山 健太郎*; 石川 喜久*; 天児 寧*; 飯山 拓*; 二村 竜祐*; 内海 重宣*; et al.

Journal of Alloys and Compounds, 892, p.162125_1 - 162125_8, 2022/02

 被引用回数:2 パーセンタイル:12.81(Chemistry, Physical)

Hexagonal ferrite Ba(Fe$$_{1-x}$$Sc$$_{x}$$)$$_{12}$$O$$_{19}$$ is an important magnetic oxide material in both science and engineering because it exhibits helimagnetism around room temperature (300 K). In this study, the magnetic phase diagram of Ba(Fe$$_{1-x}$$Sc$$_{x}$$)$$_{12}$$O$$_{19}$$ consisting of ferri-, heli-, antiferro-, and paramagnetic phases has been completed through magnetization and neutron diffraction measurements. The magnetic phase transition temperature to paramagnetism decreases with the increase in x, and the temperature at which the magnetization reaches a maximum, which corresponds to the magnetic phase transition from heli- to ferrimagnetism, is determined for low x crystals. The temperatures at which helimagnetism appears are precisely determined by observing the magnetic satellite reflection peaks in neutron diffraction at various temperatures, which characterize helimagnetism. Based on these results, the magnetic phase diagram of the Ba(Fe$$_{1-x}$$Sc$$_{x}$$)$$_{12}$$O$$_{19}$$ system is constructed in the T-x plane. Helimagnetism appears at x $$>$$ 0.06, and magnetism with antiferromagnetic components appears as the extension phase of helimagnetism at x $$>$$ 0.19 through the coexistence region. The turn angle $$phi_{0}$$ of the helix for each x crystal is calculated from the relationship, $$phi_{0} = 2pidelta$$, where $$delta$$ is the incommensurability. The turn angle $$phi_{0}$$ decreases with the increase in temperature for the same x crystal, and increases with the increase in x at the same temperature. Furthermore, it is found that there are clear thresholds at which $$phi_{0}$$ cannot take values between 0$$^{circ}$$ < $$phi_{0}$$ < 90$$^{circ}$$ and 170$$^{circ}$$ < $$phi_{0}$$ < 180$$^{circ}$$.

論文

Flux growth and magnetic properties of helimagnetic hexagonal ferrite Ba(Fe$$_{1-x}$$Sc$$_{x}$$)$$_{12}$$O$$_{19}$$ single crystals

内海 重宣*; 田中 誠也*; 丸山 建一*; 天児 寧*; 鬼柳 亮嗣; 中尾 朗子*; 森山 健太郎*; 石川 喜久*; 他9名*

ACS Omega (Internet), 5(38), p.24890 - 24897, 2020/09

 被引用回数:5 パーセンタイル:22.76(Chemistry, Multidisciplinary)

六方晶フェライトBa(Fe$$_{1-x}$$Sc$$_{x}$$)$$_{12}$$O$$_{19}$$の磁気構造を解明し、さらなる応用開発を進めるためには、大型の高品質な単結晶を育成することが重要な第一歩である。本研究では、Na$$_{2}$$O-Fe$$_{2}$$O$$_{3}$$フラックスを使用した自発結晶化法によって、さまざまなSc濃度$$x$$のBa(Fe$$_{1-x}$$Sc$$_{x}$$)$$_{12}$$O$$_{19}$$単結晶の育成に成功した。得られた結晶は、高品質の単相Ba(Fe$$_{1-x}$$Sc$$_{x}$$)$$_{12}$$O$$_{19}$$であることがX線回折と元素分析により確認され、$$x$$ = 0.128結晶の77Kの磁化測定では、ヘリマグネティックな挙動を示すことがわかった。$$x$$=0.128結晶の中性子回折測定の結果、211K以下で磁気衛星反射が確認され、Ba(Fe$$_{1-x}$$Sc$$_{x}$$)$$_{12}$$O$$_{19}$$がヘリ磁性物質であることが確認された。

論文

放射性廃棄物の地層処分における国内の地下水コロイド研究の現状と今後の展開

長尾 誠也*; 新堀 雄一*; 田中 忠夫; 佐々木 隆之*; 斉藤 拓巳*; 桐島 陽*; 吉川 英樹; 飯島 和毅; 濱 克宏; 岩月 輝希; et al.

原子力バックエンド研究(CD-ROM), 20(1), p.3 - 14, 2013/06

本研究は、放射性廃棄物の地層処分における国内の地下水コロイドの影響評価研究の現状について各研究機関での研究を紹介し、実質的なネットワーク化と性能評価におけるコロイド影響の取り扱い方等について、今後の研究の方向性に関する提案を取りまとめた。具体的には、地下水コロイドの特性、地下環境における真性コロイドや擬似コロイドの移行挙動、国内における地下水コロイド研究の取り組み、コロイド評価の体系化、フィールド調査と実験室研究の連携、研究ネットワーク構築の必要性などについて解説するとともに、コロイド研究を展開するにあたって専門家が共有化しておくべき方向性を示した。

論文

Complexation of Am with size-fractionated soil humic acids

長尾 誠也*; 青山 正和*; 渡辺 彰*; 田中 忠夫

Colloids and Surfaces A; Physicochemical and Engineering Aspects, 347(1-3), p.239 - 244, 2009/09

 被引用回数:7 パーセンタイル:16.49(Chemistry, Physical)

環境中に遍在するフミン酸等の腐植物質は、水環境中での放射性核種の地球化学的挙動、特に腐植物質との反応性に富むアクチニドの環境中移行挙動に重要な役割を果たす。本研究では、腐植物質とAmの錯形成特性を腐植物質の構造と関連付けて検討した。フミン酸は、3種類の土壌から抽出し、さらに蛍光が弱い高分子量画分と蛍光が強い低分子量画分の構造的特徴の異なる2種類にそれぞれ分離した。錯形成実験は、フミン酸濃度10mg/l, pH6-8,イオン強度0.01Mの溶液条件で行った。蛍光が弱い高分子量画分が共存する条件下でのAmは、450nm-100k Daltons及び100k-30k Daltonsのサイズ領域中に支配的に存在した。一方、蛍光が強い低分子量画分が共存する条件下でのAmは、30k-10k Daltonsのサイズ領域中に存在した。これらの結果から、フミン酸の構造的特徴がAmとの錯形成に関与していることが示唆される。

論文

Operating experience of the J-PARC linac

長谷川 和男; 浅野 博之; 千代 悦司; 堀 利彦; 伊藤 崇; 小林 鉄也; 近藤 恭弘; 滑川 裕矢; 小栗 英知; 大越 清紀; et al.

Proceedings of 24th International Linear Accelerator Conference (LINAC 2008) (CD-ROM), p.55 - 57, 2009/00

J-PARCリニアックは2006年11月にビームコミッショニングを開始し、2007年1月には所定のエネルギーである181MeVの加速に成功した。その後、リニアックは後段の3GeVシンクロトロンのビームコミッショニングのためのビームを供給し、さらに下流の50GeVシンクロトロンや中性子ターゲットのコミッショニングにもビームが用いられた。イオン源はセシウム不使用の負水素イオン源であり、安定なビームを供給し運転時間は3,000時間を越えた。高周波源としては20台の324MHzクライストロンを使用し、平均で6000時間以上、大きなトラブルなく運転を実証した。ここでは、こうしたJ-PARCリニアックの運転経験について報告する。

論文

Molecular size distribution of Pu in the presence of humic substances in river and groundwaters

長尾 誠也*; 坂本 義昭; 田中 忠夫; Rao, R. R.*

Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 273(1), p.135 - 139, 2007/07

 被引用回数:3 パーセンタイル:25.12(Chemistry, Analytical)

放射性核種の地下水中での溶存形態は、地下水を経由して移行する放射性核種の挙動を評価・予測するうえで重要な情報である。本研究では、環境中での溶存形態が多様であるPuに着目して溶存有機物の影響を評価するため、河川水,地下水,湖水から分離精製した7種類の腐植物質と錯形成したPuの溶存形態を分子サイズの観点から検討した。腐植物質濃度10mg/lの水溶液に4価のPuを添加し1週間反応させた後、分子サイズ100000, 30000, 10000, 5000daltonsのフィルターで限外ろ過し、画分中のPuと有機物の存在割合を比較した。各画分中におけるPuの存在割合は、7種類の腐植物質について全く異なる分布傾向を示したが、別途手法で確認した腐植物質の存在割合の傾向と同じであり、腐植物質がPuの化学形態を支配する重要な要因であることを示した。また、各画分中のPu濃度と腐植物質濃度の相関性を調べた結果、一部の腐植物質について、10000から30000daltonsの腐植物質にPuが選択的に濃集されており、Puの溶存形態を支配するのは分子サイズだけではなく、併せて官能基の種類や不均一性も重要な要因であることを示した。

報告書

「放射性廃棄物処分研究のためのネットワーク」第1回情報交換会講演資料集(共同研究)

中山 真一; 長崎 晋也*; 稲垣 八穂広*; 大江 俊昭*; 佐々木 隆之*; 佐藤 正知*; 佐藤 努*; 田中 知*; 杤山 修*; 長尾 誠也*; et al.

JAEA-Conf 2007-003, 120 Pages, 2007/03

JAEA-Conf-2007-003.pdf:53.18MB

「放射性廃棄物処分研究のためのネットワーク」は、放射性廃棄物処分のための基礎研究を促進し、また若手研究者を育成することを目的として、日本原子力研究開発機構の「連携重点研究」制度をその枠組みとして設立された研究者ネットワークである。その第1回情報交換会が、2006年8月4日、日本原子力研究開発機構の原子力科学研究所において開催された。本講演資料集は、本課題の第1回情報交換会における発表、及び討論をまとめたものである。

論文

J-PARC LLRFのPLC制御

鈴木 浩幸; 千代 悦司; 伊藤 崇; 小林 鉄也; 長谷川 和男; 穴見 昌三*; 山口 誠哉*; 道園 真一郎*; Fang, Z.*; 内藤 富士雄*; et al.

Proceedings of 4th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan and 32nd Linear Accelerator Meeting in Japan (CD-ROM), p.513 - 515, 2007/00

大強度陽子加速器(J-PARC)のLinacは現在、BUNCHER1$$sim$$2, CHOPPER, RFQ, DTL1$$sim$$3, SDTL1$$sim$$15, DEBUNCHER1$$sim$$2で構成されており高周波源としKlystoron20台,半導体アンプ4台の計24台が稼動している。それらの主な制御の中核にはPLCを使っており、低電力高周波の制御もPLCで行っている。今回、新たにビーム加速運転の効率化のために、3つの制御モード,SlowStart機能,QuickRecovery機能,自動チューナー制御機能をPLCに付加した。今までインターロックによるビーム遮断に対しては加速器全体に少なからず影響を与えていたが、今回この3つの機能を追加したことによりほとんどが自動化されビーム遮断に対しての影響、ビームが加速できるまでの待ち時間を最小にすることが可能になった。本発表ではこれらの3つの機能を紹介するとともに、低電力高周波のPLCの現状についても紹介する。

論文

加速空洞チューナーコントローラのノイズ対策

鈴木 浩幸; 千代 悦司; 伊藤 崇; 長谷川 和男; 穴見 昌三*; 山口 誠哉*; 道園 真一郎*; Fang, Z.*; 内藤 富士雄*; 田中 宏和*

Proceedings of 3rd Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan and 31st Linear Accelerator Meeting in Japan (CD-ROM), p.493 - 495, 2006/00

J-PARC用加速空洞自動チューナーコントローラは加速空洞内の共振周波数を調整するための装置で温度による共振周波数のズレをカップの出し入れによって制御する装置である。しかしチューナーの現在位置(カップの挿入量)を計測する方式はポテンションメータからのアナログ値を使い表示させているため、ノイズによる影響が顕著に表れる。そのため、RFの要求スペック324MHzに対してチューナー感度10ミクロン(位相では0.17DEG)と言う精度での制御が確保することが難しいことから、チューナーコントローラのノイズ対策を施した。それにより対策前のノイズのふらつき$$pm$$30ミクロンが対策後は$$pm$$10ミクロンまで精度が上がった。

論文

KEKにおけるJ-PARC LINAC DTL1のビームコミッショニング

近藤 恭弘; 秋川 藤志; 穴見 昌三*; 浅野 博之*; 福井 佑治*; 五十嵐 前衛*; 池上 清*; 池上 雅紀*; 伊藤 崇; 川村 真人*; et al.

Proceedings of 1st Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan and 29th Linear Accelerator Meeting in Japan, p.156 - 158, 2004/08

現在KEKにおいて、J-PARCリニアックのDTL1のビームコミッショニングが行われている。ピーク電流30mA,パルス幅20micro-sec,繰り返し12.5HzのビームをDTL1から透過率100%で引出し、設計値通りの19.7MeVに加速されていることを確認した。本発表では、DTL1のビームコミッショニングで現在までに得られている結果を発表する。

論文

Sorption behavior of plutonium(IV) onto soils in the presence of humic acid

田中 忠夫; 長尾 誠也; 坂本 義昭; 小川 弘道

Journal of Nuclear Science and Technology, 39(Suppl.3), p.524 - 527, 2002/11

Puの吸着に及ぼすフミン酸の影響について、フミン酸を吸着しない海岸砂及びフミン酸を良く吸着するクロボク土を用いてフミン酸の分子サイズとの関連から検討した。Puの海岸砂への吸着能はフミン酸濃度が高くなるにしたがって低下した。一方、クロボク土への吸着能は極低濃度のフミン酸を共存する場合に最も高くなり、フミン酸濃度の増加とともに減少した。また、吸着前後における液相中のPuとフミン酸の分子サイズを限外濾過法によって調べた結果、フミン酸のPuとの錯形成能と土壌への吸着能は分子サイズによって異なり、これらに支配的な分子サイズはフミン酸濃度が高くなるにしたがって小さなサイズ領域にシフトすることを明らかにした。

論文

Attenuated Total Reflection Fourier Transform Infrared (ATR-FTIR) spectroscopy of functional groups of humic acid dissolving in aqueous solution

田中 忠夫; 長尾 誠也; 小川 弘道

Analytical Sciences (CD-ROM), 17(Suppl.), p.1081 - 1084, 2002/03

溶存状態にあるフミン酸官能基のFTIRスペクトル分析を試みた。脂肪族構造を主に有するもの及び芳香族構造を主に有するものとの2種類のフミン酸について、pH2から10の水溶液に溶存させた状態でATRスペクトルを測定した。また、これらフミン酸を凍結乾燥させ粉体状に精製し、一般的に用いられている透過法及び拡散反射法でFTIRスペクトル測定した。3通りの方法で測定したFTIRスペクトルを比較した結果、主要な官能基に起因する吸収波数はお互いに一致し、ATR法を用いることにより、フミン酸の官能基を溶存状態で分析できることを示した。

論文

Molecular size distribution of Np, Pu and Am in organic rich, saline groundwater

長尾 誠也; 田中 忠夫; 中口 譲*; 鈴木 康弘*; 村岡 進; 平木 敬三*

Understanding and Maraging Organic Matter in Soils, Sediments and Waters, p.525 - 532, 2001/00

地下水に存在する有機物はアクチニド元素と錯形成し、地層中における放射性核種の移行挙動に影響を及ぼす可能性が指摘されている。本研究では、アクチニド元素(Np,Pu及びAm)を対象に地下水に存在する有機物との錯体の特性を分子サイズの観点から考察した。実験には有機物濃度が高く、海水の化学組成に近い地下水を用いた。地下水にアクチニド元素を添加し、有機物と錯体を形成させた後、限外ろ過により5つの分子サイズフラクションに分離し、上記核種の分子サイズ分布を見積もった。その結果、地下水中のNp,Pu及び有機物は分子サイズ3,000以下のフラクションに70~80%存在した。一方、Amについては分子サイズ10,000~5,000と3,000以下のフラクションにそれぞれ33%と29%存在した。これらの結果は、核種による有機物と重炭酸との錯体の選択性の違い、有機物の分子サイズフラクションとの錯体の選択性の違いを反映している。

論文

Associaton of actinides with dissolved organic materials in organic-rich groundwaters

長尾 誠也; 坂本 義昭; 田中 忠夫; 小川 弘道

Proceedings of OECD/NEA Workshop on Evaluation of Speciation Technology, p.181 - 188, 1999/00

天然水中において、重金属やアクチノイドはさまざまな分子サイズ、電荷等の複雑な物理化学的な溶存形態を有している。地圏におけるこれらの元素の動態は土壌、岩石との複雑な物理化学的反応に支配され、元素の溶存形態によりその反応が異なる。そのため、これらの元素の移行挙動を予測するためには、溶存形態を把握することが重要となる。本研究では、アクチノイドの溶存形態の支配因子の1つと考えられている有機物に着目し、有機物濃度及びイオン強度が異なる3つの地下水にPuとAmを添加し、形成される疑似コロイド及び錯体の特性を検討した。その結果、腐植物質に富む地下水では、加水分解を起こすpH領域にもかかわらず、PuとAmは腐植物質と疑似コロイドを形成した。また、腐植物質の濃度が低く、タンパク質が存在する地下水では、Amは粒子として沈着するが、Puはタンパク質様物質とコロイドを形成することが確認された。

論文

Distribution coefficient in the sorption of radionuclides onto Ando soil in the presence of humic acid; Influence of the molecular size of humic acid

田中 忠夫; 長尾 誠也; 坂本 義昭; 大貫 敏彦; S.Ni*; 妹尾 宗明*

Journal of Nuclear Science and Technology, 34(8), p.829 - 834, 1997/08

 被引用回数:15 パーセンタイル:73.84(Nuclear Science & Technology)

クロボク土と$$^{60}$$Co、$$^{85}$$Sr及び$$^{241}$$Amの相互作用に及ぼすフミン酸の影響について、フミン酸の分子サイズに着目して調べた。$$^{60}$$Coの分配係数(K$$_{d}$$)はフミン酸の共存によってほとんど影響を受けなかったが、$$^{85}$$SrのK$$_{d}$$は共存するフミン酸の濃度が高くなるに従って大きくなった。一方、$$^{241}$$AmのK$$_{d}$$は、クロボク土に対するフミン酸のK$$_{d}$$と同様に、共存するフミン酸の濃度が高くなるに従って小さくなった。水溶液中で、$$^{241}$$Amは分画分子量30,000~100,000のサイズのフミン酸と安定な結合体を選択的に形成したが、$$^{60}$$Co及び$$^{85}$$Srは100,000以下のサイズのフミン酸と$$^{241}$$Amに比べて弱く結合することが分かった。これらの結果から、$$^{60}$$Coや$$^{85}$$SrのK$$_{d}$$は陽イオンとフミン酸結合体の両化学種の収着によって主に支配されるが、$$^{241}$$AmのK$$_{d}$$はクロボク土に対するフミン酸の収着及び間隙による機械的な捕獲によって制御されることが示された。

報告書

Molecular size distribution of Np(V)-humate

坂本 義昭; 長尾 誠也; 田中 忠夫

JAERI-Research 96-055, 14 Pages, 1996/10

JAERI-Research-96-055.pdf:0.64MB

放射性廃棄物の安全評価においては、地下水での放射性核種の溶存形態が重要となる。地下水に溶存しているフミン酸は放射性核種と錯形成して、放射性核種の溶存形態に影響を及ぼすことが知られている。そこで本研究では、Np(V)の溶存形態に及ぼすフミン酸の影響として、フミン酸の分子量分布の影響について検討した。フミン酸及びNp(V)-humateの分子量分布を限外ろ過フィルターにより測定した結果、フミン酸の分子量分布がイオン強度により変化してもNp(V)-humateの分子量は主に10,000~30,000daltonsの範囲にあった。更に分子量毎にNp(V)-humateの安定度定数を測定した結果、10,000~30,000daltonsの分子量にあるNp(V)-humateの値が大きく、Np(V)とフミン酸の錯形成においては、このような特性の分子量にあるフミン酸とNp$$_{20+}$$の相互作用が重要であることが示唆された。

論文

Influence of molecular size of humic acid on the sorption of radionuclides onto ando soil

田中 忠夫; 長尾 誠也; 坂本 義昭; 大貫 敏彦; S.Ni*; 妹尾 宗明

放射性廃棄物研究, 3(1), p.41 - 47, 1996/08

0~130mg/lのフミン酸(HA)を共存させた条件下で、HAを良く収着するクロボク土への$$^{60}$$Co、$$^{85}$$Sr及び$$^{241}$$Amのバッチ法収着実験を行った。また、これら核種と5000~30000、30000~100000及び$$>$$100000MWの分子量に分画したHAフラクションとの反応性を調べるとともに、これら分画HAの官能基をFTIR及びNMRスペクトルから特定した。$$^{60}$$Co及び$$^{241}$$Amの収着平衡定数KはHAのそれより大きく、共存HA濃度が増すに従って小さくなった。一方、$$^{85}$$SrのKはHAより小さく、共存HA濃度に伴って大きくなった。これら核種は芳香族系のCOOH、OHを主な官能基とする30000~100000MWのHAと優先的に反応し、この分画フラクション中の核種濃度は、収着実験によって選択的に著しく減少した。これは、クロボク土への放射性核種の収着が30000~100000MWのHAによって制御されている可能性を示唆している。

論文

Sorption of europium(III)-humate complexes onto a sandy soil

長尾 誠也; 田中 忠夫; 坂本 義昭; 妹尾 宗明

Radiochimica Acta, 74, p.245 - 249, 1996/00

高分子の有機物であるフミン酸はTRU元素等の放射性核種と比較的高い錯体形成能を有しているため、地層中における放射性核種の移行挙動を支配する要因の1つと考えられている。本研究では、TRU元素とフミン酸の錯体形成及びフミン酸共存下におけるTRU元素の土壌への収着に及ぼすフミン酸の影響を明らかにするため、分子量分布及び官能基組成が異なる4つのフミン酸を用い、Eu(III)とフミン酸の錯体形成及びそれら錯体の土壌への収着挙動をバッチ実験により調べた。その結果、フミン酸は砂質土壌へほとんど収着しないが、Eu(III)はフミン酸が共存しない場合、約95%収着した。一方、Eu(III)-フミン酸錯体の収着実験において、Eu(III)は85-96%、フミン酸は50-97%土壌へ収着した。これらの結果は、Eu-フミン酸錯体が砂質土壌へEuを介して収着していることを示唆している。

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